東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1964年
公開日:1964年2月1日 併映「柔道一代 講道館の鬼」
監督:内出好吉
企画:神戸由美 俊藤浩滋
原案:野上竜雄
脚本:若井基成
撮影:羽田辰治
照明:中村清
録音:矢部吉三
美術:塚本隆治
編集:堀池幸三
音楽:小沢秀夫
助監督:原田隆司
記録:墨はつ子
装置:近藤幸一
装飾:清水悦夫
美粧:佐々木義一
結髪:西山節子
衣裳:荒堀実秋
擬斗:島義一
進行主任:中川卓磨
出演:藤田まこと 品川隆二 藤純子 山城新伍 芦屋雁之助
シネマスコープ モノクロ 82分
丹波篠山村生まれのチャッキリ藤太はスリで御用となり浜松藩代官所の牢に入れられた。ようやく刑期が終わり釈放されたが、牢番の馬吉からいってらっしゃいと声を掛けられた。それもそのはず藤太が牢に戻ってきたのはこれで十七回目だったからだ。もう二度と捕まるようなヘマはしないと心に誓った藤太は元手を稼ぐためにカモを見つけることにした。すると如何にも間抜けそうな男が往来に立っており、すれ違い様に懐から財布をいただくことにしたのだが、藤太が手にしたのは十手だった。目明しの甚六に追われ路地に逃げ込んだがついに追い詰められる藤太。そこで機転を利かし神妙にしろと十手を向けると長屋の住人は皆甚六の方が泥棒だと思いこんだのだった。騒動の中を逃げ出した藤太は屋敷の塀を乗り越えるが、目の前には馬吉が立っていた。なんとそこは代官所だった。馬吉はにこやかにお帰りなさいと言った。
藤太が牢でおとなしく考え事をしていると同業で捕まった金次が話し掛けてきた。口論となりどっちがスリの技術が上か馬吉を使って腕比べをすることになった。居眠りをしている馬吉に火事だと呼び掛け、寝ぼけて近づいてきたところを狙って財布を抜いた。馬吉がいなくなると藤太は誇らしげに財布を見せたが、金次はいつの間にかその中身を抜き取っていたのだった。驚いた藤太はその方法を教えて欲しいと頭を下げるが、お前は人が好過ぎるから泥棒には向かないと一蹴した。だが一刻も早く牢から出たい二人は手を結び、何故かここに銭が落ちていると馬吉を呼び寄せた。それが自分の物とは気づかずに喜んでいる間に馬吉は帯から下がる鍵を抜き取ったのだった。馬吉が銭の計算をしている間にまず金次が逃げ、それに気づいて追い掛ける間に藤太が逃げた。作戦は成功したかに見えたが、役人の姿に怯えた藤太は建物の床下に隠れた。頃合いを見て逃げ出すつもりでいたが、休憩どころか寝入ってしまい気づくと日がとっぷりと暮れていた。困った藤太は床下から顔を覗かせるが、そこは甚六が住む官舎だった。藤太は諦めてお縄についた。その頃、金次は待ち合わせる約束をした地蔵の前にいたが、いくら待っても藤太が来ないため諦めて箱根に向かった。その途中の宿場に泊まった金次は武士の一団に絡まれるお八重という名の娘を助けたが、街道で偶然藤太と再会した。前科十九犯となりこれ以上浜松にいられては御上の手数が掛かり過ぎると所払いを言い渡されたのだった。藤太の顔を見たお八重は「あの方」に似ていると思った。
屋台的映画館
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