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TOKYO TRIBE

  • posted at:2020-12-16
  • written by:砂月(すなつき)
とーきょーとらいぶ
フロム・ファーストプロダクション=日活
配給:日活
製作年:2014年
公開日:2014年8月30日
監督:園子温
製作:小口文子 由里敬三
エグゼクティブプロデューサー:小口欽也 田中正
プロデューサー:千葉善紀 飯塚信弘
アソシエイトプロデューサー:小室直子
原作:井上三太
音楽:BCDMG
脚本:園子温
撮影:相馬大輔
照明:佐藤浩太
録音:渡辺真二
美術:林田裕至
装飾:坂本朗
編集:伊藤潤一
アクション監督:匠馬敏郎
アクションコーディネーター:角田明彦
音響効果:齋藤昌利
スクリプター:中村めぐみ
衣裳デザイン:松本智恵子
スタイリスト:前田勇弥
ヘアメイク:本田真理子
キャスティング:田端利江
ラップ指導:EGD SIMON Mary Jane(LUNA&TSUGUMI)
助監督:木ノ本豪
製作担当:有賀高俊
協力プロデューサー:増田真一郎
主題歌:「HOPE TOKYO TRIBE ANTHEM」YOUNG DAIS(N.C.B.B) SIMON Y’S&AI
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
制作協力:日活調布撮影所
出演:鈴木亮平 YOUNG DAIS 清野菜名 大東俊介 石田卓也
シネマスコープ カラー 116分

混沌の街トーキョーには様々なトライブ(族)が存在していた。渋谷にはシヴヤSARU、新宿にはシンヂュクHANDS、歌舞伎町にはGIRA GIRA GIRLS、練馬には練マザーファッカー、そして池袋にはブクロWU-RONZといった具合だ。それぞれのエリアを縄張りとするトライブは暴力によって絶妙な均衡が保たれていたが、それを乱していたのが友情や平和をモットーとする武蔵野のMusashino SARUの存在だった。シンヂュクHANDSでは戴冠式が行われ三代目のリーダーが巌に引き継がれた。戦国武将の兜を被ることになった巌は覚悟を決め、他のエリアへの侵攻を始めた。その動きを察知したシヴヤSARUは黙っておられず、練マザーファッカーも行動を開始した。

ブクロWU-RONZのバックには暴力団・仏波一家が控えていた。池袋を牛耳る巨漢の大物ヤクザ・ブッパは猫狩りと称し、政権与党・自由民民党議員の接待用の道具として女たちを集めていた。ブッパの一人息子のンコイは連れてきた女たちの中から気に入ったソンミを指名し部屋の家具にしたいと言った。危険を感じた彼女は抵抗したが、そのことがブッパの気に障り風俗店SAGAへ送られた。

ブクロWU-RONZのリーダー・メラは水と油の考え方であるMusashino SARUを一刻も早く潰そうと考えた。そこで仲間を彼らの溜まり場であるファミリーレストラン・ペニーズに潜り込ませ、ブクロにくれば女に不自由しないと吹聴した。ソンミの写真を見せられたキムはリーダのテラに内緒でブクロに向かうが、SAGAで待っていたのはメラだった。それが罠だと知らずに海とハシームを連れてブクロへ急ぐテラはキムの喉元にナイフを突きつけられていることでようやく事態を理解したのだった。昔の因縁で海とメラが戦う中、テラはハシームと協力してキムを解放した。ところがキムは隙を見てメラの命を狙い、返り討ちに遭って爆死した。そしてテラも窮地に陥った海を救うために命を落とした。海は笑いながら逃げるメラを追い掛け、ソンミは騒動に紛れ込んだ少年・ヨンに連れられて外に出た。

屋台的映画館
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とられてたまるか!?

  • posted at:2020-11-01
  • written by:砂月(すなつき)
とられてたまるか
フジテレビジョン
配給:東宝
製作年:1994年
公開日:1994年6月4日
監督:萩庭貞明
製作:村上光一
企画:堀口壽一
プロデューサー:小川晋一 茂庭喜徳
原作:斎藤ひろし
脚本:斎藤ひろし
音楽:井上堯之
撮影:高瀬比呂志
美術:斎藤岩男
録音:中村淳
照明:高柳清一
編集:冨田功
助監督:久保寺和人
製作担当:市村智保
プロダクションマネージャー:片岡毅允生
アシスタントプロデューサー:池田知樹 稲田秀樹
主題歌:「見つめていたい」J-WALK
製作協力:ライトヴィジョン
出演:武田鉄矢 田中美佐子 明石家さんま 吉田雅子 森田洸輔
アメリカンビスタ カラー 103分

横浜北区役所で区民相談係を担当する唯野一太郎は郊外の分譲地に念願のマイホームを建てた。一太郎は妻のゆり子、2人の子供・里香と祐太との4人暮らし。ゆり子は料理好きだが、はっきり言って味覚音痴だ。彼女の実家は大金持ちでその父親から頭金を出してもらっていることもあり負い目もある。ローンの返済が終わるのは2040年だ。だが一家の大黒柱として威厳を見せたい一太郎はどんなことがあっても文句を言わずに家族サービスに徹した。

1月25日深夜、全身黒ずくめの男が玄関先に立っていた。男はピッキングの道具を取り出すと鍵をいとも簡単に開け室内に侵入した。そうとは知らずに仕事に出掛けた一太郎は妻からある疑いを掛けられた。ゆり子が管理する生活費を入れた封筒から1万円札が消えており、その犯人が小遣いに困る一太郎だと考えたのだ。帰宅後、彼は警察に通報したが、やってきた高見巡査は少額の現金では足がつかないため犯人逮捕に期待しない方がいいかも知れないと言ってあっさりと帰って行った。里香たちが不安がる中、父親としての存在価値を示すチャンスだと考えた一太郎は、同僚・向井川の紹介で彼の兄が勤めるパーフェクトセキュリティーに警備を依頼することにした。専門家のアドバイスにより警備システムを完備した唯野家にもう怖いものはない。一太郎たちは安心して眠りについた。その頃、スポーツカーで乗りつけた男は家の周りを観察し、警備が手薄な箇所を見つけるとコンパスカッターでガラスを切り、防犯センサーのコードを切断して室内に侵入した。だが彼は致命的なミスを犯した。唯野家で新たに犬を飼い始めたことを知らなかったのだ。番犬のゴジによって辛うじて難を逃れたが、一太郎は恐怖のあまり腰を抜かし、その様子を家族に見られたことでプライドがズタズタに引き裂かれたのだった。

ゴジに恐れをなした泥棒はもう二度とくることはないだろうと一太郎は考えていた。だが男はその夜もやってきた。唯野家が男に狙われる理由。それは分譲地に一件しか建っていないからだ。ご近所さんから見られる心配がなく、物音を聞かれることもないのだ。ゴジを睡眠薬入りの肉を食べさせて難関を突破した彼は家族が起きてくるのを待ち、またきますと言って窓から逃げた。泥棒からの挑発に頭を抱える一太郎は、家族を守るために道場に通うことに決めた。だがそれだけでは不十分だと考えた彼は家の周囲を要塞のように徹底的に強化した。

屋台的映画館

透明剣士

  • posted at:2020-05-29
  • written by:砂月(すなつき)
とうめいけんし
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1970年
公開日:1970年3月21日 併映「ガメラ対大魔獣ジャイガー」
監督:黒田義之
企画:土田正義
脚本:吉田哲郎
撮影:今井ひろし
録音:中沢光喜
照明:美間博
美術:加藤茂
音楽:渡辺岳夫
編集:菅原完二
音響効果:倉島暢
擬斗:楠本栄一
助監督:大洲斉
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:酒井修 熱田洋子 岡八郎 桂三枝 横山やすし
シネマスコープ カラー 78分

夕月三四郎は父十兵ヱのような立派な剣士になろうと道場に通っていたが、生まれつき気が弱いこともあって剣術がなかなか上達しなかった。ある夜、夜警の際に十兵ヱが怪盗団に殺され、ひとりぼっちになった三四郎は行く末を悲観して橋の上から叫んだ。すると辺りが漆黒の闇に包まれ、再び目が効くようになると彼は賽の河原にいた。死神は十兵ヱを手招きすると舟を乗せ三途川に漕ぎ出したが、三四郎は思わず水に飛び込み追い掛けようとした。そこに現れた妖怪しょうけらは諦めるように説得し、力を貸してやるから勇気を出して敵を討てと元気づけた。深山に咲くチゴユリの花、幽谷の岩肌に生えるスッポンダケ、浜辺に打ち寄せるホンダワラの三つをどんなに苦労をしてでも集め、それらを月の出から日の出まで一晩中誰にも見られないように煮詰めると緑色の油が残る。それを進退窮まったときに三口飲み着物に数滴垂らせばどんなことでも出来るというのだ。しょうけらが姿を消すと辺りは再び暗くなり、それが晴れると三四郎は元居た橋の上に立っていた。

誰にも見られてはならぬというしょうけらの言いつけを守り諸国を回って材料を集めた三四郎は、長屋の連中に気づかれないように部屋へ帰ると戸につっかえ棒をして誰も入れないように細工した。日が暮れ天窓から月が見えると薬を作る準備を始め、竈に火を熾し釜に材料を入れると焦がさないように一晩中煮込むことにした。ところが三四郎はそのまま眠り込んでしまい、ニワトリが鳴く声が聞こえたときには空が白んでいた。慌てて飛び起きると竈の火は小さくなっており、辺りにくべる木がないことがわかると自分の下駄を放り込んだ。やがて日が上り釜の蓋を開けてみると底には緑色の油が溜まっていた。三四郎はそれを銚子に移すともうひと眠りすることにした。

大きな声がするため三四郎が目を覚ますと外では騒ぎが起きていた。乱暴な酔っ払いの浪人が狼藉を働き、十兵ヱの初七日の供養のために長屋の連中が銭を出し合って買った花や酒の入った徳利を壊したのだ。抵抗する熊さんを浪人が斬ろうとしたところ、部屋を飛び出した三四郎は仏に免じてお許しくださいと土下座した。浪人の怒りは鎮まることがなく、三四郎を慕うお鈴を連れて行こうとしたのだ。剣では太刀打ち出来ないと考えた彼はしょうけらの言葉を思い出し、部屋に戻ると銚子の薬を飲んだ。一口飲むと腕が消え、二口、三口と飲むと顔や体が消えた。そして着物に垂らすと姿が見えなくなった。浪人は突然目の前に現れた木刀に動揺し、桶の水を掛けられて困惑し、大八車に追い掛けられて逃げ出した。気を良くした三四郎の前に現れたしょうけらは仇討の確認をした。そして前向きであることがわかると薬の説明を始めた。薬の効果は半時で姿が現れる前にくしゃみが三度出る。最初のは薬が切れる予告で、着物が現れるのは二度目、三度目には全てが元に戻る。薬の残りはあと三回分。心して掛かれとしょうけらが言うと、三四郎は決意を固めた。

屋台的映画館

TRICK 劇場版 ラストステージ

  • posted at:2019-09-29
  • written by:砂月(すなつき)
とりっくげきじょうばんらすとすてーじ
テレビ朝日=東宝
配給:東宝
製作年:2014年
公開日:2014年1月11日
監督:堤幸彦
製作:平城隆司 市川南
共同製作:尾木徹 山本晋也 浅井賢二 長坂信人 茂田遥子
エグゼクティブプロデューサー:桑田潔 山内章弘
企画:林雄一郎 上田太地
CO.エグゼクティブプロデューサー:大川武宏
プロデューサー:高野渉 蒔田光治 佐藤善宏
ラインプロデューサー:渡邊範雄
協力プロデューサー:小久保聡 吉川大祐
コンテンツプロデューサー:村上弓
脚本:蒔田光治
音楽:辻陽
監督補:藤原知之
撮影:斑目重友
美術:稲垣尚夫
照明:川里一幸
映像:中村寿昌
録音:臼井久雄
記録:奥平綾子
編集:藤原知之
助監督:塩崎遵
装飾:山田好男
水中撮影:竹内茂
制作担当:篠宮隆浩
主題歌:「月光」鬼束ちひろ
制作協力:オフィスクレッシェンド
共同製作:プロダクション尾木 朝日放送 メ~テレ オフィスクレッシェンド 茂田オフィス
出演:仲間由紀恵 阿部寛 生瀬勝久 東山紀之 北村一輝
アメリカンビスタ カラー 112分

日本科学技術大学理工学部教授・上田次郎は村上商事資源第一本部の加賀美慎一と事業部長の有田雄一からある依頼をされた。村上商事は赤道スンガイ共和国のジャングル奥地に巨大なレアアースが眠っているのを発見し、スンガイ政府と交渉をして採掘権を獲得した。ところがこの地域に住む部族が立ち退きを拒否。それに対し村上商事側は相当の金銭と都市近郊の住宅を準備したのだが、部族側はそれすら受け入れようとしなかった。彼らは未来を予知したり人を呪い殺すことが出来る「ボノイズンミ」という呪術師を信奉しており、そのボノイズンミがここは聖なる土地であり他の者に渡すわけにはいかないと拒んでいることが障壁の原因だった。有田は現地での交渉の際に手荒な手段を取ろうとしたところ、ボノイズンミから1ヶ月以内に死ぬという呪いを掛けられた。その期限が今日なのだ。上田の力でトリックを暴いて部族の目を覚まして欲しいと加賀美は言ったが、突然有田が苦しみ出し変死した。

 「超美人天才マジシャン 決死の大脱出!とイルカジャンプの夕べ」というテレビ番組の出演依頼をされたマジシャンの山田奈緒子はスタッフから内容の説明を受けた。それは両手を縛られた状態の奈緒子が箱の中に入り30秒後に大爆発を起こすというものだった。最初は乗り気でなかったが、報酬が50万円と聞き目の色が変わった。水族館のプールには彼女の華麗なショーを見ようとたくさんの観客が押し掛けており、体を縛られた奈緒子も準備万端だった。ただひとつだけ疑問点が残った。それは脱出の仕掛けを聞いていなかったからだ。すると司会者は言った。「仕掛けがいるんですか?」と。奈緒子はマジックについて説明を始めようとしたが、時間となり強引にステージへ連れて行かれたのだった。大女優の仲間由紀恵にそっくりな超美人天才マジシャンと紹介され満更でもない奈緒子が強引に箱へ押し込まれると外からは鍵が掛けられた。そして30秒経過。ダイナマイトは爆発し、逃げ場のない奈緒子は死を覚悟した。その瞬間、底が開いて彼女は水中に放り込まれた。するとそこに現れた海パン姿のリポーターの手には「どっきりスペシャル」と書かれたプラカードが。奈緒子はテレビ朝目名物のどっきり番組のターゲットになったのだ。その番組が全国に放送され嘲笑の的になっていた頃、突然上田から電話が掛かってきた。怖いことが苦手な上田は、日本にいられない程恥ずかしいだろうと奈緒子を挑発し内容を説明せずにスンガイ旅行の約束を取りつけた。

奈緒子、上田、加賀美が到着すると空港には岩熊金属鉱業の資源開発者・川島治道と医師の谷岡将史が迎えにきていた。上田からガイドブックにも載っていない秘境へ連れて行くと言われた奈緒子は、川の上流にあるというムッシュム・ラー村に心をときめかせた。

屋台的映画館

トリック 劇場版2

  • posted at:2019-04-30
  • written by:砂月(すなつき)
とりっくげきじょうばんつー
テレビ朝日=東宝
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年6月10日
監督:堤幸彦
製作:早河洋 島谷能成
共同製作:尾木徹 水野文英
エグゼクティブプロデューサー:亀山慶二
プロデューサー:桑田潔 蒔田光治 佐藤毅 山内章弘
ラインプロデューサー:渡邊範雄
脚本:蒔田光治
監督補:木村ひさし
撮影:斑目重友 坂本将俊
美術:稲垣尚夫
映像:中村寿昌
照明:川里一幸
録音:中村徳幸
編集:伊藤伸行
音楽:辻陽
助監督:神徳幸治
制作担当:祷映 杉原奈実
スクリプター:奥平紋子
サウンドプロデューサー:志田博英
水中撮影:竹内一茂
アソシエイトプロデューサー:長坂信人
主題歌:「ラッキー・マリア」Joelle
制作協力:オフィスクレッシェンド
共同製作:プロダクション尾木=朝日放送
出演:仲間由紀恵 阿部寛 生瀬勝久 堀北真希 平岡祐太
アメリカンビスタ カラー 111分

「自称」超人気美人マジシャンの山田奈緒子は有名マジシャンのアシスタントを務めていたが、瞬間移動マジックでヘマをしてしまい、せっかく手に入れた仕事をクビになった。おかげで滞納しているアパートの家賃が払えなくなり、催促してくる大家の池田ハルを誤魔化すしかなかった。部屋に戻ると何故か上田次郎が勝手に上がり込んで一人で流しそうめんをしていた。彼は日本科学技術大学理工学部の教授で、奈緒子とともにインチキ霊能者のトリックを見破ってきたのだった。そんな上田がこの部屋にやってきたのは、巨万の富を手にすることが出来るかもしれなかったからだ。昨日、富毛村から建設事務所に勤める青沼和彦という青年が大学にやってきた。彼は上田が著した「どんと来い!超常現象」を読んで感銘を受け、10年前に行方不明になった西田美沙子という女性を捜して欲しいと依頼をしにきたのだ。和彦が小学生だった当時、かくれんぼをして遊んでいたときに美沙子は姿を消し、村総出で捜したが見つからなかった。そのときは沼に落ちたに違いないという結論に至ったが、半年前に生きていることがわかったのだ。銚子沖のアトウ海に浮かぶ小さな筺神島の再開発のために入った作業員の一人がそこで出会った若い女性から手紙を渡された。それが美沙子による自筆の手紙だったのだ。筺神島は筐神佐和子という霊能力者と教団「命運共同体 箱のゆーとぴあ」が支配しており、美沙子がそれらによって連れ去られたことが手紙で判明したのだ。「まもなく私は殺されます。どうか、助けてください」。その切実な内容の手紙を読んだ上田は興味を抱いたが、一人では心細いため奈緒子を誘いにきたのだ。面倒なことに巻き込まれたくない彼女は断るつもりでいたが、ハルが執拗に取り立てにくるため仕方なく協力することになった。

ゴムボートで筺神島に上陸した二人だったが、教団の幹部信者たちに拘束され本部の建物へ連れて行かれた。佐和子にお仕えしたいからきたと上田がとっさに嘘をつくと、幹部の佐伯周平は信者の伊佐野銀造を世話係に当てた。銀造はこの島の元からの住民で佐和子の霊能力には懐疑的だった。だが手を触れずに巨大な岩を崖の上に移動させるという力を3年前に目の前で見て以来、彼女の虜になったのだ。そして半年前、島の再開発と称して埠頭を建設しようとした建設業者に対し天罰が下ると佐和子が警告すると、強行に工事を進めようとした作業員は病気や事故で倒れたため皆気味悪がって島から逃げ出したのだ。その出来事は銀造の確信を更に強めることになった。巨岩に案内された奈緒子と上田は草に隠れた地面に妙に滑々した石があることに気づいた。

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