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どぶ鼠作戦

  • posted at:2022-08-15
  • written by:砂月(すなつき)
どぶねずみさくせん
東宝
配給:東宝
製作年:1962年
公開日:1962年6月1日 併映「続 社長洋行記」
監督:岡本喜八
製作:田中友幸 角田健一郎
脚本:岡本喜八
撮影:逢沢譲
美術:育野重一
録音:伴利也
照明:猪原一郎
音楽:佐藤勝
整音:下永尚
監督助手:山本迪夫
編集:黒岩義民
中国語指導:林冲
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当者:鈴木政雄
出演:加山雄三 夏木陽介 佐藤允 水野久美 田村奈己
シネマスコープ モノクロ 102分

北支最前線の三元守備隊に転属になった林一等兵は相棒の小豚と歩いて向かっていたが、その途中でひと休みしていると軍の輸送トラックが通り掛かった。行く場所が同じなので乗せて欲しいと頼むが、荷台は兵隊で満員だから乗せられないと運転兵に断られた。足を引きずる林がお礼に小豚をあげるから何とかして欲しいと言うと、運転兵の態度がコロリと変わりしょうがないと笑顔を見せた。ところが林はトラックのナンバープレートを見て気が変わった。その番号は「42259」、つまり「死にに行く」と読めるからだ。呆れた運転兵は小豚を返すとトラックをスタートさせるが、その先で大爆発を起こしたのだった。吹き飛んだトラックの残骸を見た林はホッと胸をなで下ろしたが、その近くで何食わぬ顔で作物を収穫している農民の姿を見つけた。林はサイコロで丁半博奕を行うことにした。勝てば荷物持ち、負ければ小豚を引き渡す。この勝負は林に軍配が上がった。

三元守備隊に到着すると林は申告を行おうとしたが、そこでは正宗中尉による作戦の説明が行われており外で待つように言われた。ところが少し目を離した際に小豚がいなくなり、捜し回っているうちに住宅街に迷い込んでしまった。だが彼の関心は見つけた小豚よりも男たちが囲む麻雀卓の方に移っていた。そこで林はあの農民と思わぬ再会をした。白という農民の正体は特務隊隊長の長船元軍曹で、今は白虎という名で五、六十人の中国人を従えていた。彼は敵の密偵長である無双と麻雀卓を囲み、彼の組織が行ったトラックの爆破が時限爆弾によるものという情報を得た。守備隊を訪れた白虎はそのことを正宗に報告するが、無双がこの近くにきているなんて馬鹿げた話だと呆れた。白虎は衛兵に無双の銃撃を命じていたが、敵もさるもの引っ掻くもの。銃弾を掻い潜って逃走した。その無双が手ぶらで帰るとは考えにくいと考えた白虎は部屋の何処かに時限爆弾が仕掛けられていることを突き止めた。だが秒針の音は聞こえるがその場所を特定することが出来ずやむなく全員を退避させた。

屋台的映画館
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東京原発

  • posted at:2022-07-19
  • written by:砂月(すなつき)
とうきょうげんぱつ
「東京原発」フィルムパートナーズ(グランプリ=バサラ・ピクチャーズ=日活=衛星劇場)
配給:ザナドゥー
製作年:2004年
公開日:2004年3月13日
監督:山川元
エグゼクティブプロデューサー:北川雅司 横濱豊行 川上國雄 石川富康
プロデューサー:池田哲也 石原真 西健二郎 福田豊治
ラインプロデューサー:山本章
音楽プロデューサー:長岡和弘
脚本:山川元
撮影:北澤弘之
美術:稲垣尚夫
照明:内原真也
音楽:崎谷健次郎
録音:米山靖
編集:阿部亙英
助監督:宮城仙雅
製作担当:森賢正
エンディング曲:「TOMORROW」崎谷健次郎
企画制作:アートマン
出演:役所広司 段田安則 平田満 田山涼成 菅原大吉
アメリカンビスタ カラー 111分

大胆な発言とド派手なパフォーマンスで都民から絶大な支持を得る天馬都知事はある日臨時会議を招集した。会議室に集められたのは津田副知事、笹岡産業労働局長、佐伯政策報道室長、石川都市計画局長、大野財務局長、泉環境局長の6人だった。意気揚々と入ってきた天馬は都の財政を一気に立て直す方法が見つかったと誇らしげに言った。これまでにやってきたのはいわば焼け石に水。それを解決するには東京に原子力発電所を誘致するのが一番だと言った。会議室が静まり返る中、最初に口を開いたのは佐伯だった。まさか本気ではないですよねと言うと、天馬は俺が冗談でこんなこと言うわけないじゃないかと叱った。彼が原発を誘致する理由、それはバラマキ法と批判される原子力発電施設等立地地域振興特別措置法を利用してバラマかれる側に回れば莫大な補助金が交付される上に公共事業の補助率が引き上げられる。おまけに自治体の借金返済のかなりの部分が地方交付税で手当てされ、製造業者へは税制の優遇もあるのだ。天馬は佐伯に今すぐ記者会見を開く準備をするよう命じるが、津田はもっと議論すべきだと提案した。そして議論はくだらないと主張する天馬に対し何故自分たちを招集したのかと問うと、観念して全員の意見を聞く気になった。当初は反対意見が大半を占めていたが、都民が大量の電気を使うことで福島や新潟の素晴らしい自然環境や景観が失われて行くことを考えればコンクリートジャングルの中に斬新な建造物が増えても問題ないと天馬が言うと次第に意見は賛成の方へ傾いて行った。原発施設を観光の目玉にすることも考えられるからだ。

タバコ休憩を終えて再び会議が始まると、天馬は他にもある利点を挙げた。都市部に発電所を造れば漁業権などの莫大な買収費用や長い距離の送電コストが必要なくなる。そうなれば企業の電力コストが大幅に下がり、利益が上がれば税収に繋がる。それが一般家庭にまで及べば消費が拡大し景気は上向き、税収も増えるのだ。原発が海に面しているのはタービンの冷却に海水を使用しているからだが、発電時に出た温排水を都内中に張り巡らせた熱パイプで循環させれば東京都は巨大な冷暖房都市に生まれ変わるのだ。だが問題はその原発を何処に建てるかだ。笹岡が恐る恐るその質問を口にすると、天馬は平然として新宿中央公園だと言った。

屋台的映画館

富江

  • posted at:2022-06-08
  • written by:砂月(すなつき)
とみえ
大映=アートポート
配給:大映
製作年:1999年
公開日:1999年3月6日
監督:及川中
製作:土川勉 松下順一 平田樹彦
企画:武内健 加藤東司
プロデューサー:清水俊 尾西要一郎 東康彦
原作:伊藤潤二
脚本:及川中
撮影:鈴木一博
録音:中山隆匡
照明:上妻敏厚
美術:大庭勇人 十時かの子
音楽:二見裕志 木村敏宏
エンディング・テーマ曲:「Raymond」Yukari Fresh
編集:宮島竜治
助監督:西保典
製作担当:小松功
製作協力:パノラマ・コミュニケーションズ ボノボ
出演:中村麻美 洞口依子 草野康太 水橋研二 田口トモロヲ
アメリカンビスタ カラー 95分

写真家を目指す泉沢月子は親元を離れて東京の専門学校に通っている。3年前に交通事故に遭い後遺症で記憶障害と不眠症に悩まされている彼女は神科医の細野辰子が営むクリニックに通っていた。ある日の診察で月子が血まみれになっている夢を繰り返し見ていることを知った辰子は催眠療法で不眠症の原因を調べることにした。その夜、彼女は治療中に月子が発した音声データをもとに相関関係をノートにまとめてみることにしたが、そこには月子の父親と母親の他に「タナベ」と「トミエ」という二人の人物が出てきた。一体それが何を示しているのか考えていると一人の男が訪ねてきた。男は警視庁捜査一課の原田省二という刑事で、ある高校で起きた未解決事件を追っていた。女子生徒が転校してきたクラスはその3か月後に崩壊した。自殺者が4人、精神科に収容されたのが担任教師を含めて7人、そして他の者たちは争うようにして転校して行った。何が原因でそうなったかわからなかったが、一つ言えるのは転校生が突然行方不明になり未だに発見されていないということだった。中には転校生を皆でバラバラにして捨てたと証言する生徒もいたが物証は出なかったため捜査が行き詰っていた。原田が訪ねてきた理由はこの失踪した生徒・川上富江の手掛かりを探すためだった。

3年前に岐阜で殺人事件で起きた。被害者は高校生の川上富江で加害者は同級生の田辺幸治だった。だが証言や証拠があったにも拘らず現場から遺体が消えており、この事件も未解決のままだった。富江が殺された岐阜の現場というのが月子の部屋であり、富江は月子が通っていた学校に転校してくると二人はすぐに仲良くなった。だが当時、月子と交際していた田辺が富江に惚れ込み三角関係になったのだ。事件後、現場で発見された月子は記憶喪失になっており、彼女の母親は娘に事実を知らせまいと交通事故によるものだと説明した。そして事件を思い出させないように転校させたのだ。原田は月子が何か事件のことを思い出しているのではないかと尋ねるが、不眠を訴えるだけでそのようなことは一切ないと辰子は突っぱねた。東京の事件と岐阜の事件で富江は二度殺されているが、他の未解決事件にも彼女の名前が記録されていた。一番古い資料は明治初期であり、その後も複数の事件で名前が確認出来たのだった。

屋台的映画館

毒婦お伝と首斬り浅

  • posted at:2022-01-09
  • written by:砂月(すなつき)
どくふおでんとくびきりあさ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年1月22日 併映「やくざ戦争 日本の首領」
監督:牧口雄二
企画:松平乗道
脚本:大津一郎
撮影:勝木勝夫
照明:若木得二
録音:格畑学
美術:山下謙爾
音楽:渡辺岳夫
編集:玉木濬夫
助監督:土橋亨
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:山田久司
美粧:長友初生
結髪:明田多美枝
スチール:中山健司
演技事務:西秋節生
衣裳:豊中健
擬斗:土井淳之祐
進行主任:長岡功
出演:東てる美 槇健多郎 広瀬義宣 橘由紀 西田良
シネマスコープ カラー 62分

明治初年。群馬前橋の貧しい農村に生まれた十八歳のお伝は父親の借金の形として博徒の勝蔵に売り飛ばされることになったが、賭場に客人としていた用心棒の山田浅右衛門が大暴れし彼女をかっさらって行った。いつか貧乏百姓の暮らしから逃げ出したいと考えていたお伝はこれを機に浅右衛門と東京へ行こうと考えたが、勝蔵の通報で張り込んでいた警官隊によって浅右衛門は連行された。仕返しを考えたお伝が面白がってついてきた市太郎に勝蔵が開いた賭場の寺銭を全てかっぱらってくるように冗談で言った。すると本当に持ってきたため笑いが止まらなかった。土佐の漁師だった市太郎は外国奉行を目指して武士になったのだが、時代が変わってもう二本差しは必要なくなり今は仕方なく泥棒となった。彼の夢は金を貯めて大きな船で海を渡り外国へいくことだった。市太郎が東京へ行くことがわかるとお伝は喜んでついて行った。その夜、松乃家に押し込み強盗に入った二人は軽業師の松助の手引きにより大金をせしめた。松助は親方の女に手を出したことで松乃家に売り飛ばされ大きな桶に閉じ込められていた。その仕返しとばかりに金の在り処を教えたのだ。お伝は松助の他にも知り合いで元尼僧の鈴月尼を仲間に加えた。

東京新橋では鈴月尼を馬車で待たせ三人で帝都銀行新橋支店に強盗に入った。ところがそこには既に先客がおり、警戒していた新政府の警官隊との銃撃戦に巻き込まれて腰を抜かした。だがどさくさに紛れて裏口から抜け出し何とか少額の金を持ち出すことに成功したのだった。ピストルを入手すればもっと儲けが増えると考えた市太郎はお伝と鈴月尼を日本橋警察の駐在所に向かわせ、色仕掛けで警官たちに迫る間に二丁を盗み出した。警察は彼らが反政府運動を行う輩ではないかと睨み、翌日上野で行われる政府高官の令嬢が集まるパーティーで張り込みをすることになった。だがお伝たちの方が一枚上手で、帰宅する令嬢の人力車を襲撃し刑事の吉蔵が警護しながらも金品を奪ったのだった。連続する失態にこのままでは警察のお偉方が黙っているはずがなかった。署長は怒り心頭で、見せしめとして獄中にいる反政府の奴らを引き回しの上処刑すると公言した。同じ頃、内務省は浅右衛門の首斬りの腕を買い、今までの罪を不問にして囚獄掛漸役を命じた。

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翔んで埼玉

  • posted at:2022-01-03
  • written by:砂月(すなつき)
とんでさいたま
映画「翔んで埼玉」製作委員会(フジテレビジョン=東映=テレビ埼玉)
配給:東映
製作年:2019年
公開日:2019年2月22日
監督:武内英樹
製作:石原隆 村松秀信 遠藤圭介
プロデューサー:若松央樹 古郡真也
原作:魔夜峰央
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
撮影:谷川創平
照明:李家俊理
録音:加藤大和
編集:河村信二
美術:棈木陽次
美術プロデューサー:三竹寛典 古川重人
美術進行:森田誠之
装飾:竹原丈二
人物デザイン監修:柘植伊佐夫
衣裳デザイン:柘植伊佐夫
衣裳:田中まゆみ
ヘアメイク:塚原ひろの
VFXプロデューサー:赤羽智史
ミュージックエディター:小西善行
サウンドエディター:伊東晃
フォーリーアーティスト:伊東晃
記録:渡辺美恵
監督補:森脇智延
助監督:楢木野礼
製作担当:碓井祐介
アソシエイトプロデューサー:片山怜子 高木由佳
ラインプロデューサー:関口周平
主題歌:「埼玉県のうた」はなわ
挿入曲:「なぜか埼玉」さいたまんぞう
・・・:「人生たまたま・・・さいたまで」さくまひできとゆうかりしずる
・・・:「山田うどんの歌」かかし
制作プロダクション:FILM
出演:二階堂ふみ GACKT 伊勢谷友介 ブラザートム 麻生久美子
シネマスコープ カラー 106分

時は1871年、廃藩置県によって広大な武蔵国から重要都市の東京が独立した。同じく幕末の開港以来、重要都市となっていた横浜も武蔵国南部の相模国を引き連れて独立を果たした。良いとこ取りをされ切り捨てられた余り物で出来た海なし県、それが現在の埼玉県だった。

猛暑日が予想される暑い夏の朝、埼玉県熊谷市の菅原家は朝から落ち着かなかった。その日は娘の愛海が結納を行うことになっており、母・真紀とともに父・好海が運転する車で会場の東京へ向かった。愛海のお相手は埼玉県の南部に位置する浦和市の市民で、ともに一日でも早く埼玉を抜け出して東京で新居を構えることを夢見ていた。県庁所在地がひらがな表記であることをアホっぽいと娘に言われ県民としての誇りを傷つけられた好海は車を停めるが、そのときにカーラジオから流れてきたFMラジオ局・NACK5の特別番組にしばらく耳を傾けた。それは埼玉の都市伝説を題材にした物語だった。

19XX年。埼玉県民は東京都民からとても酷い迫害を受けており身を潜めて生きるしかなかった。埼玉県民は通行手形がなければ東京に入ることが出来ず見つかるとすぐに強制送還された。中には手形を持たない不法侵入者もいるが、街中の至るところに特殊な監視カメラが設置されているため簡単に発見出来るのだ。埼玉県民は誰もがこの理不尽で不自由な生活から逃れたいと願い、いつしか現れる救世主をひたすら待ち続けたのだった。ある日、東京・白鵬堂学院の3年A組に転入生がやってきた。麻実麗というその男子学生は丸ノ内の大実業家の子息で10年以上もアメリカに留学していた経歴を持つ生粋のエリートだった。容姿端麗で都会指数の高い麗の魅力に女子生徒たちはメロメロになった。東京都知事・壇ノ浦建造の子息で生徒会長の壇ノ浦百美と出会った麗は、埼玉県人を極度に見下す彼の態度に反発し親の寄付金で何とか入学したZ組の生徒に手を差し伸べた。麗の父・西園寺宗十郎は幼い彼を麻実家に養子に出し都会指数を上げるためにアメリカへ留学させたが、埼玉出身である宗十郎の悲願は麗を都知事にし通行手形制度を撤廃して埼玉を開放することにあった。麗こそが埼玉の救世主なのだ。

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