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毒婦お伝と首斬り浅

  • posted at:2022-01-09
  • written by:砂月(すなつき)
どくふおでんとくびきりあさ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年1月22日 併映「やくざ戦争 日本の首領」
監督:牧口雄二
企画:松平乗道
脚本:大津一郎
撮影:勝木勝夫
照明:若木得二
録音:格畑学
美術:山下謙爾
音楽:渡辺岳夫
編集:玉木濬夫
助監督:土橋亨
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:山田久司
美粧:長友初生
結髪:明田多美枝
スチール:中山健司
演技事務:西秋節生
衣裳:豊中健
擬斗:土井淳之祐
進行主任:長岡功
出演:東てる美 槇健多郎 広瀬義宣 橘由紀 西田良
シネマスコープ カラー 62分

明治初年。群馬前橋の貧しい農村に生まれた十八歳のお伝は父親の借金の形として博徒の勝蔵に売り飛ばされることになったが、賭場に客人としていた用心棒の山田浅右衛門が大暴れし彼女をかっさらって行った。いつか貧乏百姓の暮らしから逃げ出したいと考えていたお伝はこれを機に浅右衛門と東京へ行こうと考えたが、勝蔵の通報で張り込んでいた警官隊によって浅右衛門は連行された。仕返しを考えたお伝が面白がってついてきた市太郎に勝蔵が開いた賭場の寺銭を全てかっぱらってくるように冗談で言った。すると本当に持ってきたため笑いが止まらなかった。土佐の漁師だった市太郎は外国奉行を目指して武士になったのだが、時代が変わってもう二本差しは必要なくなり今は仕方なく泥棒となった。彼の夢は金を貯めて大きな船で海を渡り外国へいくことだった。市太郎が東京へ行くことがわかるとお伝は喜んでついて行った。その夜、松乃家に押し込み強盗に入った二人は軽業師の松助の手引きにより大金をせしめた。松助は親方の女に手を出したことで松乃家に売り飛ばされ大きな桶に閉じ込められていた。その仕返しとばかりに金の在り処を教えたのだ。お伝は松助の他にも知り合いで元尼僧の鈴月尼を仲間に加えた。

東京新橋では鈴月尼を馬車で待たせ三人で帝都銀行新橋支店に強盗に入った。ところがそこには既に先客がおり、警戒していた新政府の警官隊との銃撃戦に巻き込まれて腰を抜かした。だがどさくさに紛れて裏口から抜け出し何とか少額の金を持ち出すことに成功したのだった。ピストルを入手すればもっと儲けが増えると考えた市太郎はお伝と鈴月尼を日本橋警察の駐在所に向かわせ、色仕掛けで警官たちに迫る間に二丁を盗み出した。警察は彼らが反政府運動を行う輩ではないかと睨み、翌日上野で行われる政府高官の令嬢が集まるパーティーで張り込みをすることになった。だがお伝たちの方が一枚上手で、帰宅する令嬢の人力車を襲撃し刑事の吉蔵が警護しながらも金品を奪ったのだった。連続する失態にこのままでは警察のお偉方が黙っているはずがなかった。署長は怒り心頭で、見せしめとして獄中にいる反政府の奴らを引き回しの上処刑すると公言した。同じ頃、内務省は浅右衛門の首斬りの腕を買い、今までの罪を不問にして囚獄掛漸役を命じた。

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翔んで埼玉

  • posted at:2022-01-03
  • written by:砂月(すなつき)
とんでさいたま
映画「翔んで埼玉」製作委員会(フジテレビジョン=東映=テレビ埼玉)
配給:東映
製作年:2019年
公開日:2019年2月22日
監督:武内英樹
製作:石原隆 村松秀信 遠藤圭介
プロデューサー:若松央樹 古郡真也
原作:魔夜峰央
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
撮影:谷川創平
照明:李家俊理
録音:加藤大和
編集:河村信二
美術:棈木陽次
美術プロデューサー:三竹寛典 古川重人
美術進行:森田誠之
装飾:竹原丈二
人物デザイン監修:柘植伊佐夫
衣裳デザイン:柘植伊佐夫
衣裳:田中まゆみ
ヘアメイク:塚原ひろの
VFXプロデューサー:赤羽智史
ミュージックエディター:小西善行
サウンドエディター:伊東晃
フォーリーアーティスト:伊東晃
記録:渡辺美恵
監督補:森脇智延
助監督:楢木野礼
製作担当:碓井祐介
アソシエイトプロデューサー:片山怜子 高木由佳
ラインプロデューサー:関口周平
主題歌:「埼玉県のうた」はなわ
挿入曲:「なぜか埼玉」さいたまんぞう
・・・:「人生たまたま・・・さいたまで」さくまひできとゆうかりしずる
・・・:「山田うどんの歌」かかし
制作プロダクション:FILM
出演:二階堂ふみ GACKT 伊勢谷友介 ブラザートム 麻生久美子
シネマスコープ カラー 106分

時は1871年、廃藩置県によって広大な武蔵国から重要都市の東京が独立した。同じく幕末の開港以来、重要都市となっていた横浜も武蔵国南部の相模国を引き連れて独立を果たした。良いとこ取りをされ切り捨てられた余り物で出来た海なし県、それが現在の埼玉県だった。

猛暑日が予想される暑い夏の朝、埼玉県熊谷市の菅原家は朝から落ち着かなかった。その日は娘の愛海が結納を行うことになっており、母・真紀とともに父・好海が運転する車で会場の東京へ向かった。愛海のお相手は埼玉県の南部に位置する浦和市の市民で、ともに一日でも早く埼玉を抜け出して東京で新居を構えることを夢見ていた。県庁所在地がひらがな表記であることをアホっぽいと娘に言われ県民としての誇りを傷つけられた好海は車を停めるが、そのときにカーラジオから流れてきたFMラジオ局・NACK5の特別番組にしばらく耳を傾けた。それは埼玉の都市伝説を題材にした物語だった。

19XX年。埼玉県民は東京都民からとても酷い迫害を受けており身を潜めて生きるしかなかった。埼玉県民は通行手形がなければ東京に入ることが出来ず見つかるとすぐに強制送還された。中には手形を持たない不法侵入者もいるが、街中の至るところに特殊な監視カメラが設置されているため簡単に発見出来るのだ。埼玉県民は誰もがこの理不尽で不自由な生活から逃れたいと願い、いつしか現れる救世主をひたすら待ち続けたのだった。ある日、東京・白鵬堂学院の3年A組に転入生がやってきた。麻実麗というその男子学生は丸ノ内の大実業家の子息で10年以上もアメリカに留学していた経歴を持つ生粋のエリートだった。容姿端麗で都会指数の高い麗の魅力に女子生徒たちはメロメロになった。東京都知事・壇ノ浦建造の子息で生徒会長の壇ノ浦百美と出会った麗は、埼玉県人を極度に見下す彼の態度に反発し親の寄付金で何とか入学したZ組の生徒に手を差し伸べた。麗の父・西園寺宗十郎は幼い彼を麻実家に養子に出し都会指数を上げるためにアメリカへ留学させたが、埼玉出身である宗十郎の悲願は麗を都知事にし通行手形制度を撤廃して埼玉を開放することにあった。麗こそが埼玉の救世主なのだ。

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TOKYO TRIBE

  • posted at:2020-12-16
  • written by:砂月(すなつき)
とーきょーとらいぶ
フロム・ファーストプロダクション=日活
配給:日活
製作年:2014年
公開日:2014年8月30日
監督:園子温
製作:小口文子 由里敬三
エグゼクティブプロデューサー:小口欽也 田中正
プロデューサー:千葉善紀 飯塚信弘
アソシエイトプロデューサー:小室直子
原作:井上三太
音楽:BCDMG
脚本:園子温
撮影:相馬大輔
照明:佐藤浩太
録音:渡辺真二
美術:林田裕至
装飾:坂本朗
編集:伊藤潤一
アクション監督:匠馬敏郎
アクションコーディネーター:角田明彦
音響効果:齋藤昌利
スクリプター:中村めぐみ
衣裳デザイン:松本智恵子
スタイリスト:前田勇弥
ヘアメイク:本田真理子
キャスティング:田端利江
ラップ指導:EGD SIMON Mary Jane(LUNA&TSUGUMI)
助監督:木ノ本豪
製作担当:有賀高俊
協力プロデューサー:増田真一郎
主題歌:「HOPE TOKYO TRIBE ANTHEM」YOUNG DAIS(N.C.B.B) SIMON Y’S&AI
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
制作協力:日活調布撮影所
出演:鈴木亮平 YOUNG DAIS 清野菜名 大東俊介 石田卓也
シネマスコープ カラー 116分

混沌の街トーキョーには様々なトライブ(族)が存在していた。渋谷にはシヴヤSARU、新宿にはシンヂュクHANDS、歌舞伎町にはGIRA GIRA GIRLS、練馬には練マザーファッカー、そして池袋にはブクロWU-RONZといった具合だ。それぞれのエリアを縄張りとするトライブは暴力によって絶妙な均衡が保たれていたが、それを乱していたのが友情や平和をモットーとする武蔵野のMusashino SARUの存在だった。シンヂュクHANDSでは戴冠式が行われ三代目のリーダーが巌に引き継がれた。戦国武将の兜を被ることになった巌は覚悟を決め、他のエリアへの侵攻を始めた。その動きを察知したシヴヤSARUは黙っておられず、練マザーファッカーも行動を開始した。

ブクロWU-RONZのバックには暴力団・仏波一家が控えていた。池袋を牛耳る巨漢の大物ヤクザ・ブッパは猫狩りと称し、政権与党・自由民民党議員の接待用の道具として女たちを集めていた。ブッパの一人息子のンコイは連れてきた女たちの中から気に入ったソンミを指名し部屋の家具にしたいと言った。危険を感じた彼女は抵抗したが、そのことがブッパの気に障り風俗店SAGAへ送られた。

ブクロWU-RONZのリーダー・メラは水と油の考え方であるMusashino SARUを一刻も早く潰そうと考えた。そこで仲間を彼らの溜まり場であるファミリーレストラン・ペニーズに潜り込ませ、ブクロにくれば女に不自由しないと吹聴した。ソンミの写真を見せられたキムはリーダのテラに内緒でブクロに向かうが、SAGAで待っていたのはメラだった。それが罠だと知らずに海とハシームを連れてブクロへ急ぐテラはキムの喉元にナイフを突きつけられていることでようやく事態を理解したのだった。昔の因縁で海とメラが戦う中、テラはハシームと協力してキムを解放した。ところがキムは隙を見てメラの命を狙い、返り討ちに遭って爆死した。そしてテラも窮地に陥った海を救うために命を落とした。海は笑いながら逃げるメラを追い掛け、ソンミは騒動に紛れ込んだ少年・ヨンに連れられて外に出た。

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とられてたまるか!?

  • posted at:2020-11-01
  • written by:砂月(すなつき)
とられてたまるか
フジテレビジョン
配給:東宝
製作年:1994年
公開日:1994年6月4日
監督:萩庭貞明
製作:村上光一
企画:堀口壽一
プロデューサー:小川晋一 茂庭喜徳
原作:斎藤ひろし
脚本:斎藤ひろし
音楽:井上堯之
撮影:高瀬比呂志
美術:斎藤岩男
録音:中村淳
照明:高柳清一
編集:冨田功
助監督:久保寺和人
製作担当:市村智保
プロダクションマネージャー:片岡毅允生
アシスタントプロデューサー:池田知樹 稲田秀樹
主題歌:「見つめていたい」J-WALK
製作協力:ライトヴィジョン
出演:武田鉄矢 田中美佐子 明石家さんま 吉田雅子 森田洸輔
アメリカンビスタ カラー 103分

横浜北区役所で区民相談係を担当する唯野一太郎は郊外の分譲地に念願のマイホームを建てた。一太郎は妻のゆり子、2人の子供・里香と祐太との4人暮らし。ゆり子は料理好きだが、はっきり言って味覚音痴だ。彼女の実家は大金持ちでその父親から頭金を出してもらっていることもあり負い目もある。ローンの返済が終わるのは2040年だ。だが一家の大黒柱として威厳を見せたい一太郎はどんなことがあっても文句を言わずに家族サービスに徹した。

1月25日深夜、全身黒ずくめの男が玄関先に立っていた。男はピッキングの道具を取り出すと鍵をいとも簡単に開け室内に侵入した。そうとは知らずに仕事に出掛けた一太郎は妻からある疑いを掛けられた。ゆり子が管理する生活費を入れた封筒から1万円札が消えており、その犯人が小遣いに困る一太郎だと考えたのだ。帰宅後、彼は警察に通報したが、やってきた高見巡査は少額の現金では足がつかないため犯人逮捕に期待しない方がいいかも知れないと言ってあっさりと帰って行った。里香たちが不安がる中、父親としての存在価値を示すチャンスだと考えた一太郎は、同僚・向井川の紹介で彼の兄が勤めるパーフェクトセキュリティーに警備を依頼することにした。専門家のアドバイスにより警備システムを完備した唯野家にもう怖いものはない。一太郎たちは安心して眠りについた。その頃、スポーツカーで乗りつけた男は家の周りを観察し、警備が手薄な箇所を見つけるとコンパスカッターでガラスを切り、防犯センサーのコードを切断して室内に侵入した。だが彼は致命的なミスを犯した。唯野家で新たに犬を飼い始めたことを知らなかったのだ。番犬のゴジによって辛うじて難を逃れたが、一太郎は恐怖のあまり腰を抜かし、その様子を家族に見られたことでプライドがズタズタに引き裂かれたのだった。

ゴジに恐れをなした泥棒はもう二度とくることはないだろうと一太郎は考えていた。だが男はその夜もやってきた。唯野家が男に狙われる理由。それは分譲地に一件しか建っていないからだ。ご近所さんから見られる心配がなく、物音を聞かれることもないのだ。ゴジを睡眠薬入りの肉を食べさせて難関を突破した彼は家族が起きてくるのを待ち、またきますと言って窓から逃げた。泥棒からの挑発に頭を抱える一太郎は、家族を守るために道場に通うことに決めた。だがそれだけでは不十分だと考えた彼は家の周囲を要塞のように徹底的に強化した。

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透明剣士

  • posted at:2020-05-29
  • written by:砂月(すなつき)
とうめいけんし
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1970年
公開日:1970年3月21日 併映「ガメラ対大魔獣ジャイガー」
監督:黒田義之
企画:土田正義
脚本:吉田哲郎
撮影:今井ひろし
録音:中沢光喜
照明:美間博
美術:加藤茂
音楽:渡辺岳夫
編集:菅原完二
音響効果:倉島暢
擬斗:楠本栄一
助監督:大洲斉
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:酒井修 熱田洋子 岡八郎 桂三枝 横山やすし
シネマスコープ カラー 78分

夕月三四郎は父十兵ヱのような立派な剣士になろうと道場に通っていたが、生まれつき気が弱いこともあって剣術がなかなか上達しなかった。ある夜、夜警の際に十兵ヱが怪盗団に殺され、ひとりぼっちになった三四郎は行く末を悲観して橋の上から叫んだ。すると辺りが漆黒の闇に包まれ、再び目が効くようになると彼は賽の河原にいた。死神は十兵ヱを手招きすると舟を乗せ三途川に漕ぎ出したが、三四郎は思わず水に飛び込み追い掛けようとした。そこに現れた妖怪しょうけらは諦めるように説得し、力を貸してやるから勇気を出して敵を討てと元気づけた。深山に咲くチゴユリの花、幽谷の岩肌に生えるスッポンダケ、浜辺に打ち寄せるホンダワラの三つをどんなに苦労をしてでも集め、それらを月の出から日の出まで一晩中誰にも見られないように煮詰めると緑色の油が残る。それを進退窮まったときに三口飲み着物に数滴垂らせばどんなことでも出来るというのだ。しょうけらが姿を消すと辺りは再び暗くなり、それが晴れると三四郎は元居た橋の上に立っていた。

誰にも見られてはならぬというしょうけらの言いつけを守り諸国を回って材料を集めた三四郎は、長屋の連中に気づかれないように部屋へ帰ると戸につっかえ棒をして誰も入れないように細工した。日が暮れ天窓から月が見えると薬を作る準備を始め、竈に火を熾し釜に材料を入れると焦がさないように一晩中煮込むことにした。ところが三四郎はそのまま眠り込んでしまい、ニワトリが鳴く声が聞こえたときには空が白んでいた。慌てて飛び起きると竈の火は小さくなっており、辺りにくべる木がないことがわかると自分の下駄を放り込んだ。やがて日が上り釜の蓋を開けてみると底には緑色の油が溜まっていた。三四郎はそれを銚子に移すともうひと眠りすることにした。

大きな声がするため三四郎が目を覚ますと外では騒ぎが起きていた。乱暴な酔っ払いの浪人が狼藉を働き、十兵ヱの初七日の供養のために長屋の連中が銭を出し合って買った花や酒の入った徳利を壊したのだ。抵抗する熊さんを浪人が斬ろうとしたところ、部屋を飛び出した三四郎は仏に免じてお許しくださいと土下座した。浪人の怒りは鎮まることがなく、三四郎を慕うお鈴を連れて行こうとしたのだ。剣では太刀打ち出来ないと考えた彼はしょうけらの言葉を思い出し、部屋に戻ると銚子の薬を飲んだ。一口飲むと腕が消え、二口、三口と飲むと顔や体が消えた。そして着物に垂らすと姿が見えなくなった。浪人は突然目の前に現れた木刀に動揺し、桶の水を掛けられて困惑し、大八車に追い掛けられて逃げ出した。気を良くした三四郎の前に現れたしょうけらは仇討の確認をした。そして前向きであることがわかると薬の説明を始めた。薬の効果は半時で姿が現れる前にくしゃみが三度出る。最初のは薬が切れる予告で、着物が現れるのは二度目、三度目には全てが元に戻る。薬の残りはあと三回分。心して掛かれとしょうけらが言うと、三四郎は決意を固めた。

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