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トラック野郎 突撃一番星

  • posted at:2016-07-24
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうとつげきいちばんぼし
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1978年
公開日:1978年8月12日 併映「多羅尾伴内 鬼面村の惨劇」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:掛札昌裕 中島信昭
撮影:飯村雅彦
録音:小松忠之
照明:川崎保之丞
美術:桑名忠之
編集:鈴木宏始
助監督:森光正 馬場昭格
記録:宮本衣子
擬斗:日尾孝司
宣伝担当:本間昭信 小田和治
スチール:藤井善男
製作進行:小島吉弘
装置:中村文栄
装飾:酒井喬二
音響効果:岩藤竜三
美粧:井上守
美容:石川靖江
衣裳:内山三七子
演技事務:和田徹
振付:星野隆
協力:東映俳優センター
現像:東映化学
音楽:木下忠司
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
協力:下呂温泉 企画協力:(株)カントリー
協力:三重県鳥羽市戸田家別館 東駒ベーシック清酒(株) 藤田観光(株)下田海中水族館 哥麿会
出演:菅原文太 せんだみつお 原田美枝子  樹木希林 亜湖
アメリカンビスタ カラー 103分

UFOや宇宙をテーマにした映画が次々と公開されSFブームが到来した日本列島。その影響はトラック野郎・一番星こと星桃次郎にも及んでいた。UFOに関する書籍を買い漁ると、天体望遠鏡で姿を追い無線で交信を試みた。伊勢湾フェリーでの移動中も時間を惜しみ、昼間であろうが関係なく観測に精を出していた。その様子を呆れてみていたのは、彼の相棒・やもめのジョナサンこと松下金造だった。桃さんのUFO狂いは地球の女に振られ過ぎたからじゃないのかと金造がバカにすると、頭に来た桃次郎は怒鳴って追いやった。そんな彼に声を掛けてきたのは、グラマーな美女の小百合だった。小百合は桃次郎の手を取ると、これが第一種接近よと言った。次に彼の手を引き寄せて胸に触らせると、これが第二種接近よと言った。さらに腰を触らせて第三種接近よと言った。調子に乗った桃次郎が別の場所へ手を伸ばそうとしたそのとき、寸前で引き留めたのは彼女の兄と称する桶川玉三郎だった。玉三郎は丸菱商事営業部と書かれた名刺を渡すと、メイドインイングランドの高級紳士服を扱っており今なら市価の6割引きでサービスしていると言って4万8千円の純白のスーツをケースから取り出した。小百合からUFO研究の先生にぴったりだと言われ気を良くした桃次郎が気前よく現金で支払うと、船が着いたら真珠島で散歩しましょうと耳元で囁かれたため舞い上がった。鳥羽港に着くと買ったばかりのスーツに身を固めた桃次郎は波止場で小百合が来るのを今か今かと待っていた。するとその近くに同じように純白のスーツ姿の金造がいるのだ。ライバルの出現に驚いた二人はにじり寄ると、玉三郎と小百合が乗った車が彼らの前を横切ったのだ。撒いていた水に濡れたことが原因でスーツが縮み、小百合だけでなく玉三郎にまで騙されていたことを知ったのだった。

夜の国道をひた走る一番星号。桃次郎が宇宙人をテーマにした大人向けのラジオドラマを聞きながら運転をしていると、車内に装備したUFO探知機が反応し光の前に立つ人影を前方に見たのだ。宇宙人だと確信した彼はトラックを停めると近づいて確認した。それは白いウェットスーツ姿の美女だった。一目惚れした桃次郎は宇宙から来た使者の方ですねと声を掛けると自己紹介し、あなたのような美しい方と第三種接近出来るなんて光栄だと言った。それを聞いてクスリと笑う美女。すると後ろから金造が追いかけて来て、正月と盆に出る病気なのですみませんと引きずって行ったそそして二人が言い争っているうちに彼女は姿を消した。

尾鷲魚市場で荷を積み帰途を急いでいると、桃次郎は前方に玉三郎の車を発見した。だが巧妙な運転にまんまと巻かれてしまった。仕方なくドライブイン・海女の郷で食事することにした二人だったが、そこで玉三郎と鉢合わせした。彼は桃次郎にとっちめられたことで、かつて自分もトラック野郎だったことを白状した。もう一度トラックに乗りたいという玉三郎の熱意と口のうまさに負けた金造は助手として雇うことにしたが、大飯食らいでまるで役に立たないことがわかると桃次郎に引き取ってくれと頭を下げた。

屋台的映画館
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ドーベルマン刑事(1977年)

  • posted at:2015-12-22
  • written by:砂月(すなつき)
どーべるまんでか
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年7月2日 併映「ビューティ・ペア 真赤な青春」
監督:深作欣二
企画:松平乗道 奈村協
原作:武論尊 平松伸二
脚本:高田宏治
撮影:中島徹
照明:金子凱美
録音:野津裕男
音楽:広瀬健次郎
編集:市田勇
美術:富田治郎
助監督:俵坂明康
記録:田中美佐江
スチール:中山健司
装置:稲田源兵衛
装飾:山田久司
背景:西村和比古
衣裳:高安彦司
美粧:長友初生
結髪:山崎幹子
演技事務:森村英次
擬斗:土井淳之祐
進行主任:長岡功
主題歌:「黒い涙」西浜鉄雄
・・・:「マイ・メモリイ」弘田三枝子
・・・:「ドーベルマン刑事のテーマ」弘田三枝子
出演:千葉真一 ジャネット八田 松田英子 志賀勝 橘麻紀
シネマスコープ カラー 90分

新宿のアパートで火事があり、焼け跡から身元が判明出来ないほど焼け焦げた女性の遺体が発見された。この部屋の借主は玉城まゆみという人物で、つい最近引っ越してきたばかりだった。パンマという売春婦として働いていた彼女には暴走族がつきまとい、度々問題を起こしていたことから近所の住民に疎ましく思われていた。敷布団に尿失禁の跡があり、遺体の下敷きになって焼け残ったベルトが出てきたことから、まゆみがこのベルトで絞殺された後に放火されたのではないかと佐野猛夫主任は推理した。西新宿署管内では4月以降に3件の連続放火殺人事件が起こっていることから犯人がこの事件にも拘っている可能性があるのだ。そして部屋に飾られた写真の裏に5年前の日付が入っていたこと、遺留品のネックレスに「YUNA」と刻まれていたことから、5年前に沖縄から捜査願が出された玉城ユナが偽名を使っていたことが疑われた。数日後、容疑者としてキャバレー「リド」のボーイで元暴走族の三河長栄を連行したが、彼は事件当日にまゆみと寝たことを認めたものの、その後は東名高速道路を仲間たちと一晩中突っ走っていたと言い張った。その頃、新宿署に到着したのは沖縄石垣署からやってきた加納錠治刑事だった。ユナの母親の代わりに身元確認に来た加納だったが、解剖書や遺留品を見せられても遺体がユナだという確信が持てなかった。何故ならノロという巫女をしている彼女が生きていると言っているからだった。佐野は加納を納得させるために、まゆみの顔写真と頭蓋骨の写真を重ね合わせる「スーパーインポーズ法」を使って鑑識に説明させたがうまく行かなかった。捜査会議が始まると、佐野は被害者の死亡推定時刻である午前3時から4時の間にアリバイがあるという理由で長栄を釈放したと説明した。つまり捜査は振り出しに戻ったのだ。連続放火殺人事件の被害者がいずれもパンマや風俗嬢であり暴行の形跡がないことから、犯人は極めて異常な性癖の持ち主であることが考えられた。そこで佐野は混乱を防ぐために捜査を玉城ユナの事件に絞り、覚醒剤や麻薬関係、変質者の線で聞き込みを行うよう指示した。静かに聞いていた加納は、石垣島にある川平の海岸近くで育ったユナは歌が好きで、今もその仕事をしているに違いないと彼女の母親が言ったことを伝えたが、一笑に付された。そして捜査協力も断られた。

超高層ビルの20階で駆け出しの歌手・春野美樹が軟禁される事件が発生した。その犯人は彼女の熱狂的なファンで、始終付きまとっていたことが判明したのだ。マネージャーの英森魁治は犯人と交渉を行うが、警官を引き上げさせなければそれは出来ないと突っぱねた。手詰まり状態に陥ったところに現れた加納が昨年起きた首里のホテルで人質を助け出したことを話すと、隊長の目の色が変わった。だが窓から飛び込んで解決したことがわかると、たとえ40階の屋上からロープを使ったとしても不可能だと言った。隣で聞いていた英森が美樹の保護者として責任を負うからイチかバチか任せましょうと言ったため、隊長はこの男に賭けてみることにした。

屋台的映画館

トラック野郎 男一匹桃次郎

  • posted at:2015-11-29
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうおとこいっぴきももじろう
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年12月24日 併映「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:鈴木則文 掛札昌裕
撮影:飯村雅彦
録音:広上益弘
照明:川崎保之丞
美術:桑名忠之
編集:田中修
助監督:福湯通大 澤井信一郎
記録:山内康代
擬斗:日尾孝司
宣伝担当:福永邦昭 山本八州男
スチール:遠藤努
進行主任:小島吉弘
装置:安沢重治
装飾:片桐正雄
音響効果:原尚
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣裳:福崎精吾
演技事務:山田光男
協力:東映俳優センター
現像:東映化学
音楽:津島利章
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
挿入歌:「北の流浪」野村勝夫
企画協力:(株)カントリー
協力:唐津市 唐津曳山取締会 社団法人唐津観光協会 唐津市旅館協同組合 鹿児島産ロイヤルホテル 哥麿会
出演:菅原文太 愛川欽也 夏目雅子 清水健太郎 春川ますみ
アメリカンビスタ カラー 104分

関門海峡を越えて熊本にやってきた一番星こと星桃次郎とやもめのジョナサンこと松下金造は、青果市場でトラックの荷を降ろすと帰りの荷に積み替えていた。そこへ花電車こと花山電吉という同業の男が殺されると大騒ぎして現れたのだ。とりあえず一番星号の荷台に匿うと追って来た男たちがヤツは何処だと尋ねた。桃次郎はしらばくれたが電吉のくしゃみが聞こえたためあっさりとばれてしまった。一番星号には冷凍・冷蔵装置がついているのだ。男たちにケンカを売られた桃次郎だったが仲間のトラック野郎たちの協力を得て撃退した。仲間たちと勝利を喜んでいるのもつかの間、トラックの星型の装飾品を子供がドライバーで外して持って行くのを目撃した。桃次郎は慌てて追ったがすばしこい子供は荷の中に消えてしまった。

助けてくれたお礼にと電吉は二人を女将のおかねが経営するドライブイン「唐津乙女」に招待し、ふぐ鍋をごちそうした。ここの名物はおかねの息子・毒島一郎が調理したふぐの肝で、桃次郎は一口食べてしびれるほどうまいと絶叫した。パクつくにつれて舌から始まったしびれはやがて全身に回りふぐ中毒に。桃次郎は解毒のために首から下を砂浜に埋められてしまった。そこを通りかかった女子大生の小早川雅子は無造作に置かれた浮標だと思って彼の頭を飛び越えたため、桃次郎は激怒した。ところが彼女が美人だとわかると一目惚れし態度をコロリと変えたのだった。

昼過ぎに築地市場に着いた金造は、沼津にいるから夜遅くなると妻の君江にうその電話し、女将・袴田和代が経営する郷土料理・寄生木に入り浸った。その夜スタミナ料理を用意して待っていた君江は帰宅した彼に目配せしたが、北海道の仕事を唐津に替えたことを伝えにやってきた桃次郎の話でうそがばれてしまった。君江から説教される金造を尻目に家を抜け出した桃次郎は、彼の第二の故郷である特殊浴場に向かった。その店の一室は桃次郎のマイホームと化しており、オーナーは新たに彼のために改装していた。一方その桃次郎はというと、雅子との結婚に前向きで今度こそここから卒業するつもりでいた。彼女について何も知らない桃次郎は電吉に調べさせ、唐津藩六万石の剣術指南の血筋を引く佐賀大学国文科三年生で剣道三段の腕前を持つと聞くとすかさず剣道の勉強を始めた。再び仕事で唐津を訪れた桃次郎は腕前を試すために雅子に勝負を挑んだが、付け焼刃では相手にならず完敗した。悔しさのあまり山籠もりを決めて厳しい修業を行っていたが、滝行で落ちてきたザボンが頭に当たり気を失った。川に流された彼を助けたのは子連れ狼こと袴田太一で、彼の息子・隼人は一番星号から装飾品を外した子供だった。意識を取り戻した桃次郎がそのことを太一に話したことで、隼人がトラックに装飾を施さない父のために盗んだことを知った。

屋台的映画館

としごろ(1973年)

  • posted at:2015-06-22
  • written by:砂月(すなつき)
としごろ
松竹=ホリプロ
配給:松竹
製作年:1973年
公開日:1973年4月14日 併映「同棲時代 今日子と次郎」
監督:市村泰一
製作:瀬島光雄
脚本:元持栄美
撮影:小杉正雄
美術:梅田千代夫
音楽:小川寛興
照明:佐久間丈彦
編集:杉山よ志
録音:鈴木正男
調音:小尾幸魚
監督助手:福田幸平
装置:川添善治
装飾:宗田八郎
進行:宗本弘美
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:馬道昭三
挿入歌:「私は歩いている」和田アキ子
・・・:「星空の孤独」和田アキ子
・・・:「中学三年生」森昌子
・・・:「せんせい」森昌子
・・・:「恋人時代」堺正章
・・・:「青春に賭けよう」西城秀樹
出演:和田アキ子 森昌子 秋谷陽子 村野武範 森次晃嗣
アメリカンビスタ カラー 89分

中学女子バレーボールの名門校・泰成中学で卒業式があった。その夜、後輩部員の高木京子の兄が支配人を務めるレストランでパーティーが行われ、母校で事務員とコーチを兼任する大和田章子が招待された。彼女が心配していたのは渡辺優子が未だに進路を決め兼ねていることだった。だが翆峰高校に進学することに決めたと明るい表情で話すことで安堵した。高校バレーの名門である翆峰の練習はとても厳しかったが、ボールに食らいついていく姿に沼田正樹コーチは感心した。優子の評判をいち早く嗅ぎ付けていたのは実業団チーム昭和紡績のマネージャー・岡部で、彼は札束攻撃による優子引き抜きを画策していた。ある日、下宿している甘味処に章子が戻ると優子が訪ねてきていた。優子のいない間に堺が両親と会い、昨年全国三位の昭和紡績にスカウトされたというのだ。優子自身は高校生活を続けたかったが、大工の父・源三が半月前に左手をケガして働けなくなっていることから、受け入れるしかないと考えていたのだった。話を聞いた章子は沼田に相談することにした。バレーボール協会で会ったときに優子のことを評価していると話していたため、きっと協力してくれるに違いないと信じていた。沼田は章子とともに優子の家を訪れたが、今の経済状態では会社にお世話になった方が得策だと母親は考えていた。事情を知った沼田は、十分なことが出来るかわからないが僕に彼女を預からせてほしいと言った。高校ナンバーワンの素質を持つ彼女を基礎訓練が出来ていない状態で実業団に送り込んでも潰されてしまうに違いないと彼は考えていた。沼田は学費を負担すると言ったが、源三は首を縦に振ろうとはしなかった。すると話を聞いていた優子の弟が割り込んできて、学校へ行かせてやれよと涙ながらに父親に訴えたのだった。沼田の自宅で下宿することになった優子を妻の秀子はとても気に入っていた。だがその日以来、沼田の様子が変わった。秀子の料理は選手に不向きだと言って外食に連れ出したり、ケガをしたときに執拗にボディータッチを行うなど彼女は不信を抱いた。

優子の親友で章子とも仲がいい森川昌子は、母子家庭という事情もあり進学することなく家の近所にある金属加工工場で働いていた。仕事に慣れない彼女に声をかけてきたのは先輩の塚原雄二だった。雄二に初恋をした昌子は、絵が好きだという彼に話を合わせるために後輩でバレー部キャプテンの藤沢淳子を誘って美術館で教養を身につけることにしたのだ。ところが急な残業が入り、昌子は淳子の自宅へ電話をかけたのだが30分前に家を出たので連絡を取れないと彼女の母親から告げられた。そんなことは知らない淳子は待ち合わせ場所で不良グループに因縁をつけられ、廃工場に連れ込まれると男たちにレイプされた。それからしばらくして彼女は練習中に倒れた。保健室に呼び出された章子は先生から淳子の体に妊娠の兆候が見られると告げられたが、まさかそんなことはないと笑い飛ばした。だが心配になり話をしようとしたが、ベッドに姿はなかった。

屋台的映画館

トラック野郎 度胸一番星

  • posted at:2015-06-19
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうどきょういちばんぼし
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年8月6日 併映「サーキットの狼」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:野上龍雄 澤井信一郎
撮影:飯村雅彦
録音:井上賢三
照明:山口利雄
美術:桑名忠之
編集:鈴木宏始
助監督:福湯通夫 森光正
記録:勝原繁子
擬斗:日尾孝司
スチール:遠藤努
進行主任:志村一治
装置:畠山耕一
装飾:高井義典
美粧:住吉久良蔵
美容:花沢久子
衣裳:河合啓一
演技事務:山田光男
現像:東映化学
音楽:木下忠司
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
挿入歌:「恋歌」八代亜紀
企画協力:(株)カントリー
協力:新潟交通株式会社 白根凧合戦協会 佐渡汽船(株) 佐渡観光協会 バンダグ更生タイヤ販売各店 亀田製菓(株) 山八運輸(株) 松川運輸(株) ニットータイヤ(株) 哥麿会
出演:菅原文太 愛川欽也 片平なぎさ 夏樹陽子 宮口精二
シネマスコープ カラー 100分

日の暮れた雨の新潟県・曽地峠を急ぐ一番星こと星桃次郎とやもめのジョナサンこと松下金造。用を足したくなった桃次郎はトラックを路肩に停めると濡れない木立に入って立ちションを始めた。大あくびをした彼がふと水子地蔵の方を見やると、その横に白装束の女性が立っていた。美貌に心を奪われた桃次郎がはしたない物を隠しそこで何をしているのかと尋ねると、女性はあなたを何年もお待ちしていましたと言った。そして「佐渡で」と言い残すと消えて行った。心配した金造が様子を見に来ると、桃次郎は木に抱き付いていた。曽地峠は幽霊の名所と言われていたのだ。呆れた金造がトラックに戻ると、何故か助手席に女性が座っていたのだ。自分にも幽霊が出たと大騒ぎしたが、ただのヒッチハイカーだった。脈があると感じた金造はドライブイン「越後獅子」にトラックを停めたが、彼女はそこの2階にあるバー・ヘッドライトで働くことになっているホステスだった。

翌日、新潟青果市場に到着すると金造は鹿児島からのスイカを下していた。すると桃次郎がこれしかなかったと言って佐渡へのバラ荷の仕事を持ってきた。彼の魂胆を知っていた金造が方々を回りながらあの幽霊を探すんだろうと言うと、桃次郎も新潟にいればあのホステスといい仲になれると思っているんだろうと言い返した。それを聞いた金造は、カボチャばかり食べてたらたまにはメロンやイチゴも食いてえじゃねえかと怒鳴った。彼は妻の君江と大ゲンカしていたのだ。納得した桃次郎は、今夜ヘッドライトでたらふく食ってこいと言った。そしてそのあと佐渡だぞと約束した。めかし込んでドライブインに乗り込んだ金造がホステスの江波マヤを口説こうとしたそのとき、外で大きなクラクションが鳴った。駐車場にやってきたのはジョーズ軍団というタンクローリー集団で、彼らは停車していたトラックの無線機を次々と破壊し始めた。軍団のリーダーである新村譲治は、4チャンネル無線は我々のものであり違反した者には制裁を加えると警告した。マヤがその譲治を追いかけてきたことを知った金造は短い恋が終わったことに気付いた。

約束通り金造は桃次郎とともに佐渡島に渡った。西三川小学校笹川分校へ電子オルガンを届けに来た二人だったが、担当の教師は生徒たちと山へ行ったというのだ。受領してもらうために桃次郎たちは山へ向かい、道すがら砂金採りをしている老人に先生の行方を尋ねた。その聞き方に激怒し叱りつけると、桃次郎は驚いて去って行った。一方、その気になればいくらでも稼げると言った老人の言葉に心を奪われた金造は、トラックを売ってこの地に骨を埋める覚悟を決めた。独り言ちながら進む桃次郎は、道端にある水子地蔵が気になりふとその先を見やると、あの幽霊にそっくりな女性が立っていた。彼女は乙羽水名子といい、分校で教師をしていた。水名子が独身だと知った桃次郎は、この地に骨を埋める覚悟を決めた。

屋台的映画館

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