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必殺! ブラウン館の怪物たち

  • posted at:2019-07-06
  • written by:砂月(すなつき)
ひっさつぶらうんかんのかいぶつたち
松竹=朝日放送
配給:松竹
製作年:1985年
公開日:1985年6月29日
監督:広瀬襄
製作:山内久司 桜井洋三
脚本:吉田剛
音楽:平尾昌晃
撮影:石原興
照明:中島利男
監督補:津島勝
宣伝担当:松本淳 長崎直定
プロデューサー補:高橋信仁
美術:倉橋利韶 北尾正弘
録音:広瀬浩一
調音:本田文人
編集:園井弘一
記録:野崎八重子
装飾:玉井憲一
スチール:長谷川宗平
進行:鈴木政喜 西村維喜
演技事務:木辻竜三
演出助手:木下芳幸
照明助手:中山利夫
撮影助手:秋田秀継
美術助手:家木一実
編集助手:関谷憲治
録音助手:田原重綱
装置:新映美術工芸
衣裳:松竹衣裳
美粧:八木かつら
小道具:高津商会
現像:東洋現像所
・・:エクラン演技集団
ナレーター:みのもんた
主題歌:「さよならさざんか」藤田絵美子
殺陣:楠本栄一
特技:宍戸大全
効果:鈴木信一
衣裳協力:浅草寶扇堂久阿彌
ロケ協力:京都 北野天満宮 京都 下鴨神社 国宝 姫路城
製作主任:渡辺寿男 黒田満重
特殊撮影:藤原三郎
題字:糸見溪南
協力:零心会
製作協力:京都映画株式会社 株式会社しょうざん
出演:藤田まこと 鮎川いずみ 京本政樹 村上弘明 ひかる一平
アメリカンビスタ カラー 122分

慶応二年七月末、十四代将軍徳川家茂が大坂で逝去し、一ツ橋慶喜が跡目を相続した。その頃、江戸品川宿では南町奉行所が隠密で大坂に発つ御公儀御用早駕篭を見送る役を受け持つことになった。雷雨の夜、筆頭同心田中や定町廻同心中村主水などは警備に当たったが、出立と同時に使者が曲者に襲われて御状箱が奪われたのだった。主水は後を追ったが、曲者の男は密書を懐にしまうと手下を殺して口を封じ姿を消した。奉行所内で昼行燈と蔑まれる主水だったが、「仕事人」という裏稼業に手を染めていた。その夜は彼の仲間である何でも屋の加代、組紐屋の竜、花屋の政、西順之助が命を狙われ、三味線の師匠で元締のおりくの家に転がり込んだ。するとしばらくして猿谷町の元締が主水を訪ねてやってきた。ここにはいないとおりくが告げると、品川宿で仕事をした手下が主水によって斬られたのだと猿谷町は言った。表の仕事柄だから仕方がないとはいえ狙った獲物を横取りしたのは仁義に反するため身柄を引き渡せというのだ。おりくが最後まで態度を変えようとしなかったため、猿谷町は仕事人を使って五人を亡き者にしようとした。

田中と主水を江戸屋敷に呼び出した老中稲葉正邦は、徳川家の存亡に拘る重要な任務を与えた。天下を定め幕府を始めた徳川家康には気掛かりなことがあった。それは京の都にいる帝のことだった。戦を起こし天下を治める者は必ず帝を利用するが、それを防ぐために京都黒谷に屋敷を築きそこに恐ろしい仕掛けを設けていた。それはいざという時に帝を御所もろとも爆破するというものだった。密書は代々将軍家に伝えられてきた屋敷の権利書と絵図であり、もしそれが反幕府派に渡れば悪用されるばかりではなく京都朝廷との関係が悪化することは目に見えていた。敵が黒谷屋敷に必ず現れると踏んだ正邦は、二人に京へ直行し機密を奪い返すよう命じた。正邦は伊賀忍者の末裔である百地お千と御庭番の藤林辰之進にも同じ命令を伝えていた。主水たちは敵をおびき出すために囮だった。

旅の疲れを癒すために主水たちが泊まった温泉宿には加代がいた。猿谷町によって江戸にいられなくなった五人は、品川宿で起きた事件の真相を究明するために五手に分かれて主水の後を追ったのだ。偶然は重なるもので、その宿には福引きで「いで湯廻り上方の旅」が当たった嫁のりつと姑のせんも泊まっており、その二人の案内人としてついてきたのはかつて六文銭の手先として彼を陥れようとしたお葉だった。江戸から離れてゆっくりと羽を伸ばそうと考えていた主水の目論見は見事に外れた。

屋台的映画館
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必殺!

  • posted at:2019-06-12
  • written by:砂月(すなつき)
ひっさつ
松竹=朝日放送
配給:松竹
製作年:1984年
公開日:1984年6月16日
監督:貞永方久
制作:山内久司 桜井洋三 野村芳樹
脚本:野上龍雄 吉田剛
音楽:平尾昌晃
撮影:石原興
照明:中島利男 芳野尹孝
美術:倉橋利韶 北尾正弘
録音:広瀬浩一
調音:本田文人
編集:園井弘一
スチール:長谷川宗平
監督助手:津島勝
助監督:都築一興
記録:野崎八重子
照明助手:中山利夫
撮影助手:秋田秀継
編集助手:関谷憲治
録音助手:山本研二
効果:鈴木信一
装置:新映美術工芸
装飾:玉井憲一
衣裳:松竹衣裳
美粧:八木かつら
現像:東洋現像所
・・:エクラン演技集団
進行:鈴木政喜 大志万宗久
製作主任:渡辺寿男 黒田満重
製作協力:京都映画株式会社
題字:糸見溪南
特技:宍戸大全
殺陣:楠本栄一
協力:大覚寺 京都 下鴨神社
義太夫:豊竹咲大夫 鶴澤清介 鶴澤八介
人形指導:吉田蓑助
鳴物:望月太明藏社中
協力:浅草 宝扇堂
出演:藤田まこと 三田村邦彦 鮎川いずみ 菅井きん 白木万理
アメリカンビスタ カラー 124分

京で大人気の操り浄瑠璃、此竹朝之助一座がやってきたことで江戸の町が賑わっていた頃、身元不明の死体があちこちで見つかっていた。それらは奇妙なことに皆六文銭を咥えていたのだった。四人目の死体が見つかった早朝、南町奉行所の同心中村主水が出勤すると奉行所の中は蜂の巣をつついたような大騒ぎだった。だが我関せずの主水がゆっくりと茶をすすり始めると、筆頭同心の田中が手早く事情を説明し始めた。未だに身寄りからの届け出がないことを知った主水は三味線屋に向かい、おりくと勇次にそのことを伝えた。おりくの表の顔は三味線の師匠だが、裏稼業である「仕事人」の元締でもあった。血の繋がらない息子の勇次も三味線の張替えなどを行っているが、裏で仕事の依頼があれば引き受けた。そして主水も。死体が皆三途の川の渡し賃である六文銭を咥えていたことで彼らが同業者ではないかと主水が話すとおりくは顔色を変えた。数日後、おりくは突然旅支度を始め、心配する勇次に今この江戸で大変なことが始まっているに違いないと言った。

金さえもらえば何でもするという何でも屋の加代を頼ってやってきたのは女郎のおきみだった。彼女が仕事人のことを知っているかと尋ねると、自身が仕事人である加代は知らないとすっとぼけた。だが十両ももっていることがわかると目の色を変えて引き留めに掛かったが、手の平を返すような態度に不審を持ちおきみは店を出て行った。気になる加代は素性を調べ上げ、彼女が池之端にある出会い茶屋菊廼家の隠し女郎として働き、路地裏で暮らしていた仙太という男が五日前から姿を消していることを突き止めたのだった。その夜、再びおきみと接触した加代は、もしかすると仕事人と会えるかもしれないと盛り場をゆっくりと歩くように指示した。言われた通りにするとやがて雑踏の中から声が聞こえ、彼女は質問に従って答えた。そして指定された神社に十両を置くとそれはいつの間にか消えていた。偶然を装って現れた加代は、きっと仕事を引き受けてくれたんだと言った。

翌日、主水は探りを入れるために菊廼家に立ち寄った。おきみの依頼は大事な「ひと」をなぶり殺しにした雇い主の伝次を始末して欲しいというものだった。その伝次を呼び出し仙太はいるかと尋ねると、何も言わずに自分からいなくなったと言いそれ以上に詮索されないよう袖の下を渡したのだ。その様子を隣の屋敷の屋根から見ていたのは瓦屋夫婦の政とよねだった。彼らもまた仕事人に拘りがあった。

屋台的映画館

ピストルオペラ

  • posted at:2019-02-28
  • written by:砂月(すなつき)
ぴすとるおぺら
日本ビクター=松竹=衛星劇場=テレビ東京=電通=スパイク=小椋事務所
配給:松竹
製作年:2001年
公開日:2001年10月27日
監督:鈴木清順
製作代表:岸田卓朗 迫本淳一 石川富康 宮川鑛一 小岐須直俊
アソシエイト・プロデューサー:関根康 深田誠剛 菅沢正浩 神田裕司
キャスティング・プロデューサー:久保忠佳
エグゼクティブ・プロデューサー:小澤俊晴 宮島秀司 石川博 菅原章
プロデューサー:小椋悟 片嶋一貴
脚本:伊藤和典
美術監督:木村威夫
撮影:前田米造
照明:矢部一男
特撮:樋口真嗣
編集:鈴木晄
スクリプター:内田絢子
音楽:こだま和文
音響:岩浪美和
キャスティング:茂木香
助監督:井原眞治
製作担当:宮川健治
企画・制作:小椋事務所
出演:江角マキコ 山口小夜子 韓英恵 永瀬正敏 樹木希林
スタンダード カラー 112分

謎の殺し屋組織「ギルド」の東の番付No.3・通称「野良猫」。気乗りがしなければ仕事をしないという彼女の前に現れたのは代理人の上京小夜子だった。訳あって仕事の依頼を受けると、翌日には宅配便の小箱が届いた。その中には野良猫が「あたしの男」と呼ぶピストルが入っていた。標的は小倉興産社長の愛人。水泳の高飛び込みが趣味であることを知った野良猫は屋内プールに先回りし水中に潜伏した。そして彼女が台から飛んだと同時に狙撃し、水中に没すると野良猫はプールを出てボディーガードの前を何食わぬ顔で通り過ぎた。彼女は愛人と同じ水着を着ていたため、男たちが事態を把握したときには後の祭りだった。そんな彼女の動きを監視していたのは車椅子の男だった。男はギルドに所属する生活指導の先生で逃げる野良猫を追い回したが、港に追い込んだところを返り討ちに遭い命を落としたのだった。野良猫はこれまでの経緯を問い詰めるが小夜子は知らぬ存ぜぬ一点張り。そこで元No.1の花田五郎に会いに行くと、彼は野良猫もしくは先生のいずれか、または両方を消すための口実ではないかと言った。東京駅でNo.2・昼行燈の萬を殺したのがNo.1の百目という噂も飛び交っておりギルドが揺れていることは容易に見て取れた。再編が終わるまで生き残り勝ち残ればNo.1になれると花田は助言するが、その代償として彼のように松葉杖生活を送ることになるのは御免だと野良猫は言った。

ある日、小夜子から宅配便が届いた。中には前回の報酬の札束とともに手紙が入っており、そこには次の仕事のために会いたいと書かれていた。小夜子が持ってきた仕事の依頼主はギルド自身であり標的は百目だったが、誰もNo.1の正体を知る者はいなかった。例えタイトルを獲得することが出来ても野良猫はその話に乗るつもりはなかったが、女剣劇の客席で起きた殺人がいずれも番付のランカーだったことから身の危険を感じた彼女は情報を仕入れるためにギルドへ向かった。ところがそこで待ち受けていたのは無痛の外科医ことNo.5の男で、彼は百目のパートナーとなりギルドの情報システムを潰す依頼を受けていたのだ。私と組めば例え百目でも怖くないと野良猫は色目を使い、No.1はあなたのものになると誘惑した。そして痛みを感じない凄さを見せて欲しいと胸にナイフを突き立てさせ、もっともっととエスカレートさせた。自分が置かれている立場に気付くのが遅すぎたNo.5に、野良猫は素敵よと言った。ギルドの建物から何とか這い出たものの、No.5から刺された傷のせいで彼女は瀕死の状態に陥っていた。そんな野良猫を少女はリヤカーを準備して待っていた。リヤカーの行く先は三途の川の渡し場だった。

屋台的映画館

悲愁物語

  • posted at:2019-02-15
  • written by:砂月(すなつき)
ひしゅうものがたり
松竹=三協映画
配給:松竹
製作年:1977年
公開日:1977年5月21日 併映「雨のめぐり逢い」
監督:鈴木清順
製作:梶原一騎 藤岡豊 川野泰彦
プロデューサー:川野泰彦 野村芳樹 浅田健三
原案:梶原一騎
脚本:大和屋竺
撮影:森勝
照明:小林秀之
録音:大橋鉄矢
美術:菊川芳江
編集:鈴木晄
記録:津田のり子
助監督:斉藤信幸
色彩計測:田村輝行
製作担当:秋田一郎
音楽:三保敬太郎 とみたいちろう
主題歌:「戻っておくれ」とみたいちろう
製作宣伝:東京プランニング
協力:第五回ワールド・レディース ゴルフトーナメント 川越初雁カントリー・クラブ
現像所:東映化学工業
録音スタジオ:アオイ・スタジオ
製作補:島田十九八
キャスティング:西岡昭
協力:デサント カントーグループ
美容家:山野凱章
出演:白木葉子 原田芳雄 岡田真澄 和田浩治 佐野周二
シネマスコープ カラー 93分

東欧の花と称された女子体操のエースのイレーナ・チブルスキーは引退後、繊維メーカー極東レーヨンの専属モデルとなった。スカウト競争に敗れたライバル会社の日栄レーヨン社長・井上はIOCやソ連に働き掛けて彼女の訪日を妨害する作戦に打って出た。それと同時に企画室長の森を呼び出すとチブルスキー以上のタレントを見つけ出すよう命じた。社長の命令は絶対であり、外国人タレントを対抗馬として立てても勝ち目がないことから森は今までの方針を転換し純日本人で行くことに決めた。森から待機を命じられたCMディレクターの古沢がファッションコーディネーターの田所圭介のところへ相談に行くと、ゴルフは出来るかと田所は言った。彼が目をつけていたのは桜庭れい子というプロゴルファーだった。芦屋カントリー・クラブでキャディーをしていたことから高木プロに才能を認められ、昭和51年の高木引退時に上京しプロ入りと同時に女子プロ新人王を獲得した。初雁カントリー・クラブに所属するれい子は抜群なプロポーションの持ち主だがパンチに欠けていた。より彼女のことを知るために田所は週刊ゴルフダイジェスト編集長の三宅精一と連絡を取りゴルフ場に出掛けた。三宅が書いたれい子の記事は個人的な感情がなければ表せないような内容だったため、恋人ではないかと当たりをつけたのだ。田所としてはれい子に日本選手権のタイトルが必要だった。だが実力はそのレベルに達しておらず、そんな彼女が奇跡の優勝を果たせば注目度が一気に上がるのだ。そこで田所はまず300万円の前金を渡し、優勝すれば3000万円の契約を結ぶ条件を三宅に提示した。

三宅はれい子のコーチに高木を指名した。高木は日本女子プロゴルフ選手権が行われるコースを体感で覚えさせると、翌日は悪天候でも対処出来るように巨大扇風機の前でボールを打たせた。その翌日は人工雨とハードなトレーニングは続き、昼夜問わず一日1600球を欠かさず打った。特訓の間に撮ったグラビアの効果もあって選手権は予想以上の注目度となり、会場には多くのギャラリーが詰め掛けた。序盤は5位と出遅れたが徐々に順位を上げ首位の所恵子に肉薄した。ところが最終ホールでバンカーに捉まり、更に体力も限界を超えて倒れたが、最後の気力を振り絞って立ち上がると渾身のショットを放った。ボールはカップに吸い込まれ、土壇場で逆転優勝を決めた。その結果、れい子の人気は爆発し日栄レーヨンの小売店からは本社へポスターの催促が相次いだ。この状況に上機嫌の井上は優勝パーティーに出席することに決めた。一方、田所は三宅に電話を掛けゲスト出演以外の番組を全て断るように言った。翌月からテレビの新番組がスタートするため、れい子の希少価値を高めるためにメディアへの露出を控えるようにしたのだ。そのような工作によって彼女は日栄レーヨンと専属契約を結び多額の契約金を手に入れた。中学生の弟と住むための大邸宅を郊外に構えたれい子だったが、周辺で暮らす主婦たちからは妬まれた。

屋台的映画館

ひと夏の秘密

  • posted at:2018-10-14
  • written by:砂月(すなつき)
ひとなつのひみつ
日活
配給:日活
製作年:1979年
公開日:1979年8月4日 併映「宇能鴻一郎の女体育教師」
監督:武田一成
プロデューサー:八巻晶彦
脚本:田中陽造
撮影:森勝
照明:小林秀之
録音:建部日出夫
美術:菊川芳江
編集:山田真司
助監督:黒沢直輔
色彩計測:苧野昇
現像:東洋現像所
製作担当者:服部紹男
音楽:淡海悟郎
主題歌:「海・アゲイン」萩原恵
演奏:ミノタウロス
協力:神津島観光協会
出演:原悦子 渡辺とく子 江角英明 萩原友絵 錆堂連
アメリカンビスタ カラー 72分

初夏の頃、「チチキトクシキウカエラレタシ」という電報を受け取ったちひろは故郷の勿来に戻ってきた。駅を出て乗ったバスは海岸線を走り続け、やがて港町に着いた。九十九屋という店に入り射的の銃を取ると百発百中の腕前で的を撃ち落とした。すると奥から出てきたアルバイトの光一は驚きの表情を見せたが、次第に彼女がちひろであることを理解した。光一はガンを患うちひろの義父・軍治が肺炎を併発して危篤状態に陥ったことで電報を打ったのだが、彼女について高校二年生だった六年前に家出したこと以外は何も知らされていなかった。容体は安定したが何故か面会に行こうとしないちひろに疑問を感じていると、病院から軍治が制服を持ってきて欲しいと言っているという電話があった。光一がそのことを伝えると、以前警官だったのよと言ってちひろは店を出た。そして裏に回り自宅に向かうと部屋の中はあの頃と変わっていなかった。クローゼットを開けたが制服はなく、次に庭の納屋に向かうと洋服ケースの中にクリーニングの袋に入ったままの警官の制服が掛けてあった。その隣にはちひろのセーラー服がこちらもクリーニングの袋に入ったままになっていた。

六年前の夏、学校から帰ったちひろが着替えをしながらくつろいでいると、勤務中の軍治が仏壇の前にいることに気づいた。その日は11歳のときに何者かに殺された実の娘・ミユキの命日だった。彼女は娘の身代わりとして同じ歳のときに貰われてきたのだ。軍治は拳銃をちひろに向けると、こんなに女らしく育ったお前を見ていると憎いと苦々しく言った。そして抵抗したら撃つぞと脅して犯したのだが、そのときに拳銃が暴発し銃弾を一発紛失した責任を取って警察を辞職したのだった。

制服を持って光一と軍治を見舞うことにしたちひろだったが、病院が建つ区域がかつての屠殺場だったことに驚いた。その場所でミユキは殺されていたのだ。腹に牛の角が刺さった状態で。それを聞いた光一はこれ以上そんな話は聞きたくないと一喝し病院に向かった。余命三ヶ月と言われている病室の軍治は痛みを訴えたことで強い鎮痛剤を投与され静かに眠っていた。翌朝、九十九屋にやってきたのは軍治の弟の邦夫だった。彼はミサという未亡人と組み、一億円の保険金を掛けて入水自殺した夫の遺体捜しをモーターボートを使って海で行っていたのだ。その様子は軍治の病室から良く見えた。

屋台的映画館

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