松竹=朝日放送
配給:松竹
製作年:1984年
公開日:1984年6月16日
監督:貞永方久
制作:山内久司 桜井洋三 野村芳樹
脚本:野上龍雄 吉田剛
音楽:平尾昌晃
撮影:石原興
照明:中島利男 芳野尹孝
美術:倉橋利韶 北尾正弘
録音:広瀬浩一
調音:本田文人
編集:園井弘一
スチール:長谷川宗平
監督助手:津島勝
助監督:都築一興
記録:野崎八重子
照明助手:中山利夫
撮影助手:秋田秀継
編集助手:関谷憲治
録音助手:山本研二
効果:鈴木信一
装置:新映美術工芸
装飾:玉井憲一
衣裳:松竹衣裳
美粧:八木かつら
現像:東洋現像所
・・:エクラン演技集団
進行:鈴木政喜 大志万宗久
製作主任:渡辺寿男 黒田満重
製作協力:京都映画株式会社
題字:糸見溪南
特技:宍戸大全
殺陣:楠本栄一
協力:大覚寺 京都 下鴨神社
義太夫:豊竹咲大夫 鶴澤清介 鶴澤八介
人形指導:吉田蓑助
鳴物:望月太明藏社中
協力:浅草 宝扇堂
出演:藤田まこと 三田村邦彦 鮎川いずみ 菅井きん 白木万理
アメリカンビスタ カラー 124分
京で大人気の操り浄瑠璃、此竹朝之助一座がやってきたことで江戸の町が賑わっていた頃、身元不明の死体があちこちで見つかっていた。それらは奇妙なことに皆六文銭を咥えていたのだった。四人目の死体が見つかった早朝、南町奉行所の同心中村主水が出勤すると奉行所の中は蜂の巣をつついたような大騒ぎだった。だが我関せずの主水がゆっくりと茶をすすり始めると、筆頭同心の田中が手早く事情を説明し始めた。未だに身寄りからの届け出がないことを知った主水は三味線屋に向かい、おりくと勇次にそのことを伝えた。おりくの表の顔は三味線の師匠だが、裏稼業である「仕事人」の元締でもあった。血の繋がらない息子の勇次も三味線の張替えなどを行っているが、裏で仕事の依頼があれば引き受けた。そして主水も。死体が皆三途の川の渡し賃である六文銭を咥えていたことで彼らが同業者ではないかと主水が話すとおりくは顔色を変えた。数日後、おりくは突然旅支度を始め、心配する勇次に今この江戸で大変なことが始まっているに違いないと言った。
金さえもらえば何でもするという何でも屋の加代を頼ってやってきたのは女郎のおきみだった。彼女が仕事人のことを知っているかと尋ねると、自身が仕事人である加代は知らないとすっとぼけた。だが十両ももっていることがわかると目の色を変えて引き留めに掛かったが、手の平を返すような態度に不審を持ちおきみは店を出て行った。気になる加代は素性を調べ上げ、彼女が池之端にある出会い茶屋菊廼家の隠し女郎として働き、路地裏で暮らしていた仙太という男が五日前から姿を消していることを突き止めたのだった。その夜、再びおきみと接触した加代は、もしかすると仕事人と会えるかもしれないと盛り場をゆっくりと歩くように指示した。言われた通りにするとやがて雑踏の中から声が聞こえ、彼女は質問に従って答えた。そして指定された神社に十両を置くとそれはいつの間にか消えていた。偶然を装って現れた加代は、きっと仕事を引き受けてくれたんだと言った。
翌日、主水は探りを入れるために菊廼家に立ち寄った。おきみの依頼は大事な「ひと」をなぶり殺しにした雇い主の伝次を始末して欲しいというものだった。その伝次を呼び出し仙太はいるかと尋ねると、何も言わずに自分からいなくなったと言いそれ以上に詮索されないよう袖の下を渡したのだ。その様子を隣の屋敷の屋根から見ていたのは瓦屋夫婦の政とよねだった。彼らもまた仕事人に拘りがあった。
屋台的映画館
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