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危険な女たち

  • posted at:2017-01-21
  • written by:砂月(すなつき)
きけんなおんなたち
松竹=クラップボード
配給:松竹
製作年:1985年
公開日:1985年5月25日
監督:野村芳太郎
制作:野村芳太郎 野村芳樹
原作:アガサ・クリスティー
脚本:竹内銃一郎 古田求
撮影:川又昻
美術:森田郷平
音楽デザイン:杉田一夫
主題歌:「ミステリユ」安野ともこ
録音:原田真一
調音:松本隆司
効果:福島幸雄
照明:小林松太郎
編集:太田和夫
監督助手:松原信吾
スチール:赤井溥旦
美粧:吉井桂子
衣裳:松竹衣裳
衣裳コーディネーター:高橋康彦
スタイリスト:藤井康司 伊藤芳已
装置:川添善治
装飾:磯崎昇
現像:東洋現像所
進行:小松護
制作主任:福山正幸
出演:大竹しのぶ 藤真利子 和由布子 池上季実子 寺尾聰
アメリカンビスタ カラー 122分

南紀・白浜の断崖から海を見下ろす絹村家の別荘。ここには主の健一郎と妻のハナ、そして小児喘息の療養に来ている棚瀬夫妻の息子・守、他に二人の家政婦が住んでいた。いつになくハナが朝からそわそわしているのは、親しい客たちが3日間も泊まりに来ることになっているからだ。その夜、開かれた食事会に集まったのは、病院の院長を務める健一郎の代行で守の父親の秀雄とその妻の紀子、子供の頃にハナに可愛がられた藤井冴子、水野美智子、升森弘、そして隣の別荘に住む小説家の枇杷坂周平だった。食事が終わると夜会が始まり、専ら釣りの話で盛り上がった。夜が深まり守が寝室へ行くと、ハナは魚の話なんか止めて人間の話をしましょうと立ち上がった。独身の弘を冴子とくっつけよう前々から考えていた彼女がその話を切り出したところ、キッチンからグラスが割れる音が響いた。この家で引け目を感じていた紀子が片付けを手伝おうとして手を滑らしたのだった。悔しくてたまらず大きな涙をこぼす紀子を寝室へ連れて行った秀雄は、慰めの言葉を掛けると部屋を出た。そして廊下にいた冴子にあの男は止めた方がいいんじゃないかなと言ってキスをした。その様子を弘は階下から偶然目撃した。

釣りの約束をして帰る周平と入れ替わるように屋敷へやってきたのは、鉢植えを抱えたジャズ歌手の橘まゆみだった。彼女は近くの貸別荘に住むことになったが、電気が点かなかったことで助けを求めに来たのだ。ハナから部屋に招かれたまゆみは秀雄の姿を見るなり懐かしいわと偶然の再会に声を弾ませた。かつて医師と患者の関係だった二人は、やがて恋に落ちた。そしてアメリカの大学病院で働くことが決まると秀雄はプロポーズをした。だがオーディションに受かりレコーディングが決まったばかりのまゆみにとってそれは苦渋の選択だった。結局、彼女が自分の夢を選んだことでこの恋は終焉を迎えた。停電の原因がブレーカーだと考えた秀雄はまゆみと別荘へ向かったが、道中でじゃれ合う姿を窓から見ていたのは守だった。そして歩いて10分の場所にあるにもかかわらずいつまで経っても帰ってこない秀雄を紀子はひたすら待ち続けた。

翌早朝、昨夜の出来事がなかったように皆で黒崎の海岸へ出かけて釣りを始めた。各々が自分のポイントを見つけて釣り糸を垂らす中、一発の銃声が辺りに鳴り響いた。健一郎、ハナ、弘、冴子、美智子、守、そして周平が駆けつけると秀雄が胸を押さえて膝をついていた。そしてその傍らには紀子が銃を握って立ちつくしていたのだ。秀雄は体勢を崩して息絶えたが、死の間際に冴子の名を呼んだ。

屋台的映画館
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トラック野郎 一番星北へ帰る

  • posted at:2017-01-16
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろういちばんぼしきたへかえる
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1978年
公開日:1978年12月23日 併映「水戸黄門」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:掛札昌裕 中島信昭 鈴木則文
撮影:中島徹
録音:広上益弘
照明:小林芳雄
美術:桑名忠之
編集:鈴木宏始
助監督:澤井信一郎 森光正
記録:高津省子
進行主任:石川通生
装置:中村文栄
装飾:金田孝夫
音響効果:原尚
擬斗:日尾孝司
スチール:藤井善男
宣伝担当:坂本年文 本間昭信
演技事務:山田光男
美粧:井上守
美容:石川靖江
衣裳:福崎精吾
協力:東映俳優センター
現像:東映化学
音楽:木下忠司
挿入歌:「仮面舞踏会」黒沢年男
・・・:「ごめんよ」新沼謙治
・・・:「トラック野郎の三度笠」須賀良
協力:いわき市常磐ハワイアンセンター 花巻温泉 山田うどん
企画協力:(株)カントリー
協力:金子運輸株式会社 哥麿会 関西浪花会
出演:菅原文太 愛川欽也 せんだみつお 大谷直子 新沼謙治
アメリカンビスタ カラー 110分

青森で復路の荷を積んだ三台のトラックは晩秋の東北道を疾走していた。先頭は星桃次郎が運転する一番星号、続くは松下金造のやもめのジョナサン号、そしてしんがりは桶川玉三郎の三番星号だった。松下家では金造が1週間ぶりに食卓を囲むことから、妻の君江が奮発して夕食にすき焼きを用意して待っていた。桃次郎と玉三郎も一緒に食事をすることになっていたが、いつまで経っても桃次郎がトラックから降りてこないため、君江が娘の美智子と華子を見に行かせた。すると桃次郎は運転席で縮こまって震えていたのだ。医者に診せたところ食あたりの診断を受けたが、もう少し遅ければ命にかかわるほど危ない状態だった。君江は意識を取り戻したばかりの桃次郎に日本一のお嫁さんを探してあげるからねと約束した。

すっかり体調が良くなった桃次郎は金造とともに再び東北へ荷を運んでいた。ドライブイン・花巻オートスナックで仮眠を取っていた金造は出発の時間になったので桃次郎を起こすとコーヒーを買いに行った。眠気覚ましにトラックから出てきた桃次郎は見回りにやってきた婦人警官の佐倉潔子を車内に連れ込もうとして婦女暴行未遂と公務執行妨害で逮捕された。国道4号線には「4号線のマリー」という婦人警官のコスチュームを着た有名な売春婦がいたことから彼女もその仲間だと思ったのだ。この逮捕を誰よりも喜んだのは、2代目花巻の鬼台貫こと岩手県警の赤沢重吉巡査だった。一番星号には探知機が積まれておりネズミ捕りの場所を事前に察知されるため、その情報は他のトラック野郎たちに筒抜けになるからだ。だが警察官としてのイロハを叩き込まれた彼の先輩の金造が現れ土下座したことで事情は変わった。台貫とは過積載取締りで使用される大型の秤で、金造はかつて花巻の鬼台貫と呼ばれていたのだ。重吉は桃次郎に対し軽微な24時間の拘留を言い渡した。

ドライブイン・みちのくでは桃次郎の出所祝いが盛大に行われていたが、その中で浮かない顔をしている男がいた。彼は真室川こと石川孫六というトラック野郎で、人身事故で支払うことになっている慰謝料のうち残りの60万円をサラ金から借りようと考えていたのだ。だがそれには保証人が必要であることから、金造に頼み込むとよしと言って即座にハンコを押した。すると食堂が騒がしくなった。そこに現れたのはアメリカ帰りで24トンの大型トレーラーを乗り回すビッグ99こと九十九譲次だった。彼は運ぶ荷を横取りする「荷荒らし」を行うことでトラック野郎たちから反感を買っていたのだ。以前煽られたことがある桃次郎は話し合いで解決しようとしたが、道理の通じる相手ではなかった。

屋台的映画館

執念の蛇

  • posted at:2017-01-10
  • written by:砂月(すなつき)
しゅうねんのへび
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1958年
公開日:1958年9月7日 併映「不敵な男」
監督:三隅研次
制作:酒井箴
企画:高桑義生
脚本:土屋欣三
撮影:竹村康和
録音:奥村雅弘
音楽:高橋半
照明:島崎一二
美術:菊地修平
編集:菅沼完二
邦楽:中本利生
制作主任:小沢宏
装置:三輪良樹
装飾:海老瀬弥一
背景:高橋作次
美粧:明石悦男
結髪:中井つる
衣裳:古川正和
擬闘:宮内昌平
記録:竹内衣子
普通写真:杉山卯三郎
助監督:西沢利治
撮影助手:野本一雄
録音助手:江村恭一
照明助手:森島竜作
美術助手:北川博
音響効果:倉島暢
移動効果:伊藤義雄
演技事務:大橋和彦
進行:西郷悦久
出演:島田竜三 近藤美恵子 毛利郁子 美川純子 和泉千太郎
シネマスコープ モノクロ 52分

江戸の両替商・伊勢屋次郎兵衛の一人娘のお千代は手代の清二郎と夫婦になる約束をしていたが、彼女の踊りの師匠である水木歌次はそれを快く思っていなかった。清二郎は飲めない酒を無理強いされたことで正体をなくし歌次と一夜を供にした。そのことを次郎兵衛に洗いざらい話すと脅したが、自分が悪いのだからいずれ打ち明けるつもりでいたと祝言を諦める様子がないことで彼女は悔しい思いをしていたのだ。

番頭の彦六は機会を見て伊勢屋を乗っ取ろうと考えていた。ある日、歌次の生い立ちを知って不憫に思った次郎兵衛は、面差しがある人物に似ていると口にした。それを偶然耳にした彦六は、髪結いの藤吉にお捻りを渡すと彼女の兄で道楽者の紋三郎を口説くように言った。藤吉は他人に話を聞かれないよう紋三郎を小舟に呼び出すと、歌次がかつて次郎兵衛が縁を切ったおときとの間に出来た娘だという彦六と考えた筋書きを口にした。紋三郎は歌次が芝居をうまく打てるはずがないし、本当の隠し子が名乗って出れば話がおしまいになると危惧したが、そうならないためにたんまりと金を渡して縁を切ったんだと藤吉は必死に説得した。次郎兵衛がそう簡単に信じるとは思えなかったが、歌次を口説けば何とかなると言われたことで紋三郎は話に乗ることにした。成功すれば多額の金が手に入るからだ。

祭りの日、次郎兵衛はゆかりの者たちを呼んで食事会を開いたが、お千代に付き添うおきぬが廊下に落とした簪を彼が拾ったことで話が思わぬ方向へ転んだ。その簪がおときに与えた物ととても似ており、次郎兵衛はそれを歌次の物だと勘違いしたことで彼女をおときの娘だと思い込んだのだ。うれしさの余り彦六を呼び寄せてそのことを話すと歌次の身元を調べるよう命じた。次郎兵衛からそれ相当のことをするという言葉を聞いたものの、簪が廊下に落ちていたということは伊勢屋や来客の中におときの本当の娘がいる可能性があった。彦六が歌次たちにそのことを話すと、朝吉はもうこうなったら後には引けないとけしかけたのだ。それを聞いた歌次はある考えを口にした。

稽古を終えると歌次は清二郎が白竜様の社で待っているとお千代に伝えた。白竜様は赤ん坊の時分のお千代を命取りの病から救った守り神だった。その場所で愛する人と二人きりになるために、彼女は用事を思い出したと嘘をついておきぬを帰らせたのだった。胸を躍らせて社にやってきたお千代だったが、そこで待っていたのは歌次たちだった。

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大冒険

  • posted at:2017-01-04
  • written by:砂月(すなつき)
だいぼうけん
東宝=渡辺プロ
配給:東宝
製作年:1965年
公開日:1965年10月31日 併映「喜劇 駅前大学」
監督:古澤憲吾
制作:藤本真澄 渡辺晋
脚本:笠原良三 田波靖男
撮影:飯村正 小泉福造
美術:村木忍
録音:増尾鼎
照明:隠田紀一
整音:下永尚
音楽:広瀬健次郎 萩原哲晶
主題歌:「大冒険マーチ」ハナ肇とクレージーキャッツ
・・・:「遺憾に存じます」ハナ肇とクレージーキャッツ
監督助手:長野卓
編集:黒岩義民
現像:東京現像所
制作担当者:古賀祥一
特殊技術・撮影:有川貞昌 富岡素敬
特殊撮影・美術:渡辺明
特殊撮影・照明:岸田九一郎
特殊撮影・合成:向山宏
特殊撮影・監督助手:中野昭慶
特殊撮影・制作担当者:小池忠司
特技監督:円谷英二
出演:ハナ肇 植木等 谷啓 犬塚弘 石橋エータロー
シネマスコープ カラー 103分

フランスで大量の偽造紙幣が発見され、アメリカやソ連、イギリスなどでも同様の事件が発生したことから、日本銀行でも確認を行ったところ偽の一万円札が見つかった。銀行の窓口で見つかった紙幣と銀行が保有していた同じ番号の紙幣を照合したものの、専門家にも見分けがつかなかった。何故なら紙の質から印刷技術など何から何までそっくりだったからだ。造幣局では同じ番号の札を印刷しないことから、どちらかが本物でどちらかが偽物、あるいは両方が偽物という可能性があった。国際的な陰謀団の存在が考えられることから、内閣総理大臣は関係者を集めて会議を開き各国の警察と協力して捜査を行うよう命じた。これを受けた警視総監は、これが国民に知れ渡れば経済に影響を及ぼすことから、秘密の保持を重視し関係各方面と綿密な連絡を取って科学的捜査方式の成果を十分に発揮せよと特捜本部に通達した。そしてマスコミ関係へ意図が漏れないように注意せよと喚起した。乾刑事と市橋刑事が殺しや強盗事件専門の我々がパッとしない偽札事件に回されたと嘆いていると、花井部長刑事は科学捜査と言っても最後は経験と長年の勘が物を言うのだから足と粘りで行こうと活を入れた。

元体操選手で雑誌「週刊トップ」の記者の植松唯人が起床して身支度を整えていると、突然隣の部屋が爆発した。壁に空いた大きな穴から顔を出したのはビール会社の技術者で発明家の谷井啓介で、唯人が提案した「高温高圧による瞬間飯炊き釜」を実験しようとスイッチを入れた途端に吹き飛んだのだ。啓介の部屋には妹の悦子が同居していることから唯人は心配になって覗いたが、無傷だったものの家具はめちゃめちゃ。おまけに発明で特許を取って金儲けしようと焚きつけるからだと嫌味を言われてしまった。それでもへこたれない唯人は、天才的な技術者の啓介が発明品で特許を取って世界的に売り出せば、君は会社の社長夫人に収まれるんだと言った。その日本一の電機会社の社長が唯人だとわかると悦子は鼻で笑った。

産業会館で受付嬢をしている悦子に会いに行った唯人は、そこで森垣金融の社長・森垣久美子と出会った。彼女は悦子が夢中になっている大企業の御曹司・石崎を紹介されたことでここに来たのだが、唯人が週刊誌の記者だとわかると逃げるように部屋へ入った。久美子は石崎に10億円の融資を行い、午後9時にクラブ・サハラで会うことを約束すると足早にビルから出て行ったが、それを目ざとく聞きつけた唯人は悦子のことが気になり潜入することにした。一方、勘を頼る花井もデカい札がスイスイ動く薄暗い場所としてサハラに目をつけていた。

屋台的映画館

犬飼さんちの犬

  • posted at:2016-12-28
  • written by:砂月(すなつき)
いぬかいさんちのいぬ
「犬飼さんちの犬」製作委員会(アミューズメントメディア総合学院=tvk=テレ玉=チバテレ=三重テレビ=KBS京都=サンテレビ=札幌テレビ放送=TVQ九州放送=ぎふチャン=NTTぷらら=竹書房)
配給:AMGエンタテインメント
製作年:2011年
公開日:2011年6月25日
監督:亀井亨
製作総指揮:吉田尚剛
プロデューサー:平体雄二 飯塚達介
ラインプロデューサー : 和氣俊之
原作:各務慎一 倉木佐斗志
原案:吉田聡史
脚本:永森裕二
撮影:中尾正人
美術:須坂文昭
照明:白石宏明
録音:田中博信
助監督:野尻克己
ヘアメイク: 梶谷奈津子
スタイリスト:植田瑠里子
制作担当:野村邦彦
動物トレーナー:ZOO動物プロ
キャスティング:中里慶
サウンドデザイナー:古谷正志
音響効果 :丹愛
音楽:野中”まさ”雄一
主題歌:「ワン☆ダフル」SEAMO
制作プロダクション:スタジオブルー
出演:小日向文世 ちはる 木南晴夏 池田鉄洋 徳永えり
アメリカンビスタ カラー 92分
 
チェーンストア「バスコダガマ」の本社渉外課に勤務する犬飼保は念願の新居を手に入れたが、鳥ヶ崎島にある業績ワースト1の鳥ヶ崎店への転勤を命じられた。蓮田喜一郎店長とともに試行錯誤するものの、人口が少ないことで売り上げが伸び悩み利益の改善は見られなかった。そこでこの島でしか取れない鳥待草で作った特産品の「島石鹸」を圏内で販売したところ、売り切れ店続出の大ヒットとなった。鳥待草の収穫は保と店員の鳥飼カエデが行い、製造はカエデの父の正が行っていたが、それでは収穫が間に合わないことから喜一郎が参加した。

単身赴任をしてから1年が経つ保は前々から有給休暇を願い出ていたが、喜一郎はそんなケチなことを言わずに実績を作って一緒に本社へ戻りましょうとその話が出るたびに誤魔化していた。保は島での生活を始めてから、食事はネットワークカメラを通じて妻・潤子、中学生の幸、小学生の岳とともにとることに決めていた。ある日の朝食でのこと。保が岳に学校が終わったら何をするかと尋ねると、彼はサモンと遊ぶと言った。それを聞いた保はその子がどんな子なのか想像していたが、画面の向こう側の変化には気づかなかった。

帰宅したカエデは、島石鹸がペットの飼い主に好評でポンプタイプを発売することを正に報告した。それを聞いた正は、昔この島の住民が使っていた石鹸がペット用品になったことを嘆いた。島の名産が全国展開しているんだからいいんじゃないのとカエデが言うと、正はむしろ恥をかいているんじゃないかと言った。そういう考えだからこの店も島も寂れて行くんだよとカエデはつぶやいた。

ある日の朝、出勤途中の保に緊急の電話が掛かった。それは島石鹸によるクレームを伝えるために島石鹸プロジェクトのリーダー・菊田萌子が本社から突然来たからだった。喜一郎が雑草を収穫して原料の水増しをしたことが原因でペットに健康被害が起こり、飼い主たちが訴訟を起こそうとしたのだ。その結果、怒り心頭の社長は喜一郎に本社への出頭を命じたのだ。バスコダガマの社長・蓮田重彦は彼の父親だった。本土へ向かう連絡船には喜一郎の他に保とカエデが乗っていた。何で私たちが一緒なんですかとカエデが尋ねると、保は一人じゃ心細いんでしょとにこやかに答えた。

翌日の本社への出社に備えて保は一年ぶりとなる我が家に帰って来た。きっと潤子が笑顔で迎えてくれるに違いないと胸を躍らせながらチャイムを押したが、待てど暮らせど出て来なかった。留守だとわかり落胆して玄関の鍵を開けると、その先にある光景に目を疑った。家の中に犬がいるのだ。犬嫌いの彼は現実が受け入れられずにドアを閉めた。

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