東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1965年
公開日:1965年12月31日 併映「関東果し状」
監督:石井輝男
企画:植木照男
原作:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:稲田喜一
録音:井上賢三
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:内藤誠
進行主任:白浜汎城
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
出演:高倉健 嵐寛寿郎 田中邦衛 杉浦直樹 千葉真一
シネマスコープ カラー 90分
殺人傷害で懲役8年の刑を科された橘真一は北海道の北端にある網走刑務所に収監されている。ある夜、脱走のサイレンが鳴り響き所内が騒然となる中、雑居房内の者たちは自分たちだったら何をしたいかを話し始めた。すると静かに聞いていた橘は逃げ切れるはずがないと言った。網走刑務所は網走川と山に囲まれておりその先にはオホーツク海があった。辺りは雪に埋もれ、仮に外に抜け出したとしても零下20度の川なら泳ぎつく前に凍え死ぬのは目に見えていた。山へ逃げても民家はなく、オホーツクを泳いで国後、樺太へ逃げることなどありえなかった。橘は妙な考えは起こさずに寝た方がいいと促した。翌日の労働時間に橘は脱走者が第一監房の浦上だったことを大槻から聞いた。浦上は仙台や宮城など何処の刑務所に行っても気に食わなかったら脱走するという常習者でその道では有名だった。だが今回は山を踏んだ際に仲間から裏切られたため、復讐するためわざわざ収監されその仲間を絞め殺して逃げたのだ。
房内の葉山が作業中に体調を崩したため、雑役当番だった橘は炊事班長と掛け合い栄養のある食事を調達しようとした。ところが頼む態度が気に食わないと押し問答になりついには騒動に発展した。そこにやってきた看守は炊事班長の言い分を聞き、反則としてお前の仮釈放を俺が責任を持って取り消すと言った。頭にきた橘は手を出そうとするが、それを止めたのは鬼寅だった。違反を重ねて改悛の情がひとかけらもないと言う看守に、鬼寅は囚人への配給品をピンハネして我が家へ運ばせているのはどなたですかと言った。頭に血が上った看守は鬼寅に銃を向けるが、その鬼気迫る態度に負け仮釈放取り消しの取り消しと特別食の容認をした。
翌日、橘の仮釈放が急遽決まったが、それを知った葉山は彼に頼みごとをした。葉山は釧路の王子運送で働いていた際に中身を知らずに荷を運んでいたが、それが禁制品であることが発覚し全ての罪を被った。そこで社長の志村から金を取り立て、その金をペンケセップにいる病身の母親に送金して欲しいと言った。更にオポチョッカいる大沢組の組長が、葉山が収監されたのをいいことに彼の女房を寝取ったのだという。頼みごとを断れない性分の橘は、俺が全て落とし前をつけると約束した。
屋台的映画館
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