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江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間

  • posted at:2022-06-05
  • written by:砂月(すなつき)
えどがわらんぽぜんしゅうきょうふきけいにんげん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年10月19日 併映「 (秘)劇画 浮世絵千一夜」
監督:石井輝男
企画:岡田茂 天尾完次
原作:江戸川乱歩
脚本:石井輝男 掛札昌裕
撮影:赤塚滋
照明:増田悦章
録音:野津裕男
美術:吉村晟
音楽:鏑木創
編集:神田忠男
助監督:依田智臣
記録:塚越恵江
装置:温井弘司
装飾:宮川俊夫
美粧:鳥居清一
結髪:白鳥里子
衣裳:岩逧保
擬斗:三好郁夫
背景:西村哲勇
協力:木下サーカス
出演:吉田輝雄 賀川雪絵 由美てる子 葵三津子 小畑通子
アメリカンビスタ カラー 99分

大正13年秋、過去の記憶を失った人見広介は精神病院に隔離されていた。東洋医大を卒業した医者の卵である彼は、何故自分がそこにいるのか理解出来なかった。時折女の声で歌う子守唄が何処からか聞こえてくるが、それは幼い頃に聞いたものと同じだった。その日は同時に波の音が聞こえ、記憶の片隅に甦ったイメージを鉛筆でノートにスケッチすると、島の断崖に荒い波がぶつかる黒く淀んだ灰色の海が現れた。断崖と荒波を見つめる彼は誰かと一緒にいた。それは人間か、獣か、それとも・・・。その夜、またあの子守唄が聞こえたため病院を抜け出すと声の主を捜した。歌いながら路地を歩くのは初代という少女で曲馬団の団員だった。子守唄を頼りに自分の出身地がわかるのではないかと期待したが彼女は孤児だった。そこに看守が追ってきたため再会する約束をして別れた。翌日、サーカスの会場を訪れた広介は初代にスケッチを渡した。するとそれを見た彼女は脳裏にあるイメージと同じだがそれ以上のことを思い出せないと言った。だが歌を聞いた裏方の男が裏日本の何処かではないかと言ったのを思い出し伝えようとしたところ投げナイフによって殺された。広介は殺人犯として追われることになった。

出生の謎を解くために広介は北陸へ向かったが、列車内に置き忘れた新聞に自分の顔写真が載っていてギョッとなった。指名手配になったのかと記事を読んでみたがそうではなかった。菰田源三郎という自分と瓜二つの大富豪が原因不明の死を遂げたというのだ。この件に興味を持った広介は情報を集めることにした。泊まった旅館の按摩によると菰田家の大旦那・丈五郎は大層変わっており目が悪い上に手の指の間にガマガエルのような水掻きがついているのだという。そんな姿を人目にさらしたくないということで妻・ときをめとって一年もしないうちに所有する島へ一緒に渡ったというのだ。どうやら丈五郎は菰田家の資産を島の改造につぎ込んでお伽の島のような物を造ろうとしているらしい。本家は執事の蛭川に任せており、島で産んだ子供は三歳で本家に戻され乳母の手で育てられたが、その子供が死んだ源三郎だというのだ。翌日、源三郎の葬列を見学した広介は按摩から聞いた名前とそこにいる人々の顔を頭の中で結びつけた。自分と源三郎との間に何か繋がりがあるのではないかと考えた広介は彼に成り済ますことに決め、埋葬された墓から生き返ったように細工した。

屋台的映画館
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ええじゃないか

  • posted at:2022-03-23
  • written by:砂月(すなつき)
ええじゃないか
松竹=今村プロ
配給:松竹
製作年:1981年
公開日:1981年3月14日
監督:今村昌平
製作:小沢昭一 友田二郎 杉崎重美
原作:今村昌平
脚本:今村昌平 宮本研
撮影:姫田真左久
録音:吉田庄太郎
照明:岩木保夫
音楽:池辺晋一郎
編集:浦岡敬一
美術:佐谷晃能
時代考証:林美一
群舞指導:関矢幸雄
助監督:南部英夫
製作担当者:大岡弘光
出演:泉谷しげる 桃井かおり 草刈正雄 緒形拳 三木のり平
アメリカンビスタ カラー 151分

慶応二年、夏。上州川西村出身の源次は、女房にイネが恋しくて六年ぶりにアメリカから帰国した。沖合で商船に生糸を積み込む作業を小舟で行っていたが、ふと海に出たくなりその商船に乗せてもらうことに成功した。ところが嵐に遭遇し船は難破。漂流の末にアメリカの船に助けられてそのまま本国へ連れて行かれたのだ。神奈川奉行所吟味方与力佐郷屋殿に引き渡された彼は切支丹の疑いで収監された。同じ房にいた琉球出身のイトマンと意気投合した源次は羽目板を外して牢から逃げ出し故郷の村を目指した。だが六年の間に村の様子はすっかり変わっていた。源次の母は他界し、イネの姿もなかった。彼女の父虎松によると生活のために江戸千住宿へ身売りしたらしい。既に年季が明けているはずなのに帰ってこないということを知った源次は自らの手で連れ帰ることに決めた。イトマンとともに千住宿へ向かった源次だったがイネは既にいなかった。浪人の古川条理ややくざ者のゴンなどからの情報で東両国のそれ吹け小屋にいることを突き止めたが、彼女は小紫太夫として一番の人気者となっていたのだ。ここの暮らしに不服のないイネには村に帰る気など微塵もなかった。

ちっぽけな日本と比べ物にならないくらいの大地を持つアメリカ。肥沃な土地は作物がたくさん穫れるし、開墾すればその土地は自分の物になる。再びアメリカへ戻りたくなった源次はイネを一緒に連れて行きたいと考えていた。ある夜、そのことを打ち明けるとイネはここにいてもどうしようもないから行っちゃおうかなと言った。そうとなれば話が早い。源次は既に麻布にあるアメリカ公使館で領事と会い渡航許可証を受け取っていた。そして二人で五十ドル程掛かるという渡航費用はゴンたちが計画した押し込み強盗にイトマンと参加し手に入れていた。翌日、源次たちは横浜港に向かったが、イネは道中で気が変わりわざとはぐれた。一人残された源次はトボトボと東両国に戻るが、彼女が何事もなかったように小屋にいることに腹を立てた。そして舞台から引きずり下ろすと平手打ちした。

屋台的映画館

ekiden 駅伝

  • posted at:2021-11-12
  • written by:砂月(すなつき)
えきでん
「ekiden」製作委員会(電通=TBS=東映=デスティニー=エンジンネットワーク)
配給:東映
製作年:2000年
公開日:2000年11月18日
監督:浜本正機
製作:塩原徹 児玉守弘 黒澤満 安田匡裕
企画:遠谷信幸 原田俊明 石井徹 藤本俊介
プロデューサー:小滝祥平 千野毅彦 間瀬泰宏
アソシエイトプロデューサー:加藤悦弘 柳沢光俊 豊山有紀
原案:飯田健三郎
脚本:遊川和彦
撮影:栢野直樹
照明:長田達也
録音:野中英敏
美術:及川一
装飾:松本良二
編集:奥原好幸
スクリプター:津崎昭子
助監督:久保朝洋
キャスティング:日比恵子
プロダクションマネージャー:秋枝正幸
企画協力:青柳教載 西村寛
脚本協力:長谷川康夫 関賢嗣
音楽プロデューサー:中澤次徳
音楽:氷室マサユキ
制作プロダクション:エンジンネットワーク
出演:伊藤高史 中村俊介 田中麗奈 近藤芳正 小倉久寛
アメリカンビスタ カラー 115分

全日本学生選抜駅伝大会で優勝を果たした陵明大学駅伝チーム。4年生の岬壮介と早川義彦は卒業後、それぞれの道を歩むことになった。陵明大のエースで絶対的アンカーだった早川は実業団チームの強豪であるランテックに迎え入れられた。一方、どの企業からも声が掛からなかった岬は、どんな仕事でもすると人事課に掛け合って幼い頃から憧れていた横須賀造船に就職した。その会社には強豪の駅伝部があったが、長引く不況により昨年廃部になったのだ。それでもこの会社に就職したのには理由があった。仕事を終えた岬が真っ先に向かった先はかつての駅伝部の部室だった。古びた看板が掛かったそのプレハブは今は物置として使われているが、まだ記念写真や賞状、トロフィーなどはそのまま飾られていた。岬が室内でそれらを眺めていると、ドアが開いていることに気づいた芦田がやってきた。駅伝部に入りたいと無理なことを言う岬に、芦田はつい新人のときに全日本選手権で3連覇した頃の話を始めた。

駅伝部を復活させることに決めた岬はまず部員集めから始めた。駅伝をしたくて入社したと思われる工員の村橋渉に一緒に走りませんかと声を掛けるがあっさりと断られた。次に目をつけたのは大学時代に陸上経験があると聞いた営業の和田行だった。岬は返事を聞く前にグラウンドで待ってますからと言って走り去った。他にも労使交渉に神経をすり減らす大森に声を掛けると、切り売りされて不完全な状態になったグラウンドで走りながら皆を待った。そんな彼の扱いに困った芦田は勝手に練習をされたら上から何を言われるかわからないからと止めようとするが、岬はそんなのお構いなしだった。その二人が追いかけっこをしている様子をベランダからうらやましそうに眺めていたのは船の設計士の横井だった。

ある朝、横井は寿司詰めの通勤バスの中でスリを目撃した。停車と同時に飛び降りた男を横井は懸命に追い掛けるが通勤途中の大森とぶつかった。横井の代わりに男を追い掛けることになった大森だったが寄る年波には勝てず、薬局で栄養ドリンクを飲む和田に交代した。だが長年のブランクによって失速すると、今度はパン屋から出てきた芦田に代わった。へとへとになった彼の横には走って通勤する岬の姿が。芦田からタスキを受け取った彼は男にあっさりと追いつき、そろそろ諦めませんかと声を掛けたのだった。犯人逮捕に協力したことで五人は警察から表彰された。署長から関係を聞かれた岬は、迷わず駅伝部ですと答えた。

屋台的映画館

エロス学園 感度ばつぐん

  • posted at:2021-11-04
  • written by:砂月(すなつき)
えろすがくえんかんどばつぐん
日活
配給:日活
製作年:1977年
公開日:1977年10月1日 併映「幻想夫人絵図」
監督:蔵原惟二
プロデューサー:八巻晶彦
脚本:桃井章
撮影:萩原憲治
照明:高島利隆
録音:古川恒夫
美術:川船夏夫
編集:鈴木晄
音楽:奥沢散策
挿入歌作曲:井関磨里
助監督:村井良雄
色彩計測:米田実
現像:東洋現像所
製作担当者:天野勝正
技斗:田畑善彦
出演:小川亜佐美 森川麻美 結城マミ 桂たまき 村国守平
シネマスコープ カラー 70分

ミス英呂西学園で3年B組のクラス委員、しかも陸上部のホープである日向みさは高根の花。そんな彼女に片思いをする冴えない吉沢忠男は心の内を伝えることが出来なかった。抑えられない気持ちはいつしか夢となり、授業中での居眠りの最中に夢精した。それが許せないのは教師たちがアマゾネスと恐れる彼女の親衛隊だった。例え夢の中であってもみさを汚すなんて身の程知らずだと所構わず吉沢を袋叩きにしたのだ。

みさは柔道部の葉山明美、新聞部の田代佳江と特に仲が良かった。部活を終えた3人が下校していると、阿賀平高校のスケバンたちに取り囲まれた。身の危険を感じたみさたちは走って逃げたが人気のない草むらでついに捕まってしまった。リーダーである富子の目的、それは3人の中のみさにあった。陸上競技でいい記録を出す女の中にはたまに化けた男が混じっているから、対抗試合を公正に行うためにセックスチェックをするのだという。羽交い絞めにしてみさのパンティーを脱がそうとしていると風変わりな男が現れた。薄汚れた学生服に麦藁帽、そして子豚を小脇に抱えたその男はあっという間に富子の服を脱がすと押し倒した。

翌日、みさのクラスに転校生としてやってきたあの男・桂木竜は少年院から出てきたばかりだった。強気なみさのことが気に入った桂木が彼女の行く先々に現れるため、明美と佳江はボディーガードとして両脇に立った。同じ頃、吉沢は桂木のことを調べ上げた親友の梅野良からその話を聞いた。桂木は15歳のときに隣の家の人妻を強姦して以来、今までに数十人の女を犯して3回も少年院送りになっていた。その度に高校を退学となり流れ流れて5番目となるこの高校にたどり着いたのだ。童貞の吉沢と梅野が例え鼻つまみ者だったとしても自由に出来るなんてうらやましいと話していると、校舎の中から女性の悲鳴が聞こえた。声の主はみさにつきまとう桂木を懲らしめに行った佳江で、ミイラ取りがミイラになったのだ。吉沢たちは窓からその様子を静かに眺めていると、桂木はおもむろに紙を取り出した。それは「犯しの竜」として活動を始める宣言書で、学園新聞に載せろと強要した。昇天させられた佳江は言いなりになるしかなかった。

屋台的映画館

江戸川乱歩の陰獣

  • posted at:2021-06-19
  • written by:砂月(すなつき)
えどがわらんぽのいんじゅう
松竹
配給:松竹
製作年:1977年
公開日:1977年6月18日
監督:加藤泰
製作:白木慶二
原作:江戸川乱歩
脚本:加藤泰 仲倉重郎
撮影:丸山恵司
音楽:鏑木創
美術:梅田千代夫
録音:小林英男
調音:小尾幸魚
照明:三浦礼
編集:大沢しづ
スチール:金田正
監督助手:増田彬
装置:石渡敬之助
装飾:印南昇
衣裳:松竹衣裳
かつら:八木かづら店
現像:東洋現像所
進行:大川修
製作主任:池田義徳
前衛劇・構成:星野和彦
前衛劇・振付:横井茂
協力:株式会社山京 パレフランスクチュール プチパレ 梶くみひも
挿入画:林静一
監督補:三村晴彦
出演:あおい輝彦 香山美子 倍賞美津子 加賀まりこ 川津祐介
アメリカンビスタ カラー 118分

本格派探偵小説のセオリーに従って新作を発表し続ける作家の寒川光一郎は自身の小説が舞台化や映画化をされる程の人気だった。長編小説「湖畔亭殺人事件」がお盆の超特作として映画化されることになり、寒川はクライマックスの撮影の見学と主演女優の宮島すみ子との対談を行うために京都の撮影所へ向かった。この関西旅行には旧知の仲である博文館外交記者の本田達雄と若い女性の写真記者が同行した。仕事を終え東京に戻った彼は古書店で版画を購入したが、店を出たところで女とぶつかった。寒川は美しいその女のことを覚えていた。以前、上野の帝室博物館ですれ違った際に、うなじに特徴のある赤いミミズ腫れが見えたからだ。拾い上げようとした本が湖畔亭殺人事件だとわかると興味を持った寒川は話し掛けてみた。すると彼女が寒川の大ファンであり全ての作品を読んでいることを知って上機嫌になった。その女は小山田静子といい、夫は合資会社碌々商会の出資社員で実業家の小山田六郎だった。カフェには和やかな空気が漂っていたが、静子が大江春泥の名を出した途端に一変した。大江は四年前に変革派と称して探偵小説界に突然現れたが、その正体は謎だった。読者に媚びていると感じる作風は探偵小説とは言えないと毛嫌いしていたのだ。大江の居場所を知りたかったばかりに寒川の機嫌を損ねたことを静子は詫び、また会う約束をして別れた。

原稿の締め切りに追われる寒川は本田に捕まり山の上ホテルで缶詰めになった。ストーリーのアイデアが出ずに四苦八苦していると、本田は下宿から預かってきた郵便物を渡した。その中に静子からの手紙があることがわかると早速読み始めたが、そこには相談事があるから会いたいと書いてあった。時を同じくして下宿から静子がきていると電話が掛かり、居ても立っても居られない寒川は本田の制止を振り切ってホテルを飛び出したのだった。静子の相談とは郵送で届いた全て消印が違う三通の封書だった。その内容が脅迫であり差出人が大江春泥であること寒川は驚いた。大江の本名は平田一郎といい、静子が十八歳の女学生のときに二人は好き合っていた。だが大学生は恐ろしい程の真剣さだったのに対し静子の方はロマンチックな憧れだったことで怖くなった。丁度その頃、父親が商売に失敗し一家で彦根へ引っ越したが、平田の執念から逃れることが出来てホッとしていた。父母を亡くした彼女の前に現れたのが小山田だったが、静子は結婚の際に男は知らないと今の今まで隠し通してきたのだった。そして復讐してやるという脅迫状が次々と届くようになり困った挙句、寒川に相談することに決めたのだった。一通りの話を聞いた寒川は、原稿を書き終えたら必ず捕まえてとっちめてやると約束した。

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