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男はつらいよ 葛飾立志篇

  • posted at:2021-03-06
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよかつしかりっしへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1975年
公開日:1975年12月27日 併映「正義だ!味方だ!全員集合!! 」
監督:山田洋次
製作:島津清 名島徹
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男 佐藤公信
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:内藤誠
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:ブルドックソース株式会社 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 樫山文枝 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 97分

葛飾柴又にある団子屋・とらやを修学旅行の女子高生が訪ねた。山形からやってきた彼女の目的は車寅次郎に会うことだったが、旅に出ているからいつ帰ってくるかわからないとつねが言うと女子高生は残念そうにうつむいた。そんな彼女にさくらはやさしく声を掛け、兄に会いにきた理由を尋ねた。彼女の名前は最上順子。毎年正月になると母親宛てに手紙が届き、その中に娘さんの学資の足しにと少額のお金が入っているのだという。寅次郎と母親との関係について尋ねると、順子は何故か口ごもった。するとそこに姿を見せたのはその寅次郎だった。店に入ってきた彼は順子の顔をしばらく眺めると、その面影から母である雪のことを思い出した。一方、顔を知らない順子がお父さんなのと尋ねると、さくらたちその言葉に驚いた。だが一番驚いたのは寅次郎だった。実の子を捨てたのではないかという疑惑が渦巻く中、寅次郎は雪に指一本触れたことがないこと、彼女が赤ん坊を背負っていたことを説明し無実を訴えた。その結果、その時の赤ん坊が順子であることがわかると皆、胸をなで下ろした。話をしていくうちに雪が亡くなったことを知った寅次郎は、別れ際に財布の中の有り金を全て渡し困ったことがあったらいつでもくるんだぞと元気付けた。

寅次郎が初めて雪と出会ったのは雪が降る寒い晩だった。何をやってもうまく行かず寒河江の街を無一文で歩いていた彼を空腹が襲い、矢も楯もたまらず駅前の食堂に飛び込んだ。そしてカバンと腕時計を差し出しこれで何かを食わせて欲しいと頭を下げると、女将の雪は困っているときはお互い様だと大盛の丼飯と湯気の立った豚汁にお新香を添えて出してくれたのだ。無我夢中でそれをかき込むうちに涙が止めどなく流れ、彼女が観音様のように思えたのだった。その時に雪の背中にいたのが順子だった。女手一つで娘を育てる雪の姿に感銘を受けた寅次郎は正月になるとお金を送るようになったのだ。その手紙の主が自分の父親であると16年間信じ続けた順子が訪ねてきたことに寅次郎は運命を感じていたが、その話を聞いた竜造がまともに結婚していたら同じくらいの娘がいたっておかしくないんだぞと言ったことでまた騒動が始まった。そして寅次郎は、だってしょうがねえじゃねえかと捨て台詞を吐き店を後にした。

屋台的映画館
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