東宝=渡辺プロ
配給:東宝
製作年:1968年
公開日:1968年8月14日 併映「連合艦隊指令長官 山本五十六」
監督:松森健
製作:渡辺晋
脚本:田波靖男
撮影:西垣六郎
美術:本多好文
録音:矢野口文雄
照明:西川鶴三
整音:下永尚
音楽:萩原哲晶
主題歌:「夢が夢がこぼれる」谷啓
監督助手:田中春一
編集:武田うめ
現像:東洋現像所
製作担当者:橋本利明
出演:谷啓 酒井和歌子 ハナ肇 藤田まこと 藤岡琢也
シネマスコープ カラー 85分
山水建設設計部に勤務する田丸圭太郎はある日部長に呼ばれた。その日の早朝に大きな地震があったが、山水建設が設計を請け負った鉄筋四階建ての海東高校の校舎が倒壊したというのだ。部長は設計上のミスではなく、工事を請け負った黒田組が設計図通りに施工を行わなかったからなのではないかと考えていた。そこで現地での調査を行うために彼が指名されたのだった。
田丸が早速列車に乗って現地に向かうと駅前で女性が歩いてきた。歓迎してくれるかと思ったらいきなりビンタを食らった。彼女の父親は校舎の下敷きになって亡くなり、その原因が杜撰な設計をした山水建設のせいだと考えていたのだ。思うことのありったけをぶちまけて女性が帰って行くと、入れ替わるようにやってきたのは黒田組の黒田社長だった。女性は海東高校校長の娘の山村宏子で、突然の父親の死で気が動転しているのだろうと言った。田丸は今すぐにでも調査を開始したいと考えていたが、黒田は何故か一度宿に落ち着いて調査は明日からにした方がいいと言った。押し問答の末に黒田に任せることになったが、宿で待っていたのは芸者衆だった。その夜、部屋で寝ているとそのうちの一人が枕元にきた。驚いた田丸が何事かと尋ねると、その芸者は社長が何もかも心得ていると言った。それを聞いて臭いと感じた田丸は急遽調査をすることにした。倒壊現場に来た田丸は一目見て建物が指定通りに建設されていないことに気づいた。何故なら鉄筋は注文よりも細く、コンクリートは出来の悪い大根のようにスが入っていたからだ。そこに宏子が花を手向けに来ていたことがわかると、倒壊に至った原因を事細かに説明した。すると黒田が部下たちを従えて現れ命が惜しくないのかと凄んだ。やれるもんならやってみろと田丸は啖呵を切り、宏子を逃がすと大立ち回りを演じた。それをきっかけに二人は結ばれたが、それは全て田丸の空想だった。
田丸が早速列車に乗って現地に向かうと駅前で女性が歩いてきた。空想と同じシチュエーションだと期待をしていると、その女性は全くの他人だった。そこに黒田組の黒田社長がやってきたがすぐに現場を見てもらおうと言った。接待を少しだけ期待していた田丸はちょっと違うなと呟いた。
屋台的映画館
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