クリエイティブネクサス
配給:トリプルアップ
製作年:2017年
公開日:2017年2月4日
監督:小林稔昌
エグゼクティブプロデューサー:中川幸美
プロデューサー:峰添忠
原作:中川学
脚本:安部裕之
撮影:原巌
照明:斉藤直樹
録音:林昭一
美術:早坂英明
DIT:土橋博昭
助監督:富澤昭文
編集:増田マリコ
制作担当:福田智穂
音楽:Gentle Forest Jazz Band
主題歌:「誰も知らない」沖ちづる
制作支援:一般社団法人 全日本テレビ番組制作社連盟
宣伝:MUSA
宣伝デザイン:プロダクション花城
アニメーション:有働康隆
企画:クリエイティブネクサス
出演:脳みそ夫 柳英里紗 沖ちづる 立石涼子 平田満
アメリカンビスタ カラー 90分
中川学、29歳フリーター、北海道・帯広在住。2005年9月某日、「なるべく人と拘らずに済んで、責任を取らなくて良くて、人聞きのいい企業」という条件の仕事を求めてハローワークに行くと、唯一紹介されたのが「もっこりシイタケ」という会社だった。そこで行うのは原木に出来た椎茸を収穫、パック詰めし出荷の準備を行うというものだったが、社長が働きぶりを褒めてくれたことで積極的になり、ここで働き続けようと決めた。ところが期間社員だったことに気づかず、また来年の秋によろしくと言われてしまった。再び無職に戻った学が家でゴロゴロしていると、あるテレビのニュースが気になった。それは父親が育て方を間違ったと責任を感じ30歳で無職の息子を刺殺したというものだった。気になってオロオロしているところにドアが開き、父親が入ってきた。学が身構えていると、父親が教師の仕事をやってみないかと言った。小学校で臨時教員の募集をしているというのだ。やる気があるなら紹介すると言われたが、とても悩んだ。大学卒業後、最初に就いた仕事は中学校の数学教師だったが、自信を無くしクラスの誰よりも早く登校拒否になったのだ。今度は特別支援学級の担当で児童は自閉症の男子一人だけだという。しばらく考えた末、来月のイチゴ収穫の仕事は決まっていたが引き受けることにした。久しぶりの教壇に立つことに緊張する学だったが、もっと大変だったのは扱ったことないタイプの生徒を指導することだった。大ちゃんと心を通わせるにはどうしたらいいかと悩み、専門書を片っ端から読み漁って勉強した。その結果、最初に見通しを立ててあげれば相手が安心することがわかり、一日の予定をホワイトボードに書き出して時間を管理した。すると冬休みが始まる頃には信頼を得るまでになっていたのだった。初めて社会人としての手ごたえを感じた学は自分にささやかなご褒美を与えることにした。
12月31日。人生の歯車が合い始めた高揚感と抑えきれない性欲からわざわざ札幌ススキノの風俗店に向かった。だがお相手してくれたのがおばちゃんだったからか、歳末ご褒美イベントは不発に終わった。財布の中には2万7千円。帰りの交通費を差し引いてももう一軒行ける。学は最寄りの喫茶店に入ると情報誌とスマホを使って次の店を決めた。狙いは「オフィスっ娘。倶楽部」のゆのあ嬢。早速電話を掛けて予約し店へ向かった。待合室でしばらく待っているとついにその時がやってきた。
突然その時はやってきた。最高のサービスを受け絶頂を迎える瞬間、まるでバットで殴られたような激痛が頭を襲ったのだ。医学部の学生でもあるゆのあはその症状が只事ではないと考え救急車を呼ぼうとしたが、救急隊員に運ばれる自分の全裸姿を想像した学はそれを断った。痛みに耐えながら服を着ようとしたものの再び激痛が襲いついに意識が途絶えた。急遽病院に運ばれた学は精密検査を施され、「くも膜下出血」と診断された。結果は翌1月1日に家族へ伝えられた。
屋台的映画館
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