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海月姫

  • posted at:2021-02-17
  • written by:砂月(すなつき)
くらげひめ
「海月姫」製作委員会(アスミック・エース=講談社=ハピネット=パルコ=東海テレビ=レプロエンタテインメント)
配給:アスミック・エース
製作年:2014年
公開日:2014年12月27日
監督:川村泰祐
エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎 鈴木伸育
プロデューサー:井手陽子 宇田光 松下卓也
共同プロデューサー:鈴木俊輔 加茂義隆
アソシエイトプロデューサー:坪屋有紀
ラインプロデューサー:橋本竜太
製作:長澤修一 古川公平 高橋善之 山崎浩一 高木卓司 本間憲
原作:東村アキコ
脚本:大野敏哉 川村泰祐
撮影:福本淳
照明:市川徳充
録音:小松将人
美術:笠井亜紀
編集:森下博昭
装飾:渡辺大智
助監督:成瀬朋一
衣裳:井手珠美
ヘアメイク:赤間直幸
スクリプター:中田秀子
テクニカルプロデューサー:大屋哲男
VFXプロデューサー:道木伸隆
音楽プロデューサー:安井輝
音楽:前山田健一
ドレスデザイン:飯嶋久美子
スタイリスト:飯嶋久美子
制作主任:信平隆行
制作進行:岩峅啓伍
主題歌:「マーメイドラプソディー」SEKAI NO OWARI
挿入歌:「スターライトパレード」SEKAI NO OWARI
・・・:「花鳥風月」SEKAI NO OWARI
制作:アスミック・エース
制作プロダクション:ギークサイト
製作幹事:アスミック・エース 講談社
出演:能年玲奈 菅田将暉 池脇千鶴 太田莉菜 馬場園梓
アメリカンビスタ カラー 126分

幼い頃に母親に連れて行ってもらった水族館でお姫様のドレスをまとったようなクラゲに出会った倉下月海。いつかお姫様になれるのではないかと考えていた彼女だったが、持ち前の性格が災いしそれとは縁遠い人生を歩んでいた。恋愛はおろか男の人としゃべることさえ出来ない有り様でいつの間にか二十歳を迎えていた。ある日、クラゲオタクの彼女は渋谷パルコで開催されている「クラゲの世界」という写真展を観たくて出掛けたのだが、ファッションセンスの高いその街がおしゃれに疎い自分を疎外しているように感じ泣く泣く引き返してきたのだった。月海は天水館という古びたアパートに住んでいるが、そこの住人の三国志マニアのまやや、鉄道オタクのばんば、和物オタクの千絵子、枯れ専のジジは皆彼女に同情した。独身である彼女たちは自らを「尼-ず」と呼び、男を必要としない人生を送ろうとしていた。天水館にはもう一人、主と呼ばれる売れっ子BL漫画家の目白樹音が住んでいるが月海はまだ会ったことがなかった。彼は極度の対人恐怖症であり、会話はドアの下にある隙間を使った筆談で行われた。

イラストレーターを目指して鹿児島から上京して半年。毎日楽しく暮らす月海だったが、時折亡くなった母親のことを思い出して淋しくなることもあった。そんな時はペットショップの水槽の中で優雅に泳ぐタコクラゲのクララから元気をもらうのだ。ところがある日、いつもと様子が違うことに気づいた。クラゲの数が増えたことでクララに友達が出来たのかと思ったが、それは天敵のミズクラゲだった。このままではタコクラゲが弱って死んでしまうため何とか店員に忠告したいのだが、その店員は見たところ苦手な男おしゃれ人間なのだ。だがそんなことも言ってらぬ緊急事態に勇気を振り絞って店に飛び込んだのだが、その鬼気迫る形相に驚いた店員は彼女を叩き出したのだった。するとそこを偶然通り掛かった女性が事情を察し、それならばタコクラゲを死んだことにすればいいと店員に言って強引に引き取ったのだった。こうしてクララは月海のルームメイトになった。翌朝目覚めると、足元にウィッグが落ちていた。あの女性が泊まったことを思い出した月海はこっそりとつけてみたが、その似合わなさに愕然とした。すると背後から声を掛けてきたのは金髪の青年だった。女性の正体は女装をした鯉淵蔵之介だったのだ。男のお姫様が東京にいることを知った彼女は衝撃のあまり石化した。

屋台的映画館
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黒い画集 ある遭難

  • posted at:2021-02-10
  • written by:砂月(すなつき)
くろいがしゅうあるそうなん
東京映画
配給:東宝
製作年:1961年
公開日:1961年6月17日 併映「愛と炎と」
監督:杉江敏男
製作:永島一朗
原作:松本清張
脚色:石井輝男
撮影:黒田徳三
美術:小野友滋
照明:森康 比畄川大助
録音:酒井栄三 西尾曻
音楽:神津善行
監督助手:鈴木荘蔵
編集:黒岩義民
製作主任:内山甲子郎
協賛:大町市観光協会
登山指導:星野貢
登山衣裳:東洋レーヨン
出演:伊藤久哉 土屋嘉男 児玉清 和田孝 天津敏
シネマスコープ モノクロ 87分

経験豊富な岩瀬秀雄が登山中に遭難して命を落としたが、姉の真佐子はその死に不信感を抱いていた。何故なら同行していた登山経験の浅い一人が何事もなく下山していたからだ。それからしばらくして雑誌・岳人に一本の手記が載ったが、書いたのはその経験の浅い浦橋吾一だった。

銀行に勤める支店長代理の江田昌利、貸付係の岩瀬、そして出納係の浦橋の三人は登山で北アルプスを目指すことになった。スケジュールは8月30日に大谷原、高千穂平のルートで冷小屋に一泊。翌31日早朝に出発し鹿島槍ヶ岳、八峰キレットを通過し五竜岳へ向かうのだ。その31日、八峰キレットには通行不可能と言われるような岩場があるが、その手前で霧が深くなり江田は引き返すことを提案した。だが岩瀬は冷小屋に戻るには3時間を費やすため先へ進んで八峰キレット小屋を目指すべきだと言った。小屋まで30分掛かるが、その間に天候が悪化した場合は引き返すという条件付きで江田は了承し前進を決めた。ガスは次第に濃くなり、これ以上進むのは危険だと江田は警告を発するが、岩瀬はあと20分もすれば小屋にたどり着けると譲らなかった。そこで初心者の浦橋がいることもあり山の定石として安全な方を取るべきだと江田が諭すと、岩瀬は渋々従った。まるで雲の中を歩くように冷小屋へ向かったが、疲労により岩瀬の歩みは次第に遅くなって行った。布引岳を越え灌木林を抜ければ小屋が見えるはずだったが林は途切れることがなかった。風雨が強まる中、道を間違えたことに気づいた江田は引き返そうとしたが、岩瀬が低体温症を起こし倒れたのだ。そして彼は突然狂ったように暴れ出し崖から転落したのだった。

江田と会う約束をした真佐子はその日の夜、三笠会館のレストランで待っていた。やがて彼が姿を現すと真佐子は電力会社に勤める従兄の槙田二郎を紹介した。弟の強引な行動を詫びた真佐子は花を捧げるために遭難現場まで案内して欲しいと言った。そして槙田を未熟な自分の代わりに連れて行って欲しいと願い出たのだ。彼は山に登りたいがために信州の高校を選び、会社も同じ理由で就職したのだった。江田は返答に窮し言葉を濁した。

屋台的映画館

黒薔薇昇天

  • posted at:2021-01-25
  • written by:砂月(すなつき)
くろばらしょうてん
日活
配給:日活
製作年:1975年
公開日:1975年8月9日 併映「わななき」
監督:神代辰巳
プロデューサー:三浦朗
原作:藤本義一
脚本:神代辰巳
撮影:姫田真左久
照明:直井勝正
録音:古川恒夫
美術:横尾嘉良
編集:鈴木晄
助監督:鴨田好史
色彩計測:田中正博
現像:東洋現像所
製作担当者:服部紹男
協力:レストラン シバタ
出演:谷ナオミ 岸田森 芹明香 山谷初男 高橋明
アメリカンビスタ カラー 72分

大島渚や今村昌平を尊敬し芸術性の高い作品を生み出そうとするブルーフィルム専門の映画監督・十三。女優のメイ子、男優の一(はじめ)、カメラマンの安さん、照明の石やんと行動をともにする十三は、これだと思うロケーションを見つけては製作に取り掛かった。ある日、海が見える旅館で撮影を行っているとメイ子が突然ストップを掛けた。どうやらお腹に子供を宿しているらしい。このまま仕事を続けると胎教に悪いので、子供を産むまで休ませて欲しいというのだが、十三にとって女優を失うことは死活問題に拘るのだ。何とか引き留めようと彼は屁理屈を並べるが、メイ子の気持ちは変わりそうもなかった。一方、一は子供の父親としての責任を取り彼女と結婚することに決めていたのだった。十三は撮影を諦めて大阪に戻ることにしたがメイ子のことは諦めていなかった。

十三たちは副業としてわいせつな音声を記録したカセットテープを製作、販売しているが、そのための素材を様々な場所で録音していた。猫がミルクを舐める音、動物園の動物たちの声、大相撲の勝利者インタビューの息遣い、そして一番のお気に入りは十三自身が通う歯医者で苦労して録音した十七、八の娘の治療を嫌がる声だった。これらを編集してマザーテープを作り販売すれば一本当たり七千円から一万円で売れる。これが映画製作の資金源となっているのだ。そのことをメイ子に説明した十三は、自分が持つ芸術的センスと知恵を信用してつまらないことを気にせず身を任せてくればそれでいいんだと説得した。ところが歯医者で録音した音声の中にこれだと思うような傑作を見つけると、彼女そっちのけで聞き入った。

歯科医と艶めかしい会話をする患者の女性の見当をつけた十三は、歯医者の待合室に行って直接会話をすることにした。彼は探偵を名乗りある人物から依頼を受けたと偽ると、幾代はそれがパトロンの大垣彦市だと疑った。彼女は年寄り相手に嫌気が差し不満解消に歯科医と浮気をしていたのだった。本職が映画監督だがそれでは生活が出来ないため副業として探偵をしていると十三が話すと、幾代は興味を持った。そこで安さんが待つ舟屋に彼女を連れて行くと、落ちぶれた活動屋の芸術的良心として映画を撮らせて欲しいと頭を下げた。

屋台的映画館

黒い画集 あるサラリーマンの証言

  • posted at:2021-01-13
  • written by:砂月(すなつき)
くろいがしゅうあるさらりーまんのしょうげん
東宝
配給:東宝
製作年:1960年
公開日:1960年3月13日 併映「珍品堂主人」
監督:堀川弘通
製作:三輪禮二
原作:松本清張
脚本:橋本忍
撮影:中井朝一
美術:村木忍
照明:森弘充
録音:藤好昌生 下永尚
音楽:池野成
監督助手:恩地日出夫
編集:黒岩義民
特殊技術:東宝技術部
現像:キヌタ・ラボラトリー
現像:東洋現像所
製作担当者:真木照夫
出演:小林桂樹 原知佐子 平田昭彦 江原達怡 西村晃
シネマスコープ モノクロ 94分

東和毛織で管財課長として働く石野貞一郎は大学を卒業して満20年の会社勤めになる。東京の西北にある住宅街に住み、妻と子供二人の平穏な家庭生活を営んでいるが、仕事が終わるとまず向かうのが新大久保のアパートだった。そこに住む同じ課の事務員・梅谷千恵子は石野と愛人関係にあった。石野は会議だの何だのと理由を作って足しげくそこに通い情事を重ねた。知り合いに見られると都合が悪いため石野はいつもこっそりとアパートを出るが、その夜は通りまで送って行くと千恵子がついてきた。心配になり少し離れて歩くように指示すると彼女は素直に従った。やがて通りに差し掛かると自宅の近所に住む保険外交員の杉山孝三とすれ違った。相手が会釈したため石野は頭を下げたが、面識はあるものの今まで一度も話したことがないため特に問題視しなかった。タクシーで自宅に戻ると石野は妻・邦子に渋谷で映画を観てきたと嘘をついた。嘘はいつものことなのでどうということはなかったが、気になっていたのはあの時思わず頭を下げたことだった。それ以来、杉山がそれを誰かに吹聴したのではないかと不安になった。

数日後、会社を訪れた警視庁捜査一課の奥平警部補から石野は5日前の午後9時30分頃に新大久保で杉山と出会わなかったかと聞かれた。何となく嫌な予感がした石野はしばらく考えた末にそんな場所には行かなかったと証言した。後にそれが先日起きた向島での若妻殺しの容疑者として逮捕された杉山が関係していることがわかると、厄介なことになったと頭を抱えた。仮に杉山に会ったことを正直に話してしまうと千恵子のことが明るみになり、家庭崩壊につながる可能性があるからだ。遅れて歩いていた千恵子の姿を杉山が見た可能性は低いが、万が一のために彼女を品川のアパートへ移らせた。

岸本捜査課長は石野を警視庁に招き、経緯を説明して当時の状況を確認するにした。7月16日の夜、アパートで若妻が殺害されたが抵抗の形跡がないため顔見知りの犯行と考えた。絞殺には電気アイロンのコードが使用され、差し込みプラグに指紋が残っていた。他に来客用の湯飲みやドアノブからも指紋が検出された。そのいずれもが杉山のものだった。だが彼は犯行が行われたとされる時間には新大久保の裏道におり、その時に石野と会って挨拶をしたと証言したというのだ。岸本は一連の説明をした後にその日の行動を尋ねた。会ったと証言すれば杉山のアリバイは成立し無罪になる。だがそうなると自分の身が危うくなるのだ。悩んだ彼は邦子に言った嘘をそのまま伝えた。

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くそガキの告白

  • posted at:2019-10-27
  • written by:砂月(すなつき)
くそがきのこくはく
SUMIDA制作所
配給:SUMIDA制作所
製作年:2011年
公開日:2012年6月30日
監督:鈴木太一
プロデューサー:小林憲史
ラインプロデューサー:和田紳助
脚本:鈴木太一
撮影:福田陽平
照明:上村奈帆
録音:成ヶ澤玲
美術・装飾:寺尾淳
衣裳:袴田知世枝
ヘアメイク:前田美沙子
助監督:荒井純恵
スタントコーディネーター:南辻史人 柴田愛之助
編集:小林憲史 福田陽平 鈴木太一
音楽:佐藤和郎 八澤勉
ギター:酒井泰三
主題歌:「YOU」太陽族
挿入歌:「PHOENIX」LOOSELY
出演:今野浩喜 田代さやか 辻岡正人 今井りか 北山ひろし
アメリカンビスタ カラー 107分

ブサイクな顔のせいで損ばかりしていると思い込む馬場大輔(32歳)。大学卒業後、映画監督を夢見て業界に飛び込んだものの、現在は幼なじみの花岡哲哉が監督するホラー映画のメイキング映像を担当している。「俺の世界観」とは違う撮影をすることで日に日にストレスが溜まり爆発寸前だったが、その感情を押し止めたのは一人の少女が現れたおかげだった。彼女はセーラー服姿の幽霊Fを演じる木下桃子で、25歳にしては幼く見えた。馴れ馴れしく話し掛けてくる桃子に対し女の子と対面で接したことがない大輔は薄ら笑いを浮かべた。演技指導をしてくださいと言われそれっぽい幽霊の演技をしてみたが、それが奏功したのか撮影は一発OKだった。彼女の演技はスタッフだけでなく主演の美沙都にも好評で、桃子がお礼の挨拶にくると大輔は照れまくった。

翌日、大輔は美沙都のインタビューを撮らなければならなかったが、物怖じしてタイミングが掴めないでいた。そこに桃子が現れたことから大輔は頼み込んで代わりに撮ってもらうことにした。桃子は役目をそつなくこなし、ふざけながらも美沙都からコメントを引き出した。調子に乗った彼女は昼食休憩に入ってからもカメラを手放すことなく、今度はスタッフに矛先を向けた。やがて輪から離れた場所でひとり弁当を食べる大輔に気づき近づいた。彼の夢が映画監督だと知り理由を尋ねると映画が好きだからと大輔は答えた。彼はいい恰好をしようと奮闘していたが、桃子の心はその奥で台本片手に悩む花岡の姿に向いていた。

不気味な納屋でのシーンを夕刻に撮影し、翌日喫茶店でチェックを行った。ノートパソコンの画面を食い入るように見ていたプロデューサーの城島正志は興奮しながら花岡にどう思うと声を掛けた。美沙都が大量の幽霊から襲われるシーンで奇妙な笑い声が響き突然のノイズとともに映像が途切れたのだ。花岡はそれを単なるエラーだとして別カットで対処しようと考えていたが、城島はこのハプニングを映画の売りにしようとしたのだ。そして関係者やロケ地周辺の調査をカメラを回しながら行うことになり、その役を任されたのは大輔だった。城島の思いつきは毎度のことで、ギャラは出ないしホラードキュメンタリーなんてまっぴら御免だ。おまけにこんな作品でデビューなんかしたら「俺の世界観」が世間から誤解されてしまうのだ。大輔の腹の虫は治まらなかった。

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