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新 兵隊やくざ

  • posted at:2022-02-19
  • written by:砂月(すなつき)
しんへいたいやくざ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1966年
公開日:1966年1月3日 併映「若親分喧嘩状」
監督:田中徳三
企画:久保寺生郎
原作:有馬頼義
脚本:舟橋和郎
撮影:中川好久
録音:三枝康徐
照明:伊藤幸夫
美術:下河原友雄
音楽:鏑木創
編集:中静達治
助監督:岡崎明
製作主任:渡辺俊策
出演:勝新太郎 田村高広 嵯峨美智子 成田三樹夫 北城寿太郎
シネマスコープ モノクロ 85分

大宮一等兵と有田上等兵は軍用トラックを奪い再び軍隊から命がけの脱出を図った。だが中国大陸はあまりにも広く、荒野のど真ん中でガス欠を起こしたことで身動きが取れなくなった。仕方なく二人は歩を進めたが、行けども行けども風景は全く変わらなかった。それはまるで同じ場所を何度も歩いているかのようだった。しばらくすると辺りで銃声が鳴り響き銃弾が足元を襲った。慌てて物陰に飛込み様子を窺うと攻撃を仕掛けてきたのは八路軍であることがわかった。隙を見て近くの民家に忍び込んだが、すぐに見つかり窮地に立った。そこに現れた八路軍の討伐に当たる日本軍に助けられ、二人は不本意ながらも軍隊に復帰することにした。有田は憲兵隊の目を誤魔化すには軍隊に潜り込むことも一つの手だと考えた。いわゆる灯台下暗しってやつだ。

鬼頭中尉率いる中隊は「隼」という異名を持つ鬼部隊で、討伐がないときは夜を日に継いで猛烈な訓練が行われ、上官たちは何かに取り憑かれたように兵隊たちをしごいた。そんな日々が馬鹿馬鹿しくなった二人は仮病を使って訓練を休むことにした。すると木崎軍曹がやってきてたるんでいるから病気になるんだと大宮を殴るが、ビクともしないため兵隊たちに代わりに殴らせた。それでも効いた様子が見えないため木崎が靴で殴ろうとすると、大宮は彼をぶん投げ掛かってきた兵隊たちを片っ端から叩きのめした。その結果、一個分隊全員が練兵休になるという前代未聞の事態となり、大宮たちは見回りにきた憲兵から逃れるために再び脱走した。

二人は現地の住民から衣服を奪い取ると貨車に忍び込み天津へ向かった。金がなければ腹も膨れない。そこで大宮は飯にありつくために一般人として軍隊に近づくことを考え出したのだ。彼はまずやる気のなさそうな万年一等兵の豊後に当たりをつけ、世間話をしながら近寄った。そこにやってきた部隊長に浪曲師として慰問したいと一節うなり、甚く気に入られて上官に話をつけて貰えることになった。作戦はまんまと成功し堀内大尉から許可をもらった浪花節語りと三味線なしの三味線弾きはうまい飯と酒をたらふく腹の中に詰め込んだ。だが彼らが軍に近づいた真の目的は倉庫に眠る物資を奪うことだった。

屋台的映画館
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処刑遊戯

  • posted at:2022-01-27
  • written by:砂月(すなつき)
しょけいゆうぎ
東映セントラルフィルム
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年4月8日 併映「多羅尾伴内」
監督:村川透
企画:黒澤満 紫垣達郎 伊藤亮爾
脚本:丸山昇一
撮影:仙元誠三
録音:広上益弘
照明:渡辺三雄
美術:佐谷晃能
編集:田中修
音楽:大野雄二
音響監督:鈴木清司
助監督:小池要之助
色彩計測:川口徹也
記録:滝沢恵美子
衣裳デザイン:小阪キイ子
スチール:関谷嘉明
製作担当者:青木勝彦 山本勉
カースタント:スリー・チェイス
擬斗:高倉英二 松尾悟
美粧:入江美粧
衣裳:第一衣裳
現像:東映化学
協力:東映芸能ビデオ 東映俳優センター
製作協力:マツダ ホテルOZ 横浜倉庫株式会社
出演:松田優作 りりィ 青木義朗 片桐竜次 山西道広
アメリカンビスタ カラー 100分

ピアニストの叶直子と一夜をともにした鳴海昌平は何者かに拉致、監禁された。監視者がいないことを確かめると縛られた縄をほどいて脱出を図ったが、出口を目の前にして再び捕まった。それは特務機関のボス・藤田が仕掛けた試験だった。彼は一年前に起きた謎の暴力団大量殺戮事件に鳴海が拘わっている睨み、その腕を確かめるために試したのだ。精神力、肉体の回復力、敏捷性、一瞬の判断力など申し分ないと考えた藤田は、直子の命と引き換えに殺し屋・岡島芳勝の暗殺を命じた。

麻酔薬を打たれ街に放り出された鳴海は、意識を取り戻すとフラフラしながら自宅に戻った。そして薬局で手に入れた抗生物質の注射を怪我をした右手に打つと眠気が襲い、それまでの出来事が夢に出てきた。子供の頃の話をするまでに心を許した鳴海は直子を連れてドライブに出掛けたが、その帰りに機関の車に追われ進路を塞がれた。そしてその中の一人から後頭部を殴られたところで目が覚めた。右手の痛みがある程度取れると鳴海は懐中時計の修理を頼むために時計屋に出掛けた。部品が揃うには三日ほど掛かると言われ、それまで不便だろうと女主人の田山恵子から代わりの時計を渡された。自宅に戻ると岡島に関する資料が届いており、タバコをふかしながら確認をしていると藤田から時間がないから早く殺せという電話が掛かってきた。機関員の坂巻から監視されていることを見抜いた鳴海は、逆に接触してボスに会わせるように強要した。

岡島は藤田の組織で一千万円の報酬で完璧な仕事をしてきたが、機関の秘密を知り過ぎたことことで排除を決めた。藤田から話を聞いた鳴海は二千万円の報酬と仕事の手段に一切の口出しをしないことを条件にした契約を強引に結ばせた。暗殺への準備を進める中、鳴海はホテルOZに泊まる岡島とラウンジで直接会って様子を探った。岡島はその後チェックアウトしモーテルへ移動したが、後を追った鳴海は同じ部屋に直子がいることを知り愕然とした。

屋台的映画館

新 仁義なき戦い 組長最後の日

  • posted at:2021-11-06
  • written by:砂月(すなつき)
しんじんぎなきたたかいくみちょうさいごのひ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年4月24日 併映「キンキンのルンペン大将」
監督:深作欣二
企画:日下部五朗 橋本慶一 奈村協
脚本:高田宏治
撮影:中島徹
照明:増田悦章
録音:中山茂二
美術:雨森義允
音楽:津島利章
編集:市田勇
助監督:野田和男
記録:田中美佐江
装置:近藤幸一
装飾:柴田澄臣
背景:平松敬一郎
美粧:伊藤実
結髪:福本るみ
スチール:中山健司
演技事務:森村英次
衣裳:岩逧保
擬斗:上野隆三
進行主任:伊藤彰将
出演:菅原文太 松原智恵子 和田浩治 桜木健一 地井武男
アメリカンビスタ カラー 91分

閏年の2月29日夜、宮本幸子という若い娼婦が尼崎市の連れ込みホテルで殺害された。現場に残された毛髪と指紋から大阪坂本組系米元組準構成員・今村正人が指名手配されたが、その2日後に道頓堀川貯木場付近で死体となって発見された。幸子がヒロポンの常習者であったことから警察は事件を売人同士の縄張り争いが原因と睨み、幸子の情夫で尼崎市河原組準構成員の西本明を重要参考人として取り調べた。だが西本には恋人の小中美鈴といたアリバイがあったことで刑事たちは歯ぎしりした。美鈴が娼婦として金を稼ぐ間にパチンコ屋で時間を潰していた西本だったが、米元組の組員に突然取り囲まれ若衆の中道努が待つ喫茶店に連れて行かれた。中道は今村を殺した人物の名前を強引に聞き出そうとするが、美鈴から知らせを受けた兄貴分の津川一成が拳銃を持って乗り込み大暴れした。仲間を殺された中道は単身で河原組に殴り込むが組長の暗殺は未遂に終わった。すると河原組の組員は報復として組長の米元政夫を狙撃し、坂本組の事務所にダイナマイトを投げ込んで爆破したのだ。紛争を引き起こした米元組は大阪に本拠を置く関西最大の暴力団・坂本組に属している。一方、河原組は北九州一帯に威勢を誇る九州玄龍会と七人会の契りを結んでいた。西日本を分ける二大組織は一触即発の危地に突入したのだった。報復を警戒する大阪府警は兵庫県警と協力して坂本組と米元組、そして河原組にガサ入れを行い 麻薬、賭博、企業暴力などの資金源を断って戦闘能力を喪失させる作戦に出た。

北九州で港湾の仕事を請け負う岩木組に福岡県警の杉本刑事が訪ねてきた。尼崎事件で指名手配をされている津川一成、田中好美、西本明の3人が九州方面に逃亡したという情報を掴んだため、若頭の野崎修一に協力を求めにきたのだ。責任感の強い野崎は組長の岩木定春や妻の久乃から絶大な信頼を得ており二代目を何時任されてもいい状態になっていた。だが野崎自身は渡世稼業よりも会社の運営に重きを置いていたため事あるごとに断っていた。同じ頃、坂本組組長・坂本英光の還暦祝いを壮大に行うことを知った中道は、保釈金を支払ってもらった恩を返すために家を売って資金を作ることにした。それを聞いた妻の麻美は戸惑うが、親分に気に入られているから心配ないという言葉を信じようと努めた。だが不安はぬぐい切れず頼って電話を掛けた先は兄の野崎だった。彼の猛烈な反対を押し切って中道は麻美と結婚したが、その後は絶縁状態となっていた。久しぶりに兄の声を聞いて安心した麻美は、全てがうまく行っていると嘘をついて受話器を置いた。

屋台的映画館

情炎お七恋唄

  • posted at:2021-10-20
  • written by:砂月(すなつき)
じょうえんおしちこいうた
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年2月29日 併映「秘事」
監督:小原宏裕
企画:伊地智啓
脚本:新関次郎
撮影:森勝
美術:川崎軍二
録音:高橋三郎
照明:土田守保
編集:鈴木晄
音楽:月見里太一
助監督:八巻晶彦
色彩計測:水野尾信正
現像:東洋現像所
製作担当者:大内利男
出演:小川節子 森竜二 浜口竜哉 牧恵子 高見由紀
シネマスコープ カラー 70分

八百善の一人娘お七は本郷小町と呼ばれる程の器量良しだった。そんな彼女に質屋の近江屋作兵衛との縁談が持ち上がったが、お七は気乗りしなかった。大金持ちの跡取り息子とあって父善助や母おひさはその話を快く受けるつもりでいたが、作兵衛のことが嫌いなお七が了承するはずがなかった。その夜、嵐が江戸の町を襲い川が氾濫したこともあって駒込の吉祥寺に避難すると、和尚は寺小姓の吉三郎に世話するように命じた。夜が明けると雨は幾分小降りになったが水は二、三日は引きそうになかった。お七のことが心配でたまらない作兵衛は差し入れを持って吉祥寺に駆けつけ、茶を出しにきた吉三郎に八百善一家に粗相のないようにと小判を渡した。すると吉三郎は誰にでも同じように気を配るのが務めであるため金でもてなしの区別は出来ないと言った。そのやり取りを聞いていたお七は胸のすく思いで笑みがこぼれた。

町の水が引き始めた頃にはお七は吉三郎の澄んだ瞳と優しい心遣いに心を奪われていた。店の様子を見に行くという善助からもうすぐ寺を出なければならないことを聞いたお七は、別れの時が迫っていることを感じた。いずれは親が決めた縁談に従わなければならないため、悩んだお七はその前に吉三郎との思い出を作ることにしたのだった。別れの日、お七が借りた掻巻を返しに行くが帰りたくないと駄々をこねた。すると吉三郎は再び体を重ねたが、お七を捜しにきたおひさはその様子を目撃しこれまでのことをなかったことにして欲しいと頭を下げた。

屋敷に戻ったお七は吉三郎への想いが募るばかりで、一目逢いたいと用事を作って出掛けようにも善助の監視の目は厳しかった。一日も早く作兵衛との縁談をまとめたい善助は彼女を部屋に閉じ込め琴や三味線の習い事をさせた。だが今の思いを何としてでも伝えたいお七は身の回りの世話をするお梅に付け文を届けさせたのだった。お七に逢いたいのは吉三郎も同じだったが、和尚からいずれ出家する身なのだから今から心に迷いがあってはならぬと釘を刺されていた。そんな折に付け文を受け取り何か逢うための手段がないかと考えを巡らせた。

屋台的映画館

十三人の刺客(2010年)

  • posted at:2021-09-17
  • written by:砂月(すなつき)
じゅうさんにんのしかく
「十三人の刺客」製作委員会(テレビ朝日=東宝=セディックインターナショナル=電通=小学館=Recorded Picture Company=朝日新聞社=朝日放送=メ~テレ=九州朝日放送=北海道テレビ=Yahoo! JAPAN=TSUTAYAグループ=東日本放送=静岡朝日テレビ=広島ホームテレビ
配給:東宝
製作年:2010年
公開日:2010年9月25日
監督:三池崇史
製作:上松道夫 島谷能成 島本雄二 大西豊 町田智子 脇阪聰史 吉田鏡 武内健二 荻谷忠男 喜多埜裕明 大宮敏靖 伊藤裕造 柘一郎 濱幾太郎
エグゼクティブプロデューサー:中沢敏明 Jeremy Thomas 平城隆司
プロデュース:梅澤道彦 市川南 白石統一郎
共同プロデュース:寿崎和臣 臼井央
プロデューサー:大野貴裕 吉田浩二 前田茂司
原作:池宮彰一郎
脚本:天願大介
音楽:遠藤浩二
CGIプロデューサー:坂美佐子
ラインプロデューサー:小松俊喜 向井達矢
キャスティングプロデューサー:北田由利子
庄内担当プロデューサー:宇生雅明
撮影:北信康
照明:渡部嘉
録音:中村淳
美術:林田裕至
装飾:坂本朗 窪田治
編集:山下健治
音響効果:柴崎憲治
人物デザイン:柘植伊佐夫
衣裳デザイン:澤田石和寛
スタントコーディネート:辻井啓伺
助監督:足立公良 吉見拓真
制作担当:善田真也
制作協力:セディックドゥ 楽映舎
制作:セディックインターナショナル
出演:役所広司 山田孝之 伊勢谷友介 沢村一樹 古田新太
シネマスコープ カラー 141分

弘化元年三月五日、明石藩江戸家老間宮図書が老中土井大炊頭利位の門前にて切腹した。残された書状には将軍徳川家慶の弟に当たる残酷極まりない明石藩主松平斉韶を諫める文言が書き連ねてあった。だが家慶の命により斉韶の行いは穏便に取り計らわれることとなった。

御政道を正すべく土井は御目付役の島田新左衛門を屋敷に呼び出し、明年斉韶が家慶の薦めで老中職に就任することが決まっていることを打ち明けた。そして島田を尾張中納言家来の木曽上松陣屋詰牧野靭負に引き合わせた。靭負は昨年四月に明石松平藩と尾張藩の間で起きた出来事を包み隠さず話すことにした。参勤交代の折、斉韶は尾張領上松で一泊した。万が一にも粗相のないよう尾張家陣屋勤めの藩士は妻や娘も加えて接待を行った。靭負は倅である妥女の嫁千世に膳の片付けを命じたが、彼女は斉韶に手籠めにされた。それを知った妥女は寝所に乗り込むが、不意を突かれて斉韶に惨殺された。目の前で夫の返り血を浴びた千世も自ら喉を突き果てた。大事な二人を失った靭負の悲しみは深く、腹を斬って自害しようにも主君尾張中納言に降り掛かった恥辱を思えばそれも出来なかった。靭負が帰ると土井は島田に意見を求めた。例え天下の仕置を成す老中であっても適うことと適わないことがある。土井はそう言うとある女に会わせた。斉韶の容赦ない年貢の取り立てで民百姓に餓死者が続出した。その女は前年に起きた百姓一揆の首謀者の娘で、両腕と両足の膝から先を落とされた彼女は斉韶の慰み者として献上されたのだ。土井は飽きて捨てられたと見られる女を両国で保護したのだった。このままでは天下の政は乱れ、災いは万民に及ぶことになる。島田は怒りに震える手を抑えながら望み通り見事成し遂げてご覧にいれましょうと答えた。それを聞いた土井は島田の役職を解いた。

斉韶は間宮の遺体を明石藩上屋敷に差し戻すとその家族に縄を掛けた。そのことに怒りを隠せない家臣の鬼頭半兵衛は、御公儀同様の配慮を願うと土井からの言葉があったことを伝えるが、たかが老中のくせにと聞く耳を持たなかった。公儀御墨付の斯様な忠義の家来を持ったからには一族郎党に報いてやらなければならぬ。そう言って間宮の妻を矢で射抜いた。このままでは間宮の面目が保てないと考えた鬼頭は目の前で起きたことを内々に処理するように命じた。そして近習番出口源四郎を呼び、土井の屋敷にいる門番や小者に金を渡して三日の間に招かれた者の名を突き止めるよう命じた。後日、名簿を手に入れた鬼頭はその中に靭負と島田の名があることに気づいた。策士として名高い島田を土井が選んだことがわかると、鬼頭は御家にとっては最も悪い籤を引き当てたということだと近習頭の浅川十太夫に言った。

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