東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1966年
公開日:1966年3月18日 併映「日本大侠客」
監督:降旗康男
企画:栗山富郎 加茂秀男 吉田達
脚本:神波史男 小野龍之助
撮影:仲沢半次郎
録音:加瀬寿士
照明:銀屋謙蔵
美術:中村修一郎
音楽:八木正生
編集:祖田冨美夫
助監督:内藤誠
進行主任:伊藤源郎
現像:東映化学工業株式会社
出演:緑魔子 大原麗子 城野ゆき 谷隼人 石橋蓮司
シネマスコープ モノクロ 84分
故郷を飛び出してきた高校生のヨーコは幼なじみのタケシを訪ねて東京へやってきたが、中華料理店の厨房で働く彼は忙しくてそれどころではなかった。だがヨーコの身を案じたタケシは、俺がマネージャーに話してやると言って店で働くことを薦めたのだった。彼が働くこの店は住み込みの寮となっているため住処を探す必要がなく、話のわかるマネージャーならきっと了承してくれるに違いないと思ったからだ。タケシの予想は的中しヨーコはウェイトレスとして働くことになった。だが接客に慣れていない彼女の態度はぶっきらぼうで、客だけでなく先輩たちからも白い目で見られた。ある夜、夜這いを掛けてきたタケシと口論になり夜が明ける頃に店を飛び出すと白い外車に乗る中年男に拾われた。男は浅井潤というマンション暮らしの独身ファッションデザイナーで、ヨーコのことが気に入るとスタジオへ連れて行きスタッフに支度をさせた。華やかな衣装を身にまとい化粧を施されたことで彼女は見違えるように美しくなった。その夜、浅井がドレスで着飾ったヨーコを食事に連れて行くと、酒に酔った彼女はこれまで自身に起こった出来事を包み隠さず話し始めた。すると浅井はもっと飲んで全て忘れてしまいなさいとやさしく言った。自宅に戻ると浅井はいい気分になっているヨーコに、ここへ来たときに着ていた服に着替えるように言った。素直に応じると彼は突然襲い掛かりヨーコの服を剥ぎ取ると馬乗りになって顔を叩いたのだった。
信じていた人から裏切られたことでヨーコの怒りは沸々とたぎっていた。夜が明け寝室から出てきた浅井に皆俺の好みを受け入れていると言われたことでひと言ぶつけてやろうとしたそのとき、部屋を訪ねてきたのは恋人の珠江だった。一度は治まったものの彼女からメイド代わりとしてしか務まらないと言われて頭にきたヨーコはつまんないと二人に吐き捨てて出て行った。
行く当てのないヨーコがボウリング場で暇をつぶしていると一人の女が声を掛けてきた。彼女はヨーコを見るなり家出中だと言い当てたのだった。女はハルミという風俗嬢で、仲間たちの溜まり場となっている軽食店に連れて行くと美容師見習いのナロンに世話を任せたのだった。ヨーコに「現代的にシビレル」体験をさせたいと思ったナロンは彼女を紫煙が籠るジャズ喫茶に連れて行った。そこでは睡眠薬ラリハイとアルコールを同時に飲んで酩酊状態になる遊びが流行っており、ヨーコがためらわずにそれを試したことでいち早く仲間として受け入れられた。踊り続けてダウンしたヨーコを介抱したのは予備校を辞めて絵描きを目指しているジロウで、行くところがないヨーコの面倒を見ることに決めた。早速彼女をデートに連れ出したが、映画館でいいムードになりながらもジロウがキスしないため、ヨーコは腹を立ててラリハイに手を出したのだった。
屋台的映画館
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