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四谷怪談 お岩の亡霊

  • posted at:2025-03-17
  • written by:砂月(すなつき)
よつやかいだんおいわのぼうれい
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1969年
公開日:1969年6月28日
監督:森一生
企画:藤本初之助
原作:鶴屋南北
脚本:直居欽哉
撮影:武田千吉郎
録音:大谷巌
照明:伊藤貞一
美術:太田誠一
音楽:斉藤一郎
編集:谷口登司夫
音響効果:倉島暢
擬斗:楠本栄一
助監督:大洲斉
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:佐藤慶 稲野和子 青山良彦 御影京子 小林昭二
シネマスコープ カラー 93分

天明六年、十代将軍徳川家治の死後十数年に亘って権勢を誇った老中田沼意次が失脚。遠州相良藩五万三千石は没収となり奥州下村一万石に転封された。禄を離れた家臣たちは路頭に迷い、その多くは仕官の伝手を求めて江戸へ向かった。だが彼らを待っていたものは果てしない浪人暮らしの絶望と泥沼のような貧困だった。

浪人の民谷伊右衛門は妻のお岩、そして幼子と長屋暮らしをしていたが、貧乏な毎日が馬鹿馬鹿しく感じていた。腕に自信があり才覚もある自分に仕官の声が掛からないのは伝手や金のせいであり、その金を稼ごうにも傘一枚張って十文、一日働き詰めで一朱にしかならなかった。お岩は着物の仕立てをしていたが伊右衛門を満足させるには程遠かった。お岩の妹のお袖が水茶屋で働き父親の世話が出来る程稼いでいることを知っていた伊右衛門はお前も働けと言うが、乳飲み子を抱えるお岩には無理な話だった。

ある日、気晴らしに出かけた伊右衛門は浪人同士の会話である情報を耳にした。諸大名の財政は火の車であり表向きの格式を保つためには財力のある町民から借金をする以外に手立てはなかった。日本橋にある両替伊勢屋には諸藩の江戸留守居役がひっきりなしに来ているらしく、その伊勢屋に取り入って仕官を頼めば何とかなるのではないかと伊右衛門は考えたのだった。

薬売りの直助はお袖に会うことを楽しみにして水茶屋に通っていたが、女将から辞めて地獄屋に行ったと聞き矢も楯もたまらず宅悦のもとへ急いだ。地獄屋というのは按摩の宅悦が営む売春宿で、お袖が働く原因となったのは彼女の父親が流行り病で臥せったときに出来た三両の借金のせいだった。一方、浪人の佐藤与茂七は小間物屋に転身した奥田庄三郎からの話でお袖が江戸にいることを知ったが、現状を知り愕然とした。与茂七はお袖とつき合っていたが苦労させまいと相良で別れ、それ以来行方がわからなくなっていたのだ。文無しでは会ってくれぬぞと庄三郎が金を握らせると与茂七は感謝し先を急いだ。売春宿では直助がお袖に体を迫っていたが、そこに乗り込んだ与茂七が二人を引き離したのだった。同じ頃、伊右衛門はならず者に絡まれていた伊勢屋の娘お梅を救った。お梅は心から感謝するが、それは全て伊右衛門が仕組んだ芝居だった。

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陽気なギャングが地球を回す

  • posted at:2023-12-16
  • written by:砂月(すなつき)
ようきなぎゃんぐがちきゅうをまわす
「陽気なギャングが地球を回す」製作委員会(電通=シネバザール=ジェネオン エンタテインメント=レントラックジャパン=日本出版販売=葵プロモーション=IMAGICA=Yahoo! JAPAN)
配給:松竹
製作年:2006年
公開日:2006年5月13日
監督:前田哲
製作:杉山恒太郎 甘木モリオ 気賀純夫 日下孝明 古屋文明 大村正一郎 高野力 喜多埜裕明
エグゼクティブプロデューサー:島本雄二 松本輝起
プロデューサー:福山亮一 和田倉和利
アソシエイトプロデューサー:土屋勝 小穴勝幸
ラインプロデューサー:大西洋志
原作:伊坂幸太郎
脚本:長谷川隆 前田哲 丑尾健太郎
音楽:佐藤 Fisher 五魚
第二班監督:尾上克郎
撮影:山本英夫
照明:小野晃
美術:佐々木尚
録音:瀬川徹夫
整音:橋本泰夫
編集:日下部元孝
音響効果:伊藤進一 小島彩
キャスティング:杉野剛
スクリプター:山内薫
助監督:足立公良
製作担当:森徹
VFXプロデューサー:大屋哲男
VFXスーパーバイザー:田中貴志
スタイリスト:小林純子
ヘアメイク:田中マリ子
装飾:龍田哲児
カースタントコーディネーター:雨宮正信
主題歌:「How We Do it!!!」Skoop On Somebody
エンディングテーマ:「(Everything Will Be)All Right」Skoop On Somebody + AKIKO WADA
音楽プロデューサー:山口哲一
製作プロダクション:シネバザール
出演:大沢たかお 鈴木京香 松田翔太 大倉孝二  加藤ローサ
シネマスコープ カラー 92分

抜けるような青空の午後3時ちょっと前、抜群なドライビングテクニックの女が運転する赤い車が港洋銀行に正確な時間で横付けした。その車から降りた三人の男は店内に入るとその時を待った。そして時計の針が3時を差すと一人はカウンターの上で銃をぶっ放して演説をぶち、一人は客が外へ逃げ出さないように自動ドアの前で立ち、一人は行員が妙な動きをしないように見張った。彼らは客と行員を一ヶ所に集めると支店長からオープン出納機の鍵を奪って中の札束をせしめた。その9か月と21時間32分18秒前の出来事。かもめ銀行で爆弾騒動があったが、人の嘘を見抜く力を持つ成瀬は3分で爆弾が爆発すると叫ぶ行員の朝倉に嘘で人を巻き込むなと言った。その隣にいた性格無比な体内時計を持つ雪子は朝倉が3分16秒前にも同じことを言っていたと言った。その傍にいたスリの天才の久遠は朝倉の懐から仕掛けから煙が出る装置のコントローラーを奪った。そして演説の達人でロマンを求める夢追い人の響野は逃げようとする朝倉に突き飛ばされた。こうして偶然出会った者たちが力を合わせて朝倉を懲らしめたことで、皆自分たちならもっとうまくやれると考えたのだった。こうして集まった4人はギャング団を結成したのだった。

最後までおつきあいありがとうございましたとカウンターの上で響野が頭を下げると両隣の久遠と成瀬もそれにならった。客と行員に静かに見送られた彼らは外に待つ雪子の車に乗り込むが、すぐにパトカー軍団に追跡された。だが彼女の巧みなハンドル捌きにより予告通り19秒で振り切ったのだった。ところが安心した矢先に逆走車が現れ、何とか事故は回避したがホッとしたのもつかの間だった。その車に乗っていたのは4人組の覆面強盗でいきなり銃をぶっ放してきたのだった。響野たちは車から引きずり降ろされ、金の入ったバッグを奪われた上に追跡出来ないようにタイヤを撃ち抜かれたのだった。

屋台的映画館

吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」

  • posted at:2023-11-18
  • written by:砂月(すなつき)
よしだるいのこよいほろよいさかばで
「吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」」製作委員会(KADOKAWA=GYAO=ギークピクチュアズ)
配給:KADOKAWA
製作年:2017年
公開日:2017年6月10日
監督:長尾直樹
製作:堀内大示 荒波修 ͡小佐野保
企画:栗橋三木也
企画協力:長尾直樹 佐藤満
プロデューサー:小林剛 佐藤満 山邊博文
脚本:阿部理沙 長尾直樹
撮影:松島孝助
美術:福澤裕二
録音・音響効果:橋本泰夫
整音:野村みき
キャスティング:吉川威史 細川久美子
衣裳:下田眞知子
ヘアメイク:梅原さとこ
ヘアメイク(伊藤淳史担当):高村明日見
編集:大月麻衣
監督助手:齋藤栄美
制作担当:内山亮
音楽プロデューサー:武田秀二
音楽:西村真吾 佐藤慶之助 溝口勝文
主題歌:「時代おくれ」吉田類
制作プロダクション:geek sight inc.
出演(居酒屋チャンス):菅原大吉 松本妃代 芹川藍 安藤聖 樋渡真司
出演(どつぼ酒場):津田寛治 伊藤淳史 渡辺憲吉 青山勝 佐伯新
出演(ふるさと酒場土佐っ子):吉田類 戸田昌宏 塚本幸男 山田刃 萱裕輔
アメリカンビスタ カラー 85分

『居酒屋チャンス』
人生のチャンスを逃しっぱなしの面々が何故か集まってくる「居酒屋チャンス」。いつもの常連たちがカウンター席を埋める中、ピンクの野球帽を目深に被ったサングラスにスタジャン姿という如何にも怪しい姿の若い女がバッグを抱えて入ってきた。女はテーブル席に着くとウーロン茶を頼んだが、外の気配を感じると陰に隠れた。すると女を捜しているらしい中年男が訪ねてきたが、ママや客たちは皆知らないと白を切った。男がいなくなると若い女はトイレに入り誰かに電話を掛けていたが、その会話を扉の外で偶然聞いたのはフリーライターの一見客だった。その男によると若い女は人気アイドルグループ・いちご乙女組のメンバーのエリリンこと山下絵里子で、どうも翌日行われる横浜アリーナでのコンサートの合宿から逃げ出したらしい。フリーライターの男はこのスクープが発表出来れば起死回生が狙えるかもしれないと喜んだが、それを聞いたママはうちの店でトラブルを起こしてもらっては困るから帰ってくれと絵里子を庇った。

『どつぼ酒場』
サラリーマンの日暮義男はドキドキハラハラしない特に変化のない生活に幸せを感じている。妻は夏休みの息子を連れて長崎の実家に帰っており、今夜は居酒屋で冷たいビールでも飲んで帰ろうかと仕事終わりの電車の中で考えていた。昨年の夏に立ち寄った乗換駅の近くにある居酒屋が昼休みの頃から頭に浮かびそこで細やかな夏休みを過ごすつもりでいたが、シャッターには「店主高齢のため閉店」の文字。仕方なく別の店を探すことにしたが、知らない酒場にお初で入ることはとても勇気がいることで店の前に立っては躊躇した。そのうちに頭上で雷が鳴り始め突然雨が降り出したことから義男はとりあえず目の前にあった「どつぼ」という店に入ってみることにした。店内は薄暗く客は酔っ払いばかり。大将はやる気がなく出てきたビールは生ぬるい。しかも頼んだマグロはスーパーの特価品だった。義男が気になっていた店名について尋ねると、大将は人生全てがどつぼだと居直れば毎日が楽になると言っていた父親の言葉からだと言った。

『ふるさと酒場土佐っ子』
森本勝也はモリモトファンドと呼ばれる金融商品を販売した被害総額は3億円近くにのぼる巨額詐欺事件の容疑者として警察に追われていた。自殺用のロープをバッグに忍ばせた森本が夜の街を歩いていると、ふと「ふるさと酒場土佐っ子」の看板が目に留まり冥土の土産に立ち寄ることにした。人生最後の一杯を楽しむためにカウンター席に座った彼の目に飛び込んできたのは棚に並ぶ高知の芋焼酎・龍馬だった。大将がグラスに注いだ龍馬の香りや味を楽しむうちに彼は小学生だった頃の出来事を思い出した。森本が生まれ育った仁淀村は酒を良く飲む土地柄で、買えば金が掛かることから自宅で焼酎を無断で製造する家が多かった。ある日、税務署の職員が訪ねてくることになり一家総出で器具や容器などを隠すことになった。うまくやり過ごしたかに見えたが、飼い犬がいたずらをしてついに見つかってしまった。心臓が止まる思いをしたが、職員は販売せずに個人で消費するのなら何も問題ないと笑った。

屋台的映画館

横浜暗黒街 マシンガンの竜

  • posted at:2023-09-05
  • written by:砂月(すなつき)
よこはまあんこくがいましんがんのりゅう
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年2月28日 併映「暴走パニック 大激突」
監督:岡本明久
企画:俊藤浩滋 太田浩児
脚本:松田寛夫
撮影:飯村雅彦
録音:井上賢三
照明:川崎保之丞
美術:中村修一郎
編集:戸田健夫
助監督:福湯通夫
記録:山内康代
擬斗:日尾孝司
刺青:毛利清二
スチール:加藤光男
進行主任:志村一治
菅原文太ファッションコーディネーター:北本正孟
装置:畠山耕一
装飾:米沢一弘
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣裳:福崎精吾
演技事務:山田光男
現像:東映化学
協力:S・O・Sモデルエージェンシー
音楽:青山八郎
挿入歌:「いとしのエンジェル」チェリー・ボーイズ
出演:菅原文太 岩城滉一 千葉治郎 三益愛子 江波杏子
アメリカンビスタ カラー 94分

矢吹マサは横浜で溺愛する息子・竜太と小さなスタンドバーを営んでいたが、その裏の顔は強奪や殺人などを顔色一つ変えずに行う凶悪な親子だった。ある雨の夜、本牧埠頭で睦連合が麻薬の取り引きを行うという情報を得たマサは竜太の他に彼が連れてきた藤原清二という男と車で向かった。そしてM3サブマシンガンをぶっ放して乗り込むとアタッシェケースを奪うことに成功するが、車に乗り込む際に藤原が背中を撃たれた。ドジ踏みやがってとマサが悪態をつくと竜太は心配するなよ、おっ母となだめた。やがて車が廃工場に到着するとマンホールから下水道を通りいつもの隠し場所へ到着した。そしてレンガを丁寧に外すと麻薬の包みが入った袋を押し込んだ。車に戻ると竜太は苦しむ後部座席の藤原の顔にクッションを押しつけると銃で始末した。運転席のマサは煙草を燻らせながらバックミラーでその様子を見ていた。竜太が信用しているのはマサだけであり、藤原は最初からただの道具としか考えていなかった。マサは捨て値で捌いても10億円からにはなるのだから、慌てることなくほとぼりが冷めて始末した方がいいんじゃないかと提案した。だが竜太は何も言わなかった。

マサに黙って麻薬の一部を金に換えた竜太は瀬川次郎や関光一などの子分を呼び寄せて遊び回り白石めぐみという情婦を囲った。洗濯物についた香水の匂いで女の存在を知ったマサは激怒した。何故なら竜太は今まで碌な女を連れてきた試しがなく、首ったけと言っていた女は彼が刑務所に入って半年もせずに故郷へ帰って行ったからだ。竜太が涙するマサの機嫌を取っていると西部三兄弟が訪ねてきた。長男の貴博は竜太に睦連合から強奪した麻薬の半分をくれと言った。竜太が強奪に拘ったと考える理由は使用された銃がM3サブマシンガンだったからだ。貴博は竜太が出所後早々にアメリカ軍から横流しされたマシンガンを買ったという情報を掴んでおり、売り渡した人物に照会すればすぐに調べがつくと言った。睦連合に密告されて命を落とすよりはマシだろうと脅された竜太は夜中の2時に彼らの溜まり場のビリヤード場へ持ってこいと言われた。

約束の時間になりビリヤード場に現れたのは二人の白バイ警官だった。拳銃不法所持の容疑で貴博たちを壁際に並ばせると警官に扮した次郎と光一は一緒に伏せた。するとマシンガンを持って現れた竜太が西部三兄弟とその子分を皆殺しにした。竜太たちは前もって通報しておいた本物の警官が来る前に逃走した。

屋台的映画館

吉原炎上

  • posted at:2022-01-21
  • written by:砂月(すなつき)
よしわらえんじょう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1987年
公開日:1987年6月13日
監督:五社英雄
企画:日下部五朗 本田達男 遠藤武志
原作:斎藤真一
脚色構成:笠原和夫
脚本:中島貞夫
撮影:森田富士郎
照明:増田悦章
美術:西岡善信 園田一佳
音楽:佐藤勝
編集:市田勇
吉原風俗監修:近藤富枝
監督補佐:鈴木秀雄
録音:平井清重
整音:伊藤宏一
記録:田中美佐江
助監督:長岡鉦司
装置:稲田源兵衛
装飾:福井啓三
背景:西村三郎
計測:津田宗之
衣裳:森護
美粧:長友初生
結髪:福本るみ
方言指導:藤坂有希 小林哲麿
擬斗:土井淳之祐
スチール:中山健司
演技事務:寺内文夫
舞踊振付指導:猿若清方
花魁道中指導:猿若清方
長唄:杵屋佐登代社中
清元:清元延千嘉勇社中
鳴物:堅田喜三久社中
座敷唄:吉原松葉屋連中
所作指導:春藤真澄
和楽:中本哲
協力:東映京都美術センター 割烹 伊勢勝 浅草文庫 同志社大応援団・吹奏楽部 東京 さが美
本社宣伝:松田仁 山本八州男 藤沢正博
製作宣伝:丸国艦
キャスティング:葛原隆康
進行主任:長岡功
出演:名取裕子 二宮さよ子 藤真利子 西川峰子 かたせ梨乃
アメリカンビスタ カラー 133分

東京浅草の一隅に吉原遊郭と呼ばれる日本最大の歓楽の別天地があった。東西三丁、南北二丁の周囲はお歯黒どぶと大門で仕切られ、借金に縛られた娘たちが六年から八年の歳月を過ごした。そしてあらゆる男たちに春を売った。この吉原への道は二つある。一つは男が通う極楽の道。そしてもう一つは娘が売られる地獄の道だ。

明治四十年、春。十九歳の上田久乃が女衒の今朝次によって吉原に連れてこられたのは瀬戸内で船長をしていた父親が船の転覆事故で死んだからだ。船の借金は家と土地を売って始末がついたが、船員の遺族に払う保証金が工面出来なかった。久乃の家族は体の弱い母親と幼児しかいないため彼女が売られてきたのだ。久乃が働くことになる中梅楼では全てを取り仕切る女将の大倉スミが館の中を案内した。スミが久乃を最初に引き合わせたのは御職と呼ばれる一番花魁の九重だった。九重は久乃から漂う「いい匂い」を感じ取り一番のお気に入りとした。

中梅楼には九重の他にも二番花魁の吉里や三番花魁の小花など様々な遊女がいるが、久乃と特に仲が良かったのは境遇が似ている菊川だった。ある日、菊川が久乃に化粧を施しているところに学生の宮田が乱入してきた。体を触られて驚いた久乃が平手打ちをすると、後に九重から呼び出しを受けた。宮田は年の離れた九重の馴染み客だったのだ。九重は久乃を厳しく叱るが、それも愛情表現の一つだった。九重の見習いとなってしばらく経った頃、久乃に娼妓営業の鑑札が下りた。主人の大倉伊三郎から若汐という源氏名を貰った久乃はその夜から張見世に盛装して並んだ。そこへ上方から上客がきたことから、九重は自分が後見役となって吉里と小花をつき合わせ若汐の初見世の幕開けをしてやろうと考えたのだ。ところが若汐は部屋にきたいやらしげな客を警戒し部屋から飛び出し裸足で外へ逃げ出したのだった。やがて店の者たちに連れ戻されると、顔に泥を塗られて激怒した九重は彼女に女郎の手管を教え込もうとした。ところが若汐から思わぬ喜びを感じてしまい、御職としての限界を悟った九重は宮田とも縁を切って身を引く決心をした。

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