アートポート
配給:アートポート
製作年:2007年
公開日:2008年3月1日
監督:瀬々敬久
製作:松下順一
企画:加藤東司
プロデューサー:小貫英樹
原作:渡辺淳一
脚本:佐藤有記
音楽:清水真理
撮影:鍋島淳裕
照明:三上日出志
美術:松本知恵
録音:小宮元
助監督:村田啓一郎
製作担当:岡林修平
編集:滝沢雄作
衣裳:若井律子
ヘアメイク:新井みどり
スチール:竹内健二
整音:吉田憲義
音響効果:渋谷圭介
エンディングテーマ曲:「花心 Lullaby」沢田知可子
企画:円谷エンターテインメント
制作:本田エンターテインメント
出演:小島可奈子 いしだ壱成 佐藤藍子 佐々木ユメカ 三浦誠己
アメリカンビスタ カラー 110分
富士山が見える中学校で音楽教師を務める朋代は放課後に行われる合唱部の練習を終えると自転車を飛ばして家に戻った。そして父親の周吾の夕食の支度を手早く終えると東京への高速バスに乗るためにバスターミナルへ向かった。彼女が急ぐ理由。それは乳がんで入院する妹の愁子を見舞うためだった。病室に到着すると愁子を気遣う夫の雄介が彼女の心のケアをしており、頃合いを見て朋代が入室すると愁子は笑顔を見せた。彼女は乳房を全て切除しており、がんが何時別の場所へ転移するか不安で仕方がなかったのだ。その夜、愁子はふと私の骨で出来ないかなあとつぶやいた。それは白色粘土の代用品として牛の骨灰を使用したボーンチャイナと呼ばれる磁器のことだった。そうなればいつまでも夫の傍にいられるからだ。それを聞いた雄介は愁子が死を予感していることに気づいたが、わざと聞き流すことにした。それから半年後、愁子は天に召された。
1986年は76年ぶりにハレー彗星が地球に最接近し、天文マニアもそうでない人たちも夜空を見上げた年だった。その年の夏、周吾が院長を務める上野診療所に腹痛を訴える高校生が運ばれてきた。三人の高校生は東京から上野診療所の近くでキャンプをしていたのだが、そのうちの一人が体調を崩したのだ。キャンプを中止にしろと周吾が言うと、今夜は天体観測をする予定だし明日帰らなければならないからそれは出来ないという。すると周吾はあいつをここに泊めるから明日迎えに来いと言った。これが朋代、愁子、そして雄介の最初の出会いだった。翌日、少しばかり体調が良くなった雄介が家の中を歩いていると骨董品で埋め尽くされた部屋に入った。そこにいた朋代はその部屋に置かれた物は死んだ母の趣味だと言い、雄介はその中でもボーンチャイナの磁器に興味を示した。朋代は雄介に手渡そうとするが落として割ってしまい周吾に叱られた。そのことがきっかけとなって二人の仲は深まって行くが、雄介が結婚相手として選んだのは愁子の方だった。
出版社に勤めている雄介は以前取材を申し込んで断られた斯波という陶芸家を訪ねた。壺の製作を依頼しようと考える彼は愁子の骨箱を大事に抱えていた。
屋台的映画館
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