「映画 愛の渦」製作委員会(東映ビデオ=クロックワークス)
配給:クロックワークス
製作年:2013年
公開日:2014年3月1日
監督:三浦大輔
製作:間宮登良松 藤本款
企画:加藤和夫
プロデューサー:岡田真 木村俊樹
企画協力:太田雄子
ラインプロデューサー:坂井正徳
音楽:海田庄吾
音楽プロデューサー:津島玄一
キャスティング:おおずさわこ
原作:三浦大輔
脚本:三浦大輔
撮影:早坂伸
照明:神谷信人
美術:露木恵美子
録音:永口靖
編集:堀善介
助監督:池本晋
制作担当:村山大輔
劇中歌:「Wirbel der Liebe」水野亜歴
企画協力:マッシュ ポツドール
制作プロダクション:ステアウェイ
出演:池松壮亮 門脇麦 滝藤賢一 中村映里子 新井浩文
アメリカンビスタ カラー 123分
都会の喧噪から少し離れた場所にある住宅街のマンション。その一室には緊張した面持ちで時を待つスタオル一枚の男女がいた。人見知りなニート(男)、茶髪のフリーター(男)、何処にでもいそうな普通のサラリーマン(男)、工場勤務の太った童貞(男)、気の強そうな保育士(女)、一見若く見えるOL(女)、週5でくる常連(女)、そしてメガネの女子大生(女)の8人は、いずれもしたくてたまらない者たちばかりだった。
秘密クラブ・ガンダーラのホームページは「乱交」と検索すれば見つけることが出来る。20代と30代限定の予約制で参加者の料金は単独男性が2万円、単独女性は1千円、カップルは5千円だ。開催時間は0時から5時までで、開始時間までにシャワーを浴びることが条件となっている。時間になると店長はルールの説明を始めた。セックスをする場合、コンドーム着用は厳守。感染症の防止のため、トイレの後はシャワー厳守。そして相手の嫌がる行為は慎み、女性の意志を尊重してくださいと釘を刺した。朝までごゆっくりどうぞと言って店長と店員が出て行くと部屋は静かな空気に包まれた。そんな中、OLが向かいの保育士に話し掛けると、隣同士で挨拶が始まった。やがて女性たちがダイエットの話で盛り上がると、待ち切れないフリーターが割って入った。ところがそれでも話を止めようとしないため首をひねると、焦るその様子に気づいたOLが思わず笑った。フリーターとOLが仲良く話し始めたのをきっかけにサラリーマンと童貞が動き始めた。童貞が準備のためにトイレへ行くと、一人残されたサラリーマンは終始うつむき加減のニートのことが気になった。するとOLが、フリーターと先に下の部屋へ行っていいですかと言った。保育士が前回参加したときに男たちで話し合ってから相手を決めていたと言うと重たい空気が漂った。フリーターはサラリーマンやトイレから戻ってきた童貞の方を向いて先にいいですかと言うと、その怖い風貌に気圧されたサラリーマンたちは頷くしかなかった。
サラリーマンは勇気を出して保育士に声を掛けてみたが、バスタオルがずり落ちてしまい彼女は思わず噴き出した。険しい表情をしていた彼女が笑顔を見せたことでようやく気を許すと、保育士はもっと早く話し掛けてくれればよかったのにと言った。その様子を童貞は羨まし気に見ていた。
屋台的映画館
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