東洋コンツェルン
配給:シネカノン
製作年:2004年
公開日:2004年10月3日
監督:根岸吉太郎
プロデューサー:岡田裕
原作:高樹のぶ子
脚本:田中陽造
音楽:日野皓正
題字:徳田八十吉
撮影:川上皓市
照明:熊谷秀夫
美術:小川富美夫
編集:鈴木晄
録音:阿部茂
整音:橋本泰夫
スクリプター:白鳥あかね
助監督:高橋正弥
製作担当:田中盛広
ラインプロデューサー:川崎隆 増田悟司
アソシエイトプロデューサー:佐藤紳司
石川渉外担当:小澤秀樹
主題曲:「Ember」日野皓正
製作プロダクション:スタッフ東京 イマージュ アルゴ・ピクチャーズ
出演:秋吉久美子 永島敏行 高橋昌也 吉行和子 平田満
アメリカンビスタ カラー 121分
昭和63年、映像制作会社社長の今井郷は自社でプロデュースする旅番組に協力することになっている大学教授に挨拶するために熊谷プロデューサーと金沢へ向かった。三人は料亭で食事をしていたが、いつしか話題は刀鍛冶のことになった。今井は25年前の駆け出しのADだった頃に山崎火峯という刀鍛冶のドキュメンタリー番組に携わったが、その番組の一部をディレクターの岩田が使いたいと言ったことがきっかけでそのことを思い出したのだ。大学教授は、鶴来町の名は剣からきており昔から腕のいい刀鍛冶が多かったことからそう呼ばれるようになったと言った。今井が山崎火峯について尋ねると、気難しくて腕のいい男でだいぶ前に店を畳んで金劒宮という神社の方にいると聞いたが今はどうなったか知らないと言った。店を出ると今井は地元局への挨拶を熊谷に任せ、自分は鶴来へ行くことにした。
鶴来へ行って欲しいとタクシーを走らせるが、今井の記憶には畑の中にポツンと一本杉がある風景しかなかった。今はそれもすっかり変わっていたのだ。とりあえず金劒宮の方へ向かうと、何となく見覚えがあるような女性に出会った。そこで山崎火峯さんにお宅ではありませんかと尋ねると、彼女がその娘で当時高校生だった千桐であることがわかった。彼女が今井を部屋へ招き入れると奥の部屋に火峯がいた。多額の借金を抱えた千桐は寝たきりになった火峯を介護しながら離婚した夫との子である眉と3人で暮らしていた。
東京に戻った今井は千桐に電話を掛けある提案をした。それは借金を肩代わりする代わりに愛人にしたいというものだった。今井は当然断られるものだと思っていたが、千桐は私でよかったらお願いしますとあっさり了承した。それを聞いた今井が驚き躊躇すると彼女は黙って電話を切った。しばらくの間連絡が途絶えていたが、ある日会社に千桐から葉書が届いた。そこには平泉寺に咲いたカタクリの花をお見せしたいと書いており、それが自分を欲しているというメッセージだと読み取った今井は鶴来へ向かった。
屋台的映画館
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