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震える舌

  • posted at:2025-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
ふるえるした
松竹
配給:松竹
製作年:1980年
公開日:1980年11月22日
監督:野村芳太郎
製作:野村芳太郎 織田明
企画監修:深作欣二
原作:三木卓
脚本:井手雅人
撮影:川又昻
美術:森田郷平
音楽:芥川也寸志
録音:山本忠彦
調音:松本隆司
照明:小林松太郎
編集:太田和夫
スチール:長谷川宗平
監督助手:大嶺俊順
装置:川添善治
装飾:磯崎昇
衣裳:松竹衣裳
現像:東洋現像所
ロボット製作:水野俊一
進行:小松護
製作主任:福山正幸
協力:聖路加国際病院
出演:渡瀬恒彦 十朱幸代 若命真裕子 日色ともゑ 中原早苗
アメリカンビスタ カラー 114分

作家の三好昭は郊外の団地で妻の邦江、娘の昌子と暮らしている。ある日、昼になり外での遊びから帰ってきた昌子と一緒に食事を取ろうとしたところ、何故か彼女はフォークを取り落とし食べ物を口にしようとしなかった。それが甘えだと思った昭は無理に食べさせようとするが、それでも口を開けようとしないため邦江を非難した。翌々日の夕方、邦江が買い物から帰ってくると昭は昌子の様子がおかしいと言った。彼女の歩く姿がいつもと違うのだ。それはまるでアヒルのようだった。心配になった邦江が何処か怪我をしたのかと尋ねるが何ともないという。昭は試しに歩かせようとするが、昌子は歩けるが歩きたくないと言った。邦江は小児麻痺を疑ったが、前日に医師からは風邪だと診断されていた。その夜、昌子が突然絶叫し、驚いた二人が寝床へ急ぐと痙攣を起こして舌を噛んでいた。昭が口をこじ開けて箸を銜えさせている間に邦江が救急車を呼んだ。

昌子は掛かりつけの病院に運ばれたが正確な診断が出来ず、応急処置だけで帰されることになった。万が一のことを考えて一晩預かって欲しいと邦江が懇願しても当直の医師に何かあったらまた来てくださいと冷たくあしらわれた。仕方なく自宅に戻ると昭は知人と連絡を取りその伝で大学病院の小児科医の診察を急遽受けるが、昌子の爪に噛み癖があったことから昭の厳しい躾によるストレスが原因ではないかと言われた。脳の障害ではないことがわかりホッと胸を撫で下ろす二人に医師は、明日は教授の診察日だからもう一度診てもらってくださいと言った。

翌日、再び大学病院を訪ねると小児科医の教授は腹部の触診を行ったが、昌子の体調は問題ないように思えた。膝蓋腱反射も問題なし。ところがしゃべりたくても口が開かない様子で、それを見た教授は心因性のものではないと言った。そしてスタッフに検査入院の準備を指示すると昭にこりゃあ大変だよと言った。様々な検査を行った結果、教授は病名を破傷風と結論づけた。担当医となった能勢は、絶対安静にして痙攣が起こらないように全ての刺激を避け、抗毒素血清療法を行うと説明した。邦江が昌子を連れて病室に向かうと、教授は昭を呼び寄せ破傷風について話した。破傷風は脳の疾患と違って一見何ともないように見えるが死亡率が非常に高く、患者の数が少ないため学術的にまだはっきりと解明されているとは言えなかった。小さな傷から入り込んだ菌が発育して毒素を出すのだが、血清は病原菌には効果があるものの毒素と神経が結合した後ではほとんど効果はなかった。昌子は痙攣を起こしているため安心は出来ないと教授は言ったが、昭には他に気になることがあった。昌子の口を開ける際に生爪が剥がれる程強く指を噛まれていたからだ。

屋台的映画館
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BRAVE STORM ブレイブストーム

  • posted at:2024-07-16
  • written by:砂月(すなつき)
ぶれいぶすとーむ
ブラスト
配給:プレシディオ
製作年:2017年
公開日:2017年11月10日
監督:岡部淳也
プロデューサー:岡部淳也
エグゼクティブプロデューサー:村田修一
脚本:岡部淳也
特別協力:北村龍平
脚本協力:堺三保 ジョセフ・オブライアン 田畑由秋
ビデオコンテ:深谷英作
プリビズ:子安肇 武富聖
編集:岡部淳也 桑原崇
キャラクターデザイン:Skan Srisuwan 竹谷隆之 山形太智 筒井万貴
CG・VFX監督:子安肇
特殊造形監督:高橋勇也
音楽・SE・MIX:マイケル・バータ
アクション監督:野口彰宏
撮影監督:野口裕希
本編監督:千村利光
照明:舘野秀樹
録音:鶴巻仁
美術:中川理仁
CG・VFXプロデューサー:桑原崇
製作プロデューサー:半田健
アシスタントプロデューサー:橋本佳樹 馬場章
助監督:亀原宏誠 中川充
製作指揮:アルバトロス
出演:大東俊介 渡部秀 山本千尋 タモト清嵐  春日光一
アメリカンビスタ カラー 81分

2018年、東京。実力派人気ボクサーの紅健はボクシングジムのトレーナーに黙って地下格闘技場で行われる賭けボクシングに参加していた。そのことを知っているのはジム仲間のシュウだけだった。ある夜、二人で街を歩いていると目の前に女性が現れ、健に向かってあなたは今日殺されるわと言った。一緒に来て欲しいと言われたが、何かの勧誘ではないかと疑った健は無視してシュウと地下格闘技場へ向かった。1試合目は屈強なマッチョ男と対戦したがあっさりとKO勝ちした。2試合目を終えた後に酒を飲みに行こうと考えていた健にとって次の対戦相手は好都合だった。冴えない顔をした華奢な中年男だったからだ。ところがその男は健のパンチをいくら見舞っても倒れることはなく、逆に腹に一撃を食らって吹っ飛んだ。痛めつけられる健がこのままでは彼が死んでしまうと考えたシュウが折りたたみ椅子で男の首をぶん殴ると傷ついた部分から火花が散った。男の正体はロボットだった。男は振り返るとシュウの首をへし折り、それを見て怒りが頂点に達した健は男が動かなくなるまで椅子で攻撃し続けた。シュウに駆け寄り泣き叫ぶ健を静かに見ていた春日光三は眼鏡型デバイスを掛けた。すると周りにいる男たちが皆人間の姿に偽装したチグリス星人であることがわかった。彼は兄の光二と協力して健を救出した。健を乗せた車は人気のない場所にある倉庫の前で停まったが、そこにいたのは死の警告したはるかだった。

2050年、東京。崩壊したキルギス星からやってきたキルギス星人は巨大ロボット・ブラックバロンを使って地球上の大気をキルギス星の大気に変換し、人類の96パーセントを滅亡させた。生き長らえた4パーセントの人類には暗黒と絶望しか残されていなかったが、最後の希望とも言える5人の兄妹が立ち上がった。人体能力を500パーセントアップさせる強化スーツ・シルバーを装着した光二がキルギス基地へ乗り込みブラックバロンの設計データの奪取に成功すると、長男の光一と長女のひとみは光二、光三、はるかを2013年へ送るためのサポートに回った。未来を変えるために彼らがその時代を選んだ理由は、ロボット制御の次世代AIと生態学を融合させた小型モーター制御システムを研究する工学博士の紅健一郎にブラックバロンに対抗するための巨大ロボットの製作協力を求めるためだった。

屋台的映画館

復讐の歌が聞える

  • posted at:2024-03-19
  • written by:砂月(すなつき)
ふくしゅうのうたがきこえる
松竹=俳優座
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年9月27日
監督:貞永方久 山根成之
製作:岸本吟一 佐藤正之
原作:石原慎太郎
脚本:石原慎太郎
撮影:酒井忠 金宇満司
美術:小島初雄 野呂真一
音楽:真鍋理一郎
録音:中戸田次男
照明:久保田照和 萩原寿保
編集:福井貞男
助監督:吉沢修巳 朝間義隆 斉藤貞郎
製作主任:加藤正夫
製作補:松永英
現像:東洋現像所
録音:東京スタジオセンター
協力:那須ビューホテル 岩井診療所(霞が関ビル)
出演:原田芳雄 内田良平 岩本多代 東野英治郎 松本克平
アメリカンビスタ モノクロ 90分

降りしきる雨の中、一人の男が看守に見送られながら出所した。看守は小さくなっていく背中を見ながら「可哀想に。ついてない男だ」とつぶやいた。7年ぶりに娑婆へ出た竹中克巳は雨に濡れながら最寄りの駅まで歩いていたが、その後ろには尾行する一台の車があった。運転手の相川は窓口の駅員に友人だと嘘をついて行き先を聞き出すと日光まで追跡することにしたのだが、その途中で見失った。翌日の朝刊には出所直後の男が滝壷に飛び込んで死んだという記事が載り、それを見てほくそ笑んだ協立産業の城所譲二社長は緊急会議を開いて全ての関係者を集めた。そして竹中が投身自殺したことを報告すると皆複雑な表情を浮かべた。城所や役員たちにとって7年前の事件は忘れられない出来事であり、竹中の死でようやくそれも終わりを告げたのだ。

1年後、協立産業の関連である化粧品会社で不測の事態が起きた。その会社では本業を隠れ蓑にして麻薬の精製を行っていたが、横流しが発覚したことで穴の開いた分を取り引きが行われる横浜へ社長の徳田が直接持って行くことになった。だが彼は運転手に変装した謎の男によって殺された。これをきっかけに関係者が次々と変死を遂げたが、その傍には決まってスペードのトランプカードが落ちていた。殺されたのは麻薬に絡んだ人物だと考えられたが、予想外だったのは会社を辞めてキャバレーで占い師をしていた高木までが殺されたことだった。周囲に敵は多いが、可能性があるのは相川だと城所は考えた。彼の居場所を知る城所は二人の部下に動向を探るよう命じた。するとついに相川が最初の被害者の証であるスペードのエースということがわかったのだ。ところがその部下たちも死体となって発見され、その傍にはジャックとクイーンが落ちていた。これ以上犠牲者を増やしたくない城所は唯一思い当たる人物の名を挙げた。それは竹中だった。彼の死が新聞に載った後、城所は詳細を知るために警察へ出向き証拠を調べた。すると遺品はあったが死体は見つかっていなかったのだ。城所はもしものことを考えて襲撃に備えることにした。

屋台的映画館

ブルーアワーにぶっ飛ばす

  • posted at:2023-05-09
  • written by:砂月(すなつき)
ぶるーあわーにぶっとばす
「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会(カルチュア・エンタテインメント=ビターズ・エンド=TSUTAYA Digital Entertainment=ツインズジャパン=フジパシフィックミュージック=TCエンタテインメント)
配給:ビターズ・エンド
製作年:2019年
公開日:2019年10月11日
監督:箱田優子
製作:中西一雄
共同製作:定井勇二 根本浩史 下田淳行 朝妻一郎 吉田尚子
企画・プロデュース:遠山大輔
プロデューサー:星野秀樹
アソシエイトプロデューサー:小池勇規
協力プロデューサー:吉岡宏城
キャスティングディレクター:元川益暢
ラインプロデューサー:馬渕敦史
音楽:松崎ナオ
音楽監修:池永正二
音楽プロデューサー:篠崎恵子(BASiLiCA)
撮影:近藤龍人
照明:藤井勇
録音:小川武
美術:井上心平
編集:今井大介
装飾:遠藤善人
衣裳:立花文乃
ヘアメイク:望月志穂美
VFXプロデューサー:貞原龍文
アシスタントプロデューサー:原田浩行
助監督:山本亮
制作担当:興津香織
エンディングテーマ:「清く、ただしく」鹿の一族
制作プロダクション:ツインズジャパン
出演:夏帆 シム・ウンギョン 渡辺大知 ユースケ・サンタマリア 黒田大輔
アメリカンビスタ カラー 92分

30歳のCMディレクター・砂田夕佳は今日も忙しい日々を送っている。40代で第一線で活躍している女性は見当たらないし、家庭を持てば直にフェードアウトして行くか飽きられる。結婚している彼女はこの業界で働けるのもあと少しだと考えそれまで全力疾走するつもりだ。夕佳には理解ある優しい夫の玉田篤がいる。だが疲れのせいで口を開けば悪態をつく程心が荒み、ストレスの捌け口として既婚のカメラマンの冨樫晃と一夜をともにした。

ある日、雑誌のイラストを描くアルバイトをしている親友の清浦あさ美が映画を撮りたいと言い出したため、夕佳はビデオカメラを渡そうと喫茶店で待ち合わせをした。特に予定のない彼女はあさ美が手に入れたばかりの青い左ハンドルの中古車でドライブに出掛けようと乗り込むがその行き先すら決めていなかった。そんな矢先、夕佳の母・俊子から電話が掛かり、あさ美は彼女が田舎へ帰るのをためらっていることを知った。施設で過ごす祖母を見舞いたいとは思うが気が進まない。そんな夕佳を隣で見ていたあさ美は、嫌がる彼女を無視して茨城へ向かうことに決めた。ヨタヨタと進む初心者マークをつけたフィアット・パンダ。途中で寄った小美玉市のドライブインであさ美が突然せっかくだから観光をしたいと言い出したが、行っても淋しい気分になるからと夕佳はやめるように説得した。一度言い出したら聞かないあさ美は牛久沼かっぱの小径や日本一の獅子頭へ行くことに決めたが、そこにあったのは特に代わり映えのしないオブジェばかりだった。だがあさ美はそれをビデオカメラで撮り続けた。

夕佳の実家が近づくにつれ景色は緑色濃い山や畑ばかりになって行った。そして到着したときには天気が急変し大雨に見舞われた。ドアには鍵が掛かっており軒先で雨宿りをしながら電話を掛けていると俊子は大急ぎで戻ってきた。砂田家には愚痴っぽい俊子の他に骨董品集めに夢中な父・浩一、引きこもり気味の兄・澄夫とあさ美に会わせたくない人物が揃っていた。夕佳は頃合いを見て東京へ戻ろうとするが、あさ美はそんな家族に興味を抱いた。そしてそれ以上に気になったのがこの家で育った夕佳の過去だった。

屋台的映画館

不良少女 野良猫の性春

  • posted at:2021-06-22
  • written by:砂月(すなつき)
ふりょうしょうじょのらねこのせいしゅん
日活
配給:日活
製作年:1973年
公開日:1973年5月31日
監督:神代辰巳
企画:福田慶治
脚本:宮下教雄
撮影:前田米造
美術:川原資三
録音:福島信雅
照明:川島晴雄
編集:辻井正則
音楽:杉田一夫
助監督:高橋芳郎
色彩計測:関寿之
現像:東洋現像所
製作担当者:服部紹男
出演:片桐夕子 江角英明 大山節子 三都徹 高橋明
シネマスコープ カラー 70分

田園風景広がる赤坂村で暮らす会社員の丸山鳩子は、新しい男を作っては家に連れ込む母親との生活に嫌気が差し大学生の恋人・正夫と駆け落ちすることに決めた。書き置きを残して家を出たまでは良かったが、いつまで経っても待ち合わせ場所の河内汐の宮駅に正夫は現れなかった。心配になって電話をするが出る気配はなし。すっぽかされたことがわかった鳩子は一人で上京することに決めた。

田舎で育った鳩子にとって東京の街は刺激的だった。見る物、聞く物、全てが珍しく、辺りを見回しながら歩いていると胡散臭い男が話し掛けてきた。その様子を遠くから見ていたゴマメは、回転寿司店から出てきた彼女の手を引いてその場から離れさせた。そして甘い言葉を掛けてくる男には気をつけなさいと注意すると、俺が今日から保護者になってやると言った。その大人然とした態度と関西訛りの口調に心細い鳩子は全幅の信頼を寄せた。ゴマメは古びた自分のアパートに彼女を連れて行くと、逸る気持ちを抑えられずに押し倒した。ところが鳩子はのんびりした調子でちょっと待ってと言い、そんなことだと思ったと支度を始めた。そしてあっさりと受け入れたのだった。部屋にはゴマメの他にベッドとプロが住んでいた。ゴマメは大阪で有名な佃煮屋の養子だったが女好きが祟って勘当された。ベッドは元イタリアベッドのセールスマンで、プロは2軍暮らしの元プロ野球選手だった。翌日、ゴマメは鳩子を連れて買い物に出掛けたが、ハンドバッグの中に入れていた財布がないと彼女が慌て出した。それもそのはず、寝ている間にゴマメが抜き取っていたのだ。俺が靴を買ってあげるから諦めなさいと言うと、自分の金とは知らない鳩子はとても喜んだのだった。ゴマメは残った金で皐月賞の馬券を買った。大穴が当たれば借金を返してヤクザとの関係も清算出来るはずだったが、結果を見る前に巻き上げられてしまった。落胆するゴマメは鳩子を部屋に返すと自分は3日の間姿を消した。

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