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マリと子犬の物語

  • posted at:2020-07-24
  • written by:砂月(すなつき)
まりとこいぬのものがたり
「マリと子犬の物語」製作委員会(日本テレビ放送網=札幌テレビ=ミヤギテレビ=テレビ新潟=静岡第一テレビ=中京テレビ=広島テレビ=福岡放送=東宝=アミューズメントソフトエンタテインメント=ホリプロ=読売テレビ=小学館=読売新聞)
配給:東宝
製作年:2007年
公開日:2007年12月8日
監督:猪股隆一
製作指揮:小杉善信 島谷能成
企画:奥田誠治 市川南 宮下昌幸 本間英行
エグゼクティブプロデューサー:神蔵克
プロデュース:臼井央 藤村直人 遠藤日登思
プロデューサー:堀口慎
ラインプロデューサー:前田光治
キャスティングプロデューサー:城戸史朗
プロダクション統括:山田健一
原作:桑原眞二 大野一興
脚本:山田耕大 清本由紀 高橋亜子
撮影:北信康
照明:川辺隆之
録音:斉藤禎一
美術:部谷京子
編集:三條知生
監督補:萩原孝昭
助監督:猪腰弘之
製作担当:松田憲一良
音楽:久石譲
主題歌:「今、風の中で」平原綾香
企画協力:アミューズメントソフトエンタテインメント 文藝春秋
製作プロダクション:東宝映画
出演:船越英一郎 松本明子 広田亮平 佐々木麻緒 徳井優
アメリカンビスタ カラー 124分
 
小学生の石川亮太が住む新潟県山古志村はおいしい米を育てる棚田と色とりどり錦鯉、そして牛の角突きと呼ばれる闘牛で知られるが、もうすぐ隣町の長岡市と合併することになるらしい。自然豊かなその村で、亮太は役場に勤める父・優一、妹の彩、そして祖父の勇造と暮らしている。母の幸子は既に他界していたが、長岡市から叔母の長谷川冴子が時折面倒を見にきていた。ある日、亮太が彩としりとりをしながら歩いていると子犬が駆け寄ってきた。近くにある祠の下に「かわいがって下さい。」と書かれた段ボール箱があることから捨て犬だとわかったが、優一が大の犬嫌いなため家で飼うことを諦めるしかなかった。子犬を元の場所に戻すようにと亮太は彩を説得するが、しばらくすると子犬がついてきた。目を合わさないようにするが結局家までついてきたのだった。亮太は二階の部屋にあるいらなくなった毛布を持ち出した。一方、勇造は彩が冷蔵庫に入っていた牛乳パックを持ち出そうとしていることが気になった。何故なら彼女は牛乳が飲めないからだ。苦手なことを克服しようとする心意気に感心する勇造だったが、目を離した隙に彩がいなくなり拍子抜けした。二人は子犬を祠に連れて行くと段ボール箱に毛布を敷いて寒さ対策をした。そして持ってきた皿に牛乳を注ぐと子犬はおいしそうに飲んだ。彩はもうすぐ5歳の誕生日を迎えるが、亮太はあることを企んでいた。それを口実にして子犬を飼いたいと勇造にせがむのだ。後日、計画を実行すると孫の頼みを断れない勇造は優一の気持ちを無視して許可を出した。それがきっかけとなって勇造と優一の間で親子喧嘩が始まり、心を痛めた彩は家出をしたのだった。反省した優一はマリと名付けた子犬を家族の一員として迎えることに決めた。

2004年、すっかり成長したマリが3匹の子犬を産んだことで亮太たちの愛情はますます深まった。優一は勇造の体のことを考え長岡市のマンションに移り住む計画を進めていたが、勇造は年寄り扱いするなと反対していた。だが膝に痛みが出るようになり外に出掛けることが自由に出来なくなってからは家族に迷惑を掛けないよう施設に入る検討を始めていたのだ。優一はそのことを知っていた。そもそも長岡市のマンションへ引っ越せば勇造が通う病院が近くなるし冬の雪下ろしも必要なくなる。子供たちも登校が楽になるため全てが丸く収まると思っていた。一体何が間違っているんだろうと冴子に相談すると、家族のことをちゃんと考えていると思っていますよと彼女は上を指差した。

10月23日、その日は何故かマリが落ち着かなかった。勇造はいつもの様子と違って吼え続けることに疑問を感じながらも彩に本を読み聞かせていると、突然大きな揺れが襲った。午後5時56分、新潟県中越地方を襲った直下型の地震は最大震度7を記録した。

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