東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年4月10日 併映「新 兄弟仁義」
監督:石井輝男
企画:岡田茂 天尾完次
脚本:石井輝男 掛札昌裕
撮影:古谷伸
照明:中山治雄
録音:中山茂二
美術:石原昭
音楽:鏑木創
編集:堀池幸三
監督補佐:荒井美三雄
助監督:依田智臣
記録:石田照
装置:米沢勝
装飾:山田久司
美粧:田中利男
結髪:横田三佳代
衣裳:松本俊和
舞踊振付:藤間勘眞次
擬斗:三好郁夫
進行主任:上田正直
協力:北海道士別市観光協会
主題歌:「監獄(ごっかん)ブルース」渡瀬恒彦
出演:渡瀬恒彦 伊吹吾郎 清川虹子 賀川雪絵 大辻伺郎
アメリカンビスタ カラー 95分
昭和初期、北の果て。猛吹雪の中を囚人たちは網走監獄へ移動していたが、辺りが暗くなってきたことから月形潔典獄長は泊まれる民家を探すよう典獄たちに命じた。ところが二町先にある部落は役場も民家も皆拒否をしたのだった。だがその近くに大きな遊郭があることを思い出した月形は女将のお銀と話をつけた。その夜、食事を済ませた囚人たちは静かに床についたが、一人だけ時がくるのを待っていた。お銀は実の息子である吉岡誠吉に脱走の手順が書かれた紙を渡していたのだ。午前一時、薪の中に隠した鉈を手に入れていた吉岡は手錠で繋がれた隣の男の斬り落とそうとした。だがその男がおっかさんと寝言を言ったことで決心が鈍ったのだった。窓の下にはお銀が馬橇を待機させていたが、吉岡は次の機会まで待つことにした。
吉岡の脱走を止まらせたのは傷害罪で網走監獄に送られた橘真一だった。橘と同部屋になったのは吉岡の他に夜這いの浅や火達磨の剛蔵、モンマルトルの鉄、そして無期懲役の阿久田など個性的な面々が揃っていた。囚人たちの労働は主に野外での開墾作業であり道路建設であった。ある日、伐採作業を行っていたところ吉岡の方へ木が倒れた。橘は逃げ遅れた彼の足を強引に引き寄せて助けると、ぼさっとしてたら命がいくつあっても足りねえぜと忠告した。すると後日、吉岡は典獄からくすねたゴールデンバットで仮を返した。いつしか二人の間に奇妙な友情が生まれていた。作業所からの帰りに彼らは女囚人の一団と出くわした。典獄は彼女らを房内へ入れる前にかんかん部屋と呼ばれる更衣室に誘導した。そこでは禁制品が持ち込まれないように全裸で身体検査が行われ、典獄たちはそれを逐一監視した。そこに興奮した囚人たちがなだれ込んだことで祭りのような騒ぎとなり、激怒した監獄長は月形に責任を負わせたのだ。その中には吉岡の妹・珠枝の姿もあった。温情深い月形といえども今回の騒動を庇うことが出来ず、誰か一人が首謀者として名乗り出れば懲罰十日程度で話をまとめてやると言った。皆が物怖じする中一番若い橘が名乗り出たが、北海道警察長官兼司法長官の岩倉種臣が急遽訪問し取り締まりを行うことになった。
岩倉の目的は吉岡を消すことだった。吉岡の父親は警視庁の警察署長だった岩倉の汚職に関係する書類を盗み出すことを頼まれ仕事は成功した。吉岡は後に逮捕された父親を弟の秀とともに留置場から助け出したが、悪事が明るみに出ることを恐れた岩倉によって射殺されたのだった。それ以来親子は散り散りになったが、各々が復讐の機会を狙っていたのだ。岩倉は吉岡を騒動の首謀者と断定し拷問に掛けようとしたが、必要以上の懲罰は不要と月形に止められた。
屋台的映画館
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