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OL日記 牝猫の情事

  • posted at:2025-10-12
  • written by:砂月(すなつき)
おーえるにっきめすねこのじょうじ
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年12月16日 併映「(秘)弁天御開帳」
監督:加藤彰
企画:伊地知啓
脚本:加藤彰
撮影:姫田真佐久
美術:渡辺平八郎
録音:福島信雅
照明:川島晴雄
編集:鈴木晄
音楽:月見里太一
助監督:高橋芳郎
色彩計測:田村輝行
現像:東洋現像所
製作進行:青木勝彦
技斗:田畑善彦
出演:中川梨絵 宮下順子 山田克朗 絵沢萠子 葵三津子
アメリカンビスタ カラー 70分

商事会社の営業部で次長を務める織部史郎は渋谷駅前で若い女性と待ち合わせをしていた。彼女は織部の部下の桐野しのぶで、二人はある場所へ向かった。そこはビル上階のレストランで、織部としのぶがコーヒーを飲んでいると男女が時間通りに現れた。女性は織部の妻の妙子で、男性は楠見というインテリアデザイナーだった。これは織部夫妻が楠見のためにセッティングした見合いの席だったのだ。食事の後に楠見はタクシーでしのぶをマンションまで送って行くが、そのマンションで投身自殺があり目撃者となった二人は警察から証言を求められて足止めを食った。彼女を心配した楠見は部屋まで付き添おうとするが、しのぶはどうも失礼しましたと丁重に断った。部屋に入ると彼女はバッグをソファーに放り投げ、電話を苦々しく睨みつけた。そして電話を早く取り払って欲しいと管理人室にクレームの連絡すると、花瓶に差してある花を全て引き抜き窓から投げ捨てた。花束が落ちた場所はチョーク・アウトラインのすぐ傍だった。一方、しのぶと別れた楠見は情婦の英子が住むアパートに向かった。

今回の見合いは織部が常務の知り合いに頼まれて渋々引き受けたものだった。楠見の両親は乗り気らしいがしのぶは欠勤が続いていた。織部は肌が白いのは病弱だからなのではないかと考えていたが、妙子は女の勘でそうではないことを見抜いていた。彼女はしのぶがお嬢さんの気まぐれで会社務めをしているのではないかと考えており、もしそうであればこの話を早くまとめて楽になろうとしていたのだ。妙子に急がされてしのぶの返事を聞くことになった織部は彼女のマンションを訪ねることにした。この間の見合いの件について聞きたくて様子を見に来たと告げるとしのぶは恐縮して頭を下げた。部屋に通された織部が楠見について尋ねると、しのぶはいい方だが女性と遊んでいるように感じたと答えた。そして自分が生まれつき心臓が弱くて小学生の頃にこのままでは二十歳まで生きられないと医師に言われたことを告白した。母親は結婚しろと口では言うものの結婚生活が無理であることは承知で、だからこそ独りでマンション暮らしをさせてくれていると泣き崩れた。余命よりも二年長く生きている今、短い一生を楽しく遊んで暮らして行くなんていう気持ちにはなれないと声を絞り出すと、織部はそれ程のことだとは知らなかったと絶句した。しのぶは諦めて帰ろうとする織部を引き留め紅茶を飲んで行ってくださいと言った。彼は出されたカップを口元に近づけるが、鼻をつく臭いでそれに毒が入っていることに気づいた。するとしのぶは入社した時から織部のことが好きでたまらず、それならば一緒に死にたいと言った。

屋台的映画館
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新 高校生ブルース

  • posted at:2025-10-07
  • written by:砂月(すなつき)
しんこうこうせいぶるーす
大映(東京撮影所)
配給:ダイニチ映配
製作年:1970年
公開日:1970年12月25日 併映「可愛い悪魔 いいものあげる」
監督:帯盛迪彦
企画:神吉虎吉
原作:柴田成人
脚本:今子正義
撮影:喜多崎晃
録音:高橋温生
照明:渡辺長治
美術:山口熙
音楽:伊部晴美
編集:中静達治
助監督:程原武
製作主任:薮本和男
現像:東京現像所
出演:関根恵子 内田喜郎 菅野直行 水谷豊 三笠すみれ
アメリカンビスタ カラー 83分

陽明高校の学園祭が迫る中、文芸部では校内の話題を搔っ攫うようなテーマはないものかと討議を重ねられていた。古今東西の名作といわれる文学作品の中で青春における性の問題が如何に描かれているかということにテーマを絞って研究発表すればいいと田村京子が提案した。するとそれに関連させた自分自身の悩み多きセックスに触れてみてはどうかという意見が出た。小説やシナリオを制作する上でも高校生の実態を知る必要がある。文芸部のアイデアを分析し心理学や生化学の文献を参考にしてアンケートに落とし込めば有意義な回答が得られるのではないかと部長は言った。

この世の中には掃いて捨てるほど女がいるというのに京子のクラスメイトの椎名健次、岡田正樹、和島亘の童貞三人組は全くもって女にモテない。椎名の好みは断然スマートで少し華奢な感じがする清純派。岡田はフェイ・ダナウェイのような何処となく白痴めいた美人。和島に至ってはソフィア・ローレンのように肉感的で情熱的な女がいいという始末。彼らはいずれも理想が高すぎるのだ。ある日、理由をつけて早引けした三人は何か面白いことをして時間を潰そうと考えていた。気分がスカッとするヤクザ映画。いや、同じ映画ならアート系のエロか芸術かってヤツ。でも大事なところは全てカットされているからつまらない。関西ストリップならバッチリ見せるし学割もある。だがそれだと刺激が強過ぎるので後処理が困る。パチンコかボウリングか。それならいっそナンパしに行こうということで話がまとまった。私服に着替えた三人は街に繰り出しきれいな女性に声を掛けるが誰も相手にしてくれなかった。こうなったら破れかぶれだ。おかちめんこでもお多福でも構わない。三人は理想像をかなぐり捨てて手当たり次第に声を掛けた。そんな椎名たちの必死な姿を帰宅中に偶然目撃した京子は思わず笑った。

三人は粘りに粘るがそれでも成果はゼロだった。どうしても童貞を捨てたい彼らは小遣いを出し合いじゃんけんで勝った者が特殊浴場へ行くことになった。勝利を勝ち取った はなけなしの580円を握りしめてサービスタイムの店内に乗り込むが、従業員のエミは馬鹿にして体すら触らせてくれなかった。

屋台的映画館

ラブ・ストーリーを君に

  • posted at:2025-10-03
  • written by:砂月(すなつき)
らぶすとーりーをきみに
東映=オスカープロモーション
配給:東映洋画
製作年:1988年
公開日:1988年3月5日
監督:澤井信一郎
企画:黒澤満 古賀誠一
プロデューサー:伊藤亮爾 小島吉弘
原作:ディディエ・ドゥコワン
脚本:丸山昇一
撮影:仙元誠三
美術:桑名忠之
照明:渡辺三雄
録音:橋本文雄
編集:西東清明
助監督:鹿島勤
キャスティング:飯塚滋
製作主任:大塚泰之
音楽:朝川朋之
指揮:熊谷弘
音楽プロデューサー:高桑忠男 石川光
主題歌:「ラブ・ストーリーを君に」財津和夫
挿入歌:「さくらんぼの実る頃」岸洋子
・・・:「愛の讃歌」岸洋子
・・・:「HEY!HEY!HEY!HEY!」リトル・リチャード
・・・:「BOO HOO HOO HOO」リトル・リチャード
記録:宮本衣子
撮影効果:長谷川忠治
音響効果:伊藤進一
衣裳:越智雅之
ヘア・メーク:長岡英子
演技事務:河合啓一
スチール:藤沢俊夫 小島由紀夫
製作協力:セントラル・アーツ
出演:後藤久美子 仲村トオル 佐藤友美 柳沢慎吾 なべおさみ
アメリカンビスタ カラー 104分

大学の山岳部に所属する上條明は夏合宿の下見を終えて荒木欽一と東京に帰ってきた。欽一はこれから先輩のコネで会社訪問をすることになっていたが、教員を目指す明は就職活動の心配がないため気が楽だった。気の小さい欽一は一人になるのが不安で喫茶店につき合えと言った。明は嫌だと断るが、落ち着かないからどうしてもと言われ渋々了承した。欽一が先輩に電話を掛けに行ったためカリヨン時計の下で待っていると誰かが声を掛けてきた。その声の主は高校進学時に家庭教師をしたことがある今は高校二年生の広瀬由美だった。母と待ち合わせをしているということですぐに別れたが、明は彼女が大人っぽくなっていることに驚いたのだった。由美の母・友子はおばの吉野琴が理事長を務める料理学校の講師をしており、その日は三人で食事をする約束をしていたのだ。由美は突然の発熱で大学病院に三日ほど検査のために入院し退院したばかりであり、食事会は退院祝いも兼ねていたのだ。それから数日後、由美は学校の帰りに山岳部を訪ねた。夏休みに友子とヨーロッパに行く約束をしたが、山のことを色々と聞くためにやってきたのだ。ユングフラウのようなところに行きたいと相談すると明はそれに関する書籍を貸した。

大学病院で由美を担当する医師の千葉茂樹は病名が急性骨髄性白血病であることを友子に告げた。余命が半年と知り友子は平静を装いながらお医者様ってずいぶん残酷なんですねと罵った。だがすぐに思い直しこれからどうしたらいいんでしょうと訴えると、千葉は入院させてベッドに縛り付けるのは簡単だがなるべくそれは避けたいと言った。死を免れない患者の生き方を最優先し、限られた日々を豊かに過ごさせてあげることが最も人間的な対処の仕方ではないか。千葉が患者に対する心構えを説明するが、それは死を受け入れたところから始まる考え方だった。彼は友子に二冊の本を渡した。そこには同じ病気の子供を持つ親がどう悩みどう接して行ったかが書かれていた。

由美が自宅に帰ると友子は無意識にいつもより明るく接していた。病院に行ったことを聞かれた彼女は由美の病気がリウマチ熱で治療は注射と投薬だけで済むと嘘をついた。明日、学校が終わったら千葉先生のところへ行ってねと言うと由美は素直に受け入れた。だが由美が今一番気になっていたのは自分の病気よりも夏休みの旅行先のことだった。

屋台的映画館

かしこい狗は、吠えずに笑う

  • posted at:2025-09-29
  • written by:砂月(すなつき)
かしこいいぬはほえずにわらう

配給:-
製作年:2012年
公開日:2013年6月22日
監督:渡部亮平
製作:渡部亮平
脚本:渡部亮平
撮影:辻克喜
録音:島野あずみ 牧野実歩
美術:早川奈緒美 平松史子
照明:辻克喜
編集:渡部亮平
衣裳:三部葵 木村咲也香 富浦千弥
コンポジター:高木陽平 原田衣織
カラーグレーティング:辻克喜
サウンドデザイン・整音:松原安穂
音楽:近谷直之
劇中歌:「kamar Rahasia」mimpi*β
エンディング・テーマ:「カメレオン」mimpi*β
出演:mimpi*β 岡村いずみ もりこ 瀬古あゆみ ほりかわひろき
アメリカンビスタ カラー 94分

東温女子高2年の熊田美沙はのっそりした雰囲気と名前のせいでクラスメイトからプーさんと呼ばれている。当然、好意からではない。いじめの元凶はクラスの頂点に立つ黒川マリナで、彼女が発する言葉は心が弱い者たちを傷つけた。そのせいで西尾アヤは登校拒否となり家族が警察に捜索願を提出するまでに至った。問題の発覚を恐れた学校側はいじめの有無をめぐるアンケートを実施するが、生徒たちになしと答えた用紙を強制的に提出させた。

美沙はひどい生理痛で悩んでいたが相談する相手がいなかった。彼女の話し相手といえば自宅で飼っているインコと生物部の部長として理科室で育てている金魚しかいないのだ。誰にも邪魔されない図書館で苦手な数学の勉強していたところまた鈍い痛みが下腹部を襲ってきた。こらえながら机に突っ伏していると誰かが話し掛けてきた。声の主は同じクラスの清瀬イズミで、私も数学が苦手と言いながら紙を渡した。それは翌日行われることになっているテストの解答用紙だった。美沙がそれは本物なのかと疑っているとイズミは机の下に潜り込み、三陰交のつぼを押した。激痛のあまり美沙が漏らした悲鳴は図書館中に響いた。美沙が気になっていたのは三陰交よりもテストの解答用紙の方だった。どうやって手に入れたのかと尋ねると、数学の非常勤講師の栗田保からお金ではない別の方法で手に入れたらしい。イズミも美沙と同じようにマリナからいじめられておりクラスメイトからは蔑まれていた。容姿の正反対な二人は痛みや孤独の悩み、そして誰にも言えない秘密を共有することで急速に仲良くなって行った。

ある日の放課後、帰宅しようとしたところ学校の駐輪場に停めてあった美沙の自転車がなくなっていた。イズミの自転車に二人乗りをして帰ることになり、寄り道しながら美沙の家の近くに差し掛かると辺りはもう暗くなっていた。するとイズミはいい物を見せてあげると言って一枚の紙を取り出した。「西尾アヤは清瀬イズミに殺された。」と書かれたビラを見せられた美沙は動揺した。何故ならマリナに呼び出された際に校内にばら撒けと強要されたビラと同じだったからだ。イズミはそれを馬鹿にして笑い飛ばし、新しいのを買うからその自転車をあげると美沙に言った。美沙が躊躇しているとイズミはそれならばまた二人乗りしようと提案し、親友だから私の物は自由に使っていいと言って走って行った。美沙は彼女が初めての親友であることを確信し心の底から喜んだ。

屋台的映画館

竹取物語

  • posted at:2025-09-26
  • written by:砂月(すなつき)
たけとりものがたり
東宝映画=フジテレビ
配給:東宝
製作年:1987年
公開日:1987年9月26日
監督:市川崑
製作:田中友幸 羽佐間重彰
企画:三ツ井康
プロデューサー:角谷優 藤井浩明 新坂純一
脚本:菊島隆三 石上三登志 日高真也 市川崑
衣裳監修:斉藤寛
衣裳デザイン:ワダエミ
撮影:小林節雄
美術:村木忍
照明:下村一夫
調音:大橋鉄矢
録音:斉藤禎一
編集:長田千鶴子
助監督:吉田一夫
製作担当:平間重和
資料協力:馬場和夫
装置:鈴木和夫
組付:西田忠光
装飾:宮内春明 浜村幸一
スチール:橋山直己
記録:原田良子
衣裳:川上鈴雄
結髪:沼田和子 中尾さかゑ
技髪:荒井誠治
メークアップ:米山きみ
音楽エンジニア:大野映彦
音楽事務:岩瀬政雄
効果:小島良雄
殺陣:美山晋八
音楽:谷川賢作
オーケストラ指揮:井上道義
オーケストレーション:山本純ノ介
主題歌:「STAY WITH ME-Song for KAGUYA姫」ピーター・セテラ
特殊技術・撮影:江口憲一 大根田俊光
特殊技術・美術:井上泰幸
特殊技術・照明:三上鴻平
特殊技術・プロデューサー:鈴木政雄
特殊技術・助監督:浅田英一
特殊技術・操演:松本光司
特殊技術・特殊効果:渡辺忠昭
特殊技術・造型:安丸信行
特殊技術・合成:宮西武史 三瓶一信
特殊技術・作画:石井義雄 塚田猛昭
特技監督:中野昭義
出演:沢口靖子 中井貴一 春風亭小朝 竹田高利 岸田今日子
アメリカンビスタ カラー 121分

八世紀の末。商人の宇陀は人里離れた竹林の傍に住む竹取の家を訪ねた。彼は造の女房の田吉女がこさえた織物を引き取りにきたのだが部屋の中は真っ暗で誰もいそうにない。がっかりして引き返そうとしたところ、真っ青な顔をした田吉女が暗闇から現れ何も出来ていませんと言ってぴしゃりと戸を閉めたのだった。面食らって辺りを見回すと造が小川で刃物を研いでいた。何があったのかと尋ねると、造は昨日娘の加耶を死なせたと言った。宇陀は可哀想にと思ったが、彼にとってそれよりも大事なのは都の市場で評判がいい造が作る竹細工と田吉女の織物だった。それらが出来ていないことがわかると宇陀はまた出直してくると言って帰って行った。

田吉女は悔やんでも悔やみ切れないでいた。貧乏なばかりに医者を呼べず、諦めた頃に授かった五歳の娘をたった二、三日の煩いで失ってしまったからだ。いっそのこと加耶と一緒に死んでしまえば良かったと田吉女は泣腫らした。翌日の満月の夜、田吉女は加耶の着物を抱きながら私の命と取り替えてやりたかったとこぼした。その様子を見た造はいくら嘆いてもあの娘は戻って来ないと諭した。すると耳をつんざくような轟音が空を横切り強烈な光が家に差し込んだ。そしてその直後に起きた爆発音とともに二人の体は宙に投げ出されたのだった。驚いた造たちが慌てて家を出ると裏山が燃えていた。そこには加耶の墓があり、竹細工に使う竹林があった。数日後、火事が収まると造は山の中へ入ったが、墓は無事であり竹林が燃えた様子もなかった。加耶が守ってくれたに違いないと考えた造は感謝しながら手を合わせた。ふと目をやった先には筍が生えており、そのもう少し先には同じくらいの大きさの石のような物があった。その先端が輝くと目がくらんだ造は慌てて竹の陰に隠れた。しばらく様子を見ていると先端から加耶の墓に向かって光が放たれた。そして石のような物の一部が剥がれ落ちると中の何かが見えた。それが産まれたばかりの赤子だとわかると造は恐る恐る近づいたがどうしようかと思案した。竹取家では赤子を育てる余裕はないのだ。かと言って放っておく訳にはいかず、とりあえず家に連れて帰ることにした。容れ物ごと抱えたが中の赤子が動き回り思わず取り落とした。赤子は容れ物から外に出るといつの間にか這うまでに成長していた。そして見る間に五歳児程の体格になったが、その顔は加耶そのものだった。青い瞳を除いては。

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