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悪魔が来りて笛を吹く(1979年)

  • posted at:2024-11-14
  • written by:砂月(すなつき)
あくまがきたりてふえをふく
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年1月20日
監督:斎藤光正
製作:角川春樹
企画:角川春樹事務所
プロデューサー:橋本新一
原作:横溝正史
脚本:野上龍雄
撮影:伊佐山巌
録音:宮田重利
衣裳デザイン:宮内裕
美術:横尾嘉良
サウンドアドバイザー:紅谷愃一
照明:梅谷茂
編集:田中修
助監督:新井清
記録:勝原繁子
進行主任:小島吉弘
スチール:加藤光男
宣伝担当:福永邦昭 山本八州男
装置:安沢重治
装飾:酒井喬二
音響効果:岩藤竜三
協力:東映俳優センター
現像:東映化学
演技事務:石原啓二
刺青:霞涼二
衣裳:河合敬一
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
音楽:山本邦山
音楽補:今井裕
音楽プロデューサー:四方義朗
主題歌:「旅行く者よ」榎本るみ
協力:山久インテリア家具パレス
出演:西田敏行 鰐淵晴子 宮内淳 斉藤とも子 二木てるみ
アメリカンビスタ カラー 136分

昭和二十二年十月十五日の朝、銀座の天銀堂にやってきた宮内府秘書課長を騙る客が店長らに毒薬を飲ませて宝石を奪うという事件が発生した。その事件の容疑者として子爵でフルート奏者の椿英輔が浮かび上がるが、アリバイが成立しているとして釈放された。だが昭和二十三年の早春に富士山麓の青木ヶ原樹海で遺体が発見され、検視の結果自殺と判断された。遺体は死後三ヶ月を経過していた。英輔の遺体を埋葬してから数日後、娘の美禰子が遺品の整理をしていた際に遺書を見つけた。そこには「この家には悪魔がいる。」と記されていた。悪魔が警察に密告した人物のことを指すのではないかと美禰子は考えていた。何故なら警察から帰ってきた晩に英輔本人がこの家の誰かが密告したに違いないと彼女に告げたからだ。遺書にどのような真実が隠れているのか知りたくなった美禰子は警視庁の等々力警部を通じて探偵を紹介してもらうことにした。

椿邸を訪れた私立探偵の金田一耕助は美禰子から遺書を見せてもらったが、最初の印象は悪魔などという言葉を普通は滅多に使わないなと思った。この事件には不思議な点がもう一つあった。三日前に美禰子の母の秌子が英輔の姿を街で見掛けたというのだ。その夜、食事が終わると金田一は一時間の計画停電を利用した砂占いに同席した。そのやり方は吊り下げられた振り子の先が敷かれた砂に模様を描きその形によって吉凶を占うが、明かりを暗くして行うためその方が都合が良かったのだ。秌子の伯父の玉虫公丸が呪文を唱え始めると振り子がゆっくり動き始め何かを描き始めた。すると突然秌子が怯え始め蠟燭の灯が消えた。それと同時に柱時計が七時の鐘を鳴らすと邸の電気が点いた。砂の上には火焔太鼓のような模様が描かれており、それを見た者は皆驚いた。一方、耳を澄ますと何処からかフルートの音が聞こえてきたがそれは英輔が作曲した「悪魔が来りて笛を吹く」という楽曲だった。音の出所が二階だと気づいた金田一が駆け上がると秌子の兄・利彦の説明でそこが英輔の部屋だとわかった。明かりを点けて中に入り耳をそばだてた彼はその原因がレコードによるものだと突き止めた。単なる悪戯ではないのではないかと考えたが、それ以上に疑問に思ったのは火焔太鼓の模様を見た皆が何故驚きの表情を見せたのかだった。

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アラビアンナイト シンドバッドの冒険

  • posted at:2024-06-02
  • written by:砂月(すなつき)
あらびあんないとしんどばっどのぼうけん
東映動画
配給:東映
製作年:1962年
公開日:1962年6月16日
演出:薮下泰司 黒田昌郎
製作:大川博
企画:高橋勇 吉田信 籏野義文
脚本:手塚治虫 北杜夫
動画監修:山本早苗
音楽:冨田勲 米山正夫
原画:大工原章 古沢日出夫 熊川正雄 大塚康生 楠部大吉郎 奥山玲子 喜多真佐武 勝井千賀雄
美術:進藤誠吾 沼井肇
色彩設計:浦田又治
撮影:杉山健児 中村一雄
録音:空閑昌敏 森武
編集:稲葉郁三
効果:木村一
記録:鈴木安津子
製作進行:茂呂清一
歌:デニー白川 真理ヨシコ 太宰久雄 松岡ユキ
舞踊:榊原帰逸
声の出演:木下秀雄 黒柳徹子 里見京子 川久保潔 新道乃里子
アメリカンビスタ カラー 81分

その昔、アラビアのラサールという港町にシンドバッドという青年と孤児のアリーが住んでいた。ある朝、浜に打ち上げられた老人を自宅に連れ帰ったシンドバッドはベッドに寝かせると勇気づけたが、彼の口から出るのは気弱な言葉ばかりだった。だが部屋の様子を見てシンドバッドが船乗りになりたいことがわかると、老人は自分も同じ年頃に海へ出たと懐かしみながら話し始めた。そして思い出したようにとっておきの話をしてあげようと言った。大昔のある南の島に星が落ち異様な爆発を起こした。そのために島の形はすっかり変わり、ある谷などは光輝く石でうずまった。だがその宝石は恐ろしい怪獣どもに守られているのだという。老人は話し終えると懐に入っていた地図を握り締めたまま息絶えた。その話に興味を持ったシンドバッドとアリーは輸送船で働きたいと考え、輸送船ボルダー号の船長と交渉することにした。だがお前たちに力仕事はまだ無理だし金の余裕もないから無理だと断られた。

ボルダー号は無事に出航し、ひと仕事終えた船員のアブダラとヤシムはその夜、船室で酒を酌み交わしていた。やがてボトルが空になりアブダラが船倉に取りに行くとシンドバッドとアリーが荷物に隠れていた。そのこと知った船長は笑い飛ばし、アブダラたちにうんと仕込んでやれと命じた。見習いの船員となったシンドバッドとアリーはまず甲板の掃除から始めた。そしてアブダラはアリーに食事の支度を、ヤシムはシンドバッドに帆の張り方を教えた。それから数日後、ボルダー号は子供のクジラがノコギリザメに追われているところに出くわした。かわいそうになったアブダラとヤシムは銛を投げて追い払おうとするが、ノコギリザメの方が一枚上手だった。二人の銛を余裕でかわした。すると隣で見ていたシンドバッドは足元にあった小さな壺を投げて気を逸らし、そこに銛を投げて退治した。クジラはボルダー号に近づき、お礼を言うと海深く潜った。

檣楼から遠方の様子を見ていたヤシムは陸地が見えたことを船長に報告した。バーレーンの港に到着し荷を下ろした一行は、その夜酒場で地元の客と楽しく酒を飲んでいた。すると酔っ払ったアブダラが弦楽器のウードを弾きながら創作の歌を唄った。その歌詞はウードを弾けば宝石が湧いて出てくるというものだったが、それを聴いた兵士の報告で悪知恵を働かせた大臣のトルファは一行を宮殿に呼び寄せた。そしてその話を信じたアーマッド王の前でウードを弾いて見せることになったが、楽器は所詮楽器。ウードから金銀財宝が出てくることはなく、トルファは嘘偽りを言った罪で彼らを牢屋へ送った。だがその中からこっそりと抜け出しアーマッド王の娘・サミール姫と会ったアリーは一行がいい人ばかりだと釈明した。

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アクマイザー3

  • posted at:2024-04-08
  • written by:砂月(すなつき)
あくまいざーすりー
NET=東映
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年12月20日 併映「アンデルセン物語 マッチ売りの少女」「がんばれ!!ロボコン ムギョギョ!!食いねェ」「UFOロボ グレンダイザー」「秘密戦隊ゴレンジャー 青い大要塞」
監督:奥中惇夫
プロデューサー:宮崎慎一 平山亨 鈴木武幸
原作:石森章太郎
脚本:長坂秀佳
音楽:渡辺宙明
音楽制作:あんだんて
主題歌:「勝利だ!アクマイザー3」水木一郎 こおろぎ’73
・・・:「すすめ!ザイダベック」水木一郎 こおろぎ’73
撮影:古市勝嗣
照明:吉野典明
美術:前沢範
仕上制作:映広音響
録音:太田克己
編集:菅野順吉
効果:平田靖
選曲:村田好次
記録:山田光枝
助監督:福島孔道
進行主任:伊藤隆造
技斗:金田治
メークアップ:岡本政夫
装置:阿部幸夫
制作担当:佐久間正光
衣裳:東京衣裳
オートバイ協力:スズキ自動車
現像:東映化学
特殊撮影:特撮研究所 大沢哲三
特殊効果:大平特殊効果 菊地潔
オートバイアクション:室町健三
制作協力:東映エージエンシー
出演:千葉治郎 早田みゆき 小塙謙士 岩城和男 高橋利道
アメリカンビスタ カラー 24分

地球内部にある空洞の世界「地底世界ダウンワールド」。アクマ族のメザロードによる人間狩りで地上の人々がその世界に送り込まれた。悪魔の洗礼で倒れた者は皆殺しとなって赤い血のワインの材料に、そして残った生命力の強い者は奴隷にされた。ある夜、東京の上空に幽霊船が現れ、黄金の右腕が人々を鷲掴みにして連れ去った。東都タイムズの新聞記者・島一平は偶然のその幽霊船を目撃したが、突然消えたため同じ職場で働くカメラマンの渚ジュンに信じてもらえなかった。

帰宅するジュンは路上に白い砂の小さな山があることに気づいたが、それが連れ去りの痕跡であることを知る由もなかった。その時上空に幽霊船が現れ黄金の右腕が彼女を掴もうとしたが、暗闇から現れた何者かによって救われた。ジュンはお礼を言おうとするが、暗くて誰かわからなかったため顔を見せて欲しいと言った。だがその男は君を驚かせたくないからそれは出来ないと断った。何故そこまで拒むのかと不審に思ったジュンが素早くカメラを向けてシャッターを切ると、フラッシュで浮かび上がった顔はまるで「悪魔」のようだった。その男はサーベル「ジャンケル」を素早く抜くとカメラを叩き斬り、驚くジュンに俺はザビタンだと名乗って姿を消した。

翌日、一平とジュンが出社すると一平の弟・光彦が来ていた。編集長の秋田源作は子供の戯言だと思って返そうとしていたが、それが幽霊船の目撃情報だと知り一平の目の色が変わった。光彦が目撃した場所へ行くと幽霊船が現れ黄金の右腕が何処までも追い掛けてきた。するとザビタンが立ちはだかり小型ミサイルポッド・ザビタンノヴァで攻撃した。彼の姿に驚く一平だったが、そこに現れた兵士アグマーと戦ううちにザビタンが悪い奴ではなさそうだと思った。そこに今度はアクマ族のイビルとガブラが現れた。彼らの目的はザビタンの処刑だった。

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相棒 劇場版IV

  • posted at:2024-01-23
  • written by:砂月(すなつき)
あいぼうげきじょうばんふぉー
「相棒 劇場版IV」パートナーズ(テレビ朝日=東映=トライサム=小学館=朝日放送=メ~テレ=木下グループ=研音=北海道テレビ=広島ホームテレビ=九州朝日放送)
配給:東映
製作年:2017年
公開日:2017年2月11日
監督:橋本一
製作総指揮:早河洋
製作:亀山慶二 手塚治 水谷晴夫 久保雅一 浅井賢二 木下直哉 大川ナオ 樋泉実 伊藤裕章 二木清彦
エグゼクティブプロデューサー:西新
Co.エグゼクティブプロデューサー:佐々木基
プロデューサー:桑田潔 佐藤涼一 伊東仁 遠藤英明 西平敦郎 土田真通
脚本:太田愛
音楽:池頼広
撮影監督:会田正裕
美術:近藤成之
照明:松村泰裕
録音:舛森強
編集:只野信也
装飾:山本信毅
VFXプロデューサー:戸枝誠憲
VFXスーパーバイザー:宮島壮司
音響効果:西村洋一
スクリプター:小関ひろみ
助監督:安養寺工
制作担当:金井光則
アシスタントプロデューサー:増田玲介
ラインプロデューサー:今村勝範
音楽プロデューサー:津島玄一
製作プロダクション:東映東京撮影所 東映テレビ・プロダクション
出演:水谷豊 反町隆史 鈴木杏樹 川原和久 山中崇史
アメリカンビスタ カラー 120分

国連犯罪情報事務局職員のロイ・モリスが埠頭の倉庫で遺体となって発見された。警視庁捜査一課刑事の伊丹憲一と芹沢慶二が現場に立ち会うが、疑問に感じていたのは何故そこに特命係の杉下右京と冠城亘、そしてその隣に白髪の老紳士がいるかだった。そのことを伊丹が訪ねると、杉下はその老紳士が国連犯罪情報事務局元理事のマーク・リュウだと紹介した。彼は引退後も国際的犯罪組織・バーズのリーダーのレイブンを追っていたが、その部下のモリスから情報を得られるかもしれないとの知らせを受けて急遽香港から来日した。リュウは総務部広報課課長・社美彌子の内閣官房内閣情報調査室時代の知人で、彼女の指示で特命係が同行することになったのだ。だがモリスは「天谷克則という男を調べて欲しい」というメッセージをリュウに伝えたところで何者かに殺されたのだった。

モリスを殺害した人物はサプレッサー付きの銃を使用し、被害者のタブレットとスマートフォンを持ち去っていた。防犯カメラに映った体形や身のこなしから年齢は30代から50代の男、そして首の後ろに黒い羽のタトゥーがあったことから警視庁はその男をレイブンとしてマークすることにした。レイブンの活動の中心はヨーロッパでマネーロンダリングや誘拐、贋作売買と多岐に渡っていたが、日本と接点があるのは7年前に在英日本大使館で起きた事件だった。当時、鷺沢参事官が冬の間に借りていた別荘で10歳になる娘・瑛里佳の誕生日パーティーが行われていたが、客用と召し使い用のティーポットに青酸カリが入れられお茶を飲んだ関係者が皆死んだ。メイドの一人が息絶える前に通報したことで事件が発覚し、難を逃れた瑛里佳は一旦は警察に保護された。だが大使館職員が到着をするのを待っているほんの少しの間に何者かに連れ去られたのだった。その後、バーズからの身代金の要求はなく、2日後にレイブンの配下で実行犯とみられるイギリス人のデニス・コナーがロンドン郊外で射殺体となって発見された。この事件は青酸カリを混入した犯人も瑛里佳の行方もわからないままだった。

杉下はリュウがモリスと行くはずだった日本料理店に同行することにしたが、食事中にリュウが突然苦しみだし、レストラン街の他の飲食店でも同様の患者が複数発生した。その直後、外務省のホームページがハッキングされ、レイブンからのメッセージ動画が掲載された。その動画には現在の瑛里佳が映っており、日本政府に700万ユーロの身代金を要求した。期限は今夜0時。それは7年前に日本政府が無視した身代金に対する報復だった。

屋台的映画館
あばたろうせんたいどんぶらざーずざむーびーしんはつこいひーろー
劇場版「リバイス・ドンブラザーズ」製作委員会(東映=テレビ朝日=東映アニメーション=東映ビデオ=ADKエモーションズ=東映エージエンシー=バンダイ)
配給:東映ビデオ
製作年:2022年
公開日:2022年7月22日 併映「劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア」「お昼のショッカーさん THE ムービィー」
監督:田崎龍太
製作:手塚治 西新 高木勝裕 與田尚志 野田孝寛 村松秀信 古澤圭亮
企画:金子保之 三輪祐見子 鈴木篤志 加藤和夫 志村章 清水啓司 大矢陽久
プロデューサー:白倉伸一郎 井上千尋 矢田晃一 深田明宏
原作:八手三郎
Special Thanks:石ノ森章太郎
脚本:井上敏樹
音楽:山下康介
撮影:上赤寿一
照明:柴田守
美術:岡村匡一
録音:中山寿範
編集:金田昌吉
スクリプター:國米美帆
助監督:茶谷和行
制作担当:吉川和也
ラインプロデューサー:佐々木幸司
キャラクターデザイン:篠原保 プレックス
資料担当:松井大 神内大輝
筆文字:平原ようす
キャラクター造型製作:レインボー造型企画 前澤範 前澤まさる 吉川学
主題歌:「俺こそオンリーワン(Movieサイズ)」MORISAKI WIN
音楽プロデューサー:本谷侑紀 穴井健太郎 野口智
音楽制作協力:ジェニュイン
音楽制作:東映音楽出版 日本コロムビアエンタテインメント テレビ朝日ミュージック
製作プロダクション:東映テレビ・プロダクション
アクション監督:福沢博文
出演:樋口幸平 別府由来 志田こはく 柊太朗 鈴木浩文
アメリカンビスタ カラー 30分

津野角高校に通う女子高生の鬼頭はるかはデビュー作の漫画「初恋ヒーロー」が冗談社マンガ大賞を受賞したことで一躍時の人となった。ところがその内容が若者を中心に人気を集めている椎名ナオキ作の同人漫画「失恋ナイト」の盗作ではないかとの疑いを掛けられ一気に信頼を失った。その「失恋ナイト」が「新・初恋ヒーロー」として映画化されることになり、映画プロデューサーの三枝玲子は監督にリアル志向が強い黒岩氏を、主人公の一文字ヒロ役に脳人(ノート)と知らずにスカウトしたソノイを、そしてヒロインの道明寺ハナコ役にソノニを抜擢した。撮影はスタートしたが、二人の演技があまりにもうま過ぎてリアリティーに欠けるから俺の映画には向かないと黒岩がゴネたのだ。再び人選をしなければならなくなり玲子は頭を痛めた。そんな矢先に街中でヒトツ鬼の忍風鬼が現れ、強制的に呼び出された5人の戦士・暴太郎戦隊ドンブラザーズとの戦いになった。そこにソノザが加わったことで話がややこしくなり忍風鬼を取り逃がしてしまったが、その様子を見て興奮した玲子は彼らを出演させることに決めた。

映画出演について話し合うために桃井タロウ、猿原真一、雉野つよし、そしてはるかの4人は喫茶どんぶらに集まった。本物のヒーローが偽りのヒーローを演じる必要があるのかと真一が言うと、つよしもはるかを盗作呼ばわりした作品だしと続けた。だがはるかはこれをきっかけにして椎名ナオキに会えるのではないかと考え、真相を暴くために出演することに決めた。するとタロウがこれも何かの縁で玲子が困っているのなら助けたいと言った。だが一つ懸念があった。嘘がつけないタロウが演技を出来るかだった。つよしごそのことを口にするとタロウは嘘とセリフは違うと胸を張って言った。その話をカウンターの奥で聞いていたマスターの五色田介人はコーヒーを運びながらヒーローは目立たないことが基本だとアドバイスした。

一文字ヒロ役にタロウ、道明寺ハナコ役にはるかを抜擢して撮影が始まったが、二人の棒演技に玲子はめまいを起こした。素人には無理だったかと肩を落とす彼女だったが、黒岩はその下手さがリアルだとご満悦だった。その様子を陰で見ていたソノイはここでも奴が主役かと残念がるが、ソノニは脇役が主役を食うこともあると言った。

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