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赤胴鈴之助 一本足の魔人

  • posted at:2023-02-24
  • written by:砂月(すなつき)
あかどうすずのすけいっぽんあしのまじん
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1957年
公開日:1957年12月28日 併映「日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里」
監督:安田公義
製作:酒井箴
企画:土田正義
原作:武内つなよし
潤色:穂積純太郎
脚本:岡本繁男 松村正温 吉田哲郎
撮影:相坂操一
録音:奥村雅弘
美術:太田誠一
照明:中岡源権
音楽:渡辺浦人
色彩技術:森田富士郎
編集:西田重雄
製作主任:黒田豊
装置:三輪良樹
装飾:松本春造
背景:滝野好男
美粧:明石悦男
衣裳:黒沢よし子
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉島暢
移動効果:上岡義明
普通写真:藤岡輝雄
助監督:小木谷好彦
撮影助手:小池清茂
録音助手:鈴木幸三郎
照明助手:吉実豊次
美術助手:上里忠男
記録:木村恵美
演技事務:竹内次郎
進行:吉岡徹
現像:東洋現像所
出演:梅若正二 林成年 黒川弥太郎 中村玉緒 藤田佳子
アメリカンビスタ カラー 64分

ある年の冬、江戸品川沖に一隻の異様な帆船が出没した。それと同時に江戸の町は黒い翼を持った鳥のような怪人が現れ、有名な寺社などを襲って世界に二つとない名宝名器の数々を奪って消え去った。怪人に立ち向かい或いは追う者は忽然としてこの地上から消え失せ、再びその姿を見ることは出来なかった。

剣の師である千葉周作から預かった秘蔵の刀を研師のところへ取りに行った赤胴鈴之助だったが、日が暮れたため一旦長屋へ持ち帰ることにした。母お藤と幼馴染のしのぶは常州潮来に帰っており部屋には鈴之助しかいなかったが、大根泥棒騒ぎで外に出ている間にそれを盗まれたのだった。鈴之助はすぐさま後を追ったが黒装束姿の一本足の男は闇夜に消えた。雪についた足跡をつけるとやがて古びた家に辿りつき、窓に明かりがないことを不審に思って調べることにした。すると槍で威嚇してきたのはお米という娘だった。彼女はこの家の住人だったが、一本足の男の手掛かりになるものは何もなかった。

翌朝、千葉道場に老中の使者がきて、将軍家拝領の名刀小梶丸を将軍の誕生日に上覧すると言い渡して帰った。鈴之助がこないことを心配した周作は弟子の竜巻雷之進に鈴之助と会うように言った。長屋に向かった雷之進は、一本足の男に刀を盗まれた鈴之助が朝早く出掛けたことを住民たちから聞き愕然とした。その頃、骨董屋に持ち込まれたのではないかと考えた鈴之助は一軒一軒訪ね歩き島屋に辿りついた。今朝方、小梶丸を売りにきたものはいないかと主人の島屋徳兵衛に尋ねると、傍で聞いていた客のお光という娘がその犯人は一本足の男ではありませんでしたかと言った。彼女も修理のために津軽の殿様から預かっていた大切な兜を盗まれたが、それも将軍家拝領の品だった。あと五日の間に戻らなければ大変なことになると心配するお光に力を落とすことはないと鈴之助は勇気づけた。だがお光には気掛かりなことがあった。それは鎧師である父加納玄斎が抵抗した際に一本足の男が持つ短筒で撃たれ、見る間に溶かされてしまったからだ。例えどんな武器を持っていようと必ずやっつけると鈴之助が啖呵を切ると、徳兵衛も江戸中の仲間に手配して見つかったらすぐに連絡をすると約束した。

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網走番外地 悪への挑戦

  • posted at:2023-02-14
  • written by:砂月(すなつき)
あばしりばんがいちあくへのちょうせん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年8月12日 併映「兄弟仁義 関東命知らず」
監督:石井輝男
企画:今田智憲 植木照男
原案:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:稲田喜一
録音:渡辺義夫
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:内藤誠
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
出演:高倉健 嵐寛寿郎 真理明美 谷隼人 田中邦衛
シネマスコープ カラー 90分

博多港の波止場では少年たちがバリケードを築き母子を人質にして立てこもっていた。彼らの手にはライフル銃が握られており、警察との睨み合いは長時間に亘っていた。そんな中、ふらりと現れた橘真一は彼らの前に歩み寄ると何の罪もない人を放してやれと言った。少年たちがそれを拒否すると橘は女子供の助けを借りなきゃ何も出来ないのかと挑発し人質の身代わりを買って出た。そして罪を重ねれば少年死刑囚になりうることを説明して脅すとマシマロが怯え始め、ダンプとの間で小競り合いが始まった。橘はしめたと思い飛び掛かろうとするが、それにいち早く気づいたダンプが引き金を引いた。銃弾は橘のどてっ腹に命中し動揺したダンプは警察に逃走用のボートを要求するが、うずくまっていた橘が立ち上がって近づいて来ると恐ろしくなり真っ青になった。お勤めに行くかと言われ観念したマシマロ、ダンプ、エントツの三人は御用となった。橘は服の中の鉄板を取り出しながら本当にぶっ放しやがったとつぶやいた。

早々に現場から立ち去った橘に話し掛けてきたのはペコという少女だった。彼女はベイビードールというクラブに案内したが、そこは不良少年たちの溜まり場だった。あっという間に取り囲まれた橘だったが、挨拶がわりに大暴れしお前らみたいな行儀の悪い奴らにはこういうお返しもあるんだと説教した。彼らのバックにはハジキやドスよりも肺がんが怖いというクラブのオーナーの衆木という男がいた。波止場での活躍を見たことで心底惚れ込み、橘に仕事を斡旋しようと考えたのだ。だが子供を手先に使うやり方が気に食わない橘はすぐに店を出て行った。

港の見える高台を橘が歩いているとペコと新坊がつけてきた。きっと衆木が命じたに違いないと考えた彼はそんなことばかりしていると臭い飯を食うことになるぞと説教した。すると偶然鬼寅が通り掛かり、橘は懐かしさに相好を崩した。鬼寅は今体調を崩した幼馴染の島田保護司の手伝いするために愛宕少年寮にいたのだ。話を聞いた橘は今まで世間に迷惑を掛けた恩返しとしてしばらくここで働くことに決めた。

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甘い鞭

  • posted at:2023-02-07
  • written by:砂月(すなつき)
あまいむち
角川映画=ファムファタル
配給:角川映画
製作年:2012年
公開日:2013年9月21日
監督:石井隆
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎
企画:安田猛
製作:加茂克也 石井隆
プロデューサー:大森氏勝 阿知波孝
原作:大石圭
脚本:石井隆
撮影:佐々木原保志 山本圭昭
照明:祷宮信
録音:北村峰晴
美術:鈴木隆之
音楽:安川午朗
音響効果:斉藤昌利
編集:村山勇二
ヘアメイク:竹村由三子
衣裳:森口誠治
アクションコーディネーター:柴原孝典
特殊メイク:福岡洋一
緊縛指導:有末剛
助監督:池本晋
制作担当:高見明夫
アシスタントプロデューサー:小橋孝裕
製作プロダクション:ファムファタル
出演:壇蜜 間宮夕貴 中野剛 屋敷紘子 中山峻
アメリカンビスタ カラー 118分

32歳の岬奈緒子はレディースクリニックで不妊治療の勤務医をしている。彼女はオペ室や培養室にいる時間を除けば火曜日から土曜日までの日中の大半を狭い第2診察室で過ごしている。15年前の忌まわしい事件によって奈緒子と両親との細やかな幸せは崩壊した。それ以来、母は彼女のことを「さん」付けで呼ぶようになり、奈緒子も両親と敬語で話すようになった。

暑い夏の朝、奈緒子は夏休み中の水泳部の練習で家を出た。母はいつものようにドアの外に出て娘を見送り姿が見えなくなるのを確認してから家に入った。奈緒子もいつものように振り返らなかった。そして電車通り添いに建つ丸い屋根の家のガレージからいつものようにあの男の視線が学校へ急ぐ彼女の姿を追っていることなど知る由もなかった。事件はその日の夕方、学校からの帰り道で起こった。ものすごい夕立に遭った彼女が丸い屋根の家のガレージで雨宿りをしているとこの家に住む藤田赳夫が突然声を掛けてきた。藤田は彼女を強引に家に引き入れると地下室に監禁した。

日が暮れても帰ってこない娘を心配した母は警察に連絡するが、すぐにパトカーが何台もやってきて、女子高生誘拐事件としてマスコミが押し掛け、テレビで公開捜査が行われることは実際にはなかった。誘拐の電話があったわけでもなく、年頃だから渋谷でデートでもしているのかもしれないので終電の時間まで待ってみましょうと交番の警察官に言われ、仕方なく言う通りにした。その日、母は一睡もせずに娘の帰りを待ったが結局帰ってこなかった。それでも奈緒子の失踪は事件として公にはされなかった。この年、警察が受理した行方不明者の捜索願は10万人を超えていた。事件性がないことを理由に母が書いた家出人捜索願に従い所轄の警察官たちの形だけの聞き込みが行われただけだった。その後、奈緒子の部屋からはラブレターやお酒、たばこ、更にはアダルトビデオや興味本位で買ったと思われる避妊具まで見つかり、両親は家出を信じることで不安を打ち消そうとした。そして1ヶ月が過ぎた夕方、若い警察官が訪問しているところに奈緒子が帰ってきた。バスローブ一枚の彼女の体には全身に暴行を受けた痕があり、両手には手錠が掛けられていた。あまりの変わり様に母は言葉を失い全身血だらけの彼女を冷たく拒否した。

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網走番外地 決斗零下30度

  • posted at:2023-01-18
  • written by:砂月(すなつき)
あばしりばんがいちけっとうれいかさんじゅうど
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年4月20日 併映「一心太助 江戸っ子祭り」
監督:石井輝男
企画:植木照男
原作:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:中島良明
録音:広上益弘
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:寺西国光
進行主任:伊藤源郎
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
マジック:引田天功
協力:北海道士別市
出演:高倉健 嵐寛寿郎 田中邦衛 吉田輝雄 田崎潤
シネマスコープ カラー 88分

網走刑務所での長い勤めを終えた橘真一は行く当てのない一人旅をしていたが、汽車の中でチエという幼い少女と出会った。彼女は中比布の佐我連石灰山にいる父親を訪ねる途中であり、首から下げた札には「お気づきの方はこの子を表記の場所まで届けてください」と書いてあった。不憫に思って話し掛けると、変な男とはやたらに口を聞いてはいけないと言われていると言われ面食らった。それでも放って置けない橘は目的地まで面倒を見ることにした。佐我連駅に降りると駅前には馬車が待っており、乗ろうとすると貸し切りだからダメだと言われた。取り残されて途方に暮れていると、こんなところでボサッとしてても問題は解決しないわよとチエが言った。とりあえず近くにあった万屋を訪ねるが、馬はいるが生憎手が塞がっているため吹雪が止んだら歩いた方がいいと主人の英造が言った。5、6時間も掛かる道を子供に歩かせるわけには行かないため、おだてていい気にさせて何とか馬橇を借りることに成功した。そしてその馬橇に万が一何かあった場合は保証金20万円分を店で働いて返すという約束をした。

鉱山に到着し飯場へチエを連れて行くと、彼女は真っ先に父親のところへ行った。そこにいたのは刑務所仲間の大槻だった。再会の喜びもつかの間、坑夫長の蝮がやってきてすぐに入鉱しろと命じた。北の果てまでわざわざ娘が会いにきたんだから一日休みをやってくださいと橘は頼み込むが、血も涙もない蝮は聞く耳を持たなかった。そこで橘は自分が代わりに入ると言った。鉱山はまさに地獄で、タコ部屋同然の場所で休憩もなく働かされた。時間になり仕事を終えて地上へ戻るとチエがやってきて馬が死んじゃったと言った。飯場の裏へ行くと橘が借りた馬が撲殺されていたのだ。犯人探しを始めるが誰に聞いても皆知らないと言った。そうなると答えは一つだ。蝮のせいだと疑うが取り巻きによってリンチに遭った。身も心もズタズタになった橘は馬を橇に乗せて万屋に返しに行こうとするが、その途中で日が暮れ辺りが見えなくなった。そこで休憩していると馬橇に乗った朱美というホステスが通り掛かり、そのままでは死んでしまうと自分が勤めるクラブ・コタンに連れて行った。橘は朱美から鉱山主のことを聞いていたが、そこにやってきた蝮が無礼な態度を取ったため店に険悪なムードが漂った。マスターの白木の仲裁でその場は何とか治まったが、次にやってきた英造が橘を見るなり「馬泥棒だ!」と叫んだ。橘は約束通りに万屋で働くことになった。

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赤胴鈴之助 新月塔の妖鬼

  • posted at:2023-01-15
  • written by:砂月(すなつき)
あかどうすずのすけしんげつとうのようき
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1957年
公開日:1957年9月21日 併映「稲妻街道」
監督:安田公義
製作:酒井箴
企画:土田正義
原作:武内つなよし
潤色:穂積純太郎
脚本:岡本繁男 松村正温 吉田哲郎
撮影:相坂操一
録音:海原幸夫
美術:内藤昭
照明:中岡源権
音楽:渡辺浦人
作詞:藤島信人
作曲:金子三雄
主題歌:コロムビアレコード ビクターレコード
色彩技術:森田富士郎
編集:西田重雄
製作主任:村上忠男
現像:東洋現像所
装置:三輪良樹
装飾:海老瀬弥一
背景:北条三郎
美粧:小林昌典
結髪:布谷美代子
衣裳:黒沢好子
擬斗:宮内昌平
記録:梶谷美子
普通写真:松浦康雄
助監督:多田英憲
撮影助手:梶谷俊男
録音助手:鈴木幸三郎
照明助手:吉実豊次
移動効果:宇野薫
音響効果:倉島暢
美術助手:上里忠男
演技事務:千賀滝三郎
進行:堀一郎
出演:梅若正二 林成年 黒川弥太郎 三田登喜子 中村玉緒
スタンダード カラー 70分

江戸八百八町に夜毎出没する鬼面党は罪なき江戸市民の財宝を奪い妨げる者を容赦なく斬った。その目的は幕府を倒し天下を我が物にしようという大陰謀だった。鬼面党捕縛の命令はついに剣豪千葉周作に下った。だが周作は生憎病気の床にあったため、旅先の赤胴鈴之助に遣いを出した。その頃、鈴之助は幼馴染のしのぶや豚田肉之丞、雨山傘太郎、出歯川鍔太郎と江戸へ急いでいた。箱根の峠に差し掛かったところで彼らを待っていた待っていたのは鬼面党に雇われた浪人の櫓弥団次だった。彼の繰り出す天馬回転の術に対し鈴之助は何も出来ないまま谷に転落した。弥団次は残されたしのぶに手を出そうとするが、私たちの目的は鈴之助であるからそれ以上のことは認めないと首領鬼首十郎太の子一馬が止めた。鬼面党が引き上げるとしのぶは心配気に谷底を覗き込んだ。すると岩につかまって難を逃れた鈴之助が顔を出した。

ある夜、鬼面党の一団が道場を襲い周作の命を奪うと屋敷に火を放って逃げた。翌日、戻るのが遅れたことを後悔する鈴之助は鬼面党への復讐を母お藤に誓った。そこへ何者かが石を包んだ文を投げ入れた。その文には鬼面党の本拠が洗足池のほとりの三日月飾りがついた新月塔の下にあると書かれてあり、例えそれが罠であっても何か手掛かりが掴めればと鈴之助は一人で向かうことにした。新月塔へ向かう途中で彼の目の前に謎の白頭巾が現れた。警戒し身構える鈴之助に、白頭巾はその姿では死ぬために行くようなものだと風呂敷包みを渡した。その中には黒装束と鬼の面が入っていた。鈴之助が黒装束に着替え変化屋敷にまんまと潜入することに成功した頃、十郎太はるそん藤兵ヱと火薬の隠し場所を記す絵図面の取り引きをしていた。十郎太はその火薬を使って江戸の町を火の海に変えようと企んでいたのだ。絵図面と引き換えに金を渡す約束を持ちかけるが、一筋縄ではいかない相手であることを知り尽くす藤兵ヱはここではなく六地蔵で引き渡すと言った。十郎太はその役目を一馬に任せるが、手勢を向かわせることを忘れなかった。騙し討ちに遭い今わの際にある藤兵ヱの傍へ駆け寄ったのは銃声を聞きつけてやってきた竜巻雷之進だった。何か良からぬことが起こるのではないかと考えた彼は藤兵ヱが最後に言い残した黒潮岬へ行くことにした。

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