忍者ブログ

ああ爆弾

  • posted at:2020-07-01
  • written by:砂月(すなつき)
ああばくだん
東宝
配給:東宝
製作年:1964年
公開日:1964年4月18日 併映「砂の女」
監督:岡本喜八
製作:田中友幸
原作:コーネル・ウーリッチ
脚本:岡本喜八
撮影:宇野晋作
美術:阿久根巌
照明:山口偉治
録音:伴利也
音楽:佐藤勝
整音:下永尚
編集:黒岩義民
監督助手:山本迪夫
狂言指導:和田喜一郎
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当者:堤博康
出演:伊藤雄之助 越路吹雪 中谷一郎 砂塚秀夫 重山規子
シネマスコープ モノクロ 95分

大名組六代目・大名大作は三年の刑期を終えて出所した。ところが子分たちは誰も迎えにきておらず、代わりにやってきたのは息子の健作だった。大作は東南アジアに旅行に行っていると嘘をついており、飯が臭くて不味かったと言うと健作はいい経験をしてきたねと笑った。そんな彼に何故誰もきていないのかと尋ねると、どうやら選挙の準備で忙しいらしい。帰る汽車の中で梅子と二号のミナコのどちらと先に逢うべきか思案した結果、器量の良いミナコの方に決めた。ところが別宅のアパートには別人が住んでおり時の流れを感じた。本宅へ戻る前に子分たちに会いに行こうとしたが、大名組は株式会社大平和に替わっており、入り口には「ペンこそわが命」がスローガンである矢東彌三郎の選挙事務所の看板が下がっていた。社員の竜見から会長と呼ばれて気持ち良くなった大作だったが、気になることが一つあった。社長は一体誰なのか。それがミナコの兄だと聞くと一応納得したがそれでも釈然としなかった。何故なら一度も会ったことがなかったからだ。いや、一度会った。別宅のアパートだ。市議会議員候補として将来を背負って立つ矢東と健作の二人がいれば大名組は安泰だと大作は高笑いした。

久しぶりの本宅に戻った大作だったが、何故か表札には矢東彌三郎の名が。不審に思い中に入ると、ミナコは助けを求めて息を引き取った。彼女の命を奪ったのは子分のテツだった。大作が服役すると矢東は子分を騙して大名組の乗っ取りを謀った。それとともにミナコも寝返ったのだ。一人残ったテツは機を窺って復讐を試みようとしたが無理だった。それでも何とか大作の出所までに手柄を立てようと考えたテツはミナコを成敗したのだ。大作は彼に自首を促すと、自分は殴り込みを掛けようと包丁片手に屋敷を飛び出した。向かった先は別宅のアパートだったが矢東はおらず、フラフラになりながら次に向かったのは大平和だった。だが社長室にたどり着く直前に力尽きた。その頃、落ちぶれた大作から逃れるために一芝居打ったテツとミナコは大笑いしていた。

大作が目覚めるとそこは現在の本宅だった。以前とは比べ物にならない程のあばら家で、妻の梅子は蓮華教に心酔していた。大名組を支えるために健作が新聞配達する程までに落ちぶれていることを知ると怒りが湧いた。だがよくよく考えると高血圧のせいで倒れたことがわかり、何とか穏やかに復讐する方法はないかと考えた。ある日、大平和の近くを通り掛かると矢東がいた。大作は懐のドスで片をつけようと考えたが、それを止めたのは幼なじみのシイタケこと椎野武三だった。彼は今、矢東の運転手をしておりその実直さは絶大な信頼を得ていた。別れた後、刑務所で同室だった田ノ上太郎と再会した大作はある計画を思いついた。爆弾製造の名人である田ノ上に作らせた万年筆型の爆弾で暗殺するのだ。ペンで命を落せば本望だろうと大作はほくそ笑んだ。

屋台的映画館
PR

愛のぬくもり

  • posted at:2020-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
あいのぬくもり
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年4月19日 併映「新宿真夜中物語 男と女」
監督:近藤幸彦
企画:三浦朗
脚本:はたの三郎
撮影:山崎善弘
照明:高島正博
録音:秋野能伸
美術:渡辺平八郎
編集:鈴木晄
音楽:月見里太一
助監督:小椋正彦
色彩計測:仁村秀信
現像:東洋現像所
製作担当者:秋田一郎
出演:田中真理 仲浩 森竜二 相川圭子 南条マキ
シネマスコープ カラー 70分

卒業間近の東都大学のゼミ生たちは横浜元町にあるゴーゴーバー・アストロでのコンパに初めて経済学部助教授の中上甲之助を招待した。彼らの中には単位が足りない者もいるため、「ゴマスリ」で何とか全員が卒業出来ないものかと企んだのだった。その中の一人・二宮順一がご機嫌を取ろうとして裸でタコ踊りを始めたところ、真剣に踊っていた客の浅見リナからふざけるなとクレームをつけられた。穏便に済ませようと中上が間に割って入り名刺を渡すと、大学の助教授なんてつきあったことないから今夜私と寝てみないとリナが誘ってきたのだ。半信半疑の中上は店が終わるのを待ち、出てきた彼女に冗談かも知れないがと前置きした上で食事に誘った。リナは本気よと答えるとホテルへ向かった。中上は大教授の娘婿という肩身の狭い生活からひと時でも逃れたいと思った。

あの日以来、リナのことが片時も頭から離れなくなった中上は再びアストロへ行くが、リナは話し掛けてきてもそれを無視した。一夜をともにした夜、会うのは一度だけと約束したからだ。あまりもしつこく話したため酒を頭から掛けられるという屈辱を味わった中上だったが、それでもめげずに彼は洗面所で身だしなみを整えた。だが席に戻るとリナの姿はなかった。

妻・千加の父親が名誉教授となり、祝賀会が開かれることになった。当日、出掛ける支度をしていた中上が電話に出ると、驚いたことに受話器の向こうにいたのはリナだった。中上は研究室からの急用だと嘘をつき、千加に叱られながらも普段着の着替えた。待ち合わせの場所に行くとリナはアストロで会ったときとは別人のようなあどけない表情をしていた。そんな彼女に用なら何でも言ってごらんと中上が言うと、リナははにかんで笑った。一日を遊園地で過ごした中上は、これまで見せたことがない彼女の一面を知ったことでますます惚れ込み、君のためなら何でもするから頼みを聞いて欲しいと土下座した。

数日後、中上邸を訪れていたのは二宮だった。心を入れ替えて積極的にゼミに参加することにしたのだが、肝心の中上が連日休んでいるのだ。心配になり訪問してみると千加はそのことを知らなかった。だが夫の最近の言動や行動の変化に気づいていた彼女は、自分の体を報酬として差し出し夫の尾行を依頼をした。

屋台的映画館

悪女かまきり

  • posted at:2020-03-07
  • written by:砂月(すなつき)
あくじょかまきり
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1984年
公開日:1984年4月8日 併映「セカンド・ラブ」
監督:梶間俊一
企画:伊藤源郎 瀬戸恒雄
脚本:内藤誠 梶間俊一
撮影:奥村正祐
録音:林鉱一
照明:梅谷茂
美術:今村力
編集:戸田健夫
助監督:岡田敏夫
音響効果:原尚
記録:宮本衣子
製作調整:山田光男
演技事務:石原啓二
装置:浜中一文
装飾:三谷巌
背景:植田義明
美粧:沢辺満代
衣裳:山内三七子
進行主任:河野正俊
宣伝:吉田達 荒井一弥 野口敦男 清水一美
スチール:加藤光男
車人形:西川古柳
現像:東映化学
音楽監督:菊池俊輔
挿入歌:「悪女の季節」五月みどり
・・・:「横浜ホンキートンクブルー」石黒ケイ&WISH
協力:大関早苗美容室 (株)佐藤貴金属商店 東映美術センター
衣裳協力:ミレーヌ・友田
出演:五月みどり 速水亮 豊田真子 奈美悦子 日向明子
アメリカンビスタ カラー 84分

八丈島に接近していた台風13号は夜半に神奈川県に上陸し北上した。翌朝、西伊豆海岸にはその時に遭難したと思われる二人が打ち上げられた。一人は藤村真沙子という女性で一命を取り留めたが、もう一人の伊吹和夫は既に死んでいた。真沙子は横浜の武智美容室に勤める美容師だったが、自分のことをしゃべらないため同僚たちは彼女のことを何も知らなかった。ただ常連客の和夫と親しかったことを除いて。週刊誌が事件を面白おかしく書き立てる中、捜査を行う刑事の小林六助は事件解明の糸口を探っていた。勤務先の物産会社から5千万円を横領した和夫は横浜で8百万円の遊興費を、油壷のヨットハウスで1千2百万円のヨットを購入したことまではわかっていたが、残りの3千万円が不明となっていた。そこで小林は真沙子を喫茶店に呼び出しさりげなく聞き出そうとするが知らないの一点張りだった。このままで時間の無駄だと感じた小林は本来の目的である女子高生をテーブルに招いた。彼女は和夫の妹のかおるで、兄が真沙子を愛していたことは彼の日記を読んで知っていた。だが一人だけ無事に生還出来たことがどうしても信じられなかった。

一年後、真沙子は独立して美容室を開店させた。それを知った小林は開店祝いを持って訪ねたのだが、そこでかおるが働いていることに驚いたのだった。真沙子は兄を失ったかおるを引き取り、二階に住み込ませるだけでなく国家試験を受けさせるために自身の店で働かせていたのだ。だが小林が知りたいのはそのことではなかった。天宝堂宝石店の脱税事件を調べていた彼は真沙子が半年ほど前にエメラルドの指輪を3千万円で処分したことを突き止めた。そのことを話すと真沙子はそれを店の開店資金に充てたと説明したが、それをいつ何処で手に入れたのかを聞き出そうとすると真沙子は向きになってそれを拒んだ。そして人に言えない苦労をして買ったものだと弁解したが、小林はその言葉を疑った。

真沙子には堂島太一という不動産会社社長のパトロンがいた。堂島は山中湖畔にある別荘を彼女に与えることにしたが、それだけでは真沙子は満足しなかった。例えば堂島が死んだ場合、鎌倉に住む妻には20億円の遺産が入る。それに比べて真沙子はただの遊び相手だ。くやしいわと不平を漏らすと、堂島は愛の証として真沙子名義の生命保険に入ることにした。

屋台的映画館

あばしり一家 THE MOVIE

  • posted at:2019-12-12
  • written by:砂月(すなつき)
あばしりいっかざむーびー
「あばしり一家」製作委員会(ティーエムシー=コンセプトフィルム)
配給:ティーエムシー
製作年:2009年
公開日:2009年11月21日
監督:石井てるよし
エグゼクティブプロデューサー:矢羽田昭彦 及川次雄
企画:塩月隆史
プロデューサー:難波聖司 岩下英雅
共同プロデューサー:本島章雄
アシスタントプロデューサー:伊藤英輔 山口慎一郎
エグゼクティブアドバイザー:御前順
原作:永井豪(ダイナミック企画)
脚本:村井さだゆき
撮影:倉持武弘
照明:原康二
録音:大塚学
美術:福田宣
VE:谷川克己
助監督:後藤憲治
制作担当:佐藤潤
殺陣:西田真吾
編集・CG:新妻宏昭
エンディングテーマ:「String」eroica
出演:外岡えりか イジリー岡田 神威杏次 なべやかん 吉川まりあ
アメリカンビスタ カラー 70分

富士の樹海の奥深くに日本中からならず者やはぐれ者、凶悪犯罪者を集めた治外法権の街があるという。その名はニッポン番外地。バリケードで覆われた出入口は銃を持った警備員が護衛を行い監視カメラが24時間稼働していた。その中で栄えた歓楽街では血で血を洗う抗争が毎日起きていた。そんな街にも学校があった。生首団十郎が校長を務めるニッポン番外地立パラダイス学園は、表向きは悪を憎み法を守り真っ当な人間に復帰させることが目的だったが、真意は別のところにあった。その学園に通う曲がったことが大嫌いな悪馬尻菊の助は、転校生のユキを助けたことがきっかけで不良グループから仕返しを受けることになった。腕に自信のある菊の助は抵抗を試みるが、何故かいつも謎の頭痛に襲われ本来の力が発揮出来ないのだ。彼女にはこの街へくる前の記憶がなかった。

団十郎のもとで働く羽仁井薫子は犯罪者の解放治療と脳内物質の制御による極悪犯罪人の去勢実験を行っていた。世界中の研究者が発見出来なかったヒトゲノムに潜む犯罪衝動刺激因子を突き止めた彼女に対し、国家はこの世で最も強い犯罪衝動を持つ家族・あばしり一家を被験者として与えたのだ。その一家は日本中の警察が恐れる犯罪集団で、一年前の国家権力の威信を掛けた大捕物でようやくお縄にしたのだった。薫子は次男・直次郎、長女・菊の助、三男・吉三に生体素子を埋め込み、毎日決まった時刻に洗脳超音波を流して因子を抑制する実験を行っていた。これが成功すれば世界中から犯罪を撲滅することが不可能ではなくなるのだ。

ある夜、菊の助がひとり小屋の中で食事をしていると家族で食卓を囲む食事風景が頭に浮かんだ。それが一体何なのか不思議に思っていると、覆面の男が下着を盗もうとしていた。菊の助は男を捕まえると投げ飛ばしたが、するりと身を交わした。彼は大捕物のときに逃げ延びた長男の五ェ門だった。菊の助が記憶を失っていることを知った五ェ門は、お前の心が極限状態に達したときに割るがいいと金色をしたブタの貯金箱のようなものを渡した。それがどういった効果をもたらすかを説明をしようとしたときに銃声が聞こえたため、五ェ門は直次郎と吉三を捜して資料室に向かえと言い残して姿を消した。翌日、資料室に忍び込むと教師の直次郎がいた。彼も五ェ門から資料室を探れと言われたのだった。怪しい金庫を見つけ直次郎が扉を破壊すると、中から「あばしり一家殲滅作戦」という見出しが載った新聞が出てきた。そして写真が自分たちであることがわかると二人は真相がわかるまで口外しないことを約束した。

屋台的映画館

愛してよ

  • posted at:2019-10-03
  • written by:砂月(すなつき)
あいしてよ
「愛してよ」製作委員会
配給:マジックアワー=ステューディオスリー
製作年:2005年
公開日:2005年12月17日
監督:福岡芳穂
企画:石井渉
製作:石井渉
プロデューサー:森重晃
原案:福岡芳穂
脚本:橋本裕志 李正姫
アシスタントプロデューサー:大原盛雄
撮影:柴主高秀
音楽:岩代太郎
S+VFXプロデューサー:伊藤太一
S+VFXディレクター:臼井則政
録音:中山隆匡
編集:太田義則
照明:渡部嘉
美術:佐々木記貴
スタイリスト:勝俣淳子 三上しろえ
スチール:佐粧俊之 佐藤俊一
助監督:阿部満良
製作担当:鎌田謙一
制作協力:クオリティー
制作:ステューディオスリー
出演:西田尚美 塩顕治 松岡俊介 野村祐人 伊山伸洋
アメリカンビスタ カラー 107分

新潟市でキッズモデルとして活動する中山ケイジ。10歳の彼の成功を信じてシングルマザーの美由紀は毎日奮闘している。例えば清潔なイメージを持たせるためにケイジが着用する服は全て白で統一した。手帳の空欄から運が逃げて行くという考えの美由紀はケイジのスケジュールを優先し、彼の休みの日に合わせて自分の仕事の休みを入れ習い事や広告のモデルの仕事などに一日中付き添った。翌週には世界的な女性デザイナー・江田島周のファッションショーのオーディションが控えており、合格すれば人生が変わると美由紀は信じていたが、ケイジは母親に振り回される生活に疲れを感じていた。

オーディション当日、会場には千人にも及ぶ参加者が集まり、中には本格的に活躍する高原タカシもいた。合格するなんて端から考えていないケイジが遅れて控室に行くと、用意された服は床に落ちた一着しか残されていなかった。彼は踏まれた跡がついたその服を自ら踏みつけ、それを着て面談に臨んだ。審査員は皆驚き、更にその方がかっこいいと思ったとケイジが答えたため会場は騒然となった。その後も本音で語り続けるケイジに興味を持った島周は、ステージに向かうとその服の特性であるリバーシブルを活かして着替えさせた。そして自分が身につけていたストールを使ってデコレーションし、髪型を変えてイメージチェンジを図ったことで見る間に彼女の作品となったのだ。だがだからといって一次審査に合格するかどうかは発表当日までわからなかった。

一次審査の結果は午後七時頃に連絡がくることになっていた。気の弱いケイジは学校ではいじめの対象で、登校早々ボスのツヨシからパンチ二発と二千円だったらどっちがいいかと聞かれる始末。体を傷つけられたくないケイジは抵抗することなく小遣いを差し出すと学校を抜け出した。廃駅で時間を潰していると、そこにオーディションで同席した山本アキラがやってきた。彼はケイジよりも少し年上だがやはり同じように学校に居づらかった。今回のオーディションはタカシに決まりだと考えており、もしもの場合を考えて合格してビッグになった方が落ちた方を相手役に指名する同盟を結んだ。

二次審査には百人が選ばれケイジもそのうちの一人となった。その中にはタカシはもちろんのこと、アキラの他にケイジが恋心を抱く島田シオリも含まれていた。最終選考まで残ると信じる美由紀だったが、一次審査のときに意欲が感じられず選んだ後に断られても困ると審査員から言われて憤慨した。ケイジ自身がやる気がないのでは今までの苦労が無駄になるからだ。その日の予定は父親と会うことになっていたが、彼の前に現れたのは撮影現場で美由紀と親しくしていた中年男だった。男は広告代理店に勤める青山匠で、納得出来ないケイジはテーブルの汚れをわざと袖で拭いて抵抗した。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

P R

 

フリーエリア