松竹
配給:松竹
製作年:1982年
公開日:1982年12月28日 併映「次郎長青春篇 つっぱり清水港」
監督:山田洋次
製作:島津清 佐生哲雄
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 大分県
出演:渥美清 倍賞千恵子 田中裕子 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 106分
まだ暑さが残る秋の彼岸のある日、さくらが御前様からもらった松茸を抱えてとらやを訪ねた。松茸御飯におすまし、土瓶蒸しといろいろな料理の名が思い浮かぶ中、寅さんが帰ってくるといいねとつねがつぶやいた。せっかくの松茸料理を皆で食べることが出来るのに。どうしているのかしらとさくらが思い巡らせていると、お向かいの江戸屋から派手な服を着た女性が出てきた。彼女は桃枝というそこの娘で、夫の会社が景気良くどうやらハワイ旅行で買ってきた土産を実家に届けにきたらしい。久しぶりに帰ってきた寅次郎は路上で鉢合わせした彼女を幼馴染のよしみで口説こうとしたのだが、迎えにきた夫が桃枝を連れて行くと悪態をついた。その様子を店の中から見ていた竜造は頭を抱えた。夕食の時間になり二階から寅次郎が下りてきたが彼の機嫌は悪いままだった。更に寅次郎が松茸の炊き込みご飯に難癖をつけたことで怒りが爆発し、大ゲンカの末に寅次郎は出て行った。
大分・湯平温泉を旅する寅次郎は馴染みの旅館・湯平荘を訪ねた。旅館の主人の牟田勝三とは古いつき合いで、風呂から上がると酒を酌み交わして盛り上がっていたが、そこへ先に泊まっていた青年が声を掛けてきた。彼は三郎といい、30年以上前にこの旅館で女中として働いていたお文の息子だった。彼女は先月の初めに病死したが、生前に湯平での話を良くしていたため生まれ故郷の杵築にお骨を納める前にこの地を一目見せてあげようとしたのだった。それを聞いた寅次郎が正式に供養してやったらどうかと提案すると牟田は二つ返事で同意した。
杵築の養徳寺に納骨を済ませた三郎は車を運転して東京に帰ろうとしていたが、その途中で小川螢子を偶然見かけた。東京のデパートに勤める彼女は、売り場は違うが仲の良いゆかりと大分旅行にきていた。湯平温泉で旅館を決め兼ねていたところ、ゆかりが男前の三郎の姿を見て即決したことが出会いのきっかけだった。三郎は悲しみを紛らわすために観光をしようと決めるが、そこには二人の他に寅次郎もいた。動物公園や遊園地で時間を忘れて楽しく過ごすうちにやがて別れがやってきた。ホーバーフェリーに乗り込む螢子に三郎は「ボクとつき合ってくれませんか」と唐突に告白するが、心の準備が出来ていない彼女は戸惑った。その様子を傍から見ていた寅次郎は笑い飛ばし、雰囲気を出してもう一度逢いたいと言えばよかったのにとアドバイスした。それを聞いて納得した三郎は、東京まで連れて行く代わりに恋の指南をして欲しいと願い出たのだった。
屋台的映画館
PR