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化身(1986年)

  • posted at:2021-11-27
  • written by:砂月(すなつき)
けしん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1986年
公開日:1986年10月10日
監督:東陽一
企画:三堀篤 瀬戸恒雄 前田勝弘
原作:渡辺淳一
脚本:那須真知子
撮影:川上皓市
美術:今保太郎
録音:久保田幸雄
照明:梅谷茂
助監督:栗原剛志
編集:市原啓子
記録:久保田民子
製作主任:酒井喬二
音楽:加古隆
主題歌:「黄昏人」高橋真梨子
記録:山之内康代
撮影効果:多正行 笹原浩二
装置:開米慶四郎
装飾:若松孝市
背景:松下潔
演技事務:福岡康裕
メーキャップ:小河原千秋 泉沢紀子
結髪:宮島孝子
スタイリスト:光永方子
衣裳:内山三七子
宣伝:第二宣伝企画室
スチール:加藤光男
製作協力:幻燈社
出演:藤竜也 黒木瞳 阿木燿子 青田浩子 永井秀和
アメリカンビスタ カラー 105分

文芸評論家の秋葉大三郎は京都の聖華女子大学で行われる週一度の大学の講義を終えるとその日のうちに東京に戻った。彼は新幹線の車中で友人の能村と行ったクラブにいたホステスのことを考えていた。その女は無口であまり特徴はなかったが、能村に「鯖の味噌煮が食べたい」と言ったことで印象に残っていたのだ。東京駅に着くと能村に電話し、午後9時に銀座の「魔呑」で落ち合う約束をした。時間よりも早く着いた秋葉は里美というそのホステスを指名した。そして土曜日の午後6時にホテルの喫茶室で鯖の味噌煮を食べに行くと強引に約束させた。デート当日、食事を終えると秋葉は飲み過ぎたと言って帰ろうとする里美を引き留め行きつけのホテルのバーに誘った。その目的は素朴さを見せる彼女を物にするためだった。いつも使う部屋に招き入れ窓から夜景を見せるとすかさずキスをしベッドに押し倒した。

大学での講義を終えた秋葉は真っ先に京都駅へ向かった。すると待合室で里美が静かに待っていたのだった。彼女の本名は八島霧子といい、普段着だと別人のように若く見えた。秋葉はそんな彼女をブティックへ連れて行き服を選ばせると、今度はヘアサロンで髪型を変えさせて自分好みにしようと試みた。その夜、屋形船に招待した秋葉は霧子のことをもっと知ろうとした。

秋葉には雑誌編集者でバツイチの田部史子と愛人関係にあったが、霧子と出会ったことがきっかけで疎遠になりつつあった。屋形船の夜はもともと東京で彼女と会う約束をしていたのだが、友人の送別会があると嘘をついてすっぽかしたのだった。秋葉に食事に誘われた史子は中学生の娘の相談をするが、いつもと違って若々しく見える彼の雰囲気に何となく気づいた。秋葉の影響で垢抜けた霧子は忽ち魔呑の売れっ子になり、色々な男たちから言い寄られるようになった。心配になった彼は忙しい霧子に休暇を取らせ別荘に連れて行ったが、食事に行ったレストランで史子と鉢合わせした。史子は自分の直感が正しかったことを知った。

秋葉は魔呑を辞めた霧子のためにマンションや車を買い与えた。ある日、霧子が洋服のリサイクルショップを始めたいと言い出したが、目ぼしい物件の権利金が1800万円もすると知り考え込んだ。だが霧子が出資したい人がいると言うと秋葉は目の色を変えて金のことは心配するなと見栄を張った。全額を現金で支払ったが、実際の懐事情は厳しく出版社に借金を申し出て用立てたのだった。そのことは能村の耳にも入り、店は会社組織にしろと秋葉にアドバイスした。霧子が秋葉と別れようと考えた場合に同意なく勝手に店を処分出来なくなるからだ。それを聞いた秋葉は俺一代で終わりにするつもりだから心配するなと言った。

屋台的映画館
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  • posted at:2021-04-05
  • written by:砂月(すなつき)
けん
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1964年
公開日:1964年3月14日 併映「座頭市千両首」
監督:三隅研次
企画:藤井浩明 財前定生
原作:三島由紀夫
脚本:舟橋和郎
撮影:牧浦地志
録音:奥村雅弘
照明:山下礼二郎
美術:内藤昭
音楽:池野成
編集:菅沼完二
装置:川口隆
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉橋暢
助監督:友枝稔議
製作主任:村上忠男
出演:市川雷蔵 藤由紀子 川津祐介 長谷川明男 河野秋武
シネマスコープ モノクロ 95分

東和大学剣道部の国分次郎は子供の頃に太陽の本質を見た。まぶしくてとても正視出来ない輝きを全身に浴びた彼は強く正しくなりたいと願い、剣の道を選んだのだった。剣道部では主将を選ぶための対抗戦が行われ、候補として四段の国分と同じく四段の賀川が選ばれた。だが審査で監督の木内は賀川の実力を三段程度と判断した。剣道連盟はその場限りの技しか見ておらず、人格や日常の稽古ぶりを見ることが出来ないからだ。彼の剣には何処か感情や心理の陰があり、強いが威を衒い力を恃むところがあると木内が言うと、OBたちもそれに同意し国分のような純一な烈しさが欠けていると言った。その結果、国分が主将になることに決まったが、副将は賀川ではなく村田が務めることになった。

新主将なった国分の目標は翌年に行われる学生剣道優勝大会で優勝することだった。それも個人優勝ではなく団体戦に優勝することだ。基礎を重きに置く彼は新入生に対し分け隔てなく竹刀の持ち方から指導した。そんな国分を尊敬する壬生は厳しい練習に耐え実力を伸ばして行った。一方、同級生の多田は我流の癖が治らず防具をつけさせてもらえなかった。何とか強くなりたい多田は稽古をつけて欲しいと舶来のタバコを持って賀川に近づくのだった。

ある日、国分が自分で自分を悲壮がっていると多田が言ったのを聞き、壬生は反射的に殴り掛かった。道場に呼び出されたが壬生はその理由を明かさなかったため、国分は喧嘩両成敗で二人を壁に向かわせて四十分間正座させることにした。半分も経たずに音を上げた多田は、スポーツをするために剣道部に入ったのであって、封建的な制裁が鍛練なんて馬鹿馬鹿しいと道着を脱いだ。そしてあんたを尊敬しているのは壬生くらいで、賀川さんだって陰でどんなことを言っているかわからないと国分を非難した。ところが賀川は悪口でない批判は誰に対してもする自由があると突っぱね、孤立した多田は剣道部を辞めた。

屋台的映画館

競輪上人行状記

  • posted at:2021-03-09
  • written by:砂月(すなつき)
けいりんじょうにんぎょうじょうき
日活
配給:日活
製作年:1963年
公開日:1963年10月13日 併映「遊侠無頼」
監督:西村昭五郎
企画:大塚和
原作:寺内大吉
脚本:大日信行 今村昌平
撮影:永塚一栄
美術:大鶴泰弘
録音:八木多木之助
照明:三尾三郎
編集:丹治睦夫
助監督:藤田繁夫
製作担当者:亀井欽一
音楽:黛敏郎
出演:小沢昭一 伊藤アイコ 南田洋子 小山田宗徳 高橋昌也
シネマスコープ モノクロ 98分

夏のある日、中学教師の伴春道は家出をした教え子の小酒井サチ子を上野駅で見つけると保護した。彼女の家がある青梅まで連れて行こうとしたのだが、何故かその場を離れたがらなかった。 理由を尋ねてもしゃべらず、そのうち叔母さんのところへ行きたいと言い出した。その家が自分の実家の近くであることがわかったが、まずは両親に引き渡すことが先だと考えた春道はそれよりも先にトイレで用を足すことにした。ここを動くなと指示してトイレに向かったが、気になって戻ると老女がサチ子を連れ去ろうとしていた。慌てて声を掛けると、その老女は知り合いでポン引き屋のブラック婆さんであることがわかった。彼女は春道の顔を見るなり、兄さんが死んだのに一体ここで何しているんだと言った。驚いた春道はサチ子を連れて実家に向かうことにした。春道の実家は法妙院というオンボロ寺で、坊主になるのが嫌で飛び出した彼は教師の道を選んだのだ。

体育のバレーボールの授業中にサチ子が腹痛で倒れ込んだ。その原因は食あたりなどではなく妊娠だった。春道は担任の鏡味とともに家に行き母親に心当たりを尋ねるが何故か口を閉ざした。そして父親もよそよそしい態度を取った。その帰り、父親の態度でサチ子の相手がその父親だと鏡味が言うと、そんなことがあり得るのかと驚き悩む春道だったが、下宿に戻ると父・玄海からの手紙が届いており、そこには帰って寺を継げと書かれてあった。夏休みの間だけ渋々手伝うことにした春道だったが、そのまま寺に置いておきたい玄海から兄嫁のみの子と所帯を持ちことを持ち掛けられたのだった。心が揺れ動く中、色川という男が他所で行われるはずだった葬儀を持ってきた。面倒な春道は古株の芳順に任せようとしたが、その場に居合わせたみの子が手っ取り早く引き受けたのだった。

葬儀の夜、芳順の行きつけの飲み屋で女将のシマから衝撃的な話を聞いた。この店で出している焼き鳥は法妙院で弔った犬の肉を使っているというのだ。春道はみの子が本堂を再建するために何でもやって金を稼いでいることを知り、止めさせようとしたが聞く耳を持たなかった。仕方なく檀家回りをするが不景気の影響で誰にも相手をされなかった。足を棒のようにして一日中歩いても成果が上がらずうなだれていると打鐘の音が聞こえてきた。目の前には松戸競輪があり、吸い込まれるように入り訳がわからないまま車券を買ったところ大穴を当てた。ちょっとした勘の働きと運で莫大な浄財を手にする方法を見つけた春道は毎日通うようになった。

屋台的映画館

激突!殺人拳

  • posted at:2021-01-28
  • written by:砂月(すなつき)
げきとつさつじんけん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年2月2日 併映「忘八武士道 さ無頼」
監督:小沢茂弘
企画:松平乗道
脚本:高田宏治 鳥居元宏
撮影:塚越堅二
照明:金子凱美
録音:格畑学
美術:鈴木孝俊
編集:堀池幸三
音楽:津島利章
進行主任:俵坂孝宏
助監督:皆川隆之
記録:梅津泰子
装置:稲田源兵衛
装飾:山田久司
美粧結髪:東和美粧
スチール:木村武司
演技事務:饗庭益雄
衣裳:岩逧保
擬斗:上野隆三
特技:宍戸大全
出演:千葉真一 中島ゆたか 風間千代子 志穂美悦子 山田吾一
アメリカンビスタ カラー 91分

空手の達人で非合法の依頼を請け負う剣琢磨は福岡刑務所に仏法連盟の教誨師として入り込み、死刑を待つ殺人空手の達人・志堅原楯城の脱走を手助けした。琢磨が拳法の使い手であることを見抜いた楯城は二人きりになった際に懇情の名残りとして勝負を挑むが、経穴を突かれて気を失った。無理矢理目覚めさせられた楯城は迎えにきた刑務官に連れられて絞首台に向かうが、突然意識を失い倒れ込んだのだった。監獄法四十三条により彼の身柄は病院へ移送されることになったが、琢磨の相棒・ラクダの張の妨害によって脱走計画は成功したのだった。翌日、琢磨が東京のマンションに戻ると、楯城の弟・義順と妹の奈智が訪ねてきた。兄の姿が見当たらないことを疑問に思った二人はすぐにでも会わせて欲しいと願い出るが、琢磨は密航船で香港に向かったと説明し残りの三百万円を要求した。その言葉を訝しむ義順は力で真実を吐かせようとするが、誤って窓から転落し即死した。奈智を引き渡せば三百万円が手に入ると考えた琢磨は牟田口興産社長・牟田口連蔵と会った。すると牟田口は小切手を渡すと同時に大金の掛かった仕事を依頼した。それは先日死去した石油王・ハメットの娘であるサライ・チュアユットを誘拐することだった。サライのボディーガードは正武館の政岡憲道が務めているが、琢磨なら勝てると履んだのだ。香港からきた依頼人・楊紀春が五千万円の報酬を提示したが、彼女のバックに極東マフィアの五竜会が控えていることを知った琢磨は身の危険を感じ逃げた。

紀春は梁東一を始めとする刺客を放ち、命を狙われた琢磨は復讐を誓った。彼はサライが身を寄せる正武館に乗り込むと道場空手が如何に頼りないかを説き館長である政岡と対決した。死闘の末に敗れたが、琢磨は自分の腕を買って欲しいと願い出たのだった。彼は五竜会がサライを利用して引き継いだベルネラ石油の乗っ取りを企んでいることを話し、対抗出来るのは自分しかいないと売り込んだ。すると政岡は、君の拳法には火のように激しい怒りが籠っているが人として信頼をすると言った。その頃、五竜会のボス・キングストンは九龍城を牛耳るディンサウに殺し屋を集める依頼をした。酒場で見知らぬ強者を見つけたディンサウはすぐさまスカウトし、日本から運ばれてきたばかりの女たちを宛がうことにしたが、強者はその中に奈智がいることに驚き涙の再会を果たした。彼は琢磨が香港へ逃がした楯城だった。楯城が妹の身請けを申し出るとディンサウは琢磨を倒すことが出来ればくれてやると言った。

屋台的映画館

経験

  • posted at:2020-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
けいけん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年10月6日
監督:鷹森立一
企画:吉峰甲子夫 安斉昭夫
脚本:成澤昌茂
撮影:中島芳男
録音:長井修堂
照明:元持秀雄
美術:北川弘
音楽:八木正生
主題歌:「経験」辺見マリ
編集:祖田冨美夫
助監督:戸田幸雄
擬斗:日尾孝司
進行:岩谷敏明
装置:根上徳一
装飾:米沢一弘
記録:山内康代
現像:東映化学
出演:谷隼人 大原麗子 渡瀬恒彦 賀川雪絵 三原葉子
アメリカンビスタ カラー 86分

銀座のクラブ「ノムノム」のママ・阿井川さおりのヒモとなったおかげで新宿のバーから格上げした今の店に移ることが出来たバーテンダーの桜井年男。店が人手不足となり、さおりからホステスの募集を頼まれた年男は前の店で知り合った平松あき子と矢沢初枝に狙いを定めた。まずあき子を喫茶店に呼び出した年男は一目惚れしたから初枝を紹介しろと言って彼女の自尊心を傷つけた。そしてご機嫌を取るために今度はブティックへ連れて行き、オーダーメイドのワンピースをプレゼントする約束をしてホテルに連れ込むが、一枚上手のあき子は出し抜いて逃げ出したのだった。一方、初枝は年男を探し歩きノムノムにたどり着いたが、そのおかげで彼にとってスカウトする手間が省けた。ところがいきなり客で九州に七つのクラブを持つ社長の後藤田文吉から見初められ、相手をすることになった。後藤田の名義でさおりに貸してあるマンションに連れてこられた初枝だったが、そこにさおりが帰ってきたことで雰囲気が悪くなった。彼女が年男を連れていたことで勘繰りヤキモチを焼いたのだ。年男と初枝を帰らせた後藤田は六本木に造る店をさおりに任せたいと約束して気を引いた。

美容師を目指すあき子には小さな運送会社を経営しトラックの運転手として働く恋人の的場勇がいた。二年後に美容師となった暁には運送会社を拡張した徹と結婚しようと考えていたのだ。ある日、逢いたい想いが詰まった熱烈な手紙を受け取った徹がトラックをすっ飛ばしてアパートを訪ねると、部屋にはあき子ではなく年男が昼寝をしていた。そこは勇があき子のために借りている部屋であり、彼女が浮気をしているのではないかと考えて殴り合いのケンカとなった。ところがそこにあき子と初枝が帰ってきたことでいつの間にか4人が仲良くテーブルを囲むことになったのだ。年男はいい女のあき子を美容院に置いておくのはもったいないと勇に言った。何とかさおりの頼みを叶えたいと考えを巡らせていた年男はもっと金になる店で働かせてはどうかと提案したのだ。父親が脳溢血で倒れた上に助手のター坊が人身事故を起こしたことで勇は多額の金を必要としていた。二人きりとなった別れ際にそのことを知ったあき子はノムノムで働く決心をした。

屋台的映画館

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