東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年6月19日 併映「脱走遊戯」
監督:牧口雄二
企画:杉本直幸
脚本:金子武郎 中島信昭
構成:林圭一
撮影:勝木勝夫
照明:海地栄
録音:坂本浩一
美術:園田一佳
編集:玉木濬夫
音楽:渡辺岳夫
助監督:厨子稔雄
記録:黒川京子
装置:三浦公久
装飾:柴田澄臣
背景:平松敬一郎
結髪:明田多美枝
美粧:枦川芳昭
スチール:中山健司
衣裳:高安彦司
演技事務:西秋節生
擬斗:三好郁夫
進行主任:長岡功
出演:泉ピン子 室田日出男 川谷拓三 橘麻紀 五十嵐義弘
アメリカンビスタ カラー 78分
人気タレントの泉ピン子は東映映画村で「泉ピン子ショウ」と題したまるでテレビのワイドショーのようなイベントを行っていた。司会を務める彼女が数ある事件の中からピックアップした人物は、西本明、風見のぼる、久保清一の三人だった。
『日本縦断、詐欺、殺人事件』
昭和38年10月。福岡県福橋市で理容院を一人で切り盛りする中村スミは客としてやってくる西本に惚れ込んでいた。ある日、子供たちが福岡市で受ける理容師免許の試験に必要な2万円を都合して欲しいとスミが頼むと、西本はどうにかするから任せておけと言った。同月18日、西本は仕事仲間の二人を殺害して金をせしめた。彼は前科四犯のトラック野郎で詐欺や横領の専門だったが、一人殺せば二人も同じだと考え罪を重ねて行った。運送屋から奪った27万円のうち2万円を約束通りスミに渡すと、西本は福岡、唐津、長崎、佐賀と九州各地を遊び歩いた。同月24日に宇高連絡船から飛び降りて自殺を図るのだが、それは警察の目を欺くための嘘だった。11月6日、広島に大学教授として現れた彼はカトリック教会で8万円の詐欺を働き、全国指名手配中にも拘らず今度は浜松に足を運んだ。
『K歌手、空港死体遺棄事件』
かつて流行歌手として活躍し紅白歌合戦にも出場したことがある風見のぼるだったが、その後は人気が低迷し活躍の場を失いつつあった。危機感を抱いた彼は音楽関係者との結びつきを深めるために接待を重ね、その結果多額の借金が重く伸し掛かった。銀座のクラブで働くホステスの池島陽子との関係を築いた風見は、自分が結婚していることを隠して交際を続け金を貢がせて借金を全額返済した。そんな生活に味を占めた風見はギャンブルで借金を作っては陽子に穴埋めをさせた。やがてホステスの給料だけでは賄いきれなくなった陽子は特殊浴場で働くようになるが、結婚を夢見る彼女は再起を信じて支え続けた。ある日、北海道でのキャンペーンが決まると陽子は同行するのを楽しみにしていたが、カムバックをする風見にとって彼女の存在は足手まといでしかなかった。いかがわしい仕事で食わせてもらっているのは何処の馬の骨だと言われ逆上した風見は陽子を花瓶で殴り殺した。
『連続強姦殺人事件』
昭和46年3月、高崎駅前に親からもらった金で買ったクーペ車で乗りつけた久保清一は女子高生などに片っ端から声を掛けてナンパをするが誰も相手にしなかった。肩を落として車に乗ると、自分好みの女性がバスを待っている様子が目に留まった。ベレー帽につけ髭といういで立ちで近づいた久保は、行く方向が同じだと嘘をついて彼女を車に乗せた。彼は度々強姦事件を起こし何度も服役していたが、刑務所は彼にとってナンパのバリエーションを考える時間でもあった。懲りない久保は画家や哲学者などの設定を作り、几帳面に成果を全てノートに書き記した。この日も仮出所から間もなかった。同月31日、5分の1の確率で成功した女性を助手席に乗せることに成功した久保だったが、渡辺という名も高校教師という肩書も嘘であることがばれてしまった。久保は彼女を強姦しその際に首を絞めつけたが、勢い余って殺してしまった。だがそのことが性的興奮を呼び起こし新たな犯罪に手を染めた。
屋台的映画館
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