ピクチャーズネットワーク=日吉ヶ丘PICTURES
配給:デジタルSKIPステーション
製作年:2012年
公開日:2013年2月16日
監督:中野量太
プロデューサー:平形則安
脚本:中野量太
撮影:平野晋吾
照明:谷本幸治
録音:島津未来介
助監督:松尾浩道
制作担当:星野友紀
脚本協力:大野敏哉
音楽:渡邊崇
VFXスーパーバイザー:樋口良
音響効果:大塚智子
編集:中野量太
出演:柳英里紗 松原菜野花 渡辺真起子 滝藤賢一 二階堂智
アメリカンビスタ カラー 74分
学校を抜け出して川原で弁当を食べ昼寝するのが日課になっている女子高生の東村呼春(17歳)。いつものように昼寝をしていると、脱いだ右足の靴が流されたのだった。幸か不幸かその靴は流木に引っかかって止まったが、川の真ん中にあるため取れやしない。困っている呼春に声を掛けたのは通りすがりの二人の青年だった。釣りから帰る途中だった二人は興味本位に釣竿を振るが、釣り針は簡単には引っかからなかった。太陽が西にかなり傾いた頃、何やってんのと呼春に呼びかけたのは姉の葉月(20歳)だった。フリーターの彼女は昼キャバで働いているが、大事な話があるから午後6時に自宅へ集合せよという母・佐和からのメールがあったため早上がりして帰宅する途中だったのだ。青年たちの頑張りでようやく靴を手にすることが出来た呼春は、姉の自転車に二人乗りして帰った。
母が言う大事な話とは?再婚?血が繋がっていないとか?そんな話を二人がしていると、仕事で外出していた佐和が寿司を持って帰ってきた。夕食中にマグロのことで葉月と呼春が口論していると佐和があることをポツリと言った。二人の父・正高が死ぬというのだ。半年前に末期がんが見つかりもう助からないと3日前に正高の弟の西森徹二から連絡があったため、佐和は翌日が休日の二人に会いに行くように勧めたのだった。だが葉月は彼女の性格を知っていた。自分が嫌なことはいつも娘に押し付けるのだ。正高は14年前に愛人を作って家出したので、葉月たちにはこれといった思い出はなかった。そんな二人に佐和は会ってお別れしてくることと命令口調で言い、葉月にあの人の顔写真を撮って欲しいとカメラを渡した。どんな顔をして死んで行くのかを見てザマーミロと笑ってやるのだという。それを聞いた彼女たちは絶句した。
翌日、お遣いを引き受けた二人は渋々電車に乗った。呼春が父のことについて尋ねると、葉月は小学校に入学した頃の話を始めた。どうしてもチョコの匂いがする消しゴムが欲しくて万引きし、それを知った正高は激怒して叩いた。その後ずっと頭を撫でながら泣き続けた姿を見てもう二度としないと心に誓ったのだ。それを聞いた呼春は姉をうらやましく思った。佐和が父に関する写真を全て焼いてしまったため、彼女にはこれといった思い出がなかったからだ。その頃、自宅にこれから正高の葬式が行われるという連絡が徹二から入った。
屋台的映画館
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