角川春樹事務所
配給:東宝
製作年:1981年
公開日:1981年7月11日 併映「ブルージーンズメモリー」
監督:大林宣彦
製作:角川春樹
プロデューサー:逸見稔 稲葉清治
原作:眉村卓彦
脚本:葉村彰子
撮影監督:阪本善尚
美術デザイン:薩谷和夫
音響デザイン:林昌平
音楽監督:松任谷正隆
主題歌:「守ってあげたい」松任谷由実
ピクトリアルデザイン:島村達雄 坂間雅子
作画合成:岡田明方 山田孝
編集:P・S・Cエディティング・ルーム
ネガ:相沢尚子
記録:新沼恵子
ファッション・コーディネーター:斉藤のり子
助監督:山下稔
製作担当:隈部文康
録音スタジオ:アバコスタジオ
カラーバイ:東洋トーン
制作協力:オフィス・ヘンミ
出演:薬師丸ひろ子 高柳良一 長谷川真砂美 手塚真 赤座美代子
アメリカンビスタ カラー 90分
新宿副都心にある受験校として名を知られた第一学園高校。校長は新年度からクラブ活動よりも勉強を優先する方針を打ち出したが、それに異議を唱えたのが体育教師の山形だった。剣道部の顧問の彼は高校対抗試合に出場することを目標にしていたが、文武両道からの突然の変更に納得が行かなかったのだ。直談判に持ち込むと、迫力に圧された校長は考えておきましょうと言葉を濁して逃げた。その校長の考え方に賛同していたのは2年B組の担任の須田だった。昨年から同じクラスを受け持つ彼の生徒の中には学年間でトップの成績を挙げた三田村由香がいたが、クラブ活動を優先して最低点を取った5人がいたことでクラス平均で最下位になったことを悔やんでいたのだ。その中の一人である剣道部主将の関耕児はそんな担任の苦労など気も留めず新入部員獲得に精を出していた。夕方、幼馴染の由香と下校していた耕児は奇妙な光景を目にした。走ってくるトラックの前に飛び出した三輪車の子供が、映画のフィルムを巻き戻したように後戻りしたのだった。
トラックの前に飛び出した子供に、由香は「いけない、戻りなさい!」と叫んだ。するとトラックとともに三輪車が逆走し、子供は何事もなかったように横断歩道を渡った。自分が起こしたかもしれない現象に驚いた由香は、自宅に帰るとひとりにしておいてと母・圭子に告げて部屋に籠った。その夜、落ち着いた由香はあの不思議な出来事を話そうとしたがうまく言い表せなかったため、ママはテレパシーが強い方かと尋ねた。それを聞いた圭子は、よくお父さんにお前は鈍いからというお小言をいただくと笑った。いつもと様子がおかしい由香を学校で何かあったのではないかと圭子が心配していると、耕児の父・熊吉が経営する酒屋の住み込み店員・広志が注文していたビールを配達してきた。成績のことで学校に呼び出された熊吉は、耕児の成績がどうにかして上がらないかと思案していた。大学進学は死んだ妻の悲願だったこともあり、学校を出て店を継げばいいという考えの耕児に、長男に生まれたことを不運だと思ってがんばってくれと手を合わせた。すると広志が専門の家庭教師をつければいいのではないかと提案した。彼が由香の名前を挙げると祖母のタケもなりふり構ってられないんだからと賛同した。話はあっという間にまとまり、広志が配達のついでに交渉をすることになったのだ。対抗試合目前で練習が出来なくなることを危惧した耕児は電話をかけて断るように言ったが、由香はあっさり了承したのだった。家庭教師を引き受けた彼女は、気が散りますからと誰も部屋に寄せ付けず、鍵をかけると窓から縄梯子を垂らして耕児を練習に行かせた。三週間後の対抗試合は、城南高校の次峰に手こずり副将の大野まで敗れ、最後の耕児も相手の迫力に圧された。だが由香が「神様、お願い!」と心の中で祈ると相手の動きが一瞬止まり、耕児は胴に打ち込んで勝った。さらに中堅、副将、主将にまで同じことが起こり逆転勝利したのだった。再びあの現象を体験した由香は不安に駆られた。
屋台的映画館
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