東宝映画=フジテレビ
配給:東宝
製作年:1987年
公開日:1987年9月26日
監督:市川崑
製作:田中友幸 羽佐間重彰
企画:三ツ井康
プロデューサー:角谷優 藤井浩明 新坂純一
脚本:菊島隆三 石上三登志 日高真也 市川崑
衣裳監修:斉藤寛
衣裳デザイン:ワダエミ
撮影:小林節雄
美術:村木忍
照明:下村一夫
調音:大橋鉄矢
録音:斉藤禎一
編集:長田千鶴子
助監督:吉田一夫
製作担当:平間重和
資料協力:馬場和夫
装置:鈴木和夫
組付:西田忠光
装飾:宮内春明 浜村幸一
スチール:橋山直己
記録:原田良子
衣裳:川上鈴雄
結髪:沼田和子 中尾さかゑ
技髪:荒井誠治
メークアップ:米山きみ
音楽エンジニア:大野映彦
音楽事務:岩瀬政雄
効果:小島良雄
殺陣:美山晋八
音楽:谷川賢作
オーケストラ指揮:井上道義
オーケストレーション:山本純ノ介
主題歌:「STAY WITH ME-Song for KAGUYA姫」ピーター・セテラ
特殊技術・撮影:江口憲一 大根田俊光
特殊技術・美術:井上泰幸
特殊技術・照明:三上鴻平
特殊技術・プロデューサー:鈴木政雄
特殊技術・助監督:浅田英一
特殊技術・操演:松本光司
特殊技術・特殊効果:渡辺忠昭
特殊技術・造型:安丸信行
特殊技術・合成:宮西武史 三瓶一信
特殊技術・作画:石井義雄 塚田猛昭
特技監督:中野昭義
出演:沢口靖子 中井貴一 春風亭小朝 竹田高利 岸田今日子
アメリカンビスタ カラー 121分
八世紀の末。商人の宇陀は人里離れた竹林の傍に住む竹取の家を訪ねた。彼は造の女房の田吉女がこさえた織物を引き取りにきたのだが部屋の中は真っ暗で誰もいそうにない。がっかりして引き返そうとしたところ、真っ青な顔をした田吉女が暗闇から現れ何も出来ていませんと言ってぴしゃりと戸を閉めたのだった。面食らって辺りを見回すと造が小川で刃物を研いでいた。何があったのかと尋ねると、造は昨日娘の加耶を死なせたと言った。宇陀は可哀想にと思ったが、彼にとってそれよりも大事なのは都の市場で評判がいい造が作る竹細工と田吉女の織物だった。それらが出来ていないことがわかると宇陀はまた出直してくると言って帰って行った。
田吉女は悔やんでも悔やみ切れないでいた。貧乏なばかりに医者を呼べず、諦めた頃に授かった五歳の娘をたった二、三日の煩いで失ってしまったからだ。いっそのこと加耶と一緒に死んでしまえば良かったと田吉女は泣腫らした。翌日の満月の夜、田吉女は加耶の着物を抱きながら私の命と取り替えてやりたかったとこぼした。その様子を見た造はいくら嘆いてもあの娘は戻って来ないと諭した。すると耳をつんざくような轟音が空を横切り強烈な光が家に差し込んだ。そしてその直後に起きた爆発音とともに二人の体は宙に投げ出されたのだった。驚いた造たちが慌てて家を出ると裏山が燃えていた。そこには加耶の墓があり、竹細工に使う竹林があった。数日後、火事が収まると造は山の中へ入ったが、墓は無事であり竹林が燃えた様子もなかった。加耶が守ってくれたに違いないと考えた造は感謝しながら手を合わせた。ふと目をやった先には筍が生えており、そのもう少し先には同じくらいの大きさの石のような物があった。その先端が輝くと目がくらんだ造は慌てて竹の陰に隠れた。しばらく様子を見ていると先端から加耶の墓に向かって光が放たれた。そして石のような物の一部が剥がれ落ちると中の何かが見えた。それが産まれたばかりの赤子だとわかると造は恐る恐る近づいたがどうしようかと思案した。竹取家では赤子を育てる余裕はないのだ。かと言って放っておく訳にはいかず、とりあえず家に連れて帰ることにした。容れ物ごと抱えたが中の赤子が動き回り思わず取り落とした。赤子は容れ物から外に出るといつの間にか這うまでに成長していた。そして見る間に五歳児程の体格になったが、その顔は加耶そのものだった。青い瞳を除いては。
屋台的映画館
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