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母の恋人

  • posted at:2024-08-11
  • written by:砂月(すなつき)
ははのこいびと
レジェンド・ピクチャーズ
配給:オムロ
製作年:2016年
公開日:2016年2月25日
監督:上野貴弘
企画:利倉亮
プロデューサー:江尻健司 亀田裕子
キャスティング:関根浩一
脚本:片岡修二
撮影:瀬川龍
録音:飴田秀彦 治田敏秀
編集:桐畑寛
助監督:岡元太
制作担当:山地昇
監督助手:米澤勉
撮影助手:箕輪広二
録音助手:小野浩志
メイク:島田万貴子
スタイリスト:高橋深雪 加藤麻乃
スチール:千葉朋昭
制作:酒井識人
キャスティング協力:小林良二
出演:水島裕子 佐々木心音 菅原昌規 おかやまはじめ 鈴木智絵
アメリカンビスタ カラー 74分

居酒屋を営む小池涼子は夫と別れてから大学生の娘・美奈と二人暮らしをしている。美人で誰からも好かれる人懐っこい性格の彼女はよく男性客から言い寄られることはあるが、今は恋愛と距離を置き韓国ドラマを観ることが帰宅してからの日課となっている。ある日、アルバイトの女の子が突然辞めてしまい、困った涼子は友人に働いてもらうことにした。だが連日お願いするわけにも行かないため美奈に店を手伝って欲しいと話すが何かと理由をつけてはぐらかされてしまった。翌日、店の準備中にやってきたのは涼子に好意を持つ客の男だった。男は以前した話の答えを聞きたいと静かに話すが、そこにやってきたのは美奈だった。彼女はアルバイトとして働きたいという同級生の北川幸太を連れてきたが、居づらくなった男はそそくさと帰って行った。幸太の顔を良く見た涼子はハッとした。前日に市場で食材を仕入れた帰りに男とぶつかって荷物を落としたが、その時に通り掛かって助けてくれたのが幸太だった。そのことを美奈に話すと、優しい性格だからありそうだと言った。涼子が彼氏かと尋ねると美奈はただの友達だが候補の一人かもととぼけた。そして幸太にこれも運命かもねと言うと、涼子は大袈裟ねと照れた。その幸太がいるのだから涼子は美奈が一緒に働いてくれるものだと思っていた。だが接客が苦手な美奈は友達との約束を理由に店を出て行った。料理の支度をしながら幸太の様子を見ていた涼子は接客の態度や手際の良さに感心した。このような仕事の経験はあるのかと尋ねると、幸太はいろいろなアルバイトをしていたのでと答えた。頼りになる相棒を手に入れたことを喜ぶ彼女は、大学が終わったら早く来て仕込みを手伝って欲しいとお願いした。

翌朝、涼子が遅く起きると美奈が食事の用意をしていた。食卓にはトーストとハムエッグが置かれており、料理くらい勉強しなさいと涼子が嫌味を言うと、美奈は話をそらすためにボーイフレンドはいないのと聞いた。突然の質問に面食らう彼女に、美奈は幸太が親子ではなく姉妹に見えたと言ったことを伝えた。そして機嫌が良くなったところを見計らって相談を持ち掛けるが涼子にはお見通しだった。美奈は以前からアメリカへ留学をしたいと考えており、何度か相談をしていた。今回は幸太を紹介した見返りを期待したのだが返事は「ダメ」だった。

屋台的映画館
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土佐の一本釣り

  • posted at:2024-08-08
  • written by:砂月(すなつき)
とさのいっぽんづり
松竹=キティフィルム
配給:松竹
製作年:1980年
公開日:1980年12月27日 併映「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」
監督:前田陽一
製作:沢村国男 金田晴夫
製作補:佐藤正
原作:青柳裕介
脚本:前田陽一 松原信吾
撮影:長沼六男
美術:重田重盛
音楽:川辺真
主題歌:「恋・恋かもめ」千原ひかり
録音:小林英男
調音:小尾幸魚
照明:佐久間丈彦
編集:太田和夫
スチール:金田正
監督助手:伊藤聚
装置:横手輝雄
装飾:釼持政司
衣裳:松竹衣裳
現像:東洋現像所
進行:田沢連二
製作主任:池田義徳
出演:田中好子 加藤純平 山口美也子 亜湖 岡本信人
アメリカンビスタ カラー 91分

土佐久礼の港にカツオ船の第一福丸が大漁旗を掲げて帰ってきた。下船する漁師たちの中に初めて漁に出た小松純平の姿があった。日用雑貨店の小松商店を営む母・ふきと二人暮らしをする彼は、中学を卒業すると進学せずに漁師になった。家に帰り風呂に入ってさっぱりすると純平はふきに夕食はいらないと言った。何故ならその夜は船の兄やんたちと高知で酒を飲むことになっていたからだ。それを聞いたふきは一緒に食事を出来ないことに寂しさを感じたが、逆にうれしくもあった。純平がきっと大人になって帰ってくると思ったからだ。

純平は船では雑用係だったが、大人たちと働くことにより対等になったような気がしていた。その理由の一つが汗水たらして働き給料を手にしたことだった。中学の同級生が通う土佐西高校に立ち寄った彼は、友人たちにお札を見せびらかし高校生は可哀想だなと蔑んだ。そして二歳年上で幼馴染の吉村八千代を呼び出すと、今戻ってきたがこれから皆と高知で酒を飲むことになっているから悪いがお前とデートしてやれないと言った。そしてその後に女と何かあってもお前には隠し事をしないことにしているからひと言断っておくと言うと、八千代は去って行くその背中に悪態をついた。

高知のバーで強がって飲めない酒を無理矢理飲む純平だったが、限界がきて外に駆け出すと道の端で吐いた。後を追い掛けてきた女将が可哀想にと心配するが、プライドが高い純平はこのことは絶対に誰にも言うなと釘を刺した。カツオ釣りが酒で戻したなんてことが知られたら漁師仲間から舐められると考えていたからだ。しばらくして気分が落ち着くと店に戻り再び飲み始めるがついにダウンした。その後、夜の女たちが二階へやってくるが純平は何も覚えていなかった。

朝帰りをする純平が家に向かって歩いていると自転車で通学する八千代とバッタリ会った。学校が終わったら会わないかと声を掛けるが無視をされ、何とか気を引こうと考えた純平は妙案を思いついた。その夜、八千代の家の前に行くと窓に小石を投げて呼び出そうとするが、彼女はチラリと見ただけでカーテンを閉めた。つれない態度を取る八千代だったが、本音は一途に自分のことを思ってくれる純平が大好きだった。

屋台的映画館

天空の城ラピュタ

  • posted at:2024-08-04
  • written by:砂月(すなつき)
てんくうのしろらぴゅた
徳間書店
配給:東映
製作年:1986年
公開日:1986年8月2日 併映「名探偵ホームズ「ミセス・ハドソン人質事件」「ドーバー海峡の大空中戦!」
監督:宮崎駿
製作:徳間康快
企画:山下辰巳 尾形英夫
原作:宮崎駿
脚本:宮崎駿
音楽:久石譲
作画監督:丹内司
原画頭:金田伊功
原画:篠原征子 遠藤正明 二木真希子 桜井美知代 大谷敦子 小林一幸 賀川愛 前田真宏 福田忠 川崎博嗣 高坂希太郎 大塚伸治 河口俊夫 近藤勝也 名倉靖博 鍋島修 江村豊秋 友永和秀
美術監督:野崎俊郎 山本二三
仕上:保田道世
撮影:高橋宏固
編集:瀬山武司
音響監督:斯波重治
整音:井上秀司
音響効果:佐藤一俊
挿入歌:「君をのせて」井上杏美
協力:電通
制作:原徹 スタジオジブリ
プロデューサー:高畑勲
声の出演:田中真弓 横沢啓子 初井言榮 常田富士夫 寺田農
アメリカンビスタ カラー 124分

ムスカ大佐率いる政府の調査機関は「ゴンドアの谷」に住む少女シータを捕らえ、ティディスへ向かう飛行客船の船体中央に位置する客室で監視した。シータは何故自分が無表情な男たちから見張られなければならないのか理由がわからなかった。窓辺に佇む彼女が満月をぼんやりと眺めていると空中海賊団のドーラ一家が突然襲撃してきた。その目的が自分であることを知ったシータは窓の外を伝って隣の部屋へ逃げようとするが、誤って足を滑らせ地上へ落下した。彼女は恐怖のあまり気を失ってしまうが、ペンダントの石が不思議な光を放つと羽毛のように舞い降りて行った。

数十年前に起きた産業革命では多くの鉱石が必要とされた。かつて鉱山町は大量の鉄鉱石の他に金銀銅も採れることから「優良鉱山」とされたが、今では採掘量が減り輸送が不便な工場からは人が去って行った。そんなこともありいつしかそこは「スラッグ(鉱石の残り滓)渓谷」と呼ばれるようになった。その町で働く見習い機械工の少年パズーは行きつけの食堂で夕食用のシチューをバケツに入れてもらうと足早に作業場へ戻ることにした。小高い丘を駆け上ると、薄暗くなった夜空から何か光る物がゆっくりと降りてくるのが見えた。何だろうと小走りに向かうと、その光る物の正体が少女であることがわかった。少女は立坑の真上に降りてきており、パズーは巻揚機の支柱の先で両手を差し出して待った。彼女はまるで羽毛のように軽く風で飛んで行きそうだった。ところがペンダントの光がスッと消えると少女の重みがパズーの腕に掛かり、驚いたパズーは彼女を落としてはならないと踏ん張りながら移動し作業用の板に下ろした。ひと息つくのもつかの間、親方から何をしているんだと怒鳴られた。パズーはこれまでの出来事を説明しようとするが、ボイラーの調整に掛かり切りの親方はそれどころではなかった。

空が白み始めるとパズーは高炉の天辺で軽やかにトランペットを吹いた。その音色で目覚めたシータは今自分が何処にいるのかわからなかったが、屋根の天窓に続く上って行くとその先に音の出所があった。彼女に気づいたパズーは気分はどうと尋ね自己紹介した。シータの記憶は飛行客船から落ちたところまでしかなく、何が起きたのか不安でたまらなかった。パズーは彼女の首から下がるペンダントが気になり、それに空を飛ぶ力があるのではないかと考えた。そこで借りたペンダントの力を信じて屋根から飛び降りてみるが奇跡は起きなかった。

屋台的映画館

リメインズ 美しき勇者たち

  • posted at:2024-07-31
  • written by:砂月(すなつき)
りめいんずうつくしきつわものたち
松竹=サニ千葉・エンタープライズ=JTB=京都映画
配給:松竹
製作年:1990年
公開日:1990年2月10日
監督:千葉真一
製作:桜井洋三 千葉真一 石田博
企画監修:深作欣二
企画協力:松橋功
脚本:佐藤繁子
音楽監督:真田広之
撮影:藤原三郎
美術:梅田千代夫
照明:中山利夫
録音:広瀬浩一
編集:園井弘一
記録:野崎八重子
アクション監督:金田治
助監督:萩谷泰夫
製作主任:高坂光幸
プロデューサー:清水一夫 野村芳樹 星野精三
プロデューサー補:藤山顕一郎 高須準之助
宣伝プロデューサー:西川昭幸 村居俊彦 清瀬明彦
音楽:大谷幸
主題歌:「リメインズ」村松美香
出演:真田広之 村松美香 黒崎輝 真矢武 栗原敏
アメリカンビスタ カラー 107分

大正末期の冬。北国の集落に巨大な熊が明け方に現れ、部屋で眠っていた平助と妻のウメが襲われた。熊の一撃で即死した平助の死体はその場にあったが、ウメの姿は何処にも見当たらなかった。一縷の望みを託し警察署長は若い衆とともに捜索を行うが、見つかったのは熊の足跡とウメの着物の切れ端だけだった。その先で何か動く物が見えたため近づくが、それはウメの死体を貪り食う熊だった。署長たちは銃で射殺しようとするが、銃声を聞いて興奮し立ち上がった熊の体長は2メートルを優に超えていた。熊は彼らに向かって襲い掛かるが、それを阻止したのは遠くの集落からやってきた嘉助率いるマタギの集団だった。鋭冶が熊のいた場所から拾った着物の切れ端を嘉助に見せると、アカマダラに違いないと言った。アカマダラとは彼らの間で呼ぶ熊のあだ名だったが、その熊は女の肉を好む傾向があった。これまでわかっているだけでも十二人が殺され、そのうちの五人の女が食われたのだ。一年前に嘉助が住む村「鷹の爪」でも一人の女が食われ、彼らはそれ以来アカマダラをずっと追い続けていたのだ。ここはひとつ俺たちに任せて欲しいと嘉助が言うと、素人に歯が立つものではないから是非ともお願いしたいと署長たちは頭を下げた。

雪が積もる山道を進んで行くと熊の足跡は川で途切れていた。アカマダラは浅い川から山へ向かって行ったのではないかと考えられたが、嘉助は異変に気づいた。熊は彼らを撒くために同じ足跡をもう一度踏みながら後退していたのだ。機転の利くアカマダラにしてやられた嘉助たちは新たな痕跡を探し始めた。するとしばらく進んだところに小さな雪崩のような場所があり、谷を下って行くと新たな足跡が見つかった。それは目の前に立ちはだかる山の頂上へと続いていた。嘉助たちは頂上を目指すが吹雪に遭い、視界が効かないことから捜索を断念した。下山している途中で鋭冶は木に体を擦りつける熊を発見した。嘉助は鋭治とサブにブッパ(仕留め役)、次郎と伍平にセゴ(追い立て役)を命じたが、風向きが変わり熊が人の気配を察知したことで三人が追い込み鋭治が猟銃で止めを刺すことになった。ところがそこに現れた猟犬が熊に襲い掛かり、続いて現れたマタギが仕留めたのだった。掟を無視した振る舞いに激怒した鋭治は怒鳴りつけるが、マタギはそんなことも気にせず動かなくなった熊に近づきこいつはアカマダラじゃないと呟いた。鋭治はその顔を見て驚いた。男の姿をした彼女は一年前に母親をアカマダラに殺された鋭治の幼馴染のユキだった。

屋台的映画館

劇場版 パタリロ!

  • posted at:2024-07-27
  • written by:砂月(すなつき)
げきじょうばんぱたりろ
「劇場版パタリロ!」製作委員会(ネルケプランニング=白泉社=キューブ)
配給:HIGH BROW CINEMA
製作年:2019年
公開日:2019年6月28日
監督:小林顕作
製作:野上祥子 島田明 北牧裕幸
原作:魔夜峰央
脚本:池田テツヒロ
音楽:小林顕作 和田俊輔 ha-j 遠藤ナオキ
VFXプロデューサー:小川洋一
VFXスーパーバイザー:田口健太郎
CGディレクター:高橋尚登 吉田裕行
撮影:伊集守忠
照明:酒井隆英
舞台照明:坂本明浩
衣装デザイン:朝月真次郎
衣裳(舞台「パタリロ!」):前岡直子
美術:片平圭衣子
小道具:清水克晋
スタイリスト:大井慎弥
ヘアメイク:堀川貴世 松村直美 成島亮
振付:足立夏海 平原慎太郎
アクション指導:森貞文則
特殊スタイリスト:百武朋
特殊造形:並河学
LED映像・タイトルデザイン:ワタナベカズキ
スクリプター:松本月
ミュージックエディター:佐藤啓
録音:越智美香
音響効果:赤澤勇二
編集:難波智佳子 津野励木
助監督:川松尚良
制作担当:細谷光
監督補:小泉宗仁
出演:加藤諒 青木玄徳 佐奈宏紀 細貝圭 金井成大
アメリカンビスタ カラー 103分

常春の国マリネラ王国から皇太子のパタリロ・ド・マリネール8世が王室近衛兵のタマネギ部隊を引き連れて王室専用機でイギリスにやってきた。ロンドンのヒースロー空港で彼らを待っていたのはスコットランドヤードの刑事だった。今、マリネラは政情不安に陥っていた。パタリロの父で絶対権力者の国王ヒギンズ3世が病に臥し、権力を握ろうと画策する政治家たち大臣派と王家である国王派との対立が激しくなっていた。マリネラは世界的なダイヤモンドの産出国として有名であり、この混乱に乗じてパタリロが命を落とすようなことがあれば一大事だ。そこでスコットランドヤードが彼の警護を依頼したのは秘密情報部・MI6の凄腕エージェントのジャック・バルバロッサ・バンコランだった。だがそのバンコランの姿は空港になく、パタリロはこいつらがいれば安心だとタマネギ部隊とともに観光へ向かった。その夜、街中を浮かれながら歩いていると学ラン姿の如何にも怪しい日本人留学生と出会った。ナイフを抜いた彼らは一行を襲おうとするが、そこに現れたバンコランによってパタリロは命を救われた。美少年キラーのバンコランには特殊な「眼力」があり、その不思議な力で見つめられた者は途端に気絶してしまうのだ。バンコランは大臣派が留学生を暗殺者として雇ったのではないかと考えた。彼に命を救われたパタリロはボディーガードとして特別に傍にいることを許してやると言った。それを聞いたバンコランはお願いしますと言えと反論するが、二人が言い争っているところにやってきたBBC放送の記者・マライヒはバンコランの美しさに心を奪われたのだった。

パタリロは観光の密着取材がしたいというマライヒからの申し出を受け許可をした。BBC放送ではマリネラ国王が崩御した場合に特番を放送することが決まっており、そのために派遣されてきたのだ。彼は国王に関する取材を行っている際にある情報を掴んだ。それは絵を描くのが好きだった国王が若い頃にイギリスへ留学していたが、絵のモデルになった娼婦に心を奪われた。国王はその女性に何通かのラブレターとともに自分が描いた絵を送ったが、生活に困った女性は絵を売却した。その絵は流れ流れてコートールドギャラリーに飾られているが、その裏にラブレターが隠されているという噂があるのだ。国民にそのことが知られれば大変なことになると考えたパタリロはマライヒと協力して絵を盗み出すことにした。

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