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女の穴

  • posted at:2024-08-17
  • written by:砂月(すなつき)
おんなのあな
「女の穴」製作委員会(VAP=アイエス・フィールド=徳間書店=ダブ)
配給:アイエス・フィールド アルゴ・ピクチャーズ
製作年:2014年
公開日:2014年6月28日
監督:吉田浩太
製作:岡本東郎 嶋田豪 平野健一 宇田川寧
プロデューサー:行実良 若林雄介
アソシエイトプロデューサー:関顕嗣
原作:ふみふみこ
脚本:吉田浩太
撮影:山崎裕典
照明:岩切弘治
録音:小原善哉
美術:露木恵美子
装飾:斉藤暁生
衣裳:金田あずさ
ヘアメイク:ホリグチユキエ
キャスティング:田端利江
助監督:川松尚良
制作担当:村松大輔
編集:高良真秀
VFXスーパーバイザー:大萩真司
整音:九連石由文
音響効果:井上奈津子
ポストプロダクションプロデューサー:篠田学
音楽:松本章 一塚優絵
主題歌:「女の穴」MAMADRIVE
主題歌プロデュース:知念亮典
製作プロダクション:ダブ
出演:市橋直歩 石川優実 小林ユウキチ 布施紀行 青木佳音
アメリカンビスタ カラー 95分

ある秋の放課後、高校の音楽室に卒業アルバム製作のために各クラスから選ばれたメンバーが集まった。だがまだ委員長が決まっておらず、教師の福田祐一が挙手を促すが誰もやりたがらなかった。だがしばらくすると鈴木幸子が手を挙げた。全会一致で彼女が委員長を担当することが決まり、福田は各クラスのメンバーに10枚の写真提出するようにと指示すると幸子には打ち合わせのために残るように言った。幸子ははいとひとつ返事したが、福田は彼女が自分を見つめる目がぽっかり空いた穴のようで恐怖を感じた。

二人きりになり福田はアルバムのレイアウトなどについて説明をするが、幸子は何か別のことを考えているようだった。そこで何故委員長に立候補したのか尋ねると、彼女は誰も手を挙げないし時間の無駄だと思ったからだと答えた。それを聞いた福田が他の人から何を考えているのかわからないと言われないかと尋ねると、幸子は私のことをちゃんと見ているんですねと言った。そして唐突に私と子供を作ってくれませんかと言い出し、驚いた福田は言葉を失った。それは犯罪だからと言って断ろうとするが、幸子は理由をつけてセックスする気でいた。たまらずいい加減にしろと言うと、幸子は自分が異星人だと告白した。今は地球人の体を借りており、地球人の子供を作るように命令されているのだという。頭を抱える福田は、忙しいからそういうのは暇そうな先生を見つけた方がいいと思うとアドバイスして席を立とうとした。ところが幸子の目に魅入られ聞き入れることにした。

誰も来そうにない待ち合わせ場所のみかん畑に向かった福田が車の中で待っていると、やがて幸子がやってきた。車に乗り込んだ彼女は失礼しますと言ってシートを倒すと福田の上に馬乗りになった。すると福田は宇宙へ放り出され、その向こうにぽっかりと開いた穴から幸子が覗いていた。

屋台的映画館
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女獄門帖 引き裂かれた尼僧

  • posted at:2024-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
おんなごくもんちょうひきさかれたにそう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年4月8日 併映「新宿酔いどれ番地 人斬り鉄」
監督:牧口雄二
企画:本田達男
原作:島守俊夫
脚本:志村正浩
撮影:塚越堅二
照明:北口光三郎
録音:溝口正義
美術:山下謙爾
音楽:渡辺岳夫
編集:堀池幸三
助監督:俵坂昭康
記録:梅津泰子
装置:三浦公久
装飾:柴田澄臣
スチール:中山健司
擬斗:菅原俊夫
美粧:長友初生
結髪:明田多美枝
演技事務:森村英次
衣裳:松田孝
進行主任:俵坂孝宏
出演:田島はるか ひろみ麻耶 芹田かおり 成瀬正 小林稔侍
シネマスコープ カラー 69分

くちなわの弥多八の監視のもとで飯盛女郎として働いていたおみのは年季が明けて自由の身になれると喜んでいた。ところが弥多八は品川の女郎屋で五年間働くという契約を勝手に結び手付金まで受け取っていたのだ。おみのは常連客の沢吉に足抜けを手伝って欲しいと願い出るが、失敗した時の恐ろしさを知っている沢吉は二の足を踏んだ。それなら自分一人でやって逃げまくってやると言い出したため、呆れてある秘策を教えた。人から聞いた話では上州妙来山の辺りに愁月院という尼寺があるらしい。そこに駆け込んで三年間辛抱すれば現世に縁が一切断ち切れるというのだ。それを聞いたおみのはとても喜び、沢吉はその夜決行した。ところがその計画はあっさりとばれてしまい、袋叩きに遭う沢吉はおみのが勝手に言い出したことだから俺は知らないと裏切ったのだ。失望したおみのは騒動を利用して逃げ出し橋の下に一晩隠れてやり過ごした。

腹を空かせながら逃げるおみのは峠の茶屋を見つけるが、銭がないので客が食べるのを外から眺めるしかなかった。そして客が落としたおかずに飛びついて貪り食っていると、追手の弥多八と相棒の亀の姿が見えたため建物の陰に隠れた。二人は店に入るとじゃれ合いながら飯を食っていたが、おみのは今まで遭った仕打ちを思い返し睨みつけた。だが偶然目が合ってしまい再び逃げなくてはならなくなった。すると幸運なことにその先で出会った旅の町人に匿ってもらった上に握り飯までもらった。何処まで行くんだと聞かれたおみのは愁月院を探していると答えるが、町人はしばらく考えた末にそんな尼寺は聞いたことがないと言った。お礼を出来ないからこんな体で良かったら好きにしてくださいとおみのは言うが、町人はつまらない了見を起こさず自分を大事にしなさいと断った。その言葉に感動するおみのだったが、心とは裏腹に悪態をついた。

おみのが薄暗い森の道を歩いていると休憩していた二人の木こりが声を掛けてきた。こんなところで何をしているのかと聞かれた彼女は愁月院を探していると答えた。するとまだ遠いし俺たちが案内してやるからまず飯を食えと木こりの一人が言った。だがそれは口実で留吉と捨松の狙いはおみのの体だった。二人に犯された彼女が森の中をさまよっていると足を滑らせ落ちて行った。だが幸いにも目の前には探していた愁月院があった。

屋台的映画館

お父さんと伊藤さん

  • posted at:2024-01-26
  • written by:砂月(すなつき)
おとうさんといとうさん
ファントムフィルム
配給:ファントムフィルム
製作年:2016年
公開日:2016年10月8日
監督:タナダユキ
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介
プロデューサー:木村俊樹 半田健
アソシエイトプロデューサー:天野恵子
キャスターディレクター:杉野剛
原作:中澤日菜子
脚本:黒沢久子
撮影:大塚亮
照明:宗賢次郎
録音:藤丸和徳
美術:仲嶺智治
編集:村上雅樹
装飾:須坂文昭
衣裳:宮本茉莉
ヘアメイク:岩本みちる
音響効果:大河原将
選曲:佐藤啓
助監督:松倉大夏
制作担当:伊達真人
エンディングテーマ:「マイホーム」ユニコーン
音楽:世武裕子
制作プロダクション:ステアウェイ オフィスアッシュ
企画:ファントムフィルム
出演:上野樹里 藤竜也 リリー・フランキー 長谷川朝晴 安藤聖
アメリカンビスタ カラー 119分

コンビニでアルバイト店員として働く山中彩は、最近入ってきた要領の悪い中年男の伊藤康昭のようにはなりたくないと思っていた。だがふとしたことで飲みに行くことになり、その後も何度か繰り返したことでいつの間にか伊藤がアパートに住み着いてしまった。そこで彩は二人で新たな生活を送るために違うアパートへ引っ越すことにした。それからしばらくして兄の潔から相談があると喫茶店に呼び出された。息子たちの中学受験が終わるまでの半年間、同居しているお父さんと暮らして欲しいというのだ。毎日塾通いで夕食の弁当を持たせて送り迎え。双子なだけに苦労は2倍で、そのうえでお父さんの世話までしなければならなかった。そんな大変さのせいで妻の理々子が精神的に不安定な状態になってしまい潔が一人で背負い込むことになったのだ。今年74歳になるお父さんを一人暮らしさせる訳には行かず、頭を下げて頼み込むが彩は頑ななまでに拒んだ。もしかして誰かと一緒に暮らしているのかと尋ねると彩は無言で首を縦に振った。それが拒否する理由だとわかると潔は諦めることにした。

彩が家に帰ると玄関に伊藤さんの物とは違う靴があったが、驚くことに部屋にいたのはお父さんだった。一方、突然やってきたお父さんも知らないおじさんが部屋にいて驚いていたのだった。状況の説明を求められた彩が一緒に暮らしているが結婚はしていないと答えると、お父さんは伊藤さんに歳を聞いた。そして54歳と知り年の差が離れ過ぎてはいないかと指摘すると、伊藤さんは彩の顔を見ながら特に気にしたことがないと言った。あまりにも伊藤さんを質問攻めにするため、どうして急に来たのと彩が話題を変えようとすると、お父さんは潔に会ったのならそういうことだと言った。そして食事は薄味の和食で頼むと当面の生活費が入った封筒をテーブルに置いた。こうして三人の奇妙な共同生活が始まった。

その夜、彩が電話を掛けると潔は家を出たお父さんが彼女のところへ行ったことを知っていた。何故なら書き置きがあったからだ。困っていると愚痴っても、潔はこっちが落ち着いたら引き取るからそれまで我慢して欲しいと譲らなかった。

屋台的映画館

鴛鴦歌合戦

  • posted at:2023-10-08
  • written by:砂月(すなつき)
おしどりうたがっせん
日活(京都撮影所)
配給:日活
製作年:1939年
公開日:1939年12月14日 併映「若き感情」
監督:マキノ正博
脚本:江戸川浩二
撮影:宮川一夫
照明:松木源蔵
録音:石原貞光
編集:宮本信夫
設計:角井嘉一郎
装置:長谷川繁吉
剣導:足立伶二郎
助監督:羽田守久
助撮影:牧浦地志
オペレッタ構成・作詞:島田磬也
音楽指導・作編曲:大久保徳二郎
出演:片岡千恵蔵 香川良介 志村喬 遠山満 尾上華丈
スタンダード モノクロ 69分

商人香川屋惣七の娘おとみは町の若旦那衆からよく恋文をもらうが、いつもつれない態度を取って彼らをやきもきさせている。そんなおとみに大の骨董好きの若い殿様峯澤丹波守が一目惚れした。丹波守は暇さえあれば城下町の古物商を訪れ、香炉や水差、刀剣類から書画骨董と気に入った物を次々と購入した。ある日、いつものように家来を従えて古物商巡りをしているときに遣いから帰るおとみを見掛けたのだ。好色な丹波守は家来に札を入れよと命じた。

浪人の志村狂斉も大の骨董好きで、日傘張りの内職で稼いだ金を骨董品につぎ込んでいる。怪しげな骨董ばかり買い込んでいると娘のお春から馬鹿にされるとお前の嫁入りの費用を貯めるためだと言い訳した。お春は嫁入りの費用よりもたまには米の飯が食べたいと愚痴ってみるが、狂斉は麦焦がしを食べるのが粋だと譲らなかった。それを聞いたお春は麦焦がしという言葉を聞いただけでも胸がむかつく嫌な物だと機嫌を損ねて庭に出た。彼女が日傘を干していると隣の長屋に住む浪人の浅井禮三郎がやってきてご機嫌だねと言った。お春は自分が今怒っていること、そしてその理由が稼いだ金を父親が怪しげな骨董品に全てつぎ込んでいることを説明すると、禮三郎は誰にだって一つは道楽があるものだしそのうちに掘り出し物に当たるかもしれないよと言った。お春は今の暮らしが嫌でたまらなかった。世の中には自分が作った傘を差して遊び暮らしている人もいるからだ。兎角世の中はそうした物らしいと禮三郎が言うと、お春はそんな了見だからお金にもならない木刀削りなんてしてられるんでしょと悪戯っぽく言い返した。そこに現れたのは丁稚の三吉を連れてやってきたおとみだった。禮三郎に気があるおとみは度々用事を作っては彼の前に現れ親し気に話をした。一方、お春に恋する禮三郎は「兎角浮世はままならぬ、日傘を差す人も作る人」とわざと聞こえるように言った。おとみは干してある日傘の中から気に入った物を見つけ三吉に代金を払うように言うが、やきもちを焼くお春は小売りはしていないと突っぱねた。何であろうと私が気に入ったのだから十両でも二十両でも欲しいだけ出してあげなさいとおとみは三吉に言うが、お春は意地を張って例え十両であっても二十両であってもお売りすることは出来ませんと言った。意地を張り合う二人を見て禮三郎は春の日は長いから大いに論じてくださいと笑った。するとそこに遠山満右ェ門の娘で禮三郎の許婚の藤尾が通り掛かり更に話がややこしくなった。

屋台的映画館

王手

  • posted at:2023-08-09
  • written by:砂月(すなつき)
おうて
荒戸源次郎=アポロン=毎日放送
配給:ムービーギャング
製作年:1991年
公開日:1991年11月25日
監督:阪本順治
企画:孫家邦
プロデューサー:椎井友紀子
アソシエイトプロデューサー:新船洋子
原作:豊田利晃
脚本:阪本順治 豊田利晃
撮影:伊藤昭裕
照明:安河内央之
録音:橋本文雄
美術:小池直実
編集:高島健一
音楽:梅林茂
ミュージシャンマネジメント:内田音楽事務所
記録:今村治子
助監督:片島章三
製作担当:鈴木嘉弘
出演:赤井英和 加藤雅也 広田玲央名 仁藤優子 梅津栄
アメリカンビスタ カラー 102分

通天閣の真剣師こと飛田歩は大阪・新世界で賭け将棋をして金を稼いでいる。負けると見せかけて賭け金を上乗せさせるのは常套手段で、そうやって対戦相手から金を巻き上げるのだ。彼の父親は死ぬまで賭け将棋で飯を食っており、小さい頃にその父親から将棋を教わった歩は自分にも勝負師の血が流れていると信じていた。その片棒を担がされるのは歩が将棋を教えた影響でプロ棋士を目指すことになった将棋協会奨励会三段の香山龍三だった。そのせいで借金取りに追われるときは彼も巻き添えになるのだ。香山は薬屋の看板娘の嶋田加奈子に惚れているがなかなか自分の気持ちを伝えられずにいた。そのことを加奈子も薄々感づいていたが、香山がじれったいためどうしていいかわからなかった。同じ頃、新世界将棋道場に顔を出した飛田はプロアマ勝ち抜き戦で藤田七段を倒した記事が雑誌に載ったことを褒められ、更には現代の阪田三吉とまで言われたため気を良くしていた。だがそこに冷や水を浴びせたのは先に来ていた真剣師の鬼詰だった。お前のガキの将棋なんかで桂八段に勝てるわけがないと鬼詰が言うと、頭に血が上った飛田は殴り掛かろうとしたため責任者の駒田成次は必死に止めた。

座敷での勝負で50万円をせしめた飛田はタクシーで阿倍野のスキャンティーという風俗店に行こうとしたが、ツケが溜まっていることを思い出し天満のハメハメ大王に変更した。だがそこでのツケも思い出し、運転手が暮らしていた日本海の小さな温泉街に行くことにした。ストリップ劇場で魅力的な踊り子に一目惚れした飛田は口説き落として一夜をともにした。その踊り子は照美といい、また来ると約束して飛田はタクシーに乗った。

大阪に戻るとプロアマ勝ち抜き戦が始まった。対局は桂八段の優勢となっており、流れを変えたい飛田はトイレに立ち個室で作戦を練り直すが良い手が見えてこなかった。そこで戻った彼はやけくそで6四桂を打つが、それが桂の混乱を招いたのだった。飛田が勝ったことで、桂はプロの権威を丸潰れにした責任を取ると言って引退した。

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