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男はつらいよ 寅次郎心の旅路

  • posted at:2021-11-09
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうこころのたびじ
松竹
配給:松竹
製作年:1989年
公開日:1989年8月5日 併映「夢見通りの人々」
監督:山田洋次
製作:内藤誠
プロデューサー:島津清 黒須清皓
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:金田正
監督助手:五十嵐敬司
装置:森篤信
装飾:露木幸次
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔
製作担当:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 ウィーン市観光局 オランダ政府観光局 インターコンチネンタルホテル・ウィーン KLMオランダ航空
出演:渥美清 倍賞千恵子 下條正巳 三崎千恵子 前田吟
シネマスコープ カラー 119分

大学受験に失敗した諏訪満男は春から代々木にある予備校に通い始めた。将来の目標が見出せない彼は浪人生活を送るようになってからダラダラと毎日を過ごすようになり、母のさくらからは小言を言われた。その度に満男は思った。伯父さんはいいなあ、と。

みちのくを旅する車寅次郎はローカル線を走る一両列車の中で車掌と談笑していたが、突然の急ブレーキに驚いた。その原因は線路を枕にして横たわる自殺願望を抱いたサラリーマンのせいだった。彼は坂口兵馬といい、一流商社に勤めていたが日々のストレスが祟って抜け殻のような状態に陥っていたのだ。目撃者として車掌と一緒に栗沢警察署に出向いた寅次郎は、坂口がまた騒動を起こすのではないかと考え自分が泊まる旅館に連れて行った。そして俺の言う通りにして温泉にでも浸かれば何とかなると諭した。夜になり寅次郎が芸者を呼んで宴会を開くと坂口は思い切って羽目を外したのだった。この味わったことない経験は坂口の凝り固まった心を溶かし、寅次郎のことがもっと知りたくなった彼は夜が明けると質問責めにした。そしてその自由な生き方に陶酔した坂口は出社するのを諦めて寅次郎について行くことに決めたのだった。

ある日、くるま菓子舗に旅行会社・極東ツーリストの馬場が寅次郎の航空券を持って訪ねてきた。旅行の手続きに必要なパスポート番号を教えて欲しいと言うのだが、兄が飛行機が苦手であることを知っているさくらは何かの間違いだと思った。しかも行く先がウィーンだというのだ。旅行代金は既に支払われており、パスポートは以前ハワイ旅行を計画した際に取得したのを叔母のつねが預かっていた。その夜、家族会議が開かれているところに寅次郎が帰ってきた。この何から何まで謎だらけの旅行について尋ねてみると、そのきっかけは彼が坂口に思い切って自分のやりたいことをやってみろと言ったことだった。坂口は少し照れながらウィーンに行ってみたいと言ったのだが、寅次郎はそれを湯布院と聞き間違えたのだ。後になってそのことがわかり一人で行ってこいと言ったが、一緒でなければダメだと泣いてせがむため寅次郎は渋々了承したのだった。さくらたちの説得により旅行を中止することに決めた寅次郎は、翌日に坂口が訪ねてくると理由を説明した。すると落胆した彼の顔が一瞬のうちに青ざめ今にも自殺しそうな様相に変わったのだ。驚いた寅次郎は慌てて荷物をまとめると後を追った。

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男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日

  • posted at:2021-11-01
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうさらだきねんび
松竹
配給:松竹
製作年:1988年
公開日:1988年12月24日 併映「釣りバカ日誌」
監督:山田洋次
プロデューサー:島津清
企画:小林俊一
原作:山田洋次 俵万智
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:森篤信
装飾:露木幸次
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔
製作担当:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:早稲田大学 小諸市 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 三田寛子 尾美としのり 下條正巳
シネマスコープ カラー 100分

柴又の商店街に幼稚園で行われている運動会の音楽が流れてくる秋の日、くるま菓子舗に車寅次郎からハガキが届いた。それを読んだ甥の諏訪満男は「いいなあ、おじさんは」とつぶやいた。大学受験を控える彼は将来について悩んでいるが、心配なのは本人だけでなく家族も同様だった。その頃、寅次郎は信州・小諸を旅しており、バス停で待つ老婆・中込キクエと親しくなった。茶の一杯のはずが居心地が良くなり一晩だけ世話になることにした。

翌朝、小諸病院の医師・原田真知子が迎えにきたが、キクエは家を離れたくないとわがままを言った。彼女は検査のための入院をすることになっているのだが、もう二度と家に帰ってこれないのではないかと考えていたのだ。頑固なキクエを納得させるために寅次郎は付き添うと約束し、了承させると真知子は彼に感謝した。病院につきキクエを無事に入院させたが、寅次郎はまだ朝から何も食べていなかった。そのことを知った真知子は仕事を終わらせ自宅に招いた。真知子は一人暮らしだが、早稲田大学で学ぶ姪の由紀が時折訪ねてきて身の回りの世話をした。国文学を専攻する由紀は今短歌を勉強しており、夕食後にその話題で盛り上がるが、あまり長居をしては申し訳ないと寅次郎は出て行った。

由紀が今回真知子を訪ねてきた理由、それは祖母から預かったお見合いの写真を見せることだった。相手は妻との死に別れで子供はなし、しかも東京の病院の経営者だった。真知子は写真を見るなり細面の人は好きじゃないと文句をつけ、むしろ顎が張っていてがっしりした逞しい人がいいと言った。それを聞いた由紀がじゃあさっきの寅さんみたいな顔がいいのと尋ねると、真知子は何だか懐かしい人にあったような気がしていたと顔をほころばせた。彼女は知らず知らずのうちに死んだ夫の面影を寅次郎に重ね合わせていたのだった。翌日、真知子がキクエの病室に行くと小さな花束が置いてあった。彼女の話で寅次郎が東京に帰ったことを知った真知子は、顔を出してくれればいいのにと独り言をつぶやいた。

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男はつらいよ 寅次郎物語

  • posted at:2021-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうものがたり
松竹映像
配給:松竹
製作年:1987年
公開日:1987年12月26日 併映「女咲かせます」
監督:山田洋次
プロデューサー:島津清
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:横手輝雄
装飾:露木幸次
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔
製作担当:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:吉野山観光協会 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 秋吉久美子 五月みどり 下條正巳
シネマスコープ カラー 102分

車寅次郎の甥・諏訪満男は学校での三者面談でまだ大学を受験するか決めていないと言った。その言葉に一番驚いたのは母親のさくらだった。息子が何を考えているのかわからない彼女は校門を出ると恥ずかしかったと小言を言うが、罰の悪い満男は母親と一緒なんて格好悪いから先に帰ってくれと突き放した。さくらは仕方なく一人で電車に乗るが、とらやでそのことを叔母のつねに話すとあの子は気が優しいから受験戦争には向いていないんだよと庇った。やがて満男が帰ってくると、その隣には見知らぬ少年が立っていた。佐藤秀吉というその少年は郡山から寅次郎からきた年賀状を頼りに訪ねてきたというのだ。秀吉の父・政吉は寅次郎のテキヤ仲間で、何かあったら寅次郎を訪ねよと病気で死ぬ前に言い聞かせていた。その夜、とらやでは家族会議を開かれ、秀吉をどのように扱うかが話し合われた。警察に届け出ることが筋道だが寅次郎をはるばる訪ねてきたあの子の気持ちを考えれば簡単に引き渡せないとさくらの夫の博が言うと、そんな惨いことはさせないとつねも同調し二、三日様子を見ることになった。

秀吉の今後のことを考えたさくらは小学校のことなどの相談しに福祉事務所へ相談に行った。その頃、とらやには何も知らない寅次郎が帰ってきていた。店を手伝いにきていた印刷工場社長の娘のあけみから秀吉の父親が死んだこと、母親は息子を置いて蒸発したことを説明された寅次郎は、留守中に迷惑を掛けて申し訳なかったと叔父の竜造に詫びた。

背中に般若の彫り物が入っていることで般若の政と呼ばれた政吉は飲む打つ買うの三道楽で挙句の果てに借金地獄に陥った。借金取りから逃げ回っているという噂は聞いていたが、その後どうなったかは知らなかった。秀吉の名付け親であることもあって責任を感じていた寅次郎は、彼の母親であるふでを捜すことにした。蛇の道は蛇。小岩にいるポンシュウなどを訪ねると和歌山の旅館で女中として働いていることがわかった。翌日、秀吉を連れた寅次郎は柴又の人たちに見送られて旅に出た。

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男はつらいよ 知床慕情

  • posted at:2021-10-14
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよしれとこぼじょう
松竹
配給:松竹
製作年:1987年
公開日:1987年8月15日 併映「塀の中の懲りない面々」
監督:山田洋次
プロデューサー:島津清
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔
製作担当:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
・・・:「知床旅情」森繁久彌
撮影機材:パナビジョン
協力:北海道 斜里町 羅臼町 中標津町 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 竹下景子 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 107分

桜の季節が終わりツバメが辺りを飛び始めた頃、葛飾柴又の団子屋・くるまやに車寅次郎が帰ってきた。表に当分休業の張り紙があったことから叔父夫婦が温泉旅行にでも行ったのかと思っていたが、妹のさくらから竜造が風邪をこじらせて肺炎を起こして入院していることを聞き顔色が変わった。だがあと数日で退院出来ることがわかると安心したが、居ても立っても居られず病院に行った。元気そうな顔を見た寅次郎が大事にならなくてよかったと声を掛けると、竜造は感謝の言葉を返した。

その夜、疲れた顔をして帰ってきたつねは病院で起きたことをさくらや博に話した。病院の医師に手土産を渡せばそれなりに応えてくれると考える寅次郎は見舞いのついでにウイスキーを渡そうとしたのだが、病院の方針として受け取れないと担当医は突き返した。押し問答が続く中、寅次郎は無理矢理押しつけて帰ってきたのだが、担当医は二度と彼を病院に連れてくるなと激怒しつねにウイスキーを押しつけたのだった。何も知らない寅次郎が二階から下りてくるとあけみが夕食の手伝いにきていた。翌日から店を開けることになり、あけみや印刷工場のゆかりなども総動員で切り盛りすることになっているのだ。自分が除け者にされていると感じた寅次郎は何でもやると言い張るが、団子をこねると体中がかゆくなるだの、串さしは自分の目ん玉を刺すようで嫌だの、餡子を練るのは匂いを嗅いだだけで飽きっぽくなるだのと文句ばかり言ってつねを呆れさせた。それならばとさくらは帳場に座って金庫番でもしていればいいと提案した。するとあけみもその方が絵になるからと煽て、それを聞いた寅次郎は俄然やる気を出した。

翌日、言われた通りに帳場に座るが、注文の電話で相手の名前を聞きそびれ、することがないのでマンガを読み、退屈凌ぎに何度もトイレに立ち、仕舞いには居眠りを始めた。つねがこぼした小言をたまたま聞いた寅次郎は腹を立てて酒を飲みに出掛けたが、反省して帰ってくると閉店後の店の中には暗い空気が漂っていた。肝心な跡取りがあのザマだとつねは嘆き、さくらや様子を見にきた梅太郎は言葉を選んで必死になだめようとしていた。その様子を見た寅次郎は静かに扉を閉めると再び旅に出た。

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男はつらいよ 幸福の青い鳥

  • posted at:2021-10-05
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよしあわせのあおいとり
松竹
配給:松竹
製作年:1986年
公開日:1986年12月20日 併映「愛しのチィパッパ」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔 玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 志穂美悦子 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 102分

吹く風が少し肌寒くなった秋の彼岸のある日、いつものようにさくらがとらやへやってくると印刷工場の裏で夫の博が工員のトシオと深刻な顔をして何やら話していた。後で聞いて見るとどうやら実家でクリーニング店を営む父親が故郷に帰ってこいと言っているらしい。朝日印刷所では一昨年にオフセット印刷の機械を導入したことで一人が余剰人員となっていた。人員の削減が懸案となっていたが、気の弱い社長の梅太郎は解決出来ずに今に至ったのだ。博が工場の現状について竜造たちに説明をしていると、ご機嫌な梅太郎の娘のあけみがやってきた。暗い話が苦手な彼女はそんなのやめて寅さんの話でもしようよと言うと、抜群のタイミングで寅次郎から電話が掛かってきた。彼は今、下関を旅しているが、ここ一年とらやには帰ってきていなかったのだ。あけみから受話器を受け取ったさくらは理由を尋ねるが、寅次郎は帰りたいのは山々だがここから江戸は遠すぎるとだけ答えた。これから何処へ行くか考えあぐねた彼はテキヤ仲間のポンシュウが開く出店のコンピューター占いで決めることにした。出てきた紙には南の方角に素晴らしい出会いが待っていると書いてあったことから九州の筑豊へ向かうことに決めた。

飯塚にやってきた寅次郎は町に懐かしさを感じた。その一つが古くから名所となっている嘉穂劇場の存在だった。炭鉱が盛んだった頃に何度も足を運んだことがあり、雑用をする男に声を掛けると彼は芝居に関することを何でも知っていた。そこで寅次郎は以前世話になった中村菊之丞について尋ねるが、今年の夏に亡くなったことを知り落胆した。お悔やみを言うために彼は直方にある菊之丞に向かうが、そこでかつて大空小百合という芸名で舞台に立っていた島崎美保と再会した。一座を解散すると菊之丞は急に老け込み、往生するまで彼女はとても苦労したのだという。その夜、寅次郎が泊まったのは美保が酒宴のコンパニオンとして働く旅館だった。美保は寅次郎とゆっくり話したくてその旅館を斡旋したのだが、結局恥ずかしくてドアをノックすることが出来なかったのだ。翌朝、香典返しの品を持って現れた美保は、電車を待つ寅次郎がこれから東京へ向かうことがわかると一緒について行きたいと漏らした。彼女は今の生活にとても疲れていたのだ。力になりたいと考えた寅次郎が何か欲しいものはないかと尋ねると、美保は青い鳥が欲しいと答えた。

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