松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1972年
公開日:1972年12月29日 併映「舞妓はんだよ 全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:松本隆司
音楽:山本直純
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:宗本弘美
衣裳:東京衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:ダイハツ自動車販売株式会社 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 八千草薫 松村達雄 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 95分
塩尻の日出塩駅でうたた寝をし妹のさくらの夢を見たフーテンの寅こと車寅次郎は生まれ故郷に帰ることに決めた。とらやへ行く前に柴又の題経寺に立ち寄った寅次郎は境内で遊ぶ子供たちの様子を見て微笑んでいたが、用事を忘れた子を叱る母親の言葉を聞いてショックを受けた。その母親は「馬鹿みたいに遊んでばかりいると寅さんみたいになっちゃうよ」と言ったのだ。寅次郎は身を隠すようにその場から去った。団子屋とらやの前を気にしながら素通りすると、叔父の竜造や叔母のつね、そしてさくらが笑っているのが見えた。きっと自分を馬鹿にしているに違いないとへそを曲げた寅次郎はとらやに入らず、店の裏にある朝日印刷所へ行き工員を捕まえて毒を吐きまくったのだった。困った社長の桂梅太郎が竜造に助けを求める一方、印刷所で働くさくらの夫の諏訪博は何とか説得を試みた。だが収まりのつかない寅次郎はこっそりととらやの庭に忍び込み会話に耳をそばだてた。するとその様子に気づいたさくらが兄を褒める芝居を皆に指示したことで何とか難局を乗り越えたのだった。反省し博に詫びを入れる寅次郎だったが、心労がたたり体調が悪くなった。とらやに担ぎ込まれひと眠りした寅次郎は人が変わったようにおとなしくなり、鍋を前に彼の口からは今まで済まなかったと謝罪の言葉ばかり。そこに訪ねてきたのは梅太郎から事の顛末を聞いた題経寺の住職の御前様だった。話題は結婚のことに移り、上機嫌の御前様は及ばずながら力になりますと言って帰って行った。翌朝、寅次郎が目覚めるとさくらや竜造たちは既に花嫁探しに出掛けていた。ところが柴又界隈では寅次郎の名前を出すだけで拒絶される始末。夕方になり皆でその話をしているところを寅次郎に聞かれ、ショックを受けた彼はまた喧嘩をして出て行った。
冬枯れた信濃路を旅する寅次郎は世話になった旧家の女主人から伊賀の為三郎のことを聞いた。その男は彼と同業で以前何度か旅先で顔を合わせたことがあった。この夏、為三郎がひょっこりとやってきていつものように旅のよもやま話をしているうちに急に具合が悪くなり、寝込んだまま三日後に亡くなった。身内に連絡をしようにも叶わず、この家で弔ったのだった。墓参りを終えた寅次郎は自分の行く末を重ねた。
屋台的映画館
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