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再会(1975年)

  • posted at:2017-12-17
  • written by:砂月(すなつき)
さいかい
松竹=NPプロダクション
配給:松竹
製作年:1975年
公開日:1975年3月15日 併映「続 愛と誠」 
監督:斎藤耕一
製作:瀬島光雄
企画:西川宗明
脚本:斎藤耕一 仲倉重郎
撮影:坂本典隆
美術:芳野尹孝
音楽:青山八郎
録音:平松時夫
調音:松本隆司
照明:津吹正
編集:杉原よ志
監督助手:仲倉重郎
装置:若林六郎
装飾:磯崎昇
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:峰順一
挿入歌:「何処へ」野口五郎
出演:野口五郎 江波杏子 角ゆり子 佐藤英夫 寺田農
アメリカンビスタ カラー 93分

両親を早くに亡くした村田賢はひと回りほど離れた姉の葉子に育てられた。青年になったある日、その母のように慕う姉が突然ブラジルのサンパウロへ行くことになった。岐阜の柳ケ瀬でホステスとして働く葉子は小沼という五十過ぎの男と出会い恋に落ちた。そして小沼がサンパウロ行きの提案をしたことで今回の運びとなったのだ。だが会ったこともない男を信用出来ない賢は心配になり、駅で見送るどころかアルバイトをサボり同じ列車に乗って横浜までついて行ったのだった。小沼とは港町にあることぶき館という旅館で落ち合うことになっていたが、遅れるという言伝を主人が受けていたため先に部屋で休むことにした。姉との別れの日ということもあって落ち着かない賢は、本当にブラジル行きに船があるのか港へ確かめに行こうと誘ったが、葉子は電話を待つと言って動こうとしなかった。だが最後の日ぐらい付き合ってくれてもいいだろうと言われると従うしかなかった。

二人は港へ行ったがブラジル行きの船は見つからなかった。付近にいる船員に聞いても知らないという。オロオロする姉の姿を見た賢はおかしさを抑えきれなかった。三年前にも同じようなことがあり、好きな男に騙されたと彼の布団で泣いていたことを思い出したのだ。それを聞いた葉子が覚えていないとごまかし再び船を探し始めると、今いる場所とは別の埠頭に停泊していることがわかった。明るい声を張り上げる姉とは裏腹に賢の心は暗く沈んだ。船がなければいいのにという願いは叶わなかった。逸る気持ちを抑えられずに駆け出そうとする葉子と今の時間が長く続けばいいのにと焦らす賢。二人はやがてその埠頭にたどり着いた。ルーゼエベレットという名の船は客船ではなく貨物船だった。作業員から出航日が明日ではなく一日伸びたことを聞いた葉子は確認をするために事務所へ行ったが、そこでは貨物のことはわかっても乗客名簿がなかったため予約の確認をすることが出来なかった。そこでことぶき館に電話を掛けたが、小沼からの連絡はまだなかった。パスポートなどの手続きは三ヶ月前から小沼が準備していることになっているが、賢は彼の姿を見るまでそれを信用するつもりはなかった。

その夜、賢が寝付けないでいると旅館の主人が葉子を呼んだ。小沼から電話が掛かってきたというのだ。彼は電話を盗み聞きし、小沼が警察から追われていることを知った。そんな素性のわからない男と一緒になろうという姉の気持ちがわからなくなった賢は旅館を出て行こうとしたが、その時に口走った「どうせ明日から他人だもんな」という言葉が葉子の心を深く傷つけたのだった。賢は夜の街へ飛び出しディスコで一夜を明かすことに決めた。すると一人の女が近づいてきて踊ろうとステージへ引っ張って行った。

屋台的映画館
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三匹の牝蜂

  • posted at:2017-09-04
  • written by:砂月(すなつき)
さんびきのめすばち
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年6月13日
監督:鳥居元宏
企画:岡田茂 日下部五朗
脚本:中島貞夫 掛札昌裕
撮影:増田敏雄
照明:長谷川武夫
録音:荒川輝彦
美術:雨森義允
音楽:八木正生
編集:神田忠男
助監督:萩原将司
記録:塚越恵江
装置:吉岡茂
装飾:松原邦四郎
美粧:田中利男
結髪:妹尾茂子
衣裳:岩逧保
擬斗:三好郁夫
進行主任:武久芳三
主題歌:「女王蜂のフーガ」和田アキ子
協力:大阪 クラブスワン
出演:大原麗子 渡瀬恒彦 三島のり子 夏純子 市地洋子
アメリカンビスタ カラー 87分

大賑わいの大阪万博の会場へカモを求めてやってきたのは、東京からヒッチハイクでたどり着いた神田サチ子、千葉の団体客からどさくさに紛れて弁当を失敬する藤井美奈、そしてその中の老人に身の上話をして同情を引き金をせびり取ろうとする遠山ハツエの三人だった。その夜、ゴーゴー喫茶で踊っていたサチ子はそこにたむろしている地元の女グループに金を掏り盗られたことに気付き、ボスの美奈に返して欲しいと言った。すると彼女は金がないというサチ子にいい男を世話してやるから自分で稼ぎなと言った。その男というのは一帯のシマを仕切る暴力団・戸田組のチンピラ・三郎だった。サチ子をホテルに連れ込むと先に風呂へ入って彼女を待つ三郎だったが、その気がないサチ子は彼の衣服から金を抜き取り、冷蔵庫からビールをバッグに忍ばせて逃げた。それに気づいた三郎は追い掛けようとしたが、隣室から出てきたカップルに見られたことでバツが悪いため部屋に引っ込んだ。そのカップルとはハツエとあの老人だった。

サチ子からもらった斡旋料が三郎から抜き取った金だと知った美奈は慌てた。何故なら彼女のせいでとばっちりを受けるかもしれないからだ。そのことを知っていたサチ子は、私を匿わないと困るんじゃないのと今夜の宿を要求した。困った美奈はスナックジュンのママ・おすみと相談し、客を引いてきたらしばらくここにいていいということになった。

ある日、何かを企む美奈、サチ子、ハツエがスーパーへやってきた。ハツエは二人に目配せするとふたつのパンを万引きし警備員に捕まった。事務所に連れて行かれたハツエは販売主任の山上義夫から取り調べを受け、何でも言うことを聞くという彼女をホテルに連れ込んだのだった。だがそれは悪女たちの作戦で、会社に知られたら大変なことになるわよと強請ったのだ。翌日、事務所に乗り込んだ美奈とサチ子は脅しをかけて大金をせしめたが、その帰りにショッピングモールで三郎と鉢合わせした。タクシーでのカーチェイスになるものの何とか逃げ切ることに成功した。今回の件で味を占め、さらに儲かることはないかと考えていたところ、サチ子がある提案をした。それはバー荒らしだった。万博で大阪が女不足であることを利用し、支度金だけせしめて逃げるというのだ。それを聞いた美奈は大乗り気で早速実行することになったが、最初に狙ったカーネギークラブのママは警戒心が強く、少額しかもらうことが出来なかった。仕方なく次の手段を考えていると、その店の客の中にハツエが半年ほど前に寝たことがある男がいた。その男の正体が金を払わずに逃げた村上産業の社長だとわかると、翌日美奈とサチ子は妊婦の恰好をさせたハツエとともに会社を訪問した。

屋台的映画館

ザ・タイガース 世界はボクらを待っている

  • posted at:2016-10-22
  • written by:砂月(すなつき)
ざたいがーすせかいはぼくらをまっている
東宝=渡辺プロダクション
配給:東宝
製作年:1968年
公開日:1968年4月10日 併映「ドリフターズですよ! 盗って盗って盗りまくれ」
監督:和田嘉訓
製作:渡辺晋 五明忠人
脚本:田波靖男
撮影:長谷川清
美術:育野重一
録音:吉岡昇
照明:山口虎男
整音:下永尚
音楽:森岡賢一郎 すぎやまこういち
主題歌:「銀河のロマンス」ザ・タイガース
・・・:「君だけに愛を」ザ・タイガース
・・・:「シーサイド・バウンド」ザ・タイガース
・・・:「モナリザの微笑」ザ・タイガース
・・・:「イエロー・キャッツ」ザ・タイガース
・・・:「僕のマリー」ザ・タイガース
・・・:「星のプリンス」ザ・タイガース
・・・:「真赤なジャケット」ザ・タイガース
・・・:「こっちを向いて」ザ・タイガース
・・・:「落葉の物語」ザ・タイガース
雑誌「明星」募集歌:「花の首飾り」ザ・タイガース
監督助手:石田勝心
編集:池田美千子
合成:三瓶一信
現像:東京現像所
製作担当者:坂井靖史
出演:沢田研二 瞳みのる 森本太郎 加橋かつみ 岸部おさみ
シネマスコープ カラー 87分

日本劇場で行われている「新春日劇ウエスタンカーニバル」は超満員に膨れ上がっていた。さらにザ・タイガースが登場すると興奮は最高潮に達した。その頃、地球の近辺で異常が起きていた。アンドロメダの星のシルビイ王女は「星の王子さま」気取りでキザな許婚のナルシス殿下のことが顔を見るのも嫌だった。そんな彼女が気晴らしに地球を一目見たいと言ったことで、侍女のベスはわがままを叶えてやろうと運転手のヘラクレスに命じてやってきたのだ。ところが地球からの強烈な音波が原因で宇宙船が不調になり、砂浜に不時着したのだった。意識を取り戻したベスは船内に王女がいないことに気付くとヘラクレスを起こして事情を説明した。ハッチが開いていたことからシルビイが外へ出たに違いないと確信したヘラクレスだったが、何故か砂浜についていた足跡が途中で消えていたのだ。宇宙船が不時着したことを秘密警察はすぐに嗅ぎつけ長官でもあるナルシスに伝えると、怒り心頭の彼はすぐに連れ帰るよう命じたのだった。そんなこととは露知らず、音楽が聞こえる方へやってきたシルビイは知らず知らずのうちに楽屋に入り込み、出待ちするファンたちの渦に巻き込まれて階段から落ちたのだった。ジュリーは気絶した彼女を抱きかかえるとメンバーとともにバスに乗り込んで病院へ急行したのだった。

探知機を使ってシルビイが入院している東京中央病院の場所を突き止めたベスたちはベッドに寝ている王女を見つけると早く退院するように言った。だが見舞いにやってきたメンバーから暗殺者と間違われて部屋を追い出されたのだった。シルビイは自分がアンドロメダの星からきた王女で、ベスとヘラクレスも仲間であることを話したが、トッポたちは信じようとしなかった。だがジュリーだけはデタラメを言っているとは思えなかった。何故なら彼女の目が真実を語っていると感じたからだった。ベスとヘラクレスが王女を連れ出すことに失敗して宇宙船に戻ると、秘密警察はナルシスの命令で二人を凍結した。

ファンに住所がばれたことで近隣への迷惑を考え引っ越しすることにしたタイガースのメンバー。その準備の最中にやってきたのは警視庁の刑事だった。早瀬はシルビイが負傷した件についてジュリーたちに事情を聞きにきたのだが、アパートの前で待つ大勢のファンの中にいた彼の娘・みどりからジュリーにプレゼントを渡すように言われたことで大騒ぎになり、管理人のおばさんに一喝された。早瀬はタイガースが二度と事件を起こさないように見張ることを課長から命令された。そのことでいらだっていた彼は、家に帰ってからも外から大音量の「僕のマリー」が聞こえてきたことで苦情を言いに行くことにした。ところがそのマンションはタイガースの新居で、一緒についてきたみどりは窓からジュリーの姿が見えるとあまりのうれしさに失神した。

屋台的映画館

サイボーグ009 超銀河伝説

  • posted at:2016-10-17
  • written by:砂月(すなつき)
さいぼーぐぜろぜろないんちょうぎんがでんせつ
東映動画
配給:東映
製作年:1980年
公開日:1980年12月20日 併映「’80アニメーション ザ・ベストテン」
監督:明比正行
製作:渡辺亮徳 今田智憲
原作:石森章太郎
総指揮:石森章太郎
プロデューサー:飯島敬 小湊洋市
脚本:中西隆三
脚本協力:ジェフ・シーガル
作画監督:山口泰弘 
アニメ・キャラクターデザイン:山口泰弘
メカニック作画監督:角田紘一
メカニックデザイン:角田紘一
美術総設定:角田紘一
美術監督:伊藤岩光 海老沢一男
撮影監督:池田重好
編集:千蔵豊
録音:波多野勲
音楽:すぎやまこういち
主題歌:「10億光年の愛」町田義人
挿入歌:「さらばとは言わない」町田義人
挿入歌:「愛はまぼろし」山本百合子
製作担当:横井三郎
声の出演:井上和彦 杉山佳寿子 白石冬美 野田圭一 山田俊司
アメリカンビスタ カラー 130分

ネオ・ブラック・ゴーストとの戦いに勝利したサイボーグ戦士たちはそれぞれの国に戻り平穏な暮らしを送っていた。そして彼らを作り出したアイザック・ギルモア博士も一線から退き、赤ん坊の001=イワン・ウイスキーとともにコズモ博士が所長を務める国際宇宙研究所に居候として身を置いていた。ギルモアはもう自分には関係ないことだと耳を貸さなかったが、コズモは辺り構わず自分の理論を披露した。宇宙の深奥に母源となるべき超エネルギーが存在しており、彼がボルテックスと名付けたその超エネルギーをコントロール出来れば、地球のエネルギー問題が一挙に解決する。そのコントロール理論を完成したというのだ。ギルモアはその話よりもイワンが機嫌を損ねたことの方が気掛かりで、一生懸命にあやした。するとイワンは宇宙の一角からある奇怪な敵がやがて地球にやってくると警告を発した。それは一体何者かとコズモが尋ねると、イワンは「全宇宙の征服を狙う悪の権化・ゾア」と言った。その警告後に研究所直属の有人観測衛星・スペースウォッチコマンドが宇宙船の存在を確認した直後に妨害を受けたことから、ギルモアは緊急事態を解決するためにサイボーグ戦士たちを呼び寄せる苦渋の決断をした。

ギルモアは集まったサイボーグ戦士たちに詫び、地球破壊の手段としてゾアが研究所を目標に降下してきたに違いないと言った。彼らがエレベーターで降下すると、海底には巨大な宇宙船が鎮座していた。そして突如伸びてきたエアトンネルが研究所のハッチにつながると宇宙人が乗り込んできたのだった。009=島村ジョーを始めとするサイボーグ戦士たちが警戒する中、イワンが先方に敵意がないことを告げると宇宙人は礼を言ってバリアを解くとサバと名乗った。彼は母や護衛兵ともに宇宙船イシュメールでコマダー星を脱出したが、間もなくゾアの戦闘群の追跡を受け、防御カプセルに退避していたサバだけが助かった。だが他の乗員は神経組織破戒レーザーを撃ち込まれて命を落としたのだった。船は地球へ到達出来るよう自動航行システムがセットされていたため一人で無事に到達することが出来たのだった。コマダー星は地球によく似た惑星で、かつて探検隊を送ったことがあることから地球を兄弟星と呼んでいた。コマダー星を侵略したのはダガス星の帝王・ゾアの指令を受けた宇宙戦闘機軍団で、宇宙の中心にある超エネルギーの存在を発見し、そのコントロール理論を完成させたサバの父・コルビン博士を誘拐したのだった。彼は父を助けて欲しいと懇願したが、002=ジェット・リンクはとても信じられないと懐疑的な態度を取った。そのとき奇怪な宇宙戦闘機が地球上空の軌道に接近中という緊急連絡がスペースウォッチコマンドから入りその直後に破壊された。すると今度は室内にダガス軍団第一戦闘軍団長・ガロの姿が立体投影され、彼は無駄な抵抗は止めよと警告した。003=フランソワーズ・アルヌールが月へ向かう巨大な物体の存在を察知したことで、ダガスが電波探知が不可能な月の裏側に地球征服の前線基地を建設しようとしていることがわかると、サイボーグ戦士は地球を救うために戦うことを決めた。サバはイシュメールを提供する代わりにコマダー人の敵を取って欲しいと言った。

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三大怪獣 地球最大の決戦

  • posted at:2016-07-30
  • written by:砂月(すなつき)
さんだいかいじゅうちきゅうさいだいのけっせん
東宝
配給:東宝
製作年:1964年
公開日:1964年12月20日 併映「花のお江戸の無責任」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:北猛夫
録音:矢野口文雄
照明:小島正七
音楽:伊福部昭
挿入歌:「幸せを呼ぼう」ザ・ピーナッツ
整音:下永尚
監督助手:佐野健
編集:藤井良平
音響効果:知久長
現像:東京現像所
製作担当者:中村茂
特殊技術・撮影:有川貞昌 富岡素敬
特殊技術・光学撮影:真野田幸雄 徳政義行
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・監督助手:中野昭慶
特殊技術・制作担当者:小池忠司
特技監督:円谷英二
出演:夏木陽介 星由里子 小泉博 志村喬 ザ・ピーナッツ
シネマスコープ カラー 93分

日本は異常気象に見舞われており、1月であるにも関わらず夏日のような暑さだった。地球の各地で数々の異常現象が見られることから、宇宙円盤クラブは特別集会を招集し、ビルの屋上で現象に拘っていると思われる円盤と午前1時半に交信を行ったが、30分が経過しても音沙汰なかった。失敗であることを認めた会長は、番組制作の取材として許可を出した進藤直子が円盤の存在を信用していないからだと彼女の責任にした。そして地球上で起きている現象は只事ではなく銀河系以外の宇宙でも異変は絶えず繰り返すと言うと、直子は今にも地球が爆発しそうですねと皮肉った。一笑に付した会長は、考えられる変事を円盤と交信して確かめ警告するつもりだったと明らかにした。それから間もなくして夜空に無数の流星が現れた。その頃、沖田刑事課長から居残りを命じられた直子の兄で警視庁の刑事の進藤にある任務を与えられた。それは左右両陣営の紛争に巻き込まれているセルジナ公国マアス・ドオリナ・サルノ王女の非公式来日の護衛だった。王位継承者であるサルノ王女を暗殺する計画が持ち上がっている噂があり、反対派から一時的に逃れるための来日ではないかと考えられた。特別機で既に出発していることから、進藤は上司からの命令を断る理由を失った。日本に向かう特別機に乗ったサルノ王女は窓から星空を眺めていた。すると突然上空にまばゆい光が現れ、「ここから逃げなさい」と何者かが心に語り掛けてきたのだ。誰かに導かれるように通路を歩く彼女はやがて脱出口にたどり着くと、勝手に開いた扉から飛び降りた。光が彼方に飛び去ると、それと同時に特別機は爆発を起こし墜落した。

巨大な隕石が黒部ダム付近に落下したことから、帝都工大の村井助教授をリーダーとするチームは調査を行うことになった。目撃した電力会社社員の話で落下地点が黒岳霞沢付近であることがわかったが、ヘリコプターが近づけないほど気流が悪いため徒歩で移動するしかなかった。つり橋を渡り霞沢の位置を確認しようとコンパスを取り出したところ、北西の場所にいるにも拘らず針は何故か北を指していた。それは村井だけでなく他の隊員も同様だった。経験を頼りに前進を続けた結果、前方の谷に隕石らしきものを発見し夕暮れまでにたどり着くことが出来た。ベースキャンプを設営することになったが、準備の最中に隕石が持つ強力な磁場でピッケルが引き寄せられたのだった。

沖田は進藤に警護をする必要がなくなったことを説明した。それを聞いた進藤は、サルノ王女が戦争の犠牲者となったことを嘆いた。その頃、直子が宇宙円盤クラブの取材テープを社内で編集していると、金巻班長が飛び入りのネタだと駆け込んできた。上野に預言者が現れたというのだ。20世紀の神話にぴったりだということで取材を任された直子は、早速インタビューを試みた。男装をしたその女性は金星から来たと言った。そして九州の阿蘇に異変が起こることを予言した。

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