キティ・エンタープライズ=日本ビクター
配給:東宝
製作年:1986年
公開日:1986年11月1日 併映「扉を開けて」
監督:出崎哲 冨永恒雄
企画:落合茂一
プロデューサー:古徳稔
原作:萩尾望都
構成:萩尾望都
脚本:今泉俊昭 小出一巳
作画監督:清水恵蔵
キャラクターデザイン:杉野昭夫 清水恵蔵
美術監督:東潤一
撮影監督:小山信夫
音楽監督:及川禅
録音監督:斯波重治
音楽:福田裕彦
主題歌:「僕のオネスティ」川上進一郎
挿入歌:「とことん I LOVE YOU」河合美智子
声の出演:神谷明 河合美智子 田中秀幸 古川登志夫 玄田哲章
アメリカンビスタ カラー 91分
地球人はワープ航法と反重力を発見したことで飛躍的な宇宙進出を実現させ、200年の間に51の植民惑星を持つに至ったが、自治を望む惑星移民と地球連邦政府との間に小競り合いが続いた。だがある惑星で異星人の廃墟を発見した開拓団が異星人と接触したことで事態は急変。政府は一致団結して対処するために51の植民惑星と話し合いを行い統合政府・テラを発足させた。その後、数世紀に渡る紆余曲折を経てサバ、セグル、ロタの3大国と他の種からなる惑星国家の星間連盟に加盟した。新しい時代を担う優秀な人材を育成するために星間連盟によって創設された「コスモ・アカデミー」は、宇宙学のあらゆる研究ジャンルを持つ宇宙最高の教育機関であり、この大学の卒業生は全ての社会でエリートとしての地位を約束されることから、各惑星から受験者が殺到した。完全防音のカプセルの中にいる受験生の耳に聞こえるのは、解答を打ち出す自分のキーの音だけ。孤独な頭脳との戦いが何時間も続いた。3年毎に行われる入学試験に資格制限はなし。第一次予備試験、合格率0.1パーセント。第二次予備試験、合格率3.7パーセント。最終筆記試験に臨んだ者、7000名。最終テストに進んだ700名は7機のシャトルに均等に振り分けられ、一組10名のグループがテストポイント毎にランダムに選抜される。受験者の一人、タダトス・レーン(タダ)は仲間たちとともに漂流する宇宙船に向かった。テラ系シベリース出身の彼には種族特有の優れた直観力があり、それを生かして入り口のパスワードを解読するとロックを解除してハッチを開けた。部屋に安全確認のランプが灯り一人がヘルメットを取る提案をすると、別の一人がおかしなことを言った。「1人多いぞ!」。
10人のグループの中に11人目がいることがわかり、宇宙船に異様な空気が流れた。誰もこの事態を説明できる者はおらず、いつしか皆誰かを疑った。やがて宇宙船に爆発が起こり、船内は大きな振動に襲われた。さらにその影響で重力場調整装置が故障した。まだお互いの名前を知らない受験生たちはそれぞれの担当を受け持ち、ある者は装置の修復に、ある者はコクピットで爆発箇所の確認を行った。メインコンピューターを作動させ船内図をモニターに映し出すと爆発物がセットされている部分が赤く点滅した。次の爆発までの時間が刻々と迫る中、タダはD回路の切断を命じ危機を回避した。すると本部から最終テストの課題が発表された。それはこの船にクルーとして53日間留まることだった。このミッションを達成すれば全員合格。だが一人でも脱落すれば全員不合格となる。全員で解決不可能な事態が発生した場合はスクランブルボタンを押せばテストは中止となり救援を呼ぶことが出来るが、それ以外は外部との接触は禁止だった。開始からの非常事態に皆浮足立ったが、11人目を捜すよりも優先すべきことがあるとわかると考えを改めた。タダは他のクルー、サバ系アリトスカ・レ出身のマヤ王バセスカ、サバ系アリトスカ・ラ出身のソルダム四世ドリカス、テラ系シュシュ出身のアマゾン・カーナイス、テラ系クエス出身のチャコ・カカ、テラ系ペロマ出身のドルフ・タスタ、サバ系ミス出身のトト・ニ、星系に属さない辺境星ヴェネ出身のフロルベリチェリ・フロル、同じく星系に属さない辺境星ヴィヌドー出身のヴィドメニール・ヌーム、サバ系トレドレーガ出身のガニガス・ガグトス、セグル系灰白色星出身のグレン・グロフに対して直観力を使ったが、嘘をついている者を見つけ出すことは出来なかった。
屋台的映画館
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