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(秘)女郎市場

  • posted at:2023-10-01
  • written by:砂月(すなつき)
まるひじょろういちば
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年9月16日 併映「覗かれた情事」
監督:曽根中生
企画:三浦朗
原作:荒木一郎
脚本:田中陽造
撮影:高村倉太郎
美術:川原資三
録音:木村瑛二
照明:土田守保
編集:山田真司
音楽:多摩零
助監督:浅田真男
色彩計測:関寿之
現像:東洋現像所
製作担当者:天野勝正
出演:片桐夕子 五條博 益富信孝 あべ聖 山口明美
シネマスコープ カラー 70分

東の吉原、西の島原、新宿、品川など宿駅の飯盛旅籠が全盛を極めた文化文政年間、有望な女郎を集めるべく女衒と称する人買いの群れが日本各地を渡り歩いた。ある地方では女衒の手間を省くと称して手頃の娘を一堂に集めて競りに掛けることがあるが、それが俗に言う娘市である。その年も例年通りに市の幟が立ったが、彼らのお眼鏡に適う娘は皆無に等しかった。そんな中、吉原で先祖代々人買い稼業をする十二代目の吉藤次は瘋癲のお新という娘に目をつけた。頭が少し弱く薄汚れた娘に女の味の良し悪しを見させれば日本一と称される吉藤次が五十両の値をつけたことで他の女衒たちは目を白黒させた。吉藤次は彼女が名器の持ち主であることを天眼鏡を使って自分の目で確かめたからだ。

お新を乗せた牛のクロを引いて東海道を上る吉藤次。その横をすり抜けて行くのはお品を三百両で競り落とした女衒仲間だった。躾の厳しい吉原で座敷に上げるのは無理だと今更ながら後悔する吉藤次は品川楼で飯盛女郎をさせることにした。本当に売り物になるんだろうねえと訝る女将のお綱から百両を受け取るとあっしの目玉を信じて下せえと言った。そして風呂で垢を落とすお新を見ながらアホだが肌の艶、乳の丸み、腰の張り具合、おまけにミミズ千匹の持ち主だと説明すると、品定めするお綱はあの体なら千や二千は稼ぎそうだとほくそ笑んだ。

少しでも多く稼ぎたいお綱はその夜からお新を店に出すことにした。綺麗な着物を着せてもらったお新は心の底から喜んだ。吉藤次からおいしいものを腹いっぱい食べて好きなことをして寝るだけで銭がもらえるいい商売だと聞いていた彼女はこれこそこの世の極楽だと思っていた。筆屋の若旦那の相手をすることになった彼女は、お綱からお客の言う通りにして気に入られなければならないと女郎の心得を叩き込まれた。早速座敷に向かうお新だったが、彼女が気になったのは若旦那よりも膳に乗った大好きな芋の煮っ転がしだった。食べていいと言われ口一杯に頬張るとあっという間に平らげた。お床入りとなり心を弾ませる若旦那は持ってきた筆を選り始めるが、男と交わることなど露とも知らないお新は布団で先に寝てしまった。

屋台的映画館
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砂月(すなつき)
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ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

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