東映動画
配給:東映
製作年:1963年
公開日:1963年3月24日
演出:芹川有吾
製作:大川博
企画:吉田信 高橋勇 飯島敬
脚本:池田一朗 飯島敬
動画監修:山本早苗
音楽:伊福部昭
原画監督:森康二
美術:小山礼司
色彩設計:横井三郎
背景:福本智雄 杉本英子 影山勇 千葉秀雄
考証:蕗谷虹児
撮影:石川光明 菅原英明
録音:森武 石井幸夫
編集:稲葉郁三
効果:岩藤龍三
記録:上山英子
演出助手:高畑勲 矢吹公郎
製作進行:松下秀民
主題歌:「母のない子の子守唄」渡部節子
舞踊振付:旗野恵美
声の出演:住田知仁 岡田由記子 九里千春 山内雅人 川久保潔
シネマスコープ カラー 86分
遠い遠い昔の神様の時代、アメノミナカヌシはイザナギとイザナミに地上を固めて皆が楽しく暮らせる国を造るように命じた。早速イザナギはイザナミとともに天の浮き橋から大きな矛で下界を掻き回した。矛を上げるとその先から滴が落ちていくつもの島が出来た。そのうちの一つのオノゴロ島にはスサノオというわんぱくな少年がおり、その腕っぷしはトラのタロウを打ち負かしてしまう程だった。そんなスサノオを母・イザナミは、男の子は力が強いだけではなく優しい心も持たなければいけないと諭した。ある日、突然イザナミが亡くなり、父・イザナギは彼女が一人で黄泉の国に旅立ったとスサノオに説明した。死について理解の出来ないスサノオは母に会いに行こうとするが、イザナギに叱られ浜辺で一晩中泣いた。泣き疲れて眠ると夢の中にイザナミが現れ、これからは自分の力で生きて行かなくてはならないと勾玉を与えた。それが余計に母への思いを強くし、夢から覚めると海を渡るための舟を作り始めたのだ。まず夜の食国で兄のツクヨミと、高天原で姉のアマテラスと会う。そして東へ進み母の国へと向かうのだ。興味本位で動物たちは集まってきたが、行き先が黄泉の国だとわかると皆尻込みした。だがウサギのアカハナだけは強がって参加することに決めた。
舟が完成するとスサノオはアカハナを連れて旅に出た。その様子を高台から眺めていたイザナギは、夢を追ってどこまでも行ってみるがよいと静かに見守った。舟が大海原へ出ると突如空に暗雲が立ち込め巨大な波がスサノオを襲った。波はこの海域に棲む怪魚アクルの仕業だった。水中に潜ったスサノオはアクルを拳で一撃し、向かってきたところをひらりと交わした。そして再び向かってきたところを剣で一閃し戦いに勝利した。スサノオとアカハナが転覆した舟を元に戻そうとしていたところ、凶暴なアクルに手を焼いていた海の神ワダツミが現れ、お礼として夜の食国へ連れて行った。夜の食国は海の底のその下にあり、黄泉比良坂という洞窟がその入り口となっていた。スサノオたちが奥へ進んで行くと氷で出来た宮殿があり、門まできたが戦いの大臣から拒絶された。怒ったスサノオが傍にあった氷柱をへし折って門に投げつけると、脅威を感じた大臣はツクヨミから借りた氷の鏡の力で彼を氷漬けにしたのだった。ツクヨミの不思議な力によってスサノオは元の姿に戻ったが、怒りが治まらない彼は再び大暴れした。そんな弟に呆れたツクヨミは見えない力で壊れた箇所を修復すると、何をしにきたのかとスサノオに尋ねた。そして母がいる国へ行く途中だとわかると、お前の行ける国ではないから諦めて父のもとへ帰れと忠告した。それを聞いたスサノオは怒って部屋を出て行ったが、ツクヨミは残されたアカハナに何か困ったことがあったらこれを使いなさいと氷の玉を渡した。
屋台的映画館
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