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運が良けりゃ

  • posted at:2019-12-08
  • written by:砂月(すなつき)
うんがよけりゃ
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1966年
公開日:1966年3月19日 併映「涙の連絡船」
監督:山田洋次
製作:脇田茂
監修:安藤鶴夫
原案:山内久
脚本:山田洋次
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:津吹正
編集:浦岡敬一
録音:小尾幸魚
調音:佐藤広文
音楽:山本直純
監督助手:大嶺俊順
進行:堀田章
衣裳デザイン:柳生悦子
現像:東洋現像所
製作主任:沼尾鈞
出演:ハナ肇 犬塚弘 倍賞千恵子 藤田まこと 桜井センリ
シネマスコープ カラー 91分

江戸天明の春。飢饉は全国にあいつぎ、物価の上昇は天井知らず。悪徳役人は天下にはびこり、民の暮らしはまことに苦しかった。ある夜、向島山谷堀の裏長屋に住む大工の熊さんと相棒のハっつあんが花札賭博で大損し身包みはがされて帰ってくると、クズ屋の久六が今にも井戸に飛び込んで命を絶とうとしていた。二人に気づいた久六は娘を身売りするような甲斐性のない親だから止めないでくれと懇願したが、熊さんは止めやしないから早くやれと手頃な石を渡した。そして手助けしてやろうと二人で背中を押すと、久六は踏ん張って「人殺し!」と叫んだ。するとその声を聞いた久六の女房が飛んできてうちのひとに何するんだとすごい剣幕で怒鳴りつけたのだ。熊さんは娘を売るたびに身投げした日にゃ命がいくつあっても足りねえや捨て台詞を残して去ったが、それは乱暴だが彼らなりの人助けの手段だった。

雨が降ると大工は仕事が休みになる。そうなると長屋の男たちは熊さんの部屋に集まるのが常だった。金がないからやることもなし。だが熊さんは千住辺りに繰り出して金を使わずにどんちゃん騒ぎをする算段を朝から考えていたのだ。それには目つきが良くて何処となく鷹揚で金をしこたま持っているような人物が必要だったが、たまたま近江屋の若旦那七三郎が訪ねてきたことで役者が揃った。早速着替えて遊郭へ乗り込むと飲めや唄えで遊びつくした。

翌朝、ツケ馬の番頭がやってくると棟梁の七三郎が財布を出しなと手を出した。するとハっつあんはないと言った。棟梁のかみさんから金がいることがあるなら取りにおいでと言われていたが、飲み過ぎてつい忘れていたのだ。熊さんはそんなハっつあんを懲らしめようとしたが、それを止めた七三郎は番頭に馬一頭と若い者を寄越して欲しいと言った。そうすれば家に着いたときに勘定を払うと言ったが番頭は納得しなかった。そこへ熊さんが助け舟を出し、棟梁のかみさんは遣いにきた人には小遣いだけでなく、時には帯の一本や羽織の一枚でも手土産として持たせるわかったお人だと言った。すると七三郎がヤケを起こし、どうせ三百両の建て替えの仕事を逃すんだったらもう一晩騒ごうじゃねえかと怒鳴った。その様子に困惑した番頭は自分がお供をすると言った。そうなると話が早い。帰り支度を手早く済ますと一行は番頭を引き連れて遊郭を後にした。父親が米相場で大儲けした金を女郎に貸し付ける阿漕な高利貸しを番頭がしていることを道中に知った熊さんは、バチが当たっても仕方ねえやとほくそ笑んだ。

屋台的映画館
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砂月(すなつき)
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ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

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