日活
配給:日活
製作年:1961年
公開日:1961年1月9日 併映「刑事物語 ジャズは狂っちゃいねえ」
監督:山崎徳次郎
企画:岩井金男
原案:山崎忠昭
脚本:池田一朗 長谷部安春 加藤新二
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
録音:橋本文雄
美術:木村威夫
編集:鈴木晄
助監督:鍛冶昇
特殊技術:天羽四郎
色彩計測:安藤庄平
現像:東洋現像所
製作主任:松吉信幸
音楽:山本直純
主題歌:「風は海から吹いて来る」赤木圭一郎
・・・:「俺の血が騒ぐ」赤木圭一郎
技斗:高瀬将敏
出演:赤木圭一郎 笹森礼子 沢本忠雄 阿部徹 小沢栄太郎
シネマスコープ カラー 86分
商船学校の練習船「海洋丸」が国籍不明の貨物船を発見した。漂流しているような進み方をしているため無電で呼びかけたが応答はなく、人影も見えないことから直接乗り込んで調査することになった。教官とともに行動する訓練生は船内を捜索したが乗組員は見つからず、ブリッジに上るとその船の船長と背広の男の死体が横たわっていた。背広の男の傍に拳銃が転がっていたことで只事ではないと考えた教官は練習船に発光信号で船内の様子を伝え、帰船命令が出ると引き揚げることにしたのだが、訓練生の笠原明の姿が見当たらず船内中を捜した。その際ブリッジにあったはずの二つの死体が消えており、明は機関室付近で発見された。教官が帰船し船長に報告を行っていると轟音が空気を震わせた。貨物船は突如爆発を起こし海へ沈んで行ったのだった。
長い航海を終えて日本に戻ってきた笠原邦夫を迎えたのは弟の明と邦夫の許婚の宮沢節子だった。邦夫の父親は麻薬密売事件に巻き込まれて殺された。警察は彼を容疑者の一人としてピックアップし麻薬密売人同士の仲間割れ事件として処理したが、真相がわからないまま既に2年が経過していた。だが邦夫は父を無実だと信じており、殺害に使われた拳銃と同じリボルバー38口径をシンガポールで手に入れたことでいつかそれで犯人に復讐しようと考えていたのだった。父親の死後、30年間勤め上げた会社からは退職金を支給しない程に冷遇され、邦夫たちは世間から冷たい目で見られる辛い日々を過ごしたのだ。そんな彼らを叔父に当たる船医の宮沢浩平が引き取り節子と差をつけないように暮らしたが、邦夫は自らの計画を実行するために商船学校を辞め明を残して船乗りになったのだった。
その夜、浩平の妻・光枝が作った手料理に舌鼓を打つ邦夫だったが、いくら待っても明が帰ってこないことを不審に思い節子から彼が一番親しくしている友人の名前を聞き出した。高校時代によく家に遊びにきていた布川という同級生の下宿を訪ね、バー・エルムに入り浸っているという情報を得た邦夫は早速そこへ向かった。明を無理に連れて帰ろうとする邦夫を止めたのは布川で、あなたは僕らの絶望感はわからないんだと言った。こいつまで巻き込まないでくれと邦夫が言い返すと面倒なことになりたくない明は店を出て行こうとした。するとトラブル好きな客がケンカを売ってきたことで店内は大騒動になった。そこに現れたのは健次という常連の客で、邦夫とともに悪漢たちを叩きのめしたのだった。この傷害事件は会社にも知られることになり、翌日呼び出しを受けた彼はひと月の間、船員手帳を没収された。
屋台的映画館
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