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男はつらいよ 寅次郎子守唄

  • posted at:2021-02-13
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうこもりうた
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1974年
公開日:1974年12月28日 併映「ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!! 」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:内藤誠
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 十朱幸代 前田吟 太宰久雄
アメリカンビスタ カラー 104分

夫の博が仕事中に怪我をしたと聞き慌てて帰ってきたさくらは運ばれたという2丁目の吉田病院に向かった。どうやら印刷機械に右手を巻き込まれたらしい。叔父の竜造は心配で仕事が手に着かず、叔母のつねは居ても立っても居られず柴又題経寺に御参りに行った。その甲斐あってか怪我は軽傷で済み博は一笑に付したが、社長の桂梅太郎は責任を感じていた。その夜、お見舞いの品を持って現れた御前様は、この家の大黒柱なのだから体に気をつけなさいと言った。だが諏訪家の人間であることを思い出し謝罪すると、竜造はとらやを継いでくれることになればそうなるのですが彼には彼なりの事情がありますと説明した。そして跡取りはいることはいるのですがと言葉を濁した。それが寅次郎のことだとわかると御前様はそれは困ったと笑った。そこに突然その張本人がふらりと現れたことで御前様は元気で何よりだと冗談めかして帰って行った。博が怪我をしていることに気づきあんな工場辞めちまえと暴言を吐く寅次郎に、竜造は将来のことについて少しは考えて欲しいと言った。すると寅次郎は、死んだあとのことを考えて自分の葬式代を貯めていると明かした。その話を聞いたさくらたちは少しばかり見直したのだが、葬式のあり方をふざけて話したことで部屋の雰囲気が悪くなった。真面目に聞いていた竜造は馬鹿馬鹿しくなり、口論の末に寅次郎は出て行った。その際に彼は、博の治療代の足しにしろとさくらに貯金通帳を手渡した。

唐津くんちで盛り上がる秋の唐津神社に寅次郎の姿があった。祭りの屋台での啖呵売を終え呼子の港であんパンをかじっていると妙なカップルと出会った。女はストリップ小屋「呼子ショー劇場」の踊り子で、男はその小屋で働いていた元踊り子の亭主だった。赤ん坊を押しつけられた男は逃げた女房の手掛かりを捜して呼子へきたのだが空振りに終わったのだ。男が渡船に乗って岸を離れると、踊り子は頼りない親父だよと寅次郎に笑いながら話し掛けた。その夜、寅次郎が旅館に泊まってくつろいでいると隣の部屋から聞き覚えのある関西弁の声が聞こえた。それは泣き止まない赤ん坊に手を焼くあの男だった。寅次郎はガラリと襖を開けると一人じゃ酒がうまくないと声を掛け一緒に飲もうと誘った。

病院から帰った博はあと2、3日で包帯が取れるとさくらに話し、美人の看護師に会えなくなるのが寂しいと冗談を言った。それを聞いたつねは、寅次郎だったら仮病を使ってきっと長引かせるだろうと笑った。そんな矢先、その寅次郎が赤ん坊を背負って現れた。男は彼に赤ん坊を押しつけ夜が明ける前に姿を眩ましたのだ。寅次郎に子供が出来たという噂は柴又中に忽ち広がった。

屋台的映画館
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