忍者ブログ

金田一耕助の冒険

  • posted at:2023-11-21
  • written by:砂月(すなつき)
きんだいちこうすけのぼうけん
角川春樹事務所
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年7月14日
監督:大林宣彦
製作:角川春樹
プロデューサー:元村武
原作:横溝正史
脚本:斎藤耕一 中野顕彰
ダイアローグライター:つかこうへい
撮影:木村大作
美術:薩谷和夫
照明:小島真二
録音:宮永晋
編集:井上親弥
記録:黒岩美穂子
助監督:猪崎宣昭
製作担当者:水野洋介
ファッションコーディネーター:吉田叡子
プロデューサー補:高橋速円
音楽:小林克己
ストリングスアレンジャー:小田健二郎
主題歌:「金田一耕助の冒険 青春編」センチメンタル・シティ・ロマンス&村岡雄治
・・・:「金田一耕助の冒険 サーカス編」センチメンタル・シティ・ロマンス&村岡雄治
製作協力:三船プロダクション 角川書店
出演:古谷一行 田中邦衛 熊谷美由紀 岡田茉莉子 夏木勲
アメリカンビスタ カラー 113分

数々の難事件を解決しその活躍が小説や映画、テレビなどで報じられたことで一躍時の人となった探偵の金田一耕助。引っ張りだこの彼はポスター撮影など毎日忙しい生活を送っている。そんな彼につき合わされているのは盟友の等々力警部だった。現代社会では謎が謎を呼ぶような怪事件がめっきりと減り、退屈に感じていた金田一が昔いたアメリカへでもまた行ってみようかと考えながら病院坂を下っていたところローラースケートの集団に囲まれアジトに連れて行かれた。そこは泥棒集団「ポパイ」の隠れ家で所狭しと盗品が並べられていた。リーダーのマリアは金田一の大ファンで彼が活躍した小説を全て読んでいた。マリアはどうしても気になることがあると言って一冊の文庫本を渡した。「金田一耕助の冒険」は推理小説の短編集だが、その中に一つだけ事件が解決していない「瞳の中の女」を示し、「ひとつくらいこんな話もいいではありませんか」と最後に言ったことに不満を漏らした。そしてこれをどう思うかとメンバーが盗んできた曰くありげな物を見せると金田一の目の色が変わった。それは未解決事件の鍵を握る不二子像の首だった。驚く金田一にマリアはもう一つ見せたいものがあると言った。それはあるおっちょこちょいの監督が20年前に内容を知らずに撮った未完成の映画だった。マリアが事件の解決を依頼すると金田一は渋々了承した。するとサイレン音が聞え警察が踏み込んできたためマリアはたちはそそくさと逃げ出したが、一人残された金田一は等々力と鉢合わせした。こんなところで一体何をしているのかと問われた金田一は全く偶然にとしか答えられなかった。

それから数日後、石膏像が何者かに盗まれた。犯人がローラースケートの靴を履いていたことからポパイがからかったに違いないと金田一は考えたが、マリアは身に覚えがないと言った。不二子像の首を欲しがっているのがもう一人いることがわかると、金田一は現在の不二子像の持ち主である美術評論家の古垣和哉を訪ねることにした。古垣は不二子像の作者である灰田太三の遺志をそのまま受け継いで昔通りに保管しているといわれていたからだ。金田一は等々力を引き連れて古垣邸に向かうが古垣は関西に出張していなかった。そこで庭の手入れをしていた召使いのたねに最近盗難に遭ったようなことはなかったかと尋ねると、何故か彼女は急いで邸に戻ろうとした。

屋台的映画館
PR

喜劇 初詣列車

  • posted at:2023-07-15
  • written by:砂月(すなつき)
きげきはつもうでれっしゃ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1968年
公開日:1968年1月3日 併映「人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊」
監督:瀬川昌治
製作:大川博
企画:秋田亨 加茂秀男
脚本:舟橋和郎
撮影:西川庄衛
録音:井上賢三
照明:元持秀雄
美術:北川弘
編集:祖田冨美夫
助監督:高桑信
進行主任:伊藤源郎
現像:東映化学工業株式会社
音楽:木下忠司
挿入歌:「新潟ブルース」トシ伊藤とザ・プレイズメン
出演:渥美清 佐久間良子 中村玉緒 川崎敬三 城野ゆき
シネマスコープ カラー 91分

スキー客で混み合う上野発新潟行の国鉄急行越路。その車両の中で孤軍奮闘するのは車掌の上田新作だった。今年から上越線に勤務することになったことを機会に、週に2回ほど故郷の新潟に帰ることにしている。越後湯沢駅で大人数のスキー客を降ろすと車内は一転物静かになる。新作が検札に回っていると小学校時代に一緒に過ごした幼馴染の坂本美和子と再会した。窓の外は雪景色から街中の風景へと変わりやがて新潟駅に到着した。

勤務を終え旅館に泊まった新作はその夜、先輩車掌の野々宮太平と古町通りの繁華街に繰り出した。新作から新潟美人がより取り見取りと聞き野々宮は心をときめかすが、入ったクラブ・カトレヤは話とまるで違った。もてないし、やってきたホステスの春子は美人と言うには程遠かった。気分を害した野々宮が早く出ようと急かしていると、店の奥で何やらトラブルが起きていた。酔った高齢の客が着物姿のホステスにしつこく絡んでいるのだ。新作はそのホステスが美和子だとわかると車掌の経験を活かして収めようと試み、野々宮は自分が時間を稼いでいる間に二人を外へ逃がそうとした。ところが偶然そこでぽん太という芸者と再会した。騒動が収まると彼女は野々宮を料亭へ連れて行き昔話に花を咲かせた。二人が知り合ったのは野々宮が2年前に東北線で車掌をしていた時で、酔ったぽん太を介抱したことがきっかけだった。その後、忘年会のお座敷でバッタリ会ったことを野々宮は単なる偶然だと思っていたが、ぽん太は運命だと一方的に考えていたのだ。今回の再会もその運命のうちの一つだと考えており、野々宮はつきまとわれてはたまらないと懸命にはぐらかそうとした。一方、新作は悪酔いした美和子を連れて彼女のアパートへ向かった。介抱し布団に寝かせると、新作はその寝顔を見て子供の頃を思い出した。やがて美和子が目を覚ますと気を利かせて電気ストーブをつけようとするが、電気コードのプラグがショートし停電になった。棚の上にあるろうそくに火を点けて部屋が明るくなると美和子はお礼を言い、学校時代の友達に知られるのが一番つらいから私が芸者であることは誰にも言わないでくださいねと言った。そして震災の時に両親と兄を亡くしたこと、ともに生き抜いてきた弟の研吉が半年ほど前から行方不明になっていることを話すと、新作は僕が捜し出します安請け合いした。

屋台的映画館

喜劇 団体列車

  • posted at:2023-06-17
  • written by:砂月(すなつき)
きげきだんたいれっしゃ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年11月12日 併映「旅路」
監督:瀬川昌治
製作:大川博
企画:秋田亨 加茂秀男
脚本:舟橋和郎
撮影:坪井誠
録音:小松忠之
照明:元持秀雄
美術:北川弘
編集:祖田冨美夫
助監督:三堀篤
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業株式会社
音楽:木下忠司
挿入歌:「駅弁小唄」東ひかり
協力:奥道後国際観光 日本国有鉄道 四国支社
出演:渥美清 佐久間良子 小沢昭一 笠智衆 城野ゆき
シネマスコープ カラー 91分

愛媛県の奥道後温泉に行くには国鉄伊予和田駅からバスに乗り換えるのがとても便利だ。その伊予和田駅に勤務する山川彦一は30歳で未だ独身。母・お杉が営む実家の山川雑貨店から毎日自転車で通っている。国鉄のローカル線は何処も赤字を抱えており、先日行われた現場長会議ではそれを克服するための増資運動の徹底が強調された。それは伊予和田駅も同じで、駅長の倉持は大型連休の期間に当たるこの4、5月の多客期が大事だと訓示した。ある日、改札業務を行っていた彦一は到着した列車の車掌から迷子を引き渡されたが、手掛かりはその子が志村敬一という名前であることと住んでいるのが城のある所とだけしかわからなかった。彦一は彼を連れて松山駅へ行くが同期の太宰淳一によると捜索願は出ていないという。とりあえず腹ごしらえをするためにうどん屋に入ったが、その時の会話で敬一が母子家庭であることとその母親が学校の先生をしていること、そして住んでいる場所が宇和島であることが新たにわかった。宇和島駅の駅長たちの尽力により敬一の母親と連絡を取ることが出来た。彦一は倉持に電話を掛け折り返しの列車で帰ることを伝えると敬一に別れを告げたが、彼を迎えにきた美しい母・小百合を見て気が変わった。お礼を言いたいいう小百合の厚意に甘えて自宅を訪ねると、彼女の母・すみ江が昼食を用意してくれていた。食事をしながら会話をするうちに彦一は小百合が心の優しい人だと思った。

ある日曜日、彦一が朝食を取っていると了賢和尚が昨夜きたとお杉が言った。何事かと尋ねるとどうやら見合いの話らしい。その相手というのが駅長の娘とのことだが 過去に三度試験に落ちている彼は助役になるまで結婚しないと決めていた。お杉がその話をしつこくしてくるため食事を途中で切り上げると四国団体旅行募集のポスターを貼りに出掛けた。彦一が最初に向かったのは叔父の風間八五郎が営む理髪店だったが、お杉が見合い話を進めるように頼んだのが彼だった。八五郎は彦一を椅子に強引に座らせると髪型を整え、了賢が旅行のことで相談があるらしいと嘘をつき寺へ向かわせた。そこで待っていたのは日高友造とその娘の邦子だった。友造は42年間勤めていた国鉄を定年になり、今はロープウェイの駅長をしていた。これが見合いとは知らずにざっくばらんに父と話す彦一に邦子は好感を持った。

屋台的映画館

喜劇 急行列車

  • posted at:2023-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
きげききゅうこうれっしゃ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年6月3日 併映「あゝ同期の桜」
監督:瀬川昌治
製作:大川博
企画:秋田亨 加茂秀男
脚本:舟橋和郎
撮影:飯村雅彦
録音:小松忠之
照明:元持秀雄
美術:北川弘
編集:祖田冨美夫
助監督:山口和彦
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業株式会社
音楽:木下忠司
協力:日本国有鉄道
出演:渥美清 西村晃 小沢昭一 江原真二郎 大原麗子
シネマスコープ カラー 90分

国鉄東京車掌区で専務車掌を務める青木吾一は17時発佐世保・長崎行きの寝台特急さくら号に乗務した。横浜駅を過ぎ一段落したところで弁当箱を広げると、車掌室に一人の老人が訪ねてきた。その老人は東北・気仙沼で蒸気機関車の機関士をしていたのだという。それを聞いた吾一は気仙沼線の陸前階上駅で働いていた時のことを思い出した。17歳だった彼が駅員となって初めて着任したのが陸前階上駅であり、もしかして会っていたかもしれないと考えると感慨深いものがあった。久しぶりの東北訛りを聞いてうれしくなった吾一は、土産話として一等寝台車を見せて欲しいという願いを叶えることにした。

乗車券の確認をする時間になり吾一が車内を巡回していると、乗客の中に憧れの人がいることに驚いた。横須賀線で車掌をしていた際に塚田毬子に一目惚れし、学生として鎌倉ー東京間を往復する彼女と毎日会えることを楽しみにしていたのだった。ドキドキしながら乗務員室に戻った吾一はその時のことを思い出しながら独り言を呟いていたが、マイクのスイッチが入ったままになっていることに気づかずその声が車内に流れたのだった。慌てた同僚が指摘をすると吾一はどうしようと落ち込んだ。だがすぐに思い直し、自分が書いた小説の一節を朗読したことにしてその場を収めた。乗客が就寝の準備を始めた頃、毬子は吾一に電報を打って欲しいと頼んだ。電文の文字数を確認する際にそれが夫と離別する内容だと知った彼は考え直した方がいいと諭すが毬子の決意は固かった。

早朝、列車が徳山駅に着いた頃、乗客のホステス5人組が騒ぎだした。指輪などのアクセサリーが盗まれたというのだ。他にも盗られた者がいるのではないかと考えた吾一は聞き取りを行うと、その時間に眠れなかった毬子がスリの犯行を目撃したと証言した。岡山を発車したくらいに男が廊下をウロウロした後、隣の車両に行ったというのだ。顔は暗くて良く見えなかったが特徴は覚えていた。そこで吾一が男の向かった車両へ何事もなかったように彼女を歩かせると、毬子は一号車の中ほどまで行ったところで合図を送った。列車が門司駅に到着すると鉄道公安職員が乗り込み男の取り調べを行ったが盗品は出てこなかった。だが不審な動きをした女を調べたところ、犬のケージバッグからアクセサリーが見つかった。二人は示し合わせて悪事を働いていたのだ。

屋台的映画館

きらきらひかる

  • posted at:2022-11-22
  • written by:砂月(すなつき)
きらきらひかる
フジテレビジョン
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
製作年:1992年
公開日:1992年10月24日
監督:松岡錠司
製作:村上光一
企画:堀口壽一
プロデューサー:河井真也 梅川治男
プロデューサー補:池田知樹
原作:江國香織
脚本:松岡錠司
音楽:茂野雅道
撮影:笠松則通
照明:水野研一
美術:遠藤光男
録音:菊地進平
編集:岸真理
助監督:大原盛雄
製作担当:丸山昌夫
企画:スペースボンド
制作:ティンダーボックス
出演:薬師丸ひろ子 豊川悦司 筒井道隆 土屋久美子 柴田理恵
アメリカンビスタ カラー 103分

イタリア語の翻訳の仕事を始めて間もない香山笑子は情緒不安定気味で精神科に通っていた。医師から明らかな異常は認められないというお墨付きをもらった彼女は母・千秋から見合いの話を聞いた。相手は岸田睦月という医師で、笑子は写真をチラリと見ていいんじゃないのと素っ気なく答えた。翌日、見合い会場で睦月と会ったが笑子はしゃべらなかった。何故なら彼が話し掛けてこなかったからだ。それだけの理由で口論が始まったが、それがきっかけとなってお互いが相手のことを知ろうと探り始めた。笑子は自分が悪者になったまま別れようとしたが、結局出来ずに通院していたことを打ち明けた。すると睦月も男としか付き合えないから独身なんだと打ち明けた。心の秘め事を開放して気持ちが楽になった二人は納得して結婚に踏み切った。新婚生活が始まったが二人の寝室は別だった。睦月が寝静まると笑子は自分の部屋へ行き仕事を始めた。仕事を円滑に進めるためにはクラシック音楽とアルコールが必須だったが、それは明け方まで続いた。笑子が目覚めると睦月は既に出勤していたが、テーブルには朝食が用意されていた。それを食べて出版社に出掛けると、原稿を読んだ社長からいつまでもアルバイト扱いするわけには行かないから1年契約をしませんかと提案された。しかも全てのイタリア本を任せると言われ驚きを隠せなかった。駆け出しの彼女にとってこんなにもうれしいことはなかった。

数日後、二人は近所のファミリーレストランに車で出掛けた。笑子の提案で睦月の恋人の藤島紺と会うことになっていたが、何度電話を掛けても出なかった。笑子は気を遣い、家まで歩いて帰るからアパートまで行ってあげたらと言った。向こうが約束をすっぽかしたのだから何の心配もいらないと睦月は言うが、笑子は頑なに譲らなかった。仕方なく彼女が言う通りにアパートへ向かうと部屋には鍵が掛かっていなかった。紺が出掛けていたため、いつものように部屋を片付けると干してあった洗濯物を取り込んで畳んだ。家に帰ると笑子はグラスを脇に置いたベッドで寝ていた。優しく起こした睦月は飲んでもいいけど程々にしないと体に良くないと忠告した。カチンときた笑子が保護者ヅラしないでと反論すると、睦月は保護者代わりに旦那になる程お人好しじゃないと言った。

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

P R

 

フリーエリア