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喜劇 誘惑旅行

  • posted at:2016-07-03
  • written by:砂月(すなつき)
きげきゆうわくりょこう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1972年
公開日:1972年2月5日 併映「喜劇 女売出します」
監督:瀬川昌治
製作:樋口清
脚本:下飯坂菊馬 瀬川昌治
撮影:丸山恵司
美術:熊谷正雄
音楽:いずみたく
録音:平松時夫
調音:小尾幸魚
照明:佐久間丈彦
編集:太田和夫
監督助手:増田彬
装置:石渡敬之助
装飾:磯崎昇
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:峰順一
製作主任:峰順一
挿入歌:「恋ごよみ」安倍律子
振付:篠井世津子
装飾提供:四谷マブハイ
衣裳提供:伊勢丹
協力:フィリピン航空 阪急交通社フィルパック マニラヒルトン
出演:フランキー堺 倍賞千恵子 森田健作 尾崎奈々 川口まさみ
アメリカンビスタ カラー 93分

優勝賞品が海外旅行の人気テレビ番組「アベックアップダウンクイズ」に出演した大沢夫妻。頼りない夫の泰三に替わって妻の弘子が孤軍奮闘し、優勝とともにフィリピン周遊券1週間分と賞金10万円を獲得した。新幹線ひかり号の専務車掌を務める泰三は翌日から現地女性にもてるためのタガログ語を勉強し始め、車掌室にまでテキストを持ち込んでいた。仕事を終えた彼が帰宅すると、弘子が旅行用小遣い10万円を稼ぐために出場するKTV「ジャンボクイズ」対策の勉強を必死になって行っていた。会社でもらった餞別を渡すと、弘子はもし賞金がもらえたらこの分は貯金しましょうねと言った。「一人じゃそんなにいらないだろうし」。その言葉に疑問を持った泰三が聞きなおすと、スポンサーの日南商事がドルショックの影響で経費を削らなければならなくなったため、今回から賞品は一人分になったと収録後で決まったのだという。曾祖母の妹がフィリピンに住んでいたこともあり、例え一人になっても自分が行くのが当然だと考えていた泰三は、餞別の他に休暇手続きまでしてきた俺の顔を潰してまで行きたいのかと主張したが、内職として始めたクイズの回答で獲得したステレオやカラーテレビなどのことを持ち出されるとぐうの音も出なかった。その日、夜遅く訪ねてきたのはフィリピン航空の客室乗務員・マリだった。弘子が羽田―マニラライン開設10万人目の乗客として選ばれたため、大沢夫妻を1週間のツアーに招待するというのだ。泰三は突然の出来事に言葉を失い号泣した。

海外旅行が初めての二人は飛行機に乗るのも初めてだった。旅行当日、新幹線の自由席のつもりで空いている席に座ろうとする弘子を注意する泰三だったが、やはり慣れない環境にあたふたした。そうこうしているうちに彼は後ろの席に見知った顔の女性がいることに気付いた。彼女の名前は清美といい、先日車中で切符の払い戻しをした際に話し込んだのだ。民族衣装の研究でフィリピンへ行くという清美と話を弾ませる泰三の姿を見て弘子は嫉妬した。やがて飛行機はマニラ国際空港に到着した。マリは会社の車を探すのでこの場所で待つように二人に言い、くれぐれも悪質な客引きには注意するようにと忠告した。泰三はそこいらにいる女性の姿をカメラに収め始めたが、人相の悪い男と目が合い近寄ってきたので慌てて目を逸らした。その男は日南商事のマニラ駐在員の三宅で、本社からの命令で弘子を迎えにきたのだ。早速ホテルへ行きましょうと言うので泰三もついて行こうとしたのだが、御主人を接待しろとは聞いていないと冷たくあしらわれた。戻って来たマリは夫婦を別々に行動させる日南商事のやり方に怒りを感じ二人を連れて行こうとしたが、泰三は強引な客引きの被害に遭っている清美の姿を見つけ助けに行った。それを見てやきもちを焼いた弘美は三宅について行ってしまった。

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九ちゃん 刀を抜いて

  • posted at:2016-06-17
  • written by:砂月(すなつき)
きゅうちゃんかたなをぬいて
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1963年
公開日:1963年8月31日 併映「海軍」
監督:マキノ雅弘
企画:小川貴也 佐伯明
原作:岡本一平
脚本:城のぼる 吉川透
撮影:山岸長樹
照明:前田光秋
録音:矢部吉三
美術:吉村晟
編集:宮本信太郎
構成:永六輔
音楽:中村八大
助監督:山内鉄也
記録:国定淑子
装飾:前川宗太郎
装置:星益雄
美粧:佐々木義一
結髪:西野艶子
衣裳:豊中健
擬斗:島義一
進行主任:並河正夫
協力:マナセ・プロダクション
主題歌:「九ちゃん 刀を抜いて」坂本九 ダニー飯田とパラダイスキング
出演:坂本九 南田洋子 大村文武 原田甲子郎 西村晃
シネマスコープ カラー 99分

人間が好きなことは何でも人一倍好きだが、その好きなことをするまでの骨折りが好きになれない無精者の三五郎。そんな彼に手を焼いていた父・勘兵衛は、このままでは親子三人飢え死にしてしまうことから、彼を置き去りにして夜逃げしようかと呟いた。それを聞いた母・お才は、若い者が年寄りを置き去りにする話は聞いたことがあるが、そんな話は聞いたことがないと呆れた。この広い世間には無精者でも何か一つぐらいありそうなもんだ。おらに似て器量良し、いい思いをするのが好きで無精者、そしていい男のやれる商売はなんだべとお才が聞くと、勘兵衛はしばらく考えて大名だなと答えた。だが茶店の倅が大名になることなど不可能でしかなかった。お才は役者を提案したが、芸を励まなければならないから奴には向かないと否定した。次に勘兵衛が提案したのは侠客だった。侠客なら幡随院長兵衛のようなピンから端くれのキリまでいるし見かけが立派なら大丈夫だと言うとお才は納得した。その夜、二人は寝ている三五郎に刃物を突き付け、侠客になるか親子で飢え死にするかの選択をさせた。すると彼は、飢え死にすることは満更捨てたものではないが、その死ぬまでの骨折りが何とも億劫だとして侠客になることに決めた。

翌朝、三五郎は江戸に向かって歩き出したはいいが、持ち合わせがないので茶屋に寄っては水を注文して腹を満たした。そうこうするうちに江戸へ到着。太鼓橋近くにある茶屋へ腰を下ろしまたもや水を注文すると、橋のど真ん中で長兵衛の一の子分・唐犬権兵衛と旗本白柄組・阿部四郎五郎による喧嘩が始まった。お互いが刀を抜いてにらみ合う中、そこを通りかかった沢庵禅師が割って入り、ここは天下の往来だから通行人に迷惑だと言った。そして斬り合えばどちらかが死ぬから、素通り出来ない坊主にとっても迷惑だとも言って双方に刀を納めさせた。権兵衛のかっこよさに惚れ込んだ三五郎は、彼の十八番目の子分・出鱈目の半二から一人前の侠客として名を挙げるには人の噂になるような派手なことをしなければならないことを聞き、辻斬りに挑戦してみることにした。その夜、橋の陰で人が来るのを待っていた三五郎は、足音が聞こえたと同時に飛び出した。だがそれが昼間に見かけた権兵衛だと知ると足が震えた。彼は言い訳がましくことの次第を説明すると、お前気は確かかと権兵衛は呆れた。さらに呆れたのは鞘から抜いた長脇差だった。父から貰ったその剣は真っ赤に錆びて、一度抜くと簡単には鞘に収まらないという代物だった。お前みたいな奴に拘るのはごめんだと権兵衛は銭を渡して返そうとしたが、三五郎はどうしても勝負をしろと聞かなかったため一喝すると三五郎は腰を抜かして動けなくなった。その持ち前の愛嬌に惚れ込んだ権兵衛は兄弟分になることを認め、赤鰯の三五郎という名を与えた。

屋台的映画館

キングコングの逆襲

  • posted at:2016-03-04
  • written by:砂月(すなつき)
きんぐこんぐのぎゃくしゅう
東宝
配給:東宝
製作年:1967年
公開日:1967年7月22日 併映「長篇怪獣映画 ウルトラマン」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:馬渕薫
テクニカル・アドバイザー:アーサー・ランキン
撮影:小泉一
美術:北猛夫
録音:吉沢昭一
照明:高島利雄
音楽:伊福部昭
整音:下永尚
監督助手:佐野健
編集:藤井良平
音響効果:西本定正
現像:東京現像所
製作担当者:坂本泰明
特殊技術・撮影:富岡素敬 真野田陽一
特殊技術・光学撮影:徳政義行
特殊技術・美術:井上泰幸
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・操演:中代文雄
特殊技術・監督助手:中野昭慶
特技監督:円谷英二
出演:宝田明 浜美枝 ローズ・リーズン リンダ・ミラー 天本英世
シネマスコープ カラー 104分

海底油田調査のためソロモン諸島東部に位置するモンド島付近を潜航していた国連科学委員会所属の原子力潜水艦・エクスプロアー号は、突然の海底岸壁崩落によりスクリューシャフトを損傷した。モンド島には大きな入江があることからそこで応急処置を行うことになったが、この島に上陸出来ることを心から喜んでいたのは野村次郎三佐と艦長のカール・ネルソン司令官だった。彼らは兼ねてよりこの島に住むと言われる身長20メートル程のコングを研究していたが、油田調査優先の今回はスケジュールに余裕がなく勝手な行動は許されなかったからだ。次郎とカール、そして二人の話に興味を持ちついてきた看護師のスーザン・ワトソンはホバークラフトで上陸したが、原住民に警告を受けたため話し合いを行うことにした。集落を目指して険しい山を登る彼らはスーザンを残して来たことを後悔した。森の中からゴロザウルスが現れスーザンを背後から襲ったのだ。彼女の悲鳴は次郎たちに届いたが、山の上ではどうしようもなかった。そのとき現れたのは、それを聞きつけたコングだった。コングはスーザンを右手で掴んで高い木の上に避難させるとゴロザウルスと格闘を始めた。敏捷な動きを見せるゴロザウルスに対し、防戦一方のコングは一瞬の隙をついて首投げを決めるとパンチの応酬で勝負を決めた。勝利の雄叫びを挙げるコングは再びスーザンを右手で掴んでしげしげと眺めるが、降ろして欲しいと懇願する彼女の仕草に仕方なく従った。駆けつけたカールに抱き付くスーザンの姿を見たコングは嫉妬するが、息を吹き返したゴロザウルスが右足に噛みついたことでそれどころではなくなった。コングは再びゴロザウルスを押さえつけると両手で顎を引き裂き息の根を止めた。一方、ホバークラフトは騒動の間に脱出を試みたが、海上に出たところで大ウミヘビに襲われた。それに気づいたコングが投げた岩が大ウミヘビの頭に直撃してホバークラフトは沈没を免れたが、尾が船体に当たり安定装置が故障した。コングが海に入って大ウミヘビと格闘を始めると、カールはその時間を使って修理を行いエクスプロアー号に戻った。だがシャフトの修理はまだ完成しておらず、準備を急がせているうちに戦い終えたコングが近づいてきて船体を揺らし始めたのだ。対応に頭を痛めるカールにスーザンはコングを説得する役目を自ら志願した。

究極の核兵器素材となる「エレメントX」を必要とする某国は、工作員マダム・ピラニアを天才科学者のドクター・フーに接触させ、調査等の見返りとして掘削に使用するロボットを研究、開発する費用を全額負担する契約を行った。その結果、北極の地下にその放射性物質が大量に眠っていることを突き止め、ドクター・フーは完成させたロボット怪獣をテストを兼ねて始動することにした。カールと次郎が生物学や解剖学に基づきキングコングと同等の能力を持つロボット版キングコングとして作成した資料を何らかの方法で手に入れ、実体化したのがこの「メカニコング」だった。だが鉱脈に差し掛かると強力な磁気を浴びて機能を停止した。

屋台的映画館

喜劇 怪談旅行

  • posted at:2016-02-08
  • written by:砂月(すなつき)
きげきかいだんりょこう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1972年
公開日:1972年6月10日 併映「喜劇 社長さん」
監督:瀬川昌治
製作:島津清
原作:舟橋和郎
脚本:舟橋和郎 瀬川昌治
撮影:丸山恵司
美術:熊谷正雄
音楽:大森盛太郎
録音:田中俊夫
調音:松本隆司
照明:三浦礼
編集:太田和夫
監督助手:増田彬
装置:石渡敬之助
装飾:磯崎昇
進行:玉生久宗
衣裳:東京衣裳
現像:東京現像所
製作主任:峰順一
協力:南紀・太地町 南紀・川湯温泉 南紀・湯峰温泉 熊野交通株式会社 吉野熊野観光株式会社
出演:フランキー堺 森田健作 日色ともゑ 野川由美子 川崎あかね
アメリカンビスタ カラー 92分

国鉄紀伊本線の太地駅に新駅長が赴任することになっているのを駅員の坂口庄作は心待ちにしていた。新駅長の大和田信平は庄作の後輩で、おっちょこちょいなのにクソ真面目という彼を叱りつけて立派に育てたという自負があるからだ。ところが予定の列車で着くと連絡を受けたにも拘らず姿を見せないことから、庄平は息子で駅員の大介にあいつはつまらん男だと陰口を叩いていた。すると既に到着し構内のチェックをしていた信平の耳に入り駅長に向かってなんだと怒鳴りつけた。その後、駅員を集めて挨拶を行い、当駅の責任者である私がビシビシやるからそのつもりでいるようにと訓示した。

その夜、庄平は勤務が終わると新公舎が完成するまでの間、国鉄が一時的に借り上げた一軒家に信平を案内した。そこは尼寺に隣接する墓地の裏手にあり、その家に住んでいた後家が首を吊って死んだといういわく付きの物件だった。庄平は見た目にもあばら屋なこの一戸建てを風雅なのにガス、水道完備、バス、トイレ付で格安の家賃だと大事なことは伏せて説明した。さらに尼寺の風呂場が覗ける仕掛けがあるというと、信平は不謹慎だと一喝した。信平には最愛の妻・うめ子がいたが、おととしの10月に子宮外妊娠で眠るようにこの世を去った。自分にも責任を感じていた彼はそれ以来、女性のことを考えることを禁じたのだった。頑固で威張り腐る駅長を快く思っていなかった庄平は、弱みを握るために歓迎会のあとで芸者をお持ち帰りさせたのだが、信平は一方的に拒み続けて叩き出した。だが隣の物干しから尼僧の下着が風に吹かれて飛んできたことから煩悩が顔を出し、風呂場を覗くことにした。その様子を微笑みながら見ていたのは信平のことが心配で成仏出来ないうめ子だった。はけ口を求める彼の苦しみを知るうめ子は浮気を薦めるが、信平は君以外の女性に魅力を感じることはないから絶対にしないと言った。彼女は以前から何事かあると信平の前に姿を現すことから気が抜けなかったのだ。

翌朝、出掛けに会った挨拶された尼僧に裸の姿をダブらせた信平は、煩悩を振り切るためにさらに業務に力を入れた。団体旅行の営業に力を入れている彼はまず漁業組合に出向き、組合長に話を聞いてもらうことにした。だが組合長は肝心の漁師たちが遠洋漁業に出ているためそれは無理だと答えた。それを聞いた信平は、留守を預かる忙しい妻たちを集めて近距離の南紀巡りを計画すればいいと提案したのだが、横で作業をする海女たちの肌が気になってうまく説明することが出来なかった。気を取り直した彼は海女として働く妻たちへの勧誘と、大介の恋人の岡村ちづに駅留めの小包が届いていることを伝えるために海女小屋に向かったのだが、着替え中の女たちの姿を見てまた煩悩が暴れ出すのだった。

屋台的映画館

キングコング対ゴジラ

  • posted at:2015-12-11
  • written by:砂月(すなつき)
きんぐこんぐたいごじら
東宝
配給:東宝
製作年:1962年
公開日:1962年8月11日 併映「私と私」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:北猛夫 安倍輝明
録音:藤好昌生
照明:高島利雄
音楽:伊福部昭
整音:下永尚
監督助手:梶田興治
編集:兼子玲子
音響効果:西本定正
現像:東京現像所
製作担当者:中村茂
特殊技術・撮影:有川貞昌 富岡素敬
特殊技術・光学撮影:幸隆生 真野田幸雄
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・制作担当者:成田貫
特技監督:円谷英二
出演:高島忠夫 佐原健二 藤木悠 有島一郎 田崎潤
シネマスコープ カラー 97分

パシフィック製薬の多胡宣伝部長は頭を痛めていた。広告を提供しているTTVのテレビ番組「世界驚異シリーズ」の視聴率が不振にあえぎ、社長から電話で怒鳴りつけられたからだ。ソロモン群島での野性薬草の調査旅行から戻った薬学博士の牧岡から興味深い話を聞いた多胡は、番組ディレクターの古江金三郎に話を持ち掛けた。すると古江は飛び上がって喜び、カメラマンの桜井修とともに取材にやってきたのだ。ファロ島付近の海域に大異変が起こりつつあるのは目覚めた巨大なる魔神のせいだとする原住民の説に桜井は不信感を持っていたが、多胡は真説であり視聴率引き上げの決定打だと言って譲らなかった。ライバル企業・セントラル製薬がQTVを通じて国連所属原子力潜水艦シーホーク号の海底探検シリーズを企画しているという情報があるため、何としてでもこの勝負に勝たなければならなかったのだ。そこで多胡は海外大取材班派遣に対する全面的なバックアップを行うことにした。

北極海では水温が摂氏18度まで上昇する現象が起きており、国連が派遣した科学者を乗せたシーホーク号が急航した。乗員がチェレンコフ光を発する氷山を前方に見つけ、そこにガイガー反応があることから潜航して調査を行っていたが、突然崩れてきた氷塊に押し潰されて航行不能となった。そして氷山から現れた巨大な生物が吐く熱線に焼かれた。その頃、パシフィック製薬では海外取材班出発祝賀会が盛大に行われていた。各メディアから注目されることに多胡はご満悦だったが、会見と同時刻に重大発表が行われたため新聞記者が一人もいなかった。多胡はそれを知ると歯ぎしりした。

日本を出港した貨物船は無事フェロー島に到着した。大取材班と行ってもメンバーは桜井と古江だけ。二人の頼みの綱は通訳のコンノだった。酋長と対面するとコンノは必死になって通訳したが、彼は頑として上陸を許可しなかった。しびれを切らした桜井はトランジスターラジオを差し出し、日本語とジェスチャーを交えてお土産だと説明した。そしてスイッチが入り音楽が鳴り出すと酋長はそれをとても気に入り、あっさりと上陸を許可した。そして条件として魔神に食い殺されても責任は負わないと言った。やがて空が曇ると雷鳴が轟き稲妻が走った。すると島民たちは魔神の怒りを鎮めるための儀式を始めたのだ。桜井は原子古代の考え方であれば魔神が雷であってもおかしくないと震える古江に説明して納得させたが、獣の咆哮が聞こえると二人でへたり込んだ。

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