バンダイビジュアル=東北新社
配給:松竹
製作年:1993年
公開日:1993年8月7日
監督:押井守
エグゼクティブ・プロデューサー:山科誠 植村徹
プロデューサー:鵜之沢伸 濱渡剛 石川光久
原作:ヘッドギア
脚本:伊藤和典
キャラクターデザイン:高田明美 ゆうきまさみ
メカニックデザイン:出渕裕 河森正治 カトキハジメ
演出:西久保利彦
作画:黄瀬和哉
撮影:高橋明彦
美術:小倉宏昌
色彩設計:遊佐久美子
レイアウト:渡部隆 今敏 竹内敦志 水村良男 荒川真嗣
音楽:川井憲次
録音:浅梨なおこ
編集:掛須秀一
声の出演:冨永みーな 古川登志夫 大林隆之介 榊原良子 池水通洋
アメリカンビスタ カラー 113分
1999年、PKO部隊として東南アジアの某国に派遣されている陸上自衛隊レイバー小隊は、巡回後に現地の反政府部隊と接触した。交戦の意思がないことを示しての撤退を試みたが、三機の97式改のうち一機が地雷原で走行装置を破損したことで足止めを食ったのだ。そこに現れた戦闘車両が攻撃準備を進めていたことから指揮官の柘植行人は発砲の許可を申し出たが、本部の返事は「援軍が来るまで待機せよ」。その後、一方的に攻撃を受けて小隊は壊滅した。降り続く雨の中、命拾いをして残骸から抜け出した柘植は何処かへ姿を消した。
2002年、篠原重工八王子工場では警視庁警備部特車二課所属の警察用汎用人型作業機械(レイバー)に搭載される新視覚システムのテストが行われていた。それは従来の有視界に頼った操縦による動きを、より人間の動作や感覚に近いものにするためのものだった。テストパイロットに選ばれたのは特車二課から装備開発課へ転属となり篠原重工への出向を命じられた泉野明巡査で、篠原重工の御曹司でありながら野明と同じく出向扱いとなっている篠原遊馬巡査が調整室からサポートを行った。彼女が選ばれた理由は98式AV(イングラム)を長い期間担当していたからだったが、テスト用のレイバー2式(ヴァリアント)には機械との感覚の共有が実現した瞬間の高揚が感じられず愛着を持てなかった。その結果、集中力を保てないことで思うような成績を残すことが出来なかった。
横浜で行われた警備部主催の連絡会議で講演を行った南雲しのぶは夕方の帰宅ラッシュに捕まっていた。その日のテーマは最近のレイバー犯罪の傾向で、首都圏湾岸開発計画「バビロンプロジェクト」完成後、関東に集中していたレイバーが地方に拡散したことでレイバー犯罪やトラブルもそれに比例していた。そのことから大阪府警、神奈川県警で昨年レイバー隊を新設、さらに愛知県警、宮城県警、千葉県警の交通機動隊でも設置の検討が行われていた。しのぶが所属する特車二課は本年度中に改編されることになっており、階級が警部補から警部に昇進したことと、小隊長を兼務しながらの課長代理ということで多忙の日々を送っていた。その日から第一小隊が待機任務となっていたが、改編でレイバーと離れた生活がくるのかもしれないとぼんやり考えていたのだった。横羽線に乗ったところで定時連絡を行ったところ、案の定渋滞に捕まった。するとしばらくして後方からサイレンの音が聞こえた。車列を跨いで通り過ぎる「ロードランナー」に交信を呼び掛けたところ、ベイブリッジ上に爆弾を仕掛けた車両が放置されていることがわかった。待つしかない。ゆっくりと流れる時間。すると突然轟音が鳴り響き静寂を破った。
屋台的映画館
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