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血を吸う薔薇

  • posted at:2016-09-06
  • written by:砂月(すなつき)
ちをすうばら
東宝映像
配給:東宝
製作年:1974年
公開日:1974年7月20日 併映「急げ!若者」
監督:山本迪夫
製作:田中文雄
脚本:小川英 武末勝
撮影:原一民
美術:藤谷和夫
録音:矢野口文雄
照明:森本正邦
音楽:真鍋理一郎
編集:池田美千子
合成:三瓶一信
スチール:石月美徳
監督助手:小栗康平
整音:東宝録音センター
効果:東宝効果集団
現像:東京現像所
製作担当者:広川恭
出演:黒沢年男 田中邦衛 佐々木勝彦 岸田森 望月真理子
シネマスコープ カラー 83分

聖明学園で心理学を教えるためにやってきた白木は甲斐小泉駅に降り立った。人気がないことから乗車券を専用の箱に入れて通り抜けようとしたが、駅員室のカーテンの隙間から駅長が顔を覗かせていたことから聖明学園のことを尋ねてみることにした。だがバスはあるが夜まで出ないよとそっけなく答えてカーテンを閉めてしまった。白木は仕方なく外でバスを待つことにしたが、そこにやってきたのは学園からの迎えの車だった。運転手を務めていたのは学長助手の吉井教授で、退屈な長い時間を白木は他愛のない会話で潰すことにしたが、やがて奇妙な光景が目に飛び込んできた。事故車がそのままの状態で放置されていたのだ。そのことについて尋ねると、二日前に酔っ払い運転のトラックを避けようとして事故を起こしたと吉井は言った。運転手、同乗者ともに即死だったが、その同乗者が学長夫人だったと聞いてぞっとした。しばらくして学園に到着すると、白木は学長宅に案内された。出迎える学長に彼はお参りさせてほしいと願い出たが、ほんの少し前に地下室で夫人の仮埋葬を済ませたばかりだと言った。この土地の古い習慣で、通夜を終えて荼毘に付す前に再び蘇るかもしれないという願いを込めて七日間遺体を安置しておくのだという。それを聞いて寮に戻ろうとした白木に学長は今夜ここへ泊ってもらうと言った。学長はブランデーを注ぎながらこの学園について話し、就任の乾杯をした。そして次期学長に考えていると話すと、僕にはそんな資格がないと白木は答えた。すると学長は、私には長年の持病があって学園にほとんど出られないことから後継者となる人物を探していたと言った。そして今夜この屋敷に泊まるのは、君という人物をよく知っておきたいからだと続けた。戸惑う白木に学長はブランデーのお代わりを勧めた。

深夜、黄色い薔薇が飾られた屋敷の一室に泊まった白木は、何処からともなく聞こえてくる女性の歌声で目覚めた。窓を叩く風の音ではないことを確かめるとその声の在り処を求めて部屋を出た。廊下を進んで行くとその先にそれらしき部屋があり、扉を開けると無残にひび割れた鏡が彼の顔を映した。さらに奥へ進むと窓際にネグリジェを着た女性が背を向けて立っていた。振り向いたその女性が胸から血を流していたことから近づいて話しかけたが、牙をむいた別の女性が彼の背後から現れ掴みかかられた。驚いて部屋を飛び出した白木だったが、廊下で挟み撃ちに遭い頭を殴られて気を失った。鳥の声で目覚めた彼は、ベッドから起き上がると頭痛に耐えながらあの部屋へ向かった。だが昨夜と様子が違うことで夢だったと思いこむことにしたが、牙をむいたあの女性に見覚えがあった。そこで暖炉の部屋に飾られた肖像画をもう一度見直すことにし、確信した。あれは間違いなく学長夫人だったのだ。もしそうであれば安置されている夫人の遺体はないはずだ。そう考えた白木は地下室に降りて確認することにした。

屋台的映画館
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ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

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