松竹
配給:松竹=富士映画
製作年:1977年
公開日:1977年10月29日
監督:野村芳太郎
製作:野村芳太郎 杉崎重美 織田明
原作:横溝正史
脚本:橋本忍
撮影:川又昻
美術:森田郷平
音楽:芥川也寸志
録音:山本忠彦
調音:吉田庄太郎
照明:小林松太郎
編集:太田和夫
スチール:小尾健彦
効果:東洋音響
監督助手:大嶺俊順
製作主任:吉岡博史
装置:川添善治
美粧:三岡洋一 小林成吉
装飾:磯崎昇
進行:福山正幸
イマジニスト:山口はるみ
特殊メーク:マキシーン・坂田
殺陣:菊地剣友会
スタントマン:JAC
方言指導:日笠潤三
神楽曲:小泉文夫
振付:花柳滝蔵
時代考証:柳生悦子
備中神楽:成羽社中
動画:東京アニメーションフイルム
かつら:八木かづら店
現像:東洋現像所
衣裳:松竹衣裳
監督助手:伊藤聚 鈴木敏夫 松原信吾
撮影助手:坂巻佐平 木村隆治 今村正雄 松田光弘
録音助手:鈴木正男 田中進
照明助手:若林広三 山下孝充 田代保 藤田繁夫 高橋義男 市橋重保
編集助手:中西正義 渡辺松男
美術助手:浦山芳郎
装置助手:山田与四郎 石川鎮男
装飾助手:鈴木章司
衣裳:鈴木康之 原島正男
製作進行助手:鞠子政已
製作助手:斉藤守恒
協力:日本航空 AGS空港グランドサービス
サントラ盤:ビクターレコード
衣裳協力:ぎんざ新松
撮影協力:岡山県・満奇洞 山口県・秋芳洞 景清洞 大正洞 岩手県・滝観洞 高知県・龍河洞 沖永良部島・水連洞 昇竜洞
出演:萩原健一 小川真由美 山崎努 山本陽子 市原悦子
アメリカンビスタ カラー 151分
羽田空港で航空機誘導員として働く寺田辰弥は、上司から新聞に尋ね人として載っていることを聞き、連絡先となっている大阪市東区の諏訪法律事務所を訪ねることにした。事務所では奥のソファーで老人が見守る中、諏訪弁護士が辰弥に対し生い立ちなどの質問を矢継ぎ早に行い、最後に裸になるように言った。背中に大きな火傷の痕があったことで本人と断定すると、諏訪は辰弥に老人を紹介した。彼は辰弥の母方の祖父・井川丑松で、生まれ故郷である岡山県の村に戻ってもらうために迎えに来たというのだ。諏訪が気を利かせて席を外すと、丑松はあまりのうれしさに嗚咽した。辰弥は落ち着かせようと老人をソファーに座らせたが、突然苦しみ始め血を吐いて死んだ。辰弥の身元引受人となったのは父方の親戚筋の未亡人・森美也子で、容疑が晴れた彼を北浜警察署で引き取ると丑松の家族に合わせることにした。これも何かの縁だと考えていた辰弥もそのつもりで、会社に一週間程の休暇を願い出ていた。
丑松は資産家である多治見家の使いで、美也子がその代役となったのは商用で神戸に来ていたことが理由だった。伯備線の備中神代駅で迎えの車に乗り換えると美也子は高台で停めさせ、辰弥に村の説明をした。彼らが向かう先は鳥取県との県境にある阿哲郡三田村で、一部を除くその一帯が多治見家の所有する山だった。そして2,3年前の町村合併で名前が変わる前までその地域は「八つ墓村」と呼ばれていた。車中で村には昔からのしきたりや習慣が残り、古い多治見家には腹違いのきょうだいがいることを美也子から聞くと、辰弥は子供の頃から一人で暮らしていたので今更義理のきょうだいと会ってもうまくやれる自信がないと言った。そもそもこの土地に住みつく気など最初からなく、葬式が終わったら東京に帰るつもりでいたからだ。辰弥は母・鶴子の連れ子で、彼が3、4歳の頃に再婚した。小学校三年生のときに鶴子が亡くなったことと、新しい母親に弟や妹が生まれたことで気まずさを感じるようになり、高校を卒業と同時に家を出たのだった。
多治見家に着いた辰弥を出迎えたのは長女の春代だった。彼女は二人を小竹と小梅の老姉妹に合わせると食事会を開いた。小竹は多治見家の当主で辰弥の兄に当たる久弥の具合が良くないことを伝え、小梅は春代が子宮筋腫で子供を産めなくなったために戻されたことを話した。頼りになるのはお前しかいないと言われたが、辰弥は返事を濁した。離れに通された彼は壁に掛けてあった龍の掛け軸を見てあることを思い出した。「龍のアギト」について美也子と春代に尋ねてみたが、鍾乳洞の名前かもしれないということしかわからなかった。そこは辰弥が産まれた場所だと鶴子に教えられていた。
屋台的映画館
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