東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年2月11日 併映「激殺!邪道拳」
監督:関本郁夫
企画:佐藤雅夫 上坂久和
脚本:田中陽造
撮影:塚越堅二
照明:若木得二
録音:格畑学
美術:森田和雄
編集:荒木健夫
音楽:青山八郎
助監督:平野勝司
記録:森村幸子
装置:三浦公久
装飾:柴田澄臣
背景:西村和比古
結髪:白鳥里子
美粧:田中利男
スチール:中山健司
演技事務:葛原隆康
衣裳:高安彦司
擬斗:菅原俊夫
進行主任:俵坂孝宏
出演:松田英子 渡辺とく子 ひろみ麻耶 風戸祐介 岩尾正隆
アメリカンビスタ カラー 82分
夜這いで武士の女房の相手をし小遣い稼ぎをする全次郎。男の武器を最大限に活かして勤めに励む彼だったが、ある夜御人払いをして誰もいないはずの屋敷に亭主が突然帰ってきた。縮み上がる程に驚いた全次郎は血相を変えて追い掛けてくるその亭主の刃から何とか逃れ、目の前にある屋敷の塀を乗り越えたのだ。そこは徳川三代様御部屋様の菩提所の寿命院だった。そうとは知らずに部屋に入ると、住職の法行が若くて美しい顔立ちの法円の体を求めていた。そこで彼は機転を利かし、目の前の出来事を口外しないことを条件にして坊主に成り済ますことにしたのだった。翌朝、人目を避けるために駕篭で仲間の住処に戻った全次郎は稼いだ金で買い込んだ酒や食べ物、そして女を盛大に振る舞った。この気風の良さに恋人のおこよは惚れ直すだろうと考えていたが当ては外れた。野望を抱く彼女は全次郎が小遣い稼ぎをしている間に二千石の旗本山岡に見初められ、そこの養女として大奥に仕えることになったのだった。おこよが手の届かないところへ行ったことで全次郎は男泣きした。
御手付中臈の粂村は将軍徳川家綱が新しい中臈の初瀬に溺れていることに怒り心頭だった。愛情が床上手な初瀬の方へ移ったことに嫉妬していたのだ。そこで彼女は御末の中から体つきが良く将来それに成り代わるような者を見つけ出そうとした。するとおこよは待ってましたとばかりに着物を脱いで白い肌を見せたのだ。粂村はそこを気に入り部屋子に指名した。
隙を見ては体を求めてくる法行を疎ましく思う法円に、寺に入り浸る全次郎はそんなに嫌なら殺しちまいなと言った。だがその気はあるものの決心を渋るため、全次郎が成り代わって息の根を止めることにした。深夜を狙って寝所に忍び込み濡れた紙で口を塞ごうとしたのだが、既のところで失敗した。ところが突然の地震で倒れた観音像に挟まれ法行は御陀仏となった。ある日、新しい寿命院の住職となった法円のもとに粂村が訪ねてきた。初瀬が身篭ったことで、その子供を呪い殺して欲しいと法円に頼みにきたのだ。だが彼には法行の様な力がないため、全次郎がその役を買って出ることにした。粂村御用達の荷箱に潜んで大奥に入った彼は、毒蛇を従えて初瀬専用の厠の下に身を隠した。悪臭に耐え忍び待つことしばらく、ついにそのときがやってきた。ところが見上げた先の美しい花弁に思わず見惚れ機会を逸したのだった。
屋台的映画館
PR