松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1977年
公開日:1977年8月6日 併映「坊ちゃん」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
殺陣:足立怜二郎
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 真野響子 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 99分
端午の節句が近づき故郷が恋しくなった車寅次郎は甥の満男のために小さな鯉のぼりを買って帰ってきた。ところがとらやの庭には大きな鯉のぼりが泳いでおり、それがわかるとへそを曲げることが目に見えていることから一家総出で隠そうとした。さくらたちが気を引きつけているうちに博が片付けようとしたのだが、とうとう見つかってしまった。がっかりした寅次郎は二階にある自分の部屋で休むことにした。ところが騒動はこれで終わらなかった。源公が犬を拾ってきたが、何故かとらやにばかりくるようになった。彼は親しみを込めて「トラ」と名付けたのだが、つねは寅次郎が帰ってきたらきっと怒るに違いないから「ポチ」にしようと提案した。ところがどうしても「トラ」という名前が思わず口から出てしまい、また寅次郎を怒らせることになってしまった。犬扱いされたと思い込んで腹を立てる彼に、それが悔しかったらもっと尊敬される人間になれと竜造は言った。そしてフラフラしているお前は野良犬同然だと言われショックを受けた寅次郎は店を出て行った。
四国八十八か所参りをするお遍路さんたちと同じ船に乗り合わせた寅次郎は伊予大洲の港で降りた。祭りでの商売を終え伊洲屋旅館に泊まった彼は暇を持て余し、女将と顔馴染みということもあって手伝いのようなことをしていた。彼は客の中に一人で泊まる若い女性がいることが気になった。その場合、訳ありである可能性が高いからだ。そこで夕食時に鮎の塩焼きをお裾分けした。お礼にきた彼女と短い会話を交わし、東京の堀切に住んでいることがわかると機会があったら帝釈天の近くにあるとらやに寅次郎から聞いたと言って寄りなさいと言った。
翌日、旅立つ女性に鮎の佃煮の手土産を持たせた寅次郎だったが、気風の良さとは正反対に財布の中はスッカラカンだった。高台のベンチで支払いをどうしようかと悩んでいると、なけなしの五百円札が風に吹かれて飛んで行った。慌てて追い掛けて行くと、天から降ってきたというその札を持った老人を出会った。寅次郎は礼を言い近くの売店でラムネを奢ったが、何故かその老人は時代劇口調だった。それはまるで殿様のようだった。
屋台的映画館
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